映画『スチームボーイ STEAMBOY』の概要:19世紀のイギリス。スチム家の長男レイは、祖父のロイドからある日スチームボールを託される。兵器の開発としてスチームボールを狙うオハラ財団からの追手から逃げるが、敵だと思っていた財団の中に父エドワードがいり、レイは困惑するのであった。
映画『スチームボーイ STEAMBOY』の作品情報
上映時間:126分
ジャンル:アニメ、アドベンチャー
監督:大友克洋
キャスト:鈴木杏、小西真奈美、中村嘉葎雄、津嘉山正種 etc
映画『スチームボーイ STEAMBOY』の登場人物(キャスト)
- ジェームス・レイ・スチム(鈴木杏)
- 発明が大好きな少年。父と祖父がスチームボールの活用方法について対立し、困惑していく。
- ジェームス・ロイド・スチム(中村嘉葎雄)
- レイの祖父。平和のために科学を使用する心を持ち合わせる科学者の鏡。
- ジェームス・エドワード・スチム(津嘉山正種)
- レイの父親。ロイドとは異なり、科学を兵器として使用することを目的としている。
映画『スチームボーイ STEAMBOY』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『スチームボーイ STEAMBOY』のあらすじ【起】
19世紀のイギリスでは産業革命を迎え、工業技術が急成長していった。男性は工場での力仕事を、女性は製糸工場で働いていた。
発明家スチム家の長男レイも幼いながら紡績工場で働いていた。レイの父エドワードと祖父ロイドも発明家として働いていた。だが、イギリスにはいなくアメリカに渡っていたのであった。
スチーム家には妹と弟、そして母親もいた。父達がいない中でも、レイは自分の発想で家にあるものを用いて発明を進めるのであった。
そんな中、スチーム家に1つの荷物が送られる。荷物の中には金属で出来ていたスチールボールが入っていた。
その直後オハラ財団と名乗る2人組の男がスチム家にやってくる。彼らはスチームボールを渡すよう強要してきたが、ボールと一緒に入っていたロイドからの手紙には財団には渡してはいけないというメッセージが書かれていた。
渡すことを拒否したレイに襲い掛かろうとする財団の前にロイドが帰ってくる。ロイドはレイにスチームボールを持って直ちに逃げるよう指示し、レイはその場から逃げるのであった。
映画『スチームボーイ STEAMBOY』のあらすじ【承】
乗り物などをいくつか活用しオハラ財団からレイは逃げる。途中ロイドの知人でイギリス軍のロバート達に一旦は救われる。列車で安全なところへ移動している最中、オハラ財団の追手がすぐにやってくる。襲われたレイはそのままスチームボールと一緒に連れ去られてしまうのであった。
その頃、レイは敵組織に捕まってロンドンに来ていた。ロンドンでは博覧会が開催されようとしていた。そんな状況下の中、レイはオハラ財団と一緒に行動する父のエドワードと出会う。だが、父のエドワードの容姿は激変していた。
エドワードはレイをオハラ財団が保有する工場へと案内する。その工場はスチーム城と呼ばれる多数な工場で出来ていた大規模な城であった。スチーム城の動力はスチームボーイが動力になっていた。
スチーム城の科学技術を世界に届けることを目的としていた父エドワードとその技術の使い方に疑問を感じていた祖父ロイドは意見の相違から決別していたのであった。
映画『スチームボーイ STEAMBOY』のあらすじ【転】
レイはスチーム城に侵入していたロイドに遭遇する。そこでロイドはエドワードの本当の狙いはスチーム城の技術を配当することで得る資本金であることをレイへ伝える。
真っ向に割れている2人の言い分に困惑しながらロイドの後を着いて行くと武器倉庫に辿り着く。そこは、エドワードが長年開発していた戦闘兵器で溢れていた。倉庫の中には、スチールボールを持って逃げていたときにレイがオハラ財団に襲われた兵器も見つけ、レイは驚愕する。
