この記事では、映画『フォーガットン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『フォーガットン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『フォーガットン』の作品情報
上映時間:92分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:ジョセフ・ルーベン
キャスト:ジュリアン・ムーア、ドミニク・ウェスト、ゲイリー・シニーズ、アルフレ・ウッダード etc
映画『フォーガットン』の登場人物(キャスト)
- テリー・パレッタ(ジュリアン・ムーア)
- 愛する息子サムを航空機事故で亡くした女性。愛情深いために死んだ息子を忘れられずにいる。自分の信念を貫き、息子の生存を信じて行動する。
- アッシュ・コレル(ドミニク・ウェスト)
- 娘ローレンをテリーの息子と同じ航空機事故で亡くした男性。妻とは別れ1人で娘を育てていたが、ローレンを亡くした後は酒に溺れ自堕落な生活を送っている。
- ジャック・マンス(ゲイリー・シニーズ)
- テリーが通う精神科の医師。彼らの存在を知る数少ない人間。脅威を良く知っているため、抗うことをせず傍観に徹している。
- ジム・パレッタ(アンソニー・エドワーズ)
- テリーの夫。息子を失ったことで心を病んだ妻を見守ってきたが、逸早く彼らに記憶を消される。その後は妻であったテリーのことも忘れさせられてしまう。
- アンナ・ポープ(アルフレ・ウッダード)
- 刑事。ジムにテリーの話を聞き、不審な点に気付く。テリーとアッシュの足取りを追い、彼らが話すことを信じるようになる。
映画『フォーガットン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『フォーガットン』のあらすじ【起】
約1年前、愛する息子サムを航空機事故で亡くしたテリー・パレッタは、深い喪失に苛まれ精神科へ通っていた。彼女は息子との思い出ばかりを脳裏に浮かべては、悲しみに浸る日々を送っていたが、ある夜から自宅の写真が夫婦だけのものになり、アルバムやビデオテープさなど、サムの記録の一切が忽然と姿を消してしまう。更に夫ジムからはそもそも、息子などいなかったと言われ混乱に陥る。
ジムはテリーを連れてかかりつけの精神科医師ジャック・マンスの元を訪れるが、ジャック曰く、サムとの9年間はテリー自身が作り出した架空の存在だと言う。それが消えたのなら治療が効いて回復してきた証だと言うのだった。
そんな話を到底、信じられないテリー。彼女は図書館へ向かい、証拠となるはずの航空機事故の記事を探した。だが、その記事すらも見つからない。
次に彼女は、かつてのベビーシッターの元を訪れるが、相手もサムのことを知らないと言う。テリーは逃げるように同じ航空機事故で娘ローレンを亡くしたアッシュの元へ向かった。
しかし、アッシュも娘のことを覚えておらず、サムのことも知らないと言うのである。

映画『フォーガットン』のあらすじ【承】
アッシュはローレンを失ってから酒に溺れる日々を送っていた。彼はその夜も酒を飲み、テリーを置いて休んでしまう。テリーは彼の部屋を見回し、壁に傷痕を発見。その傷から壁紙を剥がし、ローレンが描いた落書きを見つけるのだった。
翌朝、アッシュにそれを見せ必死の説得を試みたテリー。だが、残念なことにアッシュの記憶は戻らず通報された挙句、警察に逮捕されてしまう。
アパートから連れ出されたテリーは、国家安全保障局を名乗る男達へと引き渡される。
テリーが部屋を去った後、再び壁紙が剥がされた部屋へ向かったアッシュ。彼はそこで、ようやく娘ローレンのことを思い出し、急いでテリーを引き止めに向かった。そして、アッシュは思い出したとテリーへ叫び、彼女を保障局の車から逃がしてくれるのであった。
人影が無くなった深夜、テリーは以前もアッシュと会ったことがある公園へ向かう。そこで合流した2人は、存在すらも人の記憶から全て消し去ることが、果たして国家や人間にできるものかと疑問に思う。それも、一夜にして全てが変わってしまうほどの大規模なものだ。普通に考えたら到底、できるはずもない。だとすると、これは人間以外の仕業である。
