12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『パンズ・ラビリンス』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『パンズ・ラビリンス』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パンズ・ラビリンス』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『パンズ・ラビリンス』の結末までのストーリー
  • 『パンズ・ラビリンス』を見た感想・レビュー
  • 『パンズ・ラビリンス』を見た人におすすめの映画5選

映画『パンズ・ラビリンス』の作品情報


出典:Amazonプライムビデオ

製作年 2006年
上映時間 119分
ジャンル ファンタジー
ドラマ
ホラー
監督 ギレルモ・デル・トロ
キャスト イバナ・バケロ
セルジ・ロペス
マリベル・ベルドゥ
ダグ・ジョーンズ
製作国 メキシコ
スペイン
アメリカ

映画『パンズ・ラビリンス』の登場人物(キャスト)

オフェリア(イバナ・バケーロ)
おとぎ話が好きな少女。戦争で父を亡くし、母の再婚相手であるビダル大尉の屋敷で暮らすことになる。争いや恐怖ばかりの現実に嫌気が差していたところに、魔法の国の存在を知る。
パン(ダグ・ジョーンズ)
オフェリアが森で出会った羊の頭の怪物。オフェリアのことを魔法の国の王女の生まれ変わりと呼び、彼女が再び魔法の国に戻るために三つの試練を課す。

映画『パンズ・ラビリンス』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『パンズ・ラビリンス』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パンズ・ラビリンス』のあらすじ【起】

1944年のスペイン。内戦が終わった後も、山では武装した人々が新たな独裁政権と争いを続けていた。

遥か昔、嘘や苦痛のない魔法の王国が地面の下にあった。その王国のお姫様は人間の世界を夢見ていた。澄んだ青空や、そよ風、太陽を見たいと願っていた。そしてある日、お姫様は従者の目から逃げ出すことにした。地上に出たお姫様はあまりの明るさに目が眩み、全ての記憶を失ってしまった。自分が誰で、どこから来たのかも忘れてしまったお姫様は、魔法の王国にはなかった寒さや痛み、病に晒される。そして、彼女はとうとう、地上で息絶えてしまった。しかし、父王はお姫様の魂が別の肉体に宿り、別の時代に戻ってくることを命の限り待ち続けていた。

オフェリアは本の虜で、家族と山に出かけている車中でも文面から目を離さなかった。産気づいた母の訴えで車が止まる。母の体調が戻るまでの間、オフェリアは山中で奇妙な像に巣くう虫の妖精を見つけた。

オフェリアが着いたのは、新しい父親になるビダル大尉の家だった。新しい父親は母には優しかったが、オフェリアには冷たい態度で接した。居心地の悪さを感じているとオフェリアは虫の妖精が自分を追ってきていたのに気付いた。

映画『パンズ・ラビリンス』のあらすじ【承】

ビダル大尉は自分の屋敷で部下と共にゲリラを掃討する作戦を立てていた。その晩、オフェリアはベッドの上で母に、どうして再婚したのかと尋ねた。寂しかったからだと答えた後、母はオフェリアに腹の中の弟におとぎ話を聞かせてあげてほしいと言った。オフェリアはとある物語を語り出す。

遠い昔のこと。遠く離れた不幸な国に、黒い岩でできた巨大な山があった。その頂上には、日が暮れると摘んだ人を不死身にする魔法のバラが咲いた。しかし、近づく者はいない。そのトゲが猛毒だと知っていたから。人々は死の恐怖や痛みについて話しても、永遠の命の事は誰一人口にしなかった。バラは冷たい山の頂上で永遠の命の恵みを誰にも与えることもなく人々から忘れ去られ、この世の終わりまでひっそりと咲いて散った。

部下がゲリラの容疑者を捕えたという報せを受けて、ビダルは現場に向かう。そこには銃を携えた父子がいた。二人は農民で、兎を撃ちに森に入ったと言う。ビダルは父を弁護する子を殴り殺し、泣き喚く父親を撃ち殺した。それから、二人の荷物を検めると、鞄の中には兎の死体があった。

