この記事では、映画『コールド・スキン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『コールド・スキン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『コールド・スキン』の作品情報

上映時間:106分
ジャンル:ファンタジー、サスペンス、ホラー
監督:ザヴィエ・ジャン
キャスト:レイ・スティーヴンソン、デヴィッド・オークス、アウラ・ガリード、ウィンズロウ・イワキ etc
映画『コールド・スキン』の登場人物(キャスト)
- グルナー(レイ・スティーヴンソン)
- 灯台守で壮年の男。強権的で傲慢、怪物と戦うことに生きる意味を見出している。実は先任の気象観測員アルドール。孤独に耐えかね、グルナーという人物を作り出しなり切っている。島から出ることができるにも関わらず、進んで脱出しようとしない引き籠り。
- 友(デヴィッド・オークス)
- 気象観測員。理知的で慈悲深い人物。静かな場所で過ごしたいと考え、南極海の孤島に赴任することを希望する。グルナーから友と呼ばれるようになる。柔軟な考えの持ち主。
- アネリス(アウラ・ガリード)
- グルナーに飼われている未知なる生物。イルカのような冷たい肌を持ち、主に四足歩行で移動。二足歩行もでき、手足には水かきがある水棲生物。人型のメスで話すことはできないが、人間の言葉を理解する。好奇心旺盛で従順、温厚な性格。
- 船長(ジョン・ベンフィールド)
- 輸送船の船長で責任感の強い人物。何かと気象観測員を気にして、南極海の孤島へ送り届けてくれる。
映画『コールド・スキン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『コールド・スキン』のあらすじ【起】
1914年、9月。南極海の孤島へ気象観測員アルドールと交代するため、3カ月以上の船旅をして辿り着いた男は、灯台守のグルナーと出会う。男を送り届けてくれた輸送船の船長は新任の気象観測員を送り届け、先任のアルドールを連れ帰る任務を負っていたが、グルナーの話ではアルドールは流行り病で死んだらしい。
気象観測員としての仕事はその日の風向きや風速を記録するだけなので、重要性は低い。男の赴任期間は1年。建物は気象観測員が住む家と灯台のみで、火山岩ばかりが目立つ寒々しい島だった。
男は家の掃除を行い、先任者の日記を発見する。中には怪物と灯台のことが書いてあった。その日の夜は疲れ切って眠ってしまう。
翌日、生真面目にも観測に出た男。集めた貝殻を石で囲んだサークルを海岸に幾つも発見する。その後、望遠鏡で灯台とグルナーの様子を観察。
その日の夜、物音と唸り声に気付いた男はドアの隙間から謎の手が現れ、中へ侵入して来ようとしているのを撃退する。彼は建物の隙間からこちらを窺う謎の生き物を目撃し、地下室へ身を潜めて夜を過ごした。
朝、外へ出た男は家の周囲の砂場に昨夜見た怪物の足跡を見つけ、それが海へ向かっているのを見つける。彼は灯台へ向かいグルナーから話を聞こうとしたが、灯台守は男を冷たくあしらい中へ入れようとしないのだった。
仕方ないので、怪物の襲撃に備え流木で家の補強と罠を設置。そして、撃退用に銃を持って待ち構えた。
夜、海から無数の生き物がやって来て家に襲い掛かる。男は外の物音に恐怖を覚え、弾がある限り銃を発砲。そして、家の周囲に設置した罠に火をかけた。しかし思いの他、火の回りが早く家にも引火してしまう。男は命からがら外へ逃れ日が昇ってから家に戻ったが、家は火事のせいで住める状態ではなくなっていた。
そこで、グルナーに助けを求めようとした男は、泉にて謎の生き物に襲われそうになる。咄嗟に銃で怪物を倒そうとしたが、そこへグルナーが現れ男を止める。彼は男を友と呼び、持って来た物資と共に灯台へ迎え入れた。

映画『コールド・スキン』のあらすじ【承】
怪物には体毛がなく、イルカのような肌で人型をしている。そして、言葉は話さないが、こちらの言葉は理解するらしい。性別はメスで手足には水かきがある。水棲生物の特徴が顕著であるにも関わらず、陸でも生活ができる。普段は主に四足歩行で二足歩行も可能。性格は従順で好奇心旺盛。どうやら、彼女はグルナーに飼われているようだった。
グルナー曰く、怪物は夜行性で強い光が苦手らしい。友はグルナーが飼う怪物を観察しつつ、灯台に来て初めての夜を迎えようとしていた。メスの怪物は、どういうわけか毎夜仲間を呼び寄せる。グルナーはまるで狂ったように集まる怪物を情け容赦なく殺し、撃退しているのだった。