とにかく、移動しなければ追手に見つかってしまうため、2人は車に乗って移動を開始。しかし、安心したのも束の間、安全保障局の車が突っ込んで来て、2人を捕まえようとする。逃走の末、草むらに身を潜めることで、追手から逃れることに成功した。
徒歩で辿り着いたモーテルで、夜を明かしたアッシュとテリー。翌朝、テリーは思考を巡らせてあることに気付く。子供達が死んだのに、どうして親の記憶を消す必要があるのか。それは、子供達がまだ生きているからではないか。彼女はアッシュにそのことを話した。
映画『フォーガットン』のあらすじ【転】
新たに車を入手し、移動しようとした2人だったが、彼らの前に男が立ち塞がる。背後の退路も塞がれたアッシュは、決断を迫られ男を轢いて脱出することにした。
男の相貌に見覚えがあると感じたテリー。そこへ彼女の携帯に刑事のアン・ポープから着信が入る。実は夫のジムがテリーの捜索をアンに依頼。刑事はジムから話を聞き、心を病んで騒ぎを起こした女性に、なぜ国家安全保障局が関わってくるのかと不審に思うのだった。
夫ジムに会い、サムのことを思い出すよう呼びかけたらどうかとアッシュが言うため、ジムの元へ向かったテリー。だが、ジムは息子のことばかりではなく、テリーと結婚したことすら覚えていなかった。再び追手が迫って来たため、急いで逃げ出した2人。
一方、テリーから聞き込みを行い、2人が人を轢いた現場へ向かったアン。店員から話を聞くと、車に轢かれた男に出血や傷は見当たらず、何事もなかったように立ち上がったと言う。そこへ、安全保障局の男達が現れ捜査を止めろと刑事に忠告。だが、アンは気丈にも引き下がらず、捜査は続けると宣言しその場を去るのであった。
山奥の山荘に身を潜めたテリーとアッシュ。だが、アッシュは大切な愛娘を忘れていたことを悔やみ、飲酒をやめることができない。テリーはそんな彼を説得。彼女の言葉にアッシュは酒を断つことを決める。
同じ頃、仕事を終え帰宅しようとしていたアン刑事の前に、ジャックが姿を現す。彼は心を病んだテリーに逸早く対処するには、自分が必要だろうと刑事を説得し捜査に加えてもらうことになった。
深夜、物音に気付いたアッシュは捜査官の捕縛に成功する。テリーとアッシュは捜査官に詰め寄り、事の次第を聞き出した。今現在、どうやら地球上では大規模な実験が行われているらしい。子供を奪い記憶を操作するのは、その実験の一端だと言う。だが突如、コテージの天井を突き破り、何者かが捜査官だけを連れて行ってしまったため、それ以上のことは知り得なかった。これで、これまでのことが人間の仕業でないことが判明する。
映画『フォーガットン』の結末・ラスト(ネタバレ)
一夜明け、テリーとアッシュの足跡を追って、ほぼ全壊したコテージに辿り着いたアン刑事。そこには、割れずに残った窓ガラスにメッセージが残されていた。更に現場には保障局捜査官のIDが残されていたが、死体は見つかっていない。アン刑事は報告を聞いて、やはりどこかおかしいと感じるのであった。
車で逃走中、サムの記憶を振り返ったテリー。子供達が乗った飛行機の航空会社を思い出す。2人は早速、航空会社の事務所を訪れるも、中には会計士がたった1人だけいて倒産後の事務処理をしていた。テリーは会計士から会社社長の住所を上手く聞き出す。その後、住所の家へ向かったが、そこは大分前から空き家だった様子。
その日は空き家へ一泊。翌朝、テリーはまたも記憶を振り返り、車で轢いた男があの場にいたことを思い出す。同じ頃、家の写真から男の姿を発見したアッシュ。2人は追手の気配を感じ、急いで逃げることにした。だが、そこへジャックを伴ったアン刑事が到着。アッシュはテリーを先に逃がすことにして1人残った。しかし、そこへ例の男が登場。刑事は男を銃撃するも、なぜか攻撃が全く通じない。
アッシュは刑事の車に残っていたジャックを伴って、テリーとの待ち合わせである自分のアパートへ向かった。
同じ頃、車にて逃げようとしていたテリーだったが、タイヤが泥に嵌ってタイムロス。そこへ、アン刑事が現れテリーの言うことを信じると言う。だが、彼女は突如、吹っ飛ばされ驚異的な早さで空の彼方へと連れ去られた。
テリーは急いでアッシュのアパートへ。無事に彼と合流を果たすも、そこへ男が現れる。アッシュはテリーを逃がすために男と一緒に窓から飛び降りた。すると、アッシュも空の彼方へ連れ去られ、男はまたも姿を消してしまう。
茫然とするテリーだったが、待機していたジャックに促され車へと乗り込む。そうして、事の発端となった飛行場へ向かうことにした。
