映画『アリス・イン・ワンダーランド』の概要:かつて不思議の国で大活躍した少女アリスは、成長して臆病な娘になっていた。アリスの再来を待ち望んでいた不思議の国の住人たちは、そんなアリスに失望する。ティム・バートン監督が描き出すあの有名な「不思議の国のアリス」の後日談。ファンタジックな映像が楽しい。
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の作品情報
上映時間:109分
ジャンル:ファンタジー
監督:ティム・バートン
キャスト:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、アン・ハサウェイ etc
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の登場人物(キャスト)
- アリス・キングスレー(ミア・ワシコウスカ)
- 子供の頃からおかしな空想癖があり、19歳になった今でも穴へ落ちて不思議な生き物たちに会う同じ夢ばかりを見る。人と違う自分に自信を失くしていた時、再び穴へ落ちて不思議な世界へ迷い込む。
- マッドハッター(ジョニー・デップ)
- ワンダーランドの住人。白の女王御用達の帽子職人で、アリスの再来を心待ちにしていた。興奮すると暴走気味になる。嬉しい時はファッターワッケンという踊りを披露する。
- 赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)
- ワンダーランドの支配者で巨大な頭をした残酷な女王。気に入らないことがあるとすぐに相手の首をはねる。赤の騎士団を部下とし、ジャバウォッキーやジャブジャブ鳥、バンダースナッチといった凶暴な怪物を操る。
- 白の女王(アン・ハサウェイ)
- 赤の女王の妹。心優しく美しい女王で、みんなから愛されている。ワンダーランドをもとの明るい世界に戻すため、姉から王冠と剣を取り戻そうとしている。
- ハートのジャック(クリスピン・グローヴァー)
- 赤の女王の側近で愛人。赤の騎士団の隊長。大きいものが好き。
映画『アリス・イン・ワンダーランド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アリス・イン・ワンダーランド』のあらすじ【起】
アリスは穴に落ちて不思議な生き物たちと出会う夢ばかり見る、一風変わった少女だった。父はそんな娘を“優れた人はみんなおかしい”といつも励ましてくれた。
時は経ち、19歳になったアリスは美しい娘に成長していた。しかし今でも奇妙な空想をする癖があり、相変わらず同じ夢ばかり見る。良き理解者だった父も亡くなり、アリスは自分に自信を失くしていた。常識的な母は娘を貴族のヘイミッシュに嫁がせようとしていた。
何も知らずにパーティーへ参加したアリスは、これが自分とヘイミッシュの婚約パーティーだと知って驚く。大勢の人が見守る中、ヘイミッシュにプロポーズされたアリスは混乱し、返事をしないまま逃げ出してしまう。
逃げ出したアリスは服を着た白ウサギを追って穴へ落ちる。四方に扉のある部屋にたどり着いたアリスは、小さな扉と鍵を見つける。アリスはシロップを飲んで小さくなったり、ケーキを食べて大きくなったりしながら、何とかその扉をくぐる。扉の向こうには奇妙な世界が広がっており、おかしな生き物たちがアリスを待っていた。
白ウサギやヤマネらはアリスが本物かどうか確かめるため、青い芋虫のアブソレムのところ連れていく。そこでアリスはワンダーランドの絵暦「予言の書」を見せられ、自分がジャバウォッキーという怪物をヴォーパルの剣で倒すことになっているという話を聞く。アリスは“それは私じゃない”と言い張り、アブソレムからも“ほとんど違うアリス”と見なされる。
映画『アリス・イン・ワンダーランド』のあらすじ【承】
そこへ赤い騎士団を引き連れたハートのジャックと、巨大な怪物のバンダースナッチが現れる。白ウサギやドードー鳥が捕まり、アリスもバンダースナッチに追われる。ヤマネはバンダースナッチの目玉を獲って反撃するが、アリスはバンダースナッチに引っかかれて腕に怪我をする。双子はジャブジャブ鳥に連れ去られる。
フラブジャスの日にアリスがジャバウォッキーを倒すことを知った赤の女王は、アリスを捕まえるようハートのジャックに命じる。ハートのジャックは白の女王の愛犬ベイヤードの家族を犬質にとり、ベイヤードにアリスの行方を追わせる。
暗い森をさまよっていたアリスは姿を消せるチェシャ猫に案内されてマッドハッターのところへ行く。ハッターはアリスとの再会を喜び、本物のアリスに間違いないと言ってくれる。ハッターはアリスを小さくして自分の帽子に乗せ、白の女王の城へ向かう。
ハッターが王室御用達の帽子職人として白の女王に仕えていた頃、このワンダーワールドは平和で明るい国だった。しかし赤の女王が反乱を起こし、王冠とヴォーパルの剣を奪ってこの国の支配者となる。美しい国は怪物のジャバウォッキーに焼き尽くされ、国民は残酷な赤の女王に怯えて暮らす日々を送っていた。
