12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『霊幻道士』あらすじとネタバレ感想

映画『霊幻道士』の概要:1985年公開の香港ホラー映画。19世紀中期から20世紀初頭を舞台にした物語で、制作がサモハン・キンポーである。死人が蘇えった香港版吸血鬼キョンシーとそれを退治する道士を描く。

映画『霊幻道士』 作品情報

霊幻道士

  • 製作年:1985年
  • 上映時間:97分
  • ジャンル:SF、ホラー
  • 監督:リッキー・リュウ
  • キャスト:ラム・チェンイン、ムーン・リー、リッキー・ホイ、ビリー・ロウ etc

映画『霊幻道士』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『霊幻道士』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『霊幻道士』のあらすじを紹介します。

大富豪のヤンは街で評判の道士に先代の墓の改装を頼んだ。
あまり良い方角ではないと言われたからだ。
その墓を掘り起こしてみると、埋葬方法が誤ったものであり成仏できない。
このままほうっておくとキョンシー化すると道士は忠告した。
そこで遺体を預かることにした道士は弟子のモンチョイとチュウに法術をかけさせる。

しかし努力の甲斐無く、遺体はキョンシー化してしまった。
そしてヤンを殺し逃亡してしまう。
この殺人事件で警察から濡れ衣を着せられ拘留された道士。
しかしその間にもキョンシーは街で暴れまくる。
困った警察は道士を釈放し助けを乞う。

そんな矢先キョンシーの襲われたモンは次第に爪が伸び、顔が青白くなってくる。
米屋に買いに行かせキョンシー化を遅らせるためのもち米は、ダメな米屋が普通米とブレンドしたため効果がない。
容赦なく襲ってくるキョンシーに、どんどん深刻化するモンチョイのキョンシー化。
道士は命をかけて戦うのだった。

映画『霊幻道士』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『霊幻道士』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『霊幻道士』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『霊幻道士』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

キョンシー映画の火付け役となった傑作

よくもこんな映画を思い付いたものだと、今になっても感心してしまう。
キョンシーとは所謂中国版ゾンビのことであり、一度キョンシー化するとそのまま人を襲うようになってしまう。
そこからさらに凶暴化すると、姿も異常なほどのグロテスクさ。
あまりに小さいお子さまは絶対無理であろう。
この霊幻道士シリーズはサモハンが監修ということもあり、すべてにおいて彼のカラーに染まっている。

本作で道士として人気になったラム・チェンインもサモハングループの俳優でありカンフーに長けている。
この本物のアクションが嘘くさくなく、スリリングであり面白い。

一方でキョンシーも本気の中国アクションを見せてくれる。
子供だましだと思って見てみると、予想以上の作品に仕上がっていることを痛感させられた。
しかし、好き嫌いははっきりわかれるのもこのジャンルてあることは間違いない。
B級映画と片付けられたらそれまでなのである。

台湾発の幽玄同士との違い

ここでのポイントはキョンシー映画は香港が先であるということ。
有名な美少女テンテンとその仲間が繰り広げるキョンシー物語は実は二番煎じ。
しかも台湾から発信された別物である。
ここの区別がついていない人が多いのが残念なところ。
霊幻道士は香港ホラー、幽玄道士は子供向けの台湾コメディホラーであることを認識してもらいたい。

声優の魅力

香港映画の魅力と言えば声優。
字幕が好きな人が多い洋画だが、香港映画だけは吹き替えが好きだと言う人が多い。
代表的なのがジャッキー映画。
あのジャッキー声を担当している石丸さんはもはやジャッキーそのものとも言えるほど定着している。
本シリーズもファンにとったら吹き替えなしでは語ることのできない映画で、道士役のラム・チェンインを演じているのが青野武氏である。
数々の日本の漫画や洋画の吹き替えを担当している青野氏の声は、聞けば絶対にわかるという名優で主役をやることは極めて珍しかったものの彼がいてこその物語であるといっても過言ではない重要な役柄が多かった。
ラム・チェンインの声はほぼ青野氏が担当していたため、香港映画ファンの間ではかなり好きな人が多いことでも知られている。

映画『霊幻道士』 まとめ

香港映画というのは映画界の中でも、作り方や内容が他には無い独創性があり魅力的なものが多い。
中でもキョンシーホラーというのは良く考えられたもので、足を曲げずに手を前に出したままの奇妙な姿でピョンピョンと跳ねるその姿は異様である。
そのゾンビと闘う道士というのか法術使いであり、最初は不思議な感覚で鑑賞しているものの慣れてくると何だか格好良く見えてしまうから不思議である。
カンフーをうまく取り入れ香港らしさを忘れずに、新しい形のホラーを作り出したのが香港映画の技だと言っても良いだろう。
このことが日本にキョンシーブームを巻き起こすきっかけとなり、サモハンは偉大な功績を残したと言っても過言ではない。

みんなの感想・レビュー