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映画『修羅 黒衣の反逆』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『修羅 黒衣の反逆』の概要:前作『ブレイド・マスター』の続編で前日譚を描いている。反逆者である絵師の捕縛を秘密裏に命じられた錦衣衛の主人公。彼は同僚の魔の手から絵師を助けたことから、朝廷を貶める陰謀へと巻き込まれてしまう。

映画『修羅 黒衣の反逆』の作品情報

修羅 黒衣の反逆

製作年:2017年
上映時間:120分
ジャンル:アクション
監督:ルー・ヤン
キャスト:チャン・チェン、ヤン・ミー、チャン・イー、ライ・チァイン etc

映画『修羅 黒衣の反逆』の登場人物(キャスト)

沈煉(チャン・チェン)
シン・レン。特務機関、秘密警察の軍事組織の1つである錦衣衛の北鎮撫司に所属し、階級は百戸。警察で言えば刑事。剣の腕に長け、頭の回転が良い。北斎の絵に魅入られ、本人にも惹かれる。無表情でいることがほとんどで冷徹に仕事をこなすが、実は慈悲深い。
北斎(ヤン・ミー)
ホクサイ。繊細で美しい絵を描く絵師。色白で美しい女性。実は現皇帝の王弟に助けられ、心を寄せている。沈煉と行動を共にすることで、彼に惹かれていく。
魏忠賢(チン・シーチェ)
ギ・チュウケン。秘密警察、東廠の長官で宦官。病に臥せる皇帝に代わり、政権を牛耳っている。非常に横暴で悪賢く傲慢。
丁白纓(シン・ジーレイ)
テイ・ハクレイ。北斎の身柄を確保し、北鎮撫司の公文書庫に火をかけるよう沈煉に取引を申し出る。武に誉れが高く、恐らく沈煉よりも腕前は上。陸文昭の妹弟子で兄弟子を慕っている。
陸文昭(チャン・イー)
リク・ブンショウ。錦衣衛の千戸で沈煉の上司。過去、戦場で敵兵に殺されそうになったところを沈煉に助けてもらったことがある。実は王弟の配下で皇帝の暗殺を命じられている。
裴綸(レイ・ジャーイン)
ハイ・リン。元々北鎮撫司に所属していたが、南鎮撫司に左遷される。沈煉の部下と親友であったが、任務中に亡くなったことで沈煉に恨みを抱いている。北斎の家で起こった殺人事件の捜査を行っており、沈煉を怪しんでいる。こん棒槍の使い手。

映画『修羅 黒衣の反逆』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『修羅 黒衣の反逆』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『修羅 黒衣の反逆』のあらすじ【起】

大戦の折、満身創痍でありながら1人生き残った沈煉は、敵兵に処刑されそうになっている自軍の兵を発見。彼は2人の兵の救出。そのうちの1人が陸文昭という男だった。

8年後。特務機関、錦衣衛の北鎮撫司に所属し毎日を奔走していた沈煉は、妓楼にて殺害された宦官、郭真(カク・シン)の事件を担当する。だが、現場に手柄を横取りしようと錦衣衛である魏忠賢の甥が登場。彼は沈煉に対し対抗心を燃やしており、事あるごとに口を出す厄介な男だった。

甥は沈煉の友人でもある同僚の素行を問題視し、規則違反を理由に捕縛しようとする。だが、同僚は絶対に牢へは入らないと逃走。沈煉も彼を追いかけ説得しようとしたが、同僚は彼の目前で自ら命を絶ってしまうのだった。

この件に関して上司となった千戸、陸文昭は事件の揉み消しをすることでお咎めなしとし、郭真の事件は南鎮撫司が担当することになったと告げる。その代わり、沈煉と甥には新たな密命を課した。それは作品にて魏忠賢を貶めたとされる絵師、北斎の暗殺である。沈煉は予てより北斎の絵に魅了され作品の収集をしていたため、一人でも大丈夫だと言う魏忠賢の甥に同道。雨が降る夜、北斎の住まいへ突入した。

だが、中にいたのは美しい女性が1人。彼女は数日前、川辺で出会った名も知らない女性だった。彼女が北斎だったのかと驚く沈煉だったが、甥は北斎に乱暴を働き貞操を奪おうとする。沈煉は逡巡した後に愚行を諫めることにした。

