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映画『コールド・スキン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『コールド・スキン』の概要:スペイン文学『冷たい肌』を映画化。南極海の孤島へ赴任した気象観測員は灯台守の男と共に、島に出現する未知なる生物と夜毎、戦いを繰り広げる。その島には文明などなく、孤独な戦いだけがあるのだった。

映画『コールド・スキン』の作品情報

コールド・スキン

製作年:2017年
上映時間:106分
ジャンル:ファンタジー、サスペンス、ホラー
監督:ザヴィエ・ジャン
キャスト:レイ・スティーヴンソン、デヴィッド・オークス、アウラ・ガリード、ウィンズロウ・イワキ etc

映画『コールド・スキン』の登場人物(キャスト)

グルナー(レイ・スティーヴンソン)
灯台守で壮年の男。強権的で傲慢、怪物と戦うことに生きる意味を見出している。実は先任の気象観測員アルドール。孤独に耐えかね、グルナーという人物を作り出しなり切っている。島から出ることができるにも関わらず、進んで脱出しようとしない引き籠り。
友(デヴィッド・オークス)
気象観測員。理知的で慈悲深い人物。静かな場所で過ごしたいと考え、南極海の孤島に赴任することを希望する。グルナーから友と呼ばれるようになる。柔軟な考えの持ち主。
アネリス(アウラ・ガリード)
グルナーに飼われている未知なる生物。イルカのような冷たい肌を持ち、主に四足歩行で移動。二足歩行もでき、手足には水かきがある水棲生物。人型のメスで話すことはできないが、人間の言葉を理解する。好奇心旺盛で従順、温厚な性格。
船長(ジョン・ベンフィールド)
輸送船の船長で責任感の強い人物。何かと気象観測員を気にして、南極海の孤島へ送り届けてくれる。

映画『コールド・スキン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『コールド・スキン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『コールド・スキン』のあらすじ【起】

1914年、9月。南極海の孤島へ気象観測員アルドールと交代するため、3カ月以上の船旅をして辿り着いた男は、灯台守のグルナーと出会う。男を送り届けてくれた輸送船の船長は新任の気象観測員を送り届け、先任のアルドールを連れ帰る任務を負っていたが、グルナーの話ではアルドールは流行り病で死んだらしい。
気象観測員としての仕事はその日の風向きや風速を記録するだけなので、重要性は低い。男の赴任期間は1年。建物は気象観測員が住む家と灯台のみで、火山岩ばかりが目立つ寒々しい島だった。

男は家の掃除を行い、先任者の日記を発見する。中には怪物と灯台のことが書いてあった。その日の夜は疲れ切って眠ってしまう。
翌日、生真面目にも観測に出た男。集めた貝殻を石で囲んだサークルを海岸に幾つも発見する。その後、望遠鏡で灯台とグルナーの様子を観察。

その日の夜、物音と唸り声に気付いた男はドアの隙間から謎の手が現れ、中へ侵入して来ようとしているのを撃退する。彼は建物の隙間からこちらを窺う謎の生き物を目撃し、地下室へ身を潜めて夜を過ごした。

朝、外へ出た男は家の周囲の砂場に昨夜見た怪物の足跡を見つけ、それが海へ向かっているのを見つける。彼は灯台へ向かいグルナーから話を聞こうとしたが、灯台守は男を冷たくあしらい中へ入れようとしないのだった。
仕方ないので、怪物の襲撃に備え流木で家の補強と罠を設置。そして、撃退用に銃を持って待ち構えた。

夜、海から無数の生き物がやって来て家に襲い掛かる。男は外の物音に恐怖を覚え、弾がある限り銃を発砲。そして、家の周囲に設置した罠に火をかけた。しかし思いの他、火の回りが早く家にも引火してしまう。男は命からがら外へ逃れ日が昇ってから家に戻ったが、家は火事のせいで住める状態ではなくなっていた。

そこで、グルナーに助けを求めようとした男は、泉にて謎の生き物に襲われそうになる。咄嗟に銃で怪物を倒そうとしたが、そこへグルナーが現れ男を止める。彼は男を友と呼び、持って来た物資と共に灯台へ迎え入れた。