異様な姿に臆した友は、無暗に怪物を殺すことができず、グルナーから悪し様に責められる。だが、彼女を見る限り怪物が悪いものだとは思えない友。しかしその夜、友はグルナーに締め出され、たった1人で怪物の群れと戦わされる羽目になる。生き延びるためには戦わなければならない。友は必死の攻防にて、1晩を生き延びるのであった。
それからは毎日が同じことの繰り返しである。怪物は毎晩、灯台に集まり日に日にしつこく襲って来た。そうして、10月が過ぎ11月。襲撃がぱたりと止む。グルナーはメスの怪物を性欲処理の道具としても利用していたが、友にはそれが不思議でならなかった。どういう経緯で彼女との関係を構築したのか。友はメスの怪物にアネリスと名付けた。
グルナーは強権的で傲慢だった。友は見たこともない不思議な生き物である怪物を世間に公表すれば、地位も名誉も思いのままだと話したが、グルナーは怪物を敵視しており頑固にも受け入れようとしない。
そんなある日の夜、2人の前に怪物の群れが現れる。しばらく襲撃がなかったため、何の備えもしていなかった。そのせいでグルナーが負傷。どうにか立て籠もりに成功したが、物資も少なくなり生活を続けるには難しくなっていた。
映画『コールド・スキン』のあらすじ【転】
次に襲撃されたら、最後かもしれない。危機感を覚えたある日、海の向こうに輸送船が通りかかるのを発見。友は助けを求めようと信号弾を持ち出した。だが、グルナーはそれを阻止。彼は島から出ることもせず、グルナーは1人でも生きられる。グルナーは1人いればいいのだと叫ぶのだった。
以来、グルナーは苛立ちを募らせ、事あるごとにアネリスを叱りつけては暴力を振るうようになる。その度に友は彼女を慰めた。彼は手慰みにクジラの骨を削って造った船を見せ、アネリスを慰めたが、彼女ははっとして友を海岸沿いへと誘導。そこには砂に埋もれたボートが流れ着いていた。恐らく、グルナーはこのボートの存在を知っていたはずだ。それなのに、存在を知らせずにいたのだろう。
ボートの件について、グルナーへ詰め寄った友。ボートは沈没したポルトガルの密輸船のものだった。沈没の際、できる限り生き残った人々を助けたが、全員怪物にやられたと言う。密輸船にはダイナマイトが大量に積載されていたが、流れ着いたものは全て濡れていて使い物にならなかったらしい。だが、船と一緒に沈んだ中にはまだ無事なものもあるかもしれない。友は潜水してそれを入手しようと言ったが、グルナーは頑なに許そうとはしなかった。
そんなある日、ボートの修繕をしていた友は、近くの水場にアネリスがいるのを目にし、彼女と体を重ねてしまう。その姿をグルナーが密かに見ていることを知らなかった。
グルナーは怪物と距離を縮めた友に嫉妬心を抱き、気が変わったと言って潜水を許可。冬の海へボートを出し、沈没船から幾つも箱を引き上げた。
案の定、引き上げた箱に無事なダイナマイトがあった。彼らは灯台の周囲にダイナマイトを設置。いよいよ、本格的な冬が到来しようとしていた時期だった。
いつでも怪物の襲撃に対抗できる状態だったが、しかしその後、3週間経過しても怪物はやって来ない。
更に苛立ちを募らせたグルナーは、アネリスに乱暴を働き責め立てた。友は狂気的な彼の行動を制止。来ないなら誘き寄せるまでだと言うグルナー。その日の夜、灯台の扉を全て開けランタンを各場所に設置し、襲撃に備えた。
映画『コールド・スキン』の結末・ラスト(ネタバレ)
雪が舞う中、グルナーに脅され泣きながら仲間を呼び寄せるアネリス。友もまた、銃を構えて待ったが、ふとランタンの明かりが消える。彼は再びランタンを点そうとしたが、そこへ怪物の群れが襲来。グルナーはこれ見よがしにダイナマイトを爆発させた。
翌朝、灯台周辺を見回り生き残っていた怪物の息の根を止めて歩く。それは胸を痛める酷い光景であった。その日の夜、遠くでアネリスが泣いている声に耳を傾ける。グルナーはサディスティックにも、アネリスが泣いている姿が可愛いと言うのだった。
数日が経過。海辺を見回っていた友は、海上に怪物が泳ぐ姿を垣間見る。彼は砂浜に石で円を作り、その中心にクジラの骨で作った船を置いた。殺してしまった怪物たちへの弔いのつもりだった。
そして、灯台へ戻りグルナーの持ち物を探り、ある写真を目にする。それは、先任の気象観測員の日記に挟まっていた写真と同じものだった。全てを察した友は日暮れ間近、海辺に作ったサークルへ向かう。中心に置いた船がなくなっていた。そこへ、幼い怪物が姿を現し、そしてアネリスが出て来る。彼らと交流しようとした友だったが、銃を構えたグルナーが現れる。