映画『パンズ・ラビリンス』のあらすじ【転】

オフェリアたちの寝室に窓から虫の妖精が忍び込んできた。妖精はオフェリアを外に導く。オフェリアが妖精についていくと、大穴を見つけた。そこには角の生えた人型の怪物がいた。迷宮の守護神パンを名乗るその怪物は、オフェリアのことをモアナという王女の生まれ変わりだと言う。パンはモアナに本を渡し、彼女に王女の力が残っているか確かめるため、三つの試練を受けろと言い残して姿を消した。

オフェリアは母と共にビダルのパーティに出席することになった。出かける準備の最中、オフェリアはパンから受け取った本を開く。すると、白紙だったページに文字が浮かび上がった。

パーティの準備が進む中、ビダルは森に浮かぶ狼煙を見つける。ゲリラがいるに違いないと考えたビダルは部下と共に現場に向かった。一方、オフェリアは森の中でパンから受け取った本に書かれていた呪いを実行した。そして、枯れ木の幹に開いた穴に潜ると、そこは不思議な世界と繋がっていた。

狼煙の下に着いたビダルは、まだ温かい焚火の後を見つけた。近くにゲリラの集団がいることを確かめたビダルは屋敷に引き返す。ビダルたちが姿を消すと、茂みの中から十数人のゲリラが姿を現した。

木の幹の中を進むオフェリアは、そこで虫を食って太ったカエルの様な生き物と出会った。そのカエルから鍵を手に入れたオフェリアは来た道を引き返した。外は既に夜になっていた。

屋敷に還ったオフェリアは遅い帰宅を叱られる。しかし、オフェリアにとっては、母の機嫌なんかどうでもいいことだった。皆が寝静まると、オフェリアは手に入れた鍵を持ってパンと出会った穴に向かった。パンはオフェリアを祝福し、次の試練に使う白いチョークを彼女に渡した。

明くる日、地元住民への配給が行われる最中、オフェリアの母が腹から大量の血を流して倒れた。母の病気を心配して試練を止めたオフェリアの下にパンが現れる。パンは母の体調を直す万能薬を渡し、試練を続けるようオフェリアに説いた。

オフェリアは白いチョークを使い、壁に扉を描いた。すると、扉が実体化し、不思議な世界の入口になった。入口の向こうは豪華な宮殿で、贅沢な食事が並んだテーブルの前に目のない怪物が座っていた。オフェリアはこっそりと、宮殿に隠されていた短剣を盗み出し、テーブルの上の果物を摘まんだ。すると、突如怪物が動き出し、彼女を追い駆けた。慌てて帰ろうとするオフェリアだが、その寸前で戸が閉まってしまう。オフェリアは天井に新しい扉を作ると、そこから間一髪脱出に成功した。

ゲリラがビダルの屋敷を襲撃してきた。ビダルは部下と共にゲリラを殲滅し、一人の捕虜を捕えた。ビダルは捕虜を拷問にかけてゲリラの本隊の居所を得ようとする。

その晩、オフェリアの下にパンが現れた。パンはオフェリアが怪物のテーブルに並んでいた果物を食べたことを責め、試練は失敗だと言って消えた。

映画『パンズ・ラビリンス』の結末・ラスト(ネタバレ)

オフェリアに弟が生まれた。しかし、その代償に母は死んでしまった。悲しむオフェリアの前にパンが現れ、最期のチャンスを与えると言い出した。弟を連れて迷宮に来い。オフェリアはパンの指示に従うことにした。ビダルの部屋に忍び込んだオフェリアは、彼の目を盗んで弟を部屋から連れ出そうとする。部下が負傷したという報せを受けてビダルが部屋を出たのを見ると、オフェリアは彼の酒に毒を盛った。そして、弟を連れ出そうとしたが、ビダルが戻ってきて見つかってしまう。だが、そこにゲリラが屋敷を襲撃するために現れた。オフェリアはビダルの隙を突いて弟と共に森の穴の中に逃げ込んだ。オフェリアはパンに弟を渡そうとする。しかし、パンは魔法の国の扉を開けるため、弟を殺そうとした。オフェリアはパンの要求を拒む。だが、そこにビダルが現れ、彼女から弟を奪っていく。去り際、ビダルはオフェリアを撃ち殺した。