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映画『コールド・スキン』のあらすじ【承】

怪物には体毛がなく、イルカのような肌で人型をしている。そして、言葉は話さないが、こちらの言葉は理解するらしい。性別はメスで手足には水かきがある。水棲生物の特徴が顕著であるにも関わらず、陸でも生活ができる。普段は主に四足歩行で二足歩行も可能。性格は従順で好奇心旺盛。どうやら、彼女はグルナーに飼われているようだった。

グルナー曰く、怪物は夜行性で強い光が苦手らしい。友はグルナーが飼う怪物を観察しつつ、灯台に来て初めての夜を迎えようとしていた。メスの怪物は、どういうわけか毎夜仲間を呼び寄せる。グルナーはまるで狂ったように集まる怪物を情け容赦なく殺し、撃退しているのだった。

異様な姿に臆した友は、無暗に怪物を殺すことができず、グルナーから悪し様に責められる。だが、彼女を見る限り怪物が悪いものだとは思えない友。しかしその夜、友はグルナーに締め出され、たった1人で怪物の群れと戦わされる羽目になる。生き延びるためには戦わなければならない。友は必死の攻防にて、1晩を生き延びるのであった。

それからは毎日が同じことの繰り返しである。怪物は毎晩、灯台に集まり日に日にしつこく襲って来た。そうして、10月が過ぎ11月。襲撃がぱたりと止む。グルナーはメスの怪物を性欲処理の道具としても利用していたが、友にはそれが不思議でならなかった。どういう経緯で彼女との関係を構築したのか。友はメスの怪物にアネリスと名付けた。

グルナーは強権的で傲慢だった。友は見たこともない不思議な生き物である怪物を世間に公表すれば、地位も名誉も思いのままだと話したが、グルナーは怪物を敵視しており頑固にも受け入れようとしない。

そんなある日の夜、2人の前に怪物の群れが現れる。しばらく襲撃がなかったため、何の備えもしていなかった。そのせいでグルナーが負傷。どうにか立て籠もりに成功したが、物資も少なくなり生活を続けるには難しくなっていた。

映画『コールド・スキン』のあらすじ【転】

次に襲撃されたら、最後かもしれない。危機感を覚えたある日、海の向こうに輸送船が通りかかるのを発見。友は助けを求めようと信号弾を持ち出した。だが、グルナーはそれを阻止。彼は島から出ることもせず、グルナーは1人でも生きられる。グルナーは1人いればいいのだと叫ぶのだった。

以来、グルナーは苛立ちを募らせ、事あるごとにアネリスを叱りつけては暴力を振るうようになる。その度に友は彼女を慰めた。彼は手慰みにクジラの骨を削って造った船を見せ、アネリスを慰めたが、彼女ははっとして友を海岸沿いへと誘導。そこには砂に埋もれたボートが流れ着いていた。恐らく、グルナーはこのボートの存在を知っていたはずだ。それなのに、存在を知らせずにいたのだろう。

ボートの件について、グルナーへ詰め寄った友。ボートは沈没したポルトガルの密輸船のものだった。沈没の際、できる限り生き残った人々を助けたが、全員怪物にやられたと言う。密輸船にはダイナマイトが大量に積載されていたが、流れ着いたものは全て濡れていて使い物にならなかったらしい。だが、船と一緒に沈んだ中にはまだ無事なものもあるかもしれない。友は潜水してそれを入手しようと言ったが、グルナーは頑なに許そうとはしなかった。

そんなある日、ボートの修繕をしていた友は、近くの水場にアネリスがいるのを目にし、彼女と体を重ねてしまう。その姿をグルナーが密かに見ていることを知らなかった。
グルナーは怪物と距離を縮めた友に嫉妬心を抱き、気が変わったと言って潜水を許可。冬の海へボートを出し、沈没船から幾つも箱を引き上げた。

案の定、引き上げた箱に無事なダイナマイトがあった。彼らは灯台の周囲にダイナマイトを設置。いよいよ、本格的な冬が到来しようとしていた時期だった。
いつでも怪物の襲撃に対抗できる状態だったが、しかしその後、3週間経過しても怪物はやって来ない。

更に苛立ちを募らせたグルナーは、アネリスに乱暴を働き責め立てた。友は狂気的な彼の行動を制止。来ないなら誘き寄せるまでだと言うグルナー。その日の夜、灯台の扉を全て開けランタンを各場所に設置し、襲撃に備えた。