2人は激しい戦いを展開。甥が叔父である魏忠賢の威光を盾に挑発してきたため、かっとなった沈煉は思わず彼を殺害。更に恐れをなした北斎には逃げられてしまうのだった。
翌朝、沈煉は賊に襲われたと陸文昭に報告。事件は南鎮撫司の裴綸という男が担当することになった。

仕事を終え帰宅した沈煉だったが、矢文が届いているのを発見。手紙には待ち合わせ場所が記載されていた。
その日の夜、矢文の示す場所へ向かった沈煉は丁白纓という女から錦衣衛の公文書庫を燃やせと要求される。脅しには屈しないと意思表示した沈煉だったが、白纓は相当に腕の立つ剣士で、勝負に敗北してしまう。彼は書庫を燃やす交換条件として北斎を引き渡すよう告げるのであった。

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映画『修羅 黒衣の反逆』のあらすじ【承】

翌日、事前調査のため、公文書庫へ向かったが、魏忠賢の命令により造船文書を調べると東廠の兵が勢揃いしている。しばらく前、皇帝が遊覧船の沈没により落水した事件の調査だと言う。皇帝は落水により肺を患い、床に臥していると専らの噂だった。

その日の夜、公文書庫へ侵入し油を撒いた。そこでふと、東廠が調べている造船文書の件を思い出し記録を調べてみる。すると、妓楼で殺害された郭真が内官監の局長であり、沈没した遊覧船の検査も行っていたことが判明。

しかし、そこへ東廠の調査官が書庫へ訪れ、沈煉と対決することになってしまう。調査官の武器には火種が仕込まれていたため、争う際に書庫へ引火。更に顔を見られてしまい調査官の口を封じる羽目になってしまうのだった。

白纓の元を訪れ、書庫を燃やしたと報告した沈煉。彼はそこで、彼女が所属する一味が皇帝暗殺を企んでいることを指摘。船の建造記録を餌に北斎を渡すよう交渉した。
その後、帰宅すると裴綸が訪れている。しかもなぜか北斎も一緒だった。そこで彼から事件のあらましを聞いた沈煉。北斎は郭真を妓楼に誘き出し、白纓らが口封じのために殺害したと言う。裴綸は自死した同僚の親友で、死に至らしめた沈煉を恨んでいた。

その頃、陸文昭は上司に呼び出され、東廠の調査官が死にかけた状態で発見されたことを知る。調査官は書庫の放火犯は沈煉だと呟いていたが、陸文昭はその事実を上司に報告しなかった。更に、焼け跡となった書庫に調査のため、裴綸が訪れる。彼は宦官暗殺事件と魏忠賢の甥が殺害された事件のどちらにも、沈煉が関わっていることを陸文昭に報告し、危険を申告した。

映画『修羅 黒衣の反逆』のあらすじ【転】

だが、裴綸の前に白纓とその弟子たちが現れ、彼を殺害しようとする。裴綸は罠に貶められ、深手を負いながらも川へ身を投じるのであった。
転寝にて郭真が陸文昭と面識があったと閃いた沈煉。彼は北斎と共に川に浮かぶ裴綸を発見し助けることにした。

深夜、沈煉の元に陸文昭が訪れる。彼は放火も調査官の口を封じたのも、魏忠賢の甥を殺害したのも沈煉の仕業であったことを知りつつ、その事実を握り潰していた。なぜなら沈煉は陸文昭にとって命の恩人だったからである。だが、沈煉は自分を友と呼ぶ陸文昭の発言を否定。

8年前の大戦時、沈煉は確かに1人の兵と陸文昭を助けた。実は生き残ったもう1人の兵が郭真で、陸文昭は内官監の局長となった彼に遊覧船の細工を依頼し、皇帝の暗殺を計画。だが、計画は失敗してしまう。そこで、口封じのために北斎を使って郭真を暗殺。更に事実を知る彼女まで殺害しようとしたが、沈煉の登場により予定が狂ってしまう。その上、裴綸までも助けたとなると、例え命の恩人であろうとも消さないわけにはいかないのである。

陸文昭は床に臥せる皇帝の代わりに政権を牛耳る魏忠賢に憤っていた。魏忠賢は権力と財を盾に今ややりたい放題である。故に現在の皇帝を弑し、新たな王を迎え魏忠賢の失脚を狙っていたのだ。だが、そんな大それたことを彼1人で計画したとは考えにくい。
交渉は決裂し、謀反の罪で自宅を襲撃されてしまう沈煉。彼は北斎と裴綸の3人で、自宅地下の秘密経路にて逃れた。