子供を連れて森から戻ったビダルを待ち受けていたのは、ゲリラの軍勢だった。ビダルは自分の運命を悟るとゲリラに息子を託した。その後、ビダルはゲリラの銃弾に倒れた。

ビダルの銃弾に倒れたオフェリアの血が、森の穴に滴る。その血を鍵に魔法の国の扉が開いた。オフェリアは自分の名を呼ぶ声を聞き、気付くと宮殿にいた。父王と母、それからパンが彼女の前に現れ、弟の代わりに自らの血を流すという選択をしたオフェリアを祝福した。

映画『パンズ・ラビリンス』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ファンタジーと現実の地獄が交錯する物語に圧倒されました。少女オフェリアが直面する残酷な現実は、まるで童話の皮を被った戦争の寓話のようで、観る者に強烈な印象を残します。特に、ラストでオフェリアが命を落とすシーンは、美しさと悲しさが同居し、涙が止まりませんでした。幻想世界が彼女にとっての「救い」だったのだと考えると、現実の残酷さがより際立ちます。ギレルモ・デル・トロ監督の世界観の構築力にはただただ脱帽です。(30代 女性)


圧倒的な映像美と陰鬱な現実描写が、これほどまでに融合する映画は他にないと感じました。オフェリアが迷い込むラビリンスはまさに異世界ですが、その裏にある現実の暴力性、特に義父ヴィダル大尉の冷酷さは、観ていて本当に胸が苦しくなります。救いがあると信じたくなるファンタジーの終焉が、むしろ観る者に現実を突きつけてくる構造が秀逸。こんな映画を中高生の頃に観ていたら価値観が変わっていたと思います。(40代 男性)


オフェリアが選んだ「正しさ」に心を打たれました。目の前の危険よりも、人間としての尊厳や思いやりを貫く姿に、ただの子どもではない強さを感じました。最期に母や弟を救い、自らは幻想の王国へ旅立つラストは、切なくもどこか希望があり、私は彼女の死を単なる悲劇とは思えませんでした。現実逃避ではなく、あれは彼女の中の「もう一つの真実」だったのかもしれません。(20代 女性)


戦争の時代背景と少女のファンタジー世界という組み合わせが絶妙でした。ヴィダル大尉の狂気に満ちた暴力がリアルに描かれている一方で、フォーンの試練や妖精たちの描写が非常に幻想的で、二重の視点から物語を楽しめました。特に、大根のような妖精や手のない怪物ペイルマンの造形美は、夢に出てきそうなくらい印象に残っています。現実も幻想も恐ろしく、でも魅力的でした。(10代 男性)


母親の死や戦争による恐怖といった現実があまりに重く、オフェリアが想像する世界に救いを求める気持ちにとても共感できました。子を持つ親の立場としては、あの世界は彼女の願望や逃避だけではなく、確かな心の支えだったのだと思いたいです。ラストで彼女が王女として迎えられる場面には涙しました。幻想と現実を繋げる物語として、これほど完成度の高い作品はなかなかありません。(50代 女性)


『パンズ・ラビリンス』はまさに大人のためのダークファンタジー。フォーンが善なのか悪なのか曖昧な存在であり続けることが、物語に深みを与えています。明確な「敵と味方」が存在しない世界観は、戦争という混乱の中で誰もが何かを信じて行動していることを示しているようでした。単なるファンタジーではない、重厚な寓話として非常に価値のある一本だと感じました。(30代 男性)


幻想世界がオフェリアの心の拠り所として描かれていたのが印象的でした。過酷な現実からの逃避とも取れますが、それ以上に彼女の純粋さと強さが表れていたと思います。ヴィダルの冷徹な行動に対して、彼女の選択がより輝いて見えました。最後に王女として迎えられるシーンは、悲劇の中の小さな救いであり、観終わった後の余韻が非常に深かったです。(40代 女性)


