映画『僕等がいた 後篇』の概要:東京へ転校してしばらくは連絡があったのだが、急に連絡が途絶えていた矢野。彼からの連絡を待ち続けるナナミは大学へ進学し、卒業したのちに東京の企業に勤めていた。突然、高校からずっと一緒にいた竹内から、矢野が消息を絶った理由を聞かされ困惑するナナミであったが、竹内からプロポーズを受けて・・・。
映画『僕等がいた 後篇』 作品情報
- 製作年:2011年
- 上映時間:92分
- ジャンル:青春
- 監督:三木孝浩
- キャスト:生田斗真、吉高由里子、比嘉愛未、本仮屋ユイカ etc
映画『僕等がいた 後篇』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★☆☆
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映画『僕等がいた 後篇』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『僕等がいた 後篇』のあらすじを紹介します。
ナナミは大学へ進学し、就職活動の真っ只中であった。
東京へ転校した矢野とは、突然連絡が途絶えたまま音信不通。
連絡をとりたい思いはあるものの、その術もなくナナミはひたすら矢野からの連絡を待ち続けた。
ナナミは矢野が消息を絶った理由を知らない。
しかし、ずっと一緒にいた同級生の竹内はその理由を知っていたのだ。
ある日、竹内の前に現れた矢野はずいぶん憔悴しきっている様子であった。
矢野の実の母親と、父と再婚した女性が矢野を巡って争っていたのだ。
一緒に暮らしていた母親は精神的におかしくなり、矢野の父である元夫と同じように矢野もあの女性に奪われるのではないかと矢野を部屋に閉じ込めてしまう。
異常な状態の母親を最初は支え続けていた矢野であったが、見るに耐えかねて部屋を逃げ出した途端に、母親はアパートから飛び降り自殺を図る。
自分が母親を殺したと責める矢野は、ナナミの幸せを願う一方で、札幌で偶然に再開したユリのそばに居ることを決断する。
竹内にはナナミの将来を託して連絡を絶ったのであった。
この話を突然、竹内から聞かされたナナミは急いで札幌に向かおうとする。
そこで、偶然にも空港の中で矢野と再開するのであるが・・・。
映画『僕等がいた 後篇』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『僕等がいた 後篇』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
前半に引き続きトラブルの耐えない恋愛
高校生の青春ラブストーリーにしては、かなり問題の多い作品である。
今回の後編では、矢野の家族を中心にトラブルに見舞われて矢野の気分が持ち上がることのないままユリと再開して泥沼にはまっていくあたりが、とてももどかしくなる。
本当にナナミのことが大切なら「自分のそばにいて」と言った方が、どれほどナナミも嬉しいだろうか。
音信不通にし、逆に心配をかけるという選択をした矢野は相当精神的に参っていたのだろう。
それにしても、タイミングよく現れるユリの存在は「ああ、コミックらしいな」と思わざるをを得ない。
ここまで主人公を追い詰めなくてもいいんではないかと思えるほど、ユリの存在によって矢野がさらに心を閉じていく姿は見ているこっちまで気分が沈んでくる。
もし、矢野のような状況に置かれたとしたら、気分が落ちていく自分をさらに落とす行動をとるのだろうか?
精神が究極に参ってしまうと、自分で自分の首を絞めつけてしまっているという状況にさえ気づけないのかもしれないと感じた。
竹内そしてアキコの存在
後編で重要な鍵を握っているのは、ナナミのそばに居続けた竹内とナナミの同僚のアキコである。
この2人はいづれも矢野の消息をナナミに伝えており、ナナミと矢野を引き合わせるキューピットである。
竹内はナナミのことが好きでありながらも、ナナミの幸せを願うがために矢野のことを話し、正々堂々とプロポーズを申し込む。なんとも男気のある男性だ。
ユリのそばに居続けて、闇から抜け出せない矢野に比べればたいした男性であるが、ナナミはやはり矢野を選ぶあたりがとても切なくなる。
アキコは矢野の転校先での同級生であるが、ナナミ・竹内・矢野の関係にはとくに踏み込まない。彼女はあくまでも彼らを見守り、サポートする役回りである。とても知性にあふれ、おっとりしているナナミとは対照的なキャラクターなので作品中でも登場シーンは少ないがとても印象的な登場人物である。
映画『僕等がいた 後篇』 まとめ
前編に続いてようやくハッピーエンドになった。
原作自体がとてもとてもトラブルが耐えないストーリーなので、いつ2人が幸せになるのかヤキモキするのであるが、後編でようやく幸せな2人の姿を見ることができてホッとした。
この作品、なんと言っても魅力はキャスティングの素晴らしさである!
ナナミの無垢な可愛さを見事に表現した吉高由里子、矢野のイケメンで可愛らしい笑顔にマッチしている生田斗真。
この2人が時間の経過とともに高校生から大人へと成長していくのであるが、吉高は喋り方から身振りも高校生らしさを表現していてとても可愛らしかった。また、高校生時代から心の闇を抱える矢野役を演じた生田は大人になって、さらに心の闇が深まった矢野の姿を見事に演じている。この2人の名演技は必見である!
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- 僕等がいた 前篇 前作
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