恐らく、怪物たちは人間と交流を持ちたかったのだ。彼らにしてみたら人間の方が未知の生き物である。そして、先任の気象観測員だったアルドールは恐怖に怯え孤独に苛まれ、グルナーという人格を作り怪物と戦うことで孤独から逃れようとしたのだ。
彼は灯台に戻り、怪物たちへダイナマイトを投げつける。そのせいで、幼い命が無為に奪われアネリス達は一斉に海へ逃亡。友はすぐさま灯台へ戻り、グルナーの凶行を止めた。すると、彼は同じ人間である友を殺そうとしてしまったことに気付き絶望。自ら外へ出て怪物の餌食となるのだった。
半年後、孤島に海軍が訪れ新しい気象観測員を連れて来たと言う。一人生き残った友はグルナーと呼ばれ、先任者は流行り病で死んだと告げるのだった。
映画『コールド・スキン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
南極海の孤島に赴任した若き気象観測員が見た光景を描いている。灯台守のグルナーは酷く暴力的で、理知的で慈悲深い友とは対照的。その間に挟まり、無邪気な様を見せる水棲生物アネリスの仕草が可愛らしく、物語に心休まる一瞬を添えている。
時期は秋から極寒の冬。景色はほとんどが灰色で寒々しい。そんな中で、毎夜繰り広げられる命のやり取りは、無情にも感じる。水棲生物と人間は互いに未知なる生物と認識していたのだろうが、そこへきて孤独に苛まれ恐怖を覚えたグルナーが攻撃的になるのも頷ける。(MIHOシネマ編集部)
本作は、孤島にやってきた新任気象観測員の青年が謎のクリーチャーと闘う姿を描いた、スペイン文学の『冷たい肌』を映像化したサスペンスホラー作品。
主人公と共に灯台を守っていたおじさんが狂っていき、結局最後にカエルの群れに飛び込んで自殺してしまうという生涯だったが、彼が何故孤島で怪物たちと暮らしていたのだろうか。
死んでしまったおじさんは、一体何者だったのか気になってしょうがない。
おじさんに手なずけられていた半魚人の女の子が可愛かった。(女性 20代)
灯台守のグルナーがとにかくヤバいおじさんだったお話。これがスペイン文学の作品を元に作られていると言うのだから驚きです。
1人で孤独に暮らしているうちに、半魚人の女怪物と出会い、彼女をペットと言うかおとりとして飼い慣らし、時には性処理の道具として彼女を弄んでいるグルナーが本当に気持ち悪くて不快でした。
後から来た友に対する態度もかなり傲慢で、こんなおじさんと2人きりで怪物を殺しながら島で過ごすなら死んだ方がマシだと思ってしまいました。(女性 30代)
孤島での過酷なサバイバル映画だと思って観始めましたが、次第に人間の残酷さを描いた寓話のように感じられました。夜になると現れる謎の存在との戦いは確かに恐ろしいですが、それ以上に、灯台守グルーナーの歪んだ支配欲と暴力性が印象に残ります。怪物だと思っていた存在が、実は人間以上に感情を持っていると分かる展開には考えさせられました。敵と味方、人間と怪物の境界が曖昧になっていく構成が非常に挑戦的で、後味は決して良くありませんが、忘れがたい一本です。(20代 男性)
正直、かなり好みが分かれる映画だと思います。物語の舞台はほぼ孤島のみで、展開も重苦しく、息が詰まるような時間が続きます。ただ、その閉塞感こそがテーマに直結していると感じました。人間が恐怖からどれほど残酷になれるのか、そして支配する側とされる側の関係性が逆転していく様子が生々しい。ラストで主人公が選ぶ行動も、決して正義ではないけれど、理解できてしまうのが怖いです。観終わった後に深く考えさせられる作品でした。(30代 女性)
モンスター映画だと思って期待すると、かなり肩透かしを食らうかもしれません。しかし、本作は怪物の正体よりも、人間の内面を描くことに重きを置いています。昼と夜でまったく表情を変える孤島の描写が印象的で、夜の襲撃シーンは純粋にスリリングでした。一方で、灯台守の行動は次第に理解不能になり、狂気が伝染していく感覚があります。人間が文明を名乗る資格はあるのか、という問いを突きつけられるような映画でした。(40代 男性)
映像美と陰鬱な雰囲気に惹きつけられました。海と岩に囲まれた孤島は美しいのに、どこか不気味で、人を拒絶しているように感じます。最初は得体の知れない存在に恐怖を覚えますが、物語が進むにつれて、その存在よりも人間側の行動の方が恐ろしくなっていきました。特に、力関係が固定された関係性の描写は非常に不快で、目を背けたくなる場面も多いです。それでも観続けてしまうのは、この映画が持つ強烈なメッセージ性ゆえだと思います。(20代 女性)