この映画は一見するとファンタジーですが、内容は非常に政治的で重たいものです。フランコ政権下のスペイン内戦という背景を理解して観ると、オフェリアの物語がより切実に感じられます。ペイルマンやフォーンなどのクリーチャーも、単なる演出ではなく戦争の象徴としての意味合いを帯びているように思えました。大人になった今だからこそ深く刺さる映画でした。(50代 男性)


幻想の中でしか自分を信じてもらえないという状況がとても悲しかったです。オフェリアが死を迎えたことで初めて、彼女の言っていたことが真実だったかもしれないと気づかされる結末は、現実の不条理そのもののように思いました。ファンタジーの力で現実の痛みを描くこの作品は、本当に唯一無二の存在です。あのエンディングをどう捉えるかで、人の価値観が分かれそうです。(20代 男性)


ファンタジーと聞いて軽い気持ちで観たら、想像以上に重厚な物語で驚きました。特に、ペイルマンのシーンはトラウマ級に怖かったですが、その恐怖が作品全体の緊張感を高めていて素晴らしい演出だったと思います。少女の純粋さと残酷な現実の対比が見事に描かれ、観終わったあとにいろいろ考えさせられました。感情を大きく揺さぶられる映画でした。(10代 女性)

映画『パンズ・ラビリンス』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パンズ・ラビリンス』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

シェイプ・オブ・ウォーター

この映画を一言で表すと?

“異形との愛”が生み出す、美しくも哀しい大人のためのファンタジーラブストーリー。

どんな話?

冷戦下のアメリカで、発話障害を抱えた女性と、極秘に捕らえられた半魚人との間に芽生える愛を描いた作品。言葉ではない心の交流を通じて、社会の差別や抑圧に抗う姿が静かに胸を打ちます。まるで現実と夢の境界線が溶け合うような不思議な余韻が残る物語です。

ここがおすすめ!

ギレルモ・デル・トロ監督が再び描く“美と怪物”の対比は必見。細部まで作り込まれた美術や音楽が、60年代アメリカの空気感を幻想的に演出。異種間の愛という難しい題材を、見事な映像詩として昇華させた傑作です。

パラサイト 半地下の家族

この映画を一言で表すと?

笑っているうちに心が凍る、現代格差社会を暴くブラックユーモアの金字塔。

どんな話?

半地下に暮らす貧困家庭の一家が、巧みに富裕層の家に入り込み“寄生”していく過程と、その裏に潜む社会の歪みを描くサスペンスドラマ。コメディのように始まり、後半にかけて暴力的なまでに真実を暴いていく展開が衝撃的です。

ここがおすすめ!

韓国映画ならではの社会批評と、エンタメとしての完成度が見事に融合。物語の構造美、意外性、緻密な演出、どれをとっても一級品。貧富の格差という現実が、観る者に強烈な“痛み”として突き刺さります。

ミツバチのささやき

この映画を一言で表すと?

少女の瞳に映る静かなる戦後、スペイン映画史に残る詩的名作。

どんな話?

フランコ政権下のスペインの片田舎。内向的な少女アナは、映画『フランケンシュタイン』をきっかけに“死”や“魂”に興味を抱き始める。幻想と現実のはざまを静かに彷徨う、少女の心の旅を描いた作品です。

ここがおすすめ!

セリフは少なくとも、映像と演出が語りかけてくるような詩的な世界観が魅力。『パンズ・ラビリンス』と同じスペインを舞台にしながら、よりミニマルで内省的な視点から“子どもが世界をどう受け止めるか”を描きます。

ネバーエンディング・ストーリー

この映画を一言で表すと?

本を開くたびに心が躍る、永遠に語り継がれるファンタジーの原点。

どんな話?

いじめられっ子の少年バスチアンが、不思議な本『ネバーエンディング・ストーリー』を読み進めるうちに、その物語世界へ入り込んでいくというファンタジー冒険譚。現実逃避と成長の物語が繊細に絡み合います。

ここがおすすめ!

美しい映像と壮大な音楽、そして誰もが共感できる“逃避と対峙”のテーマ。『パンズ・ラビリンス』のように、現実と幻想の境界を歩く物語として、子どもも大人も心を揺さぶられること間違いなしです。

コーラス

この映画を一言で表すと?