映画『アリス・イン・ワンダーランド』のあらすじ【転】
ハッターとアリスは追っ手に追い詰められ、ハッターが敵に捕まってしまう。臆病になっていたアリスも本来の強さを取り戻し、ベイヤードに乗ってハッターの救出へ向かう。
赤の女王の城の堀には処刑された者たちの生首が浮かんでいた。その中には国王の首もあった。アリスはその首を飛び越えて、城の庭に侵入する。小さくなっていたアリスは体が大きくなるケーキを食べて大きくなる。巨大な頭の赤の女王は“アム”と名乗る大きなアリスを気に入り、自分の側に置く。
アリスは白ウサギからヴォーパルの剣のありかを聞き、その小屋へ入る。しかしヴォーパルの剣はバンダースナッチに守られていた。アリスはヤマネが持っていた目玉を返し、バンダースナッチを手なずける。バンダースナッチはアリスの傷口を舐めてくれ、剣を保管する箱の鍵もくれる。アリスはついにヴォーパルの剣を手に入れる。
正体がバレたアリスを逃がすためハッターやヤマネはハートのジャックと戦い、バンダースナッチはアリスを城の外へ連れ出してくれる。しかしハッターとヤマネは囚われの身となり、赤の女王から処刑を言い渡される。
無事に白の女王の城へ辿り着いたアリスは、アブソレムと再会する。アブソレムは今のアリスを見て“アリスらしくなった”と言ってくれる。
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、赤の女王の城ではハッターとヤマネの処刑が執り行われようとしていた。しかしチェシャ猫がハッターに化けており、本物のハッターは民衆や家来たちに“赤の女王を倒せ!”と呼びかける。混乱に乗じてハッターたちは逃げ出し、白の女王の城へ帰ってくる。
いよいよフラブジャスの日。アリスはまだ迷っていた。白の女王は戦士になることを強要せず、自分の意志で決めればいいとアリスに言ってくれる。悩めるアリスは蛹になろうとしているアブソレムと話して、幼い頃の記憶を取り戻す。夢だと信じてきた不思議な出来事は、すべて本物だったのだ。アリスはついに戦士となって戦う覚悟を決める。
決戦の場で、赤の女王と白の女王は睨み合い、アリスと怪物ジャバウォッキーの戦いが始まる。アリスは6つのあり得ないことの最後に“自分がジャバウォッキーを倒すこと”を想像して、自らを奮い立たせる。激しい戦いの末、アリスはついにジャバウォッキーの首をヴォーパルの剣で切り落とす。それを見た赤の女王の家来たちは、赤の女王を見捨てる。そして王冠は自然に赤の女王の頭から白の女王の頭へ移動し、赤の女王は完全に力を失う。
白の女王は赤の女王とハートのジャックをアウトランドへ追放し、ハッターは喜びのファッターワッケルを披露する。強くなったアリスはハッターに絶対に忘れないと約束して、もとの世界へ戻っていく。
戻ってきたアリスはヘイミッシュのプロポーズを断り、父が残した事業の手伝いを始める。貿易をするために中国へと旅立ったアリスは、船上で蝶になったアブソレムを見る。
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の感想・評価・レビュー
ジョニーデップ扮するマッドハッターの印象が強い作品だが、他にも白の女王にアンハサウェイ、アリス役にはミア・ワシコウスカを起用しており、それぞれが作品のイメージに忠実に描かれている印象を受ける。
出てくるキャラクター達が全て個性が強く、特に赤の女王は小さい子なら泣き出してしまうのでは?という程に強烈である。
こういったファンタジーは個性押しをしすぎると、世界観がゴチャゴチャしてしまいがちだが、その辺りは何も問題無く、又アリスがとても強く成長していく所に共感する人も多いのではないだろうか。(男性 30代)
少し過激なシーンもあるが、現実世界とは違い、ワンダーランドの世界で強くたくましく戦うアリスの姿に、勇気を貰う。また、それぞれのキャラクターの衣装とメイク、背景の色使いなど、引き込まれる部分がたくさんあり、まるで映画の世界に入り込んで居るような感覚になる。アリスと協力して戦う仲間たちや、敵のキャラの濃さも面白く、特にマッド・ハンターを演じるジョニー・デップや、赤の女王を演じるヘレナ・ボナム、白の女王を演じるアン・ハサウェイが、役にぴったりはまっている演技も見所である。(女性 20代)
ジョニー・デップは良い意味で変人の役が似合う俳優ですが、マッドハッターも彼にぴったりの役柄でした。ティム・バートン監督とタッグを組むことが多いので、個性的な役もピタリとハマるのだなと感じます。
マッドハッターはアリスのことが大好きで、彼女のためなら、痛みを伴うことでも耐えられる強靭なメンタルを有しています。不思議の国の住人は、基本的にアリスのことが好きですが、マッドハッターがアリスに抱く愛はもっと強く、非常に深いものです。まるでマッドハッターがアリスに恋している様で、ドキドキとさせられました。恋愛関係ではなくても、二人の関係