閉鎖された妓楼に身を潜めた3人。北斎は自分が裏切られているとも知らず、沈煉が持つ造船記録を盗もうとする。彼は彼女の意を汲み、造船記録を持たせ逃がすことにした。
その頃、魏忠賢に呼び出された陸文昭は沈煉、裴綸、北斎が結託して皇帝の暗殺計画を立てたのだと進言。そのせいで、3人は指名手配されてしまうのだった。

映画『修羅 黒衣の反逆』の結末・ラスト(ネタバレ)

町に貼られた手配書を目にした北斎が沈煉の元に戻って来る。彼女は造船記録を主に提出すると言う。そこで、全ての事柄から黒幕が誰か、分かってしまった沈煉。造船記録は自分が提出すると言うのだった。

そうして、黒幕と対面。全ての計画を練り陸文昭と丁白纓、北斎を使って実行したのは、皇帝の実弟であった。信王の真の狙いは皇帝暗殺ではなく、魏忠賢と彼を支持する閻党の排除である。故に現皇帝である兄を廃し、自らが皇帝となるべく陰謀を巡らせていたのだ。沈煉は彼と交渉をし、北斎を都の外へ逃がすことにした。
しかし、信王は陸文昭と白纓に北斎の暗殺を言い渡すのである。

北斎を逃がすため、裴綸と共に旅へ出た頃、信王は魏忠賢の屋敷を訪れていた。彼は健気な様子を装って嘘偽りを告げ、魏忠賢に助けを求める。すると、魏忠賢は気を良くして次の皇帝に信王を推すと約束するのだった。

旅も中盤を迎えた頃、3人の前に追手が現れる。彼らは協力して陸文昭らの襲撃から逃れ、古びた吊り橋まで辿り着く。沈煉は裴綸と残ることにし、北斎だけを逃亡させた。
追手を待ち構える2人の前にとうとう陸文昭と白纓が姿を現す。

一同は激しい戦いを繰り広げ、陸文昭に深手を負わせることに成功。沈煉はこれ以上の戦いは無用と考え逃げるように話したが、2人は忠義を貫き通そうとする。
だが、そこへ魏忠賢が差し向けた軍が到着。陸文昭と白纓が果敢にも立ち向かって行く。沈煉と裴綸も問答無用で数多の兵士と戦うことになるのだった。

半月後、北京。先帝の崩御により実弟である信王が皇位を継承。彼は魏忠賢を毛嫌いし、政に一切の関わりを禁じた。そしてその三月後、魏忠賢は失脚し鳳陽へ向かう途上で死亡。
翌年、皇帝は年号を宗禎と改めその恩赦として、数人の囚人の解放を行った。その中には沈煉の姿もあり、彼は北鎮撫司への復帰を果たし、下士官から新たに人生のやり直しを許されるのだった。

映画『修羅 黒衣の反逆』の感想・評価・レビュー

前作『ブレイド・マスター』の続編であり、前日譚を描いた作品。主人公の沈煉はまだ達人の域にまで達しておらず、彼に勝る剣の女師匠に敗北を期する。前作同様に可憐で美しい女性に心を奪われ、助けることにしたが、些細な事柄から皇帝暗殺の陰謀へと巻き込まれ謀反人として追い詰められてしまう。

作中の戦闘シーンはCGを使わずに撮影されただけあり、かなり迫力がある。沈煉は清廉潔白な人物ではなく、保身のために汚いことでも平気で行う。そういった面からより生々しい人間関係を描き出している。(MIHOシネマ編集部)


『黒衣の刺客』の続編かと思いきや、『ブレイドマスター』の続編であり、時代はそれよりも前のお話。タイトルがかなり分かりづらいです。前作はアクションシーンが多くストーリーも分かりやすかったのですが、今作は登場人物も複雑になり理解するのが少し難しかったです。
前作では荒々しく無骨なアクションシーンが目立ちましたが、今作はよく言えば「洗練」されたアクションで、綺麗に魅せることに集中しすぎていたような気がします。個人的には前作のハードなアクションの方が好きでした。(女性 30代)

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前作 ブレイド・マスター

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