映画『感染列島』の概要:一人の男性の感染から列島中に拡大した未知なるウィルス。医者の松岡とWHOから派遣された小林はこの難問に立ち向かうことになる。瞬く間に広がる感染症に原因がわからないまま対処のしようがない2人は現在の医療機器を用いて必死に治療を試みる。しかし、次第に医療機器も不足していき、医者の間でも感染が見られ始めた。日本列島はどうなるのか。運命はこの2人の医者の手に託されている!
映画『感染列島』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:138分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:瀬々敬久
- キャスト:妻夫木聡、檀れい、国仲涼子、田中裕二、池脇千鶴 etc…
映画『感染列島』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『感染列島』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『感染列島』のあらすじを紹介します。
市立病院に勤める松岡はある日、風邪症状と思われる男性患者を診療した。
しかし、後日にその男性が急変し、体から出血して死亡してしまう。当初、新型の鳥インフルエンザと思われたその原因は、実際はこれまでに確認されていない未知なウィルスであった。
タミフルが効かない、原因がわからない、混乱が続く中で、国内の感染者は次々と増え日本列島中に拡大する。患者数が増える中で看病する病院職員にも疲労感が漂ってきていた。
次第に医療機器の不足が生じ、まだ生きている患者の呼吸器を外し、生命の維持が可能である患者に呼吸器をつけ直すという苦渋の選択をしなければならない状況に陥っていた。この未知なるウィルスの治療に自ら立候補した医者たちもこうした状況に精神が参り、次々とリタイヤしていく。
妻夫木はWHOから派遣された小林とともにこの難関に立ち向かうが原因が掴めない以上対処のしようがない。
その時、最初に松岡が治療した男性の患者と共に居た女性のことを思い出す。彼女は新型ウィルスに対して抗体を持っていたのだ。
彼女の話を聞くうちに、彼女の父が国外から帰国した際に様子がおかしかったことが判明する。ウィルスの原因を突き止めるために松岡は仁志と共に出国する。そこで2人が見たものとは!?
映画『感染列島』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『感染列島』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
名前のわりに・・・
設定としては、実際に発生しえる事柄なので面白そうだと思ったが、見終わった印象としてはとくに感動も心温まることもない作品であった。
まず、全体的に先が読める構成であること。そして、医療系ドラマでありがちなキャラクター設定というものがつまらない。
そして、ストーリーの流れも主人公が養鶏場に行ったり、感染原因を突き止めに海外に行ったり、1人の医者がここまでするのか?という違和感がある。
私が思うに、実際に国土全域に感染症が広がれば、まず第一に医者は感染症が発見された医療機関から出ることはできないであろう。
そして、国民に外出が許可されるまで屋内待機あるいは、外出禁止令が出るのではなかろうか。
物語の中盤で市民が食品を買い漁るシーンが出てくるが、そんな事態はとうの昔、鳥インフルだという勘違いでも感染症が発生した時点で起こるであろう事態であり、ウィルスが新型だからということでこういった混乱が発生するとは思えない。
いまは、世界の至るところでエボラ出血熱が確認される時代である。我々はそこまで感染症に対して違和感なく接していると言っても過言ではない。
もちろん、実際に感染症が確認された際の国民の騒動は想像だにできないが、この作品が描いている政府機関や国民像は抽象的であり、リアル感に欠けていると思う。
違和感のある町の風景画
CGを駆使して、荒廃した東京や大阪などの日本の都市を移すシーンがあるのであるが、なぜか道頓堀の端の上で車がひっくり返っていたり、全体的に埃っぽく描写されている。
違和感がありすぎる。
なぜ、車がひっくり返っているのか。そんな数日で街全体が埃っぽくなるのか。
想像力をふんだんに使えば、国民が都市部から逃げようとして、車を運転している時に他の車両と事故にあい、ひっくり返った・・・。それにしても、道頓堀でっておかしくない?という謎の描写である。
もしかしたら、何か他の映画やドラマで使われたワンシーンを再使用しているのかもと思わずにはいられない違和感のありすぎるシーンである。
コロナ禍を経験する前と今ではこの作品に対する見方が大きく変わったと思います。コロナが流行する以前に見た際には、やっぱりこういうテーマを邦画で描くのはシナリオも迫力もイマイチだなと感じ、感染症の原因を突き止めるための医師の行動もあまりリアリティを感じませんでした。
しかし、コロナ禍の今改めて鑑賞すると、やりすぎ感はあるものの未知のウイルスに対する人々の恐怖や、医療崩壊の様子など、実際に起こりうることだったのだと実感するでしょう。(女性 30代)
ある日突然大勢の人が亡くなる謎の感染症が流行り、医者の立場から感染症に向き合うという物語。徐々に感染していく医師や看護師、隔離しながらも患者を救おうと必死に立ち向かう姿は、映画ではあるもののコロナが流行っている今こんな感じなのだろうかと想像してしまう。病院近くの養鶏所で鳥インフルが検出され、この謎のウイルスもこの養鶏所のせいだと非難されてしまう。それによって自殺をしてしまうシーンは本当に心が苦しくなる。違和感のあるシーンも多いが、病院の葛藤や感染症によって家族を亡くす苦しみなど色々なことを再認識させられる映画だと思う。(女性 20代)
映画『感染列島』 まとめ
エボラ出血熱を思わせる、未知なる感染病が瞬く間に日本国内に広がっていく模様を描いているが、どう考えても主人公の2人が感染しないのはおかしいし、全体として本当に感染病が広がったらこんなもんじゃないでしょって思わせる作品であった。
まず、違和感を感じたのは医療系ドラマでありがちな慌てふためく同僚(メガネの男性医)の姿である。
確かに、患者が急に痙攣しながら出血したら驚くであろう。
しかし、これくらいの状況は医療現場で想定内であり、未知なるウィルスであったとしても冷静に対処するように訓練されているのではなかろうか。
また、政府機関でのやり取りや報道のシーンがあるが、日本国内の全土に感染している病気であるにもかかわらず、政府機関内が冷静すぎる。もしかしたら、報道に出ている者は残された者たちで首相や各省庁のトップは国外避難しているのではないかと思うほどである。
総じて、こういう日本沈没的な作品にありがちな流れ、先の見える作品でありほとんど印象に残らない残念な作品であった。
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