映画『ボディガード(1992)』の概要:脅迫状を何通も受け取っている歌姫の警護をすることになったSP。彼は彼女を警護しつつ歌声に魅了されてしまう。対して歌姫も謹厳実直な彼に興味を示し、信頼を置くようになる。歌姫の役を歌手のホイットニー・ヒューストンが演じたことで、話題になった名作。
映画『ボディガード』の作品情報
上映時間:135分
ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
監督:ミック・ジャクソン
キャスト:ケヴィン・コスナー、ホイットニー・ヒューストン、ビル・コッブス、ゲイリー・ケンプ etc
映画『ボディガード』の登場人物(キャスト)
- フランク・ファーマー(ケビン・コスナー)
- シークレット・サービスを個人で請け負っており、かなりのやり手。謹厳実直で寡黙。独身の代わりに仕事一筋で公私混同はせず、徹底して警護を行う。過去に大統領のSPをしていたことがある。レイチェルの歌声に魅了され、恋に落ちてしまう。
- レイチェル・マロン(ホイットニー・ヒューストン)
- 超人気歌手で8歳の一人息子がいる。傲慢でわがまま。自分勝手な面ばかりが目立っていたが、心を許した後はとても素直で、愛情深い女性。たった1人の姉を頼りにしている。
- サイ・スペクター(ゲイリー・ケンプ)
- レイチェルの宣伝担当。実はレイチェルに恋焦がれ突然、現れたフランクへ戦いを挑む。こてんぱんにやられた後は、信頼の置ける同僚となる。
- ビル・デヴァニー(ビル・コッブス)
- レイチェルの付き人。気の好い男性でフランクにレイチェルの警護を頼み込んだ人物。折衝の役割を担っている。
- グレッグ・ポートマン(トーマス・アラナ)
- フランクとは元同僚。実はレイチェルの姉から暗殺を依頼され、任務を遂行するためにレイチェルを狙っている。
映画『ボディガード』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ボディガード』のあらすじ【起】
かつて大統領の警護をしたこともある、シークレット・サービスのフランク・ファーマーはある日、超人気歌手レイチェル・マロンの付き人ビル・デヴァニーからレイチェルの警護を依頼される。フランクは渋々ながらも、本人と会ってから依頼を受けるか決めることにした。
だが、レイチェルは自分に危険が迫っていることを知らず、酷く傲慢な態度でフランクを雇うと言う。しかも、彼女を囲むスタッフですら危機感が非常に低かったため、フランクは自分に迫る危険を知らない者は守れないと言い、依頼を断ろうとした。だが、ビルはどうしても依頼を受けて欲しいと懇願し、レイチェルに迫る危険を明かした。
数カ月前から、レイチェルの周辺では不審な出来事が続き、果てには脅迫状が届き始めたと言う。更に犯人は彼女の寝室へ侵入し、マスターベーションをしてベッドを汚して去った。これはさすがに由々しき事態である。その後も脅迫状は続き現在に至る。ビルやスタッフは本人に深い事情を知らせず、どうにかレイチェルを守ろうと考えているようだった。
フランクは自宅の警備を強化することと、対象者本人にも危険度がいかに高いかを知らせることを条件に依頼を受けることにする。
翌日からレイチェルの自宅である、豪邸の警備強化を一気に高める作業へ入ったフランク。門の交換や監視カメラの設置、植え込みの刈り入れを行って見通しを良くし、侵入者があったらすぐに見つけられるようにする。脅迫状は警察に届け、調査を依頼した。
フランクの物々しい様子にレイチェル及びスタッフは、誰もが彼を厭うようになる。
そのせいでレイチェルやスタッフからは、文句の嵐が吹き荒れるが、対象者を守るためだと頑として譲らないフランク。それでも出かける時は、フランクが常に彼女の傍で目を光らせた。
そんなある夜、レイチェルがナイトクラブでの新作発表へ行くことに。その予定を知らなかったフランクだったが、万が一を考えレイチェルには発信機を渡しておいた。ナイトクラブは熱狂的なファンで溢れている。だが、手違いでレイチェルに脅迫状の存在が知られてしまい、新作発表は急遽、中止することにした。しかし、彼女は思い直して新作発表を強硬。だが、そのせいで興奮を極めてしまったファンにレイチェルが取り囲まれてしまう。フランクの機転によってレイチェルは無事に救出、ナイトクラブからの脱出を果たした。
映画『ボディガード』のあらすじ【承】
翌朝、設置した監視カメラの見回りをしていたフランクの元へ、ジョギングをしていたレイチェルが現れる。彼女は昨夜、助けてくれた礼にフランクをデートに誘った。
レイチェルとデートをしたフランク。彼は常に仕事優先で、プライベートはあってないようなものである。故に、彼女とデートすることで久ぶりにリラックスして過ごすことができた。互いにどこか惹かれ合っていた2人はその夜、ついに一線を越えてしまうのである。
翌朝になって、自分の過ちを後悔したフランクは、レイチェルに謝り仕事に徹するため、より一層神経を張り詰める。フランクに冷たくされたレイチェルは、ショックを受けパーティーで偶然、出会ったフランクの元同僚グレッグ・ポートマンと当てつけのように部屋へしけ込んでしまう。
その後もレイチェルはフランクへ憤りをぶつけ、果ては突発的に買い物へ出かけるなど勝手な行動をするのだった。苛立ちを募られたフランクは、八つ当たりで態度の悪い男を手酷く痛めてつけてしまう。
映画『ボディガード』のあらすじ【転】
これ以上、レイチェルの警護は続けられないと思ったフランク。彼はビルに仕事を辞めると伝えようとしたが、レイチェルの元に息子を騙った犯人から電話がかかってくる。