映画『コールド・スキン』の結末・ラスト(ネタバレ)

雪が舞う中、グルナーに脅され泣きながら仲間を呼び寄せるアネリス。友もまた、銃を構えて待ったが、ふとランタンの明かりが消える。彼は再びランタンを点そうとしたが、そこへ怪物の群れが襲来。グルナーはこれ見よがしにダイナマイトを爆発させた。

翌朝、灯台周辺を見回り生き残っていた怪物の息の根を止めて歩く。それは胸を痛める酷い光景であった。その日の夜、遠くでアネリスが泣いている声に耳を傾ける。グルナーはサディスティックにも、アネリスが泣いている姿が可愛いと言うのだった。

数日が経過。海辺を見回っていた友は、海上に怪物が泳ぐ姿を垣間見る。彼は砂浜に石で円を作り、その中心にクジラの骨で作った船を置いた。殺してしまった怪物たちへの弔いのつもりだった。

そして、灯台へ戻りグルナーの持ち物を探り、ある写真を目にする。それは、先任の気象観測員の日記に挟まっていた写真と同じものだった。全てを察した友は日暮れ間近、海辺に作ったサークルへ向かう。中心に置いた船がなくなっていた。そこへ、幼い怪物が姿を現し、そしてアネリスが出て来る。彼らと交流しようとした友だったが、銃を構えたグルナーが現れる。

恐らく、怪物たちは人間と交流を持ちたかったのだ。彼らにしてみたら人間の方が未知の生き物である。そして、先任の気象観測員だったアルドールは恐怖に怯え孤独に苛まれ、グルナーという人格を作り怪物と戦うことで孤独から逃れようとしたのだ。
彼は灯台に戻り、怪物たちへダイナマイトを投げつける。そのせいで、幼い命が無為に奪われアネリス達は一斉に海へ逃亡。友はすぐさま灯台へ戻り、グルナーの凶行を止めた。すると、彼は同じ人間である友を殺そうとしてしまったことに気付き絶望。自ら外へ出て怪物の餌食となるのだった。

半年後、孤島に海軍が訪れ新しい気象観測員を連れて来たと言う。一人生き残った友はグルナーと呼ばれ、先任者は流行り病で死んだと告げるのだった。

映画『コールド・スキン』の感想・評価・レビュー

南極海の孤島に赴任した若き気象観測員が見た光景を描いている。灯台守のグルナーは酷く暴力的で、理知的で慈悲深い友とは対照的。その間に挟まり、無邪気な様を見せる水棲生物アネリスの仕草が可愛らしく、物語に心休まる一瞬を添えている。

時期は秋から極寒の冬。景色はほとんどが灰色で寒々しい。そんな中で、毎夜繰り広げられる命のやり取りは、無情にも感じる。水棲生物と人間は互いに未知なる生物と認識していたのだろうが、そこへきて孤独に苛まれ恐怖を覚えたグルナーが攻撃的になるのも頷ける。(MIHOシネマ編集部)


本作は、孤島にやってきた新任気象観測員の青年が謎のクリーチャーと闘う姿を描いた、スペイン文学の『冷たい肌』を映像化したサスペンスホラー作品。
主人公と共に灯台を守っていたおじさんが狂っていき、結局最後にカエルの群れに飛び込んで自殺してしまうという生涯だったが、彼が何故孤島で怪物たちと暮らしていたのだろうか。
死んでしまったおじさんは、一体何者だったのか気になってしょうがない。
おじさんに手なずけられていた半魚人の女の子が可愛かった。(女性 20代)


灯台守のグルナーがとにかくヤバいおじさんだったお話。これがスペイン文学の作品を元に作られていると言うのだから驚きです。
1人で孤独に暮らしているうちに、半魚人の女怪物と出会い、彼女をペットと言うかおとりとして飼い慣らし、時には性処理の道具として彼女を弄んでいるグルナーが本当に気持ち悪くて不快でした。
後から来た友に対する態度もかなり傲慢で、こんなおじさんと2人きりで怪物を殺しながら島で過ごすなら死んだ方がマシだと思ってしまいました。(女性 30代)

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