飛行場では例の男が待っていた。そこで、ジャックは実験の中止を頼むも、男は頑なに実験を続行させると言う。どうやらジャックは、彼らを知る数少ない人間らしい。テリーは息子の返還を必死に言い募るが、聞き入れてもらえなかった。
男は母と子の絆について実験していた。それは非常に強い繋がりであることを知っていたが、理解ができない。彼はまず、親と子の絆を断ち切ることにした。その実験は見事に成功するも、なぜかテリーだけ断ち切ることができない。男は実験の責任者として、テリーに息子の存在を忘れさせることに躍起となった。失敗すれば責任を取らされるからだ。
男は逃げるテリーを拘束し、息子が産まれる瞬間の記憶まで遡り記憶を消した。だが、テリーは妊娠期間中のことを思い出し、やはりサムの存在を思い出してしまう。そのせいで男は責任を取らされ、空の彼方へと連れ去られるのだった。
その後、急いで自宅へ戻ったテリー。近くの公園でサムの姿を無事に見つける。ローレンも無事だった。ということは、アッシュも無事に戻っているはずである。ブランコのところにいたアッシュに声をかけたテリー。彼は彼女のことを覚えていなかったが、テリーはアッシュとの関係を新たに始めるのであった。
映画『フォーガットン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
作品のテーマとしては、子供への愛情にあたるだろうが、それに対する回想シーンなどがないため、いまいち入ってこないというのが正直な所ではある。また、自分以外周りの人間が、子供の記憶だけ消されてしまっているという設定はかなり風呂敷を広げすぎた感があり、記憶を操作している男の存在がそもそも何者なのかなどもあまり触れていないため、憶測めいた感想が生まれるばかりである。パーツパーツは面白いが、全体的に非常にもったいない印象をうけた。(男性 30代)
ズバーン。という大きな音を立てて人が宙に吸い込まれていくシーンが好きでお気に入りの映画ではあるが、世間の評価はあまり芳しくない。どうやらこの映画を面白いと感じるのは少数派のようだ。設定が壮大な割にはストーリーはミニマムでしか進行しないし、主人公が何かするわけでもないので爽快感もない、しかし、あの人が吸い込まれるシーンはこの映画でしか見られない表現なので、そこが面白いと思うのだけど。(男性 30代)
亡くなった息子の存在がある日、忽然と消えるという事象から予想外の展開に至るストーリー。個人的には嫌いじゃない作品なのだが、ヒロインの頑固さが驚異的という面において強く印象に残っている。母強しの一言に尽きると言うか、そこまで頑固にも忘れないという愛情の深さにむしろ驚く。そして、後半以降謎が明かされていくのだが、結果的に実験を行っている存在自体は明かされることがなく、何となく地球外生命体の仕業かしら…と想像する範囲に留まるので、すっきりしない感じはある。ただ、ヒロイン的には息子が戻って来てハッピーエンドとなるため、ストーリーとしては成立していると思う。(女性 40代)
記憶を失ったのは自分ではなく、周囲の人間だった―という設定にまず驚かされました。ジュリアン・ムーア演じる母親が、自分の子どもが“存在していた”ことを信じ続ける姿が痛々しくも強く、観ていて胸が締めつけられます。中盤からのSF的展開には好みが分かれるかもしれませんが、個人的には斬新で楽しめました。母の愛が時空さえも超える、そんなテーマが印象に残りました。(30代 女性)
前半のミステリー要素が本当に秀逸。次第に現実が崩れていく恐怖と、“自分だけが知っている記憶”の孤独がすごく伝わってきました。ジュリアン・ムーアの静かな演技に引き込まれ、彼女の疑念や決意がリアルに感じられます。後半の急展開には驚きつつも、母親としての一貫した感情がしっかりと軸になっていて好印象でした。(20代 男性)
子どもを失った母の視点から描かれるこの作品は、サスペンスを通して親子の絆を深く描いている印象を受けました。途中で明らかになる“記憶の操作”という超常的な設定には賛否あると思いますが、私は逆に人間の「忘れない力」を強く信じさせられました。物語後半の畳みかけるような展開もスリルがあって良かったです。(40代 男性)