心を閉ざした少年たちに響く、音楽と愛の優しい奇跡。

どんな話?

1949年のフランス。問題児ばかりを集めた寄宿学校に赴任した音楽教師クレマン・マチューが、歌を通じて少年たちの心を開いていく感動のヒューマンドラマ。教師と生徒、そして音楽の絆が深く胸を打ちます。

ここがおすすめ!

戦争後の閉塞感と、子どもたちの希望が対比的に描かれます。ラストの余韻と美しい合唱は涙なしでは観られません。『パンズ・ラビリンス』の“子どもの世界へのまなざし”が心に残った方にぜひ観てほしい一作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

影山みほをフォローする
映画のネタバレあらすじ

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    ラストで命を落とすオフェリアが地下の王国に王女として戻るシーンは、彼女が死の間際に見た幻のように描かれており、生きるよりも死んだほうが幸せな人物もいた時代、という印象を強く残す。
    王国の話やパンに出会ったこと、試練の全てはオフェリアの空想ともとれるシーンがいくつか存在するが、曖昧なままでエンディングを迎える。
    ファンタジー作品には多く使われるラストのため、独特のストーリーや演出が台無しになっている。

  2. 匿名 より:

    有名な冒険ファンタジー「ロード・オブ・ザ・リング」の続編で前日譚の「ホビット」シリーズの脚本を手がけた、ギレルモ・デル・トロの監督作品。

    内戦直後のスペインの山中を舞台に、反政府ゲリラと政府軍の争い、軍の大尉と再婚した美しい母を持つおとぎ話を夢見るしか救いが無かった少女の織り成す、厳しい現実と甘いだけではないおとぎ話を描いた作品。
    命を落として、永遠におとぎ話の世界で幸せになったという残酷なラストには、考えさせられるものが多い。

    登場する妖精も、最初は昆虫の形でしかないし、オフェリアを導く牧神パンの不気味さも独特の雰囲気を出している。
    パンとペイルマンを演じたダグ・ジョーンズの一風変わった演技は、「ヘルボーイ」や「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」など、他のギレルモ・デル・トロ監督作品でも見る事ができる。

  3. 匿名 より:

    時代背景もあり、夢のようなファンタジーというよりも、薄暗いイメージのダークファンタジー。
    内戦を生き延びたという環境のせいなのか、オフェリアの表情がやや乏しい。
    戦争で命を落としたという父親を慕っているから大尉を嫌うのだろうが、その点が曖昧なために序盤のストーリーに入り込めない。
    巨大なダンゴ虫が体を這っても嫌な顔ひとつせず、巨大なカエルに平然と向かっていくオフェリアには感情移入しにくい。

  4. 匿名 より:

    オフェリアをモアナ姫の生まれ変わりだと告げ、導く存在となる迷宮の守護神パンもどこか不気味な存在であり、2番目の試練で食べてはいけないと言われた食卓の果物を食べたオフェリアを、これでもかと責め立てる。
    生まれたばかりの弟の血でモアナ姫に戻してやると言い、断ったオフェリアをそのままにして消えるという、導くというよりは騙すというほうが正しいような存在。
    2番目の試練に出てくる、目が手についているペイルマンを演じたダグ・ジョーンズはパン役も演じており、おとぎ話にはやや遠い不気味な雰囲気を醸し出している。

  5. 匿名 より:

    一般市民を間違えて殺めても部下の確認がなっていないと言い、拷問をしていく大尉は悪役として確立されている。
    大尉に気に入られろうとする母親との確執、唯一オフェリアを気にかけているメルセデスのスパイ活動など、ドロドロとした現実と、オフェリアが逃げようとするファンタジー世界を、色彩の変化を使いながらも同時に進めるという演出の上手さが光っている。

  6. 匿名 より:

    少女オフェリアがシャンバラ世界に帰還する物語です。この映画で印象に残ったことは、
    外的な世界では内戦が勃発していて人々は生き残るために必死ですが、少女オフェリアはそのような外的な世界とは意味を異にする内的な世界を生きていたということです。このギャップにこの物語の面白さを感じました。