かなり暗く救いのない映画ですが、個人的には強く心に残りました。孤独と恐怖が人をどこまで変えてしまうのか、その過程が丁寧に描かれています。主人公が次第に灯台守と同じ側に立っていく様子は、見ていて辛い反面、とてもリアルでした。怪物との戦いは単なる外敵との闘争ではなく、人間性そのものとの戦いだったように思います。娯楽性は低めですが、テーマ性を重視する人には刺さる作品です。(50代 男性)
観ていて何度も気分が重くなりましたが、それでも最後まで目が離せませんでした。人間と怪物の関係性が、支配と被支配、加害と被害の構造として描かれている点が非常に示唆的です。灯台守が語る過去や思想も含め、彼が完全な悪だと言い切れないところが余計に苦しい。主人公が最後に選ぶ道も、決して希望とは言えないものですが、その曖昧さがこの映画らしい終わり方だと思いました。(30代 女性)
最初はB級ホラーのような印象でしたが、観終わる頃には全く違う感想を持っていました。夜の襲撃シーンは緊張感があり、サバイバル要素も楽しめますが、核心は人間の暴力性と孤独です。文明から切り離された環境で、人は簡単に倫理を失ってしまう。その恐ろしさが淡々と描かれています。爽快感やカタルシスを求める人には向きませんが、重いテーマを受け止められる人には強くおすすめしたいです。(40代 男性)
映画『コールド・スキン』を見た人におすすめの映画5選
ライトハウス
この映画を一言で表すと?
孤独と狂気がじわじわと侵食していく、白黒の悪夢。
どんな話?
人里離れた孤島の灯台で働くことになった二人の男。閉ざされた環境の中で共同生活を送るうち、次第に理性と現実の境界が崩れていく。孤独、支配関係、疑念が絡み合い、物語は狂気の深淵へと進んでいく。
ここがおすすめ!
極限環境で人間の精神が崩壊していく様子が、『コールド・スキン』と強く共鳴する。怪物よりも人間の内面の恐ろしさを描く点が共通しており、重苦しい雰囲気が好きな人に刺さる一本。
アナイアレイション -全滅領域-
この映画を一言で表すと?
未知と向き合うことで、人間の本質が暴かれるSFホラー。
どんな話?
謎の領域「シマー」に調査隊として足を踏み入れた女性科学者たち。常識の通用しない空間で、自然や生物が異様に変異していることを知る。探索が進むにつれ、彼女たちは自身の内面とも向き合わされていく。
ここがおすすめ!
異形の存在と対峙しながら、人間の心理や自己破壊衝動を描く点が共通している。説明しすぎない構成と不穏な映像美が印象的で、考察型の作品が好きな人におすすめ。
シェイプ・オブ・ウォーター
この映画を一言で表すと?
怪物と人間の境界を覆す、切なく美しい異形のラブストーリー。
どんな話?
政府の極秘研究施設で働く女性が、捕らえられている謎の半魚人と心を通わせていく。言葉を超えた交流を通じて、社会から排除された存在同士が惹かれ合っていく物語。
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怪物だと思われていた存在にこそ人間性があるというテーマが、『コールド・スキン』と重なる。暴力と支配ではなく、共感という選択肢を提示する対照的な視点も含め、見比べるとより深く味わえる。
第9地区
この映画を一言で表すと?
差別と恐怖をSFで描いた、強烈な社会派エンタメ。
どんな話?
地球に取り残された異星人たちが隔離地区で暮らす近未来。管理側だった男が、ある事件をきっかけに異星人の立場へと追いやられていく。視点の反転によって、差別と暴力の構造が浮かび上がる。
ここがおすすめ!
「異形=敵」という固定観念が崩れていく過程が、『コールド・スキン』と非常に近い。エンタメ性が高い一方で、倫理的な問いも強く、重いテーマをしっかり味わいたい人におすすめ。
アンダー・ザ・スキン 種の捕食
この映画を一言で表すと?
人間を観察する“異物”の視点で描かれる、不気味なアートホラー。
どんな話?
人間社会に紛れ込んだ謎の女性が、淡々と男たちを捕食していく。物語はほとんど説明されず、映像と感覚で異質な世界を体験させる構成になっている。
ここがおすすめ!
人間と異形の立場が曖昧になり、「本当に怪物なのは誰か」を問いかける点が共通している。冷たく抽象的な演出が印象的で、感覚的な映画体験を求める人に最適。



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