“子どもが存在していたことすら否定される”というストーリー設定は本当にゾッとしました。身近な人にまで信じてもらえない絶望の描写が丁寧で、ジュリアン・ムーアの演技に何度も心を揺さぶられました。途中からSF色が濃くなっていく点はやや唐突にも感じましたが、それでも物語の核は一貫していて、感情的にはしっかり着地した印象です。(50代 女性)
ミステリーがSFに変化するあたりの展開が大胆で、人によって評価が分かれるとは思いますが、私はそのギャップにワクワクしました。地球上の現象では説明できない“力”と、それでも揺るがない人間の「記憶」と「愛」が対峙する構造が面白い。ジャンルを超えた意欲作として高く評価したいです。(30代 男性)
“記憶は本当に真実なのか?”というテーマを突き詰めたサスペンス。母親の視点から描かれることで、物語に強い感情的な芯が通っていて、理屈よりも気持ちで引っ張られる映画だと思いました。ジュリアン・ムーアの涙や怒りの表現がとてもリアルで、同じ母親として胸が熱くなりました。(40代 女性)
最初は記憶喪失系の心理サスペンスだと思っていたけど、途中からの衝撃展開に完全に持っていかれました。特に“人が突然空中に吸い込まれる”シーンは予備知識ゼロだと心臓止まるレベル(笑)。でも、その突飛さの奥には“誰かを信じる力”があり、全体としてはかなり感動的。エンタメとしても優秀。(20代 女性)
映画『フォーガットン』を見た人におすすめの映画5選
フラクチャー
この映画を一言で表すと?
真実が見えているようで見えていない、知能犯VS若手検事の知略戦!
どんな話?
妻を撃った罪で逮捕された男が、完璧なアリバイと冷静な態度で検事を翻弄する。証拠はあるのに有罪にできない――若き検事が真相に迫る過程で、徐々に明かされる驚きのトリックと心理戦に引き込まれます。
ここがおすすめ!
“記憶”や“常識”を疑う『フォーガットン』と同様、観客の認識を裏切る展開がスリリング。アンソニー・ホプキンスの不気味な知性が際立ち、じわじわと高まる緊張感に最後まで引き込まれます。
シャッター アイランド
この映画を一言で表すと?
自分を信じるな――すべてが疑わしくなる心理ミステリーの傑作!
どんな話?
精神病院の島に失踪事件の捜査に訪れた連邦保安官が、やがて自身の記憶と現実に疑問を持ち始める。記憶、トラウマ、陰謀が複雑に絡み合い、予測不能な結末へ突き進むサスペンスです。
ここがおすすめ!
記憶や精神に焦点を当てた構成は『フォーガットン』に通じるものがあり、観終わったあとに再び見直したくなるタイプの映画。レオナルド・ディカプリオの鬼気迫る演技にも注目です。
トゥルーマン・ショー
この映画を一言で表すと?
“自分の人生は誰かに監視されている”と思ったことはありませんか?
どんな話?
完璧な日常を送っていた男が、ふとしたきっかけで“この世界はすべて作られたもの”であることに気づいてしまう。人生すべてがリアリティショーだったという衝撃の設定から、自由と真実を探す旅が始まります。
ここがおすすめ!
世界そのものへの不信感という『フォーガットン』と共通するテーマを、明るいトーンで哲学的に描いた秀作。ジム・キャリーの名演もあり、ユーモアとスリルのバランスが絶妙です。
チェンジリング
この映画を一言で表すと?
「この子はあなたの息子です」――それ、本当に私の子ども?
どんな話?
行方不明の息子が見つかったが、帰ってきた子は“誰か違う子ども”だった。警察は信用せず、母は真実を求めて孤独な戦いを始める。実話を基にした、骨太なサスペンス・ヒューマンドラマです。
ここがおすすめ!
母性、記憶、権力との戦いといったテーマが『フォーガットン』と非常に近く、胸が締めつけられるような感情を呼び起こします。アンジェリーナ・ジョリーの迫真の演技も必見。
ミスト
この映画を一言で表すと?
霧の中に潜む“何か”よりも、人間の心の闇が恐ろしい。
どんな話?
突然現れた謎の霧に包まれ、スーパーマーケットに閉じ込められた人々。外に潜む“怪物”と内側に芽生える狂気の中で、生き残る術を模索する緊張感MAXのサバイバルスリラーです。
ここがおすすめ!
現実が揺らぐ状況下での人間心理の描写が巧みで、『フォーガットン』のように信じていたものが崩れていく絶望感が味わえます。ラストはあまりに衝撃的で、忘れられない結末になること間違いなし。
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