レイチェルは自分勝手な憤りや行動を控え、コンサートは全て中止。フランクと運転手以外のスタッフに休暇を出し、家族だけを連れて一旦、姿を消すことにした。
フランクは自分の実家へレイチェル一家を避難させる。喧騒から離れ穏やかな雰囲気の中、レイチェル家族はリラックスして過ごすことができるのであった。
しかし、翌日になってレイチェルの息子が1人でボートに乗って湖へ。危険を察知したフランクは息子を救出するも、ボートはエンジンが止まると途端に爆破してしまう。
その日の内に荷物をまとめ、すぐにでも出られるよう準備を促したフランク。
深夜、レイチェルの姉から彼女がしでかしたことを聞いた。人気を得て有名になっていく妹に嫉妬してしまった姉は、酔った勢いで妹の暗殺を見知らぬ男に依頼。しかし、行為は次第にエスカレートしとうとう甥にまで危険が及んでしまった。姉はそのことを悔いて泣くのである。
そんな時、微かな物音を察したフランク。真っ先にレイチェルと息子の安全を確認しに向かったが、そのせいで暗殺者に姉を殺されてしまう。彼は暗闇の中、犯人を追いかけたが、捕まえることはできなかった。
その旨をすぐに警察へ連絡したフランクだったが、協力してくれた刑事からは脅迫状の犯人を逮捕したと言われる。だが、こちらを襲撃してきた犯人は明らかに経験者。フランクは脅迫状の犯人をできる限り拘留するよう頼んだ。
映画『ボディガード』の結末・ラスト(ネタバレ)
葬儀はすぐに執り行われたが、姉の死で塞ぎ込んでしまうレイチェル。彼女の姉を守れなかったフランクも責任を感じ、塞ぎ込む毎日。
だが、真犯人はまだ捕まっていない。レイチェルはアカデミー賞授賞式を目前に控えた大事な身だ。彼女はフランクに授賞式へ出席することを告げる。恐らく、真犯人はまたレイチェルを狙ってくるだろう。だが、彼女はきっとフランクが守ってくれるはずだから、怖くないと言うのだった。
そうして、授賞式当日。ステージ裏の見回りをしたフランクは、ポートマンと遭遇。その時、彼はステージの出演中に狙われる可能性が高いと感じ、仲間達にも警戒を促した。すると、レイチェルは彼の様子に、何かが起こると察してしまう。
レイチェルはフランクから貰った通信器を手に、不安を抱えつつステージへ。しかし、極限状態に陥った彼女は、出演途中で舞台袖へ逃げ出してしまうのであった。
そのせいで悪者扱いされるフランクだったが、ポートマンが真犯人であることに気付いてしまう。彼は急いで元同僚を探しカメラマンに扮しているのを発見。しかし、ここでレイチェルが賞を授賞。彼女は大喜びでステージへ登壇。フランクも急いでステージへ向かった。次の瞬間、ポートマンが発砲。フランクはレイチェルを庇い撃たれつつも、ポートマンへ反撃し奴を始末したのだった。
依頼を完遂したフランクはその後、引っ越しすることになったレイチェルと別れの挨拶をする。そうして、レイチェルはセスナ機へ乗り込み出発しようとするが、思い直して踵を返し、フランクと最後のキスを交わした。こうして、2人の恋は終わりを告げ、レイチェルはフランクとの恋を支えに歌を唄い、フランクは傷の完治を待って新たな警護の仕事に就くのだった。
映画『ボディガード』の感想・評価・レビュー
劇中に流れるサウンドトラックとホイットニー・ヒューストンのパフォーマンスはとにかく度肝を抜かれる。歌唱力と存在感に圧倒される。この作品と共に世界的に有名になったあの名曲を彼女がアカペラで歌うシーンは、彼女の美貌だけなく、歌声に魅了された。また、この曲の出だしをアカペラにしてほしいと音楽プロデューサーに提案したのは、共演のケビン・コスナ―という驚きの事実。2人の相性の良さも伝わってきて、最高のエンターテイメントであり、ラブストーリーである。(女性 30代)
数多くの恋愛映画があるが、この『ボディガード』が一番グッとくる。
有名歌手とそのボディガードとの恋。彼女を守るという任務を遂行するために恋に夢中になるわけにはいかず、愛しているのに離れていこうとするフランクが切ない。演じる若かりしケビン・コスナーはとても素敵で、こんな強くてハンサムな男性に守ってもらったら恋に落ちるのも納得だ。
レイチェルを演じたホイットニーヒューストンの歌声の素晴らしさは言うまでもなく、観終えたあともこの曲を聴いて余韻に浸りたい。(女性 40代)
ホイットニー・ヒューストンの美声と歌声、男性が憧れる男の中の男ケビン・コスナー。彼らのかっこよく美しいビジュアルを観ているだけでもう満足な作品。音楽も耳に残る曲ばかりで、サントラを買おうか迷うほどです。物語か多少シンプルなことが成功しています。豪華キャストと音楽に夢中になって観ると非常に良い作品です。ストーリー重視に観てはいけない、依頼人と男女の関係に成ったり、黒幕のしたかったことが曖昧だったり、色々引っかかる点があります。(男性 20代)
人気アーティストであるレイチェル役をホイットニー・ヒューストンが、そのアーティストに殺害予告があり、ボディーガードとして雇われたフランク役をケビン・コスナーが演じています。世界的歌手のホイットニー・ヒューストンの歌唱力は圧巻です。特に最後に歌われる『I will always love you』がとても悲しく響きます。実際のアーティストが映画に起用される作品は多くありますが、私が見た映画の中では初めてだったのではないかと思います。
高校生の時に映画館に観に行った作品で、初めてサントラを買いました。今観てもその頃が思い出されます。(女性 40代)
みんなの感想・レビュー