ロイドは格納されている軍事武器は全てオハラ財団が資金を得るために作られているとレイへ伝える。バイヤーへ売るために作られていたことを知ったレイは、ますます父エドワードの行動に疑問を抱く。
そこへオハラ財団とエドワードがレイとロイドのもとに到着する。息子のレイを味方にしようとするエドワードだったが、オハラ財団がロイドに発砲したことでレイは父と決別する。レイはロイドの味方に付き、スチームボールを奪って逃走する。そこへロバート達が駆けつけ、レイはオハラ財団から逃げ切ることに成功する。
映画『スチームボーイ STEAMBOY』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、万博博覧会が開催される。ロバート達を信用してレイはスチームボーイを渡したが、ロバート達イギリス軍もスチームボールを兵器として使用しようと画策していたのであった。
その頃、オハラ財団はスチーム城から作った蒸気兵を使い、イギリス兵と戦わせることで各国の権力者が集まる万博でのプロモーションを開始する。だが、イギリス兵もレイから取ったスチームボールを使用し、オハラ財団へ反撃を開始する。
互いに戦争の道具としてスチームボールを使用する大人達の間違った倫理観に嫌気がさし、レイはスチームボーイを奪い逃走する。
スチーム城を動かすために3つ必要なスチームボールが1つ欠けた状態ではスチーム城は正常に動作せず崩壊が始まる。レイは崩壊を止めるため、スチームボールを城へ戻し、崩壊までの時間の猶予を一時的に引き延ばす。
しかし、狂いだした城の崩壊は止まらず、城内にいたエドワードとロイドは爆発に巻き込まれてしまう。
ロンドンの上空にはスチーム城の爆発によって噴出した蒸気が急冷却され、雪のような結晶が降り注ぎ、戦いは終結したのであった。
映画『スチームボーイ STEAMBOY』の感想・評価・レビュー
科学技術の暴走がメインに語られたストーリー。最初は人の生活を良くするためにと希望を持って取り組んでいたことも欲が絡むと歯車が繰り出す。それは戦争をしてきた人類が証明している。いつでも正しいことに使おうと心を徹底させることができるか、自分自身が最大の敵だと言うことを今作では伝えているのではないだろうか。(MIHOシネマ編集部)
冒頭から映像へのこだわりには唸らされる。イギリスの風景は絵になるし、蒸気やメカの部品の細かい書き込み等々、ぼーっと眺めているだけでもある種の癒しさえある。
一方ストーリーはどこかで観たような・・・良く言えば王道のストーリー。色々な作品で色々な形で使われてきたプロットのような気がしてならない。王道なことそれ自体は悪くない。しかし残念ながら何か物足りない。期待が大きすぎたせいもあるだろうが。
素材も料理人も一流のはずなのに、茹ですぎたパスタのような印象が残った。(男性 40代)
科学とは何のためにあるのか、仮に人間の幸せを生み出すものであるならば、いかにして扱うべきなのか。
世紀の発明であるスチームボールをめぐり、戦争の兵器を作り、それぞれ自分たちの力と威厳という大きなエゴのぶつかり合いに巻き込まれながら、レイ少年は純粋な眼差しを持ちながら奔走する。
ヒロインのスカーレットの元気の良さはいいのだが、わがままで世間知らずなだけで、人物像はそこまで深堀されず、嫌みなボンボンの娘という印象しかないのが残念。(男性 20代)
化学の進歩には「正しい」とは言えない使い方がされることも必要だったのでは無いでしょうか。私たちの生活に欠かせない電気や車の技術だって、もともとは良いことに使おうとしていた技術を「悪用」して生まれたものかもしれませんよね。
何を正しい使い方と言うのかは、使う段階では分からないのかなと思いますが、その技術を使うのが人間である限り必ず「心」が影響してくるので良いことに使うつもりが、次第に悪の道に走ってしまうこともあるのだということをこの作品から教えてもらいました。(女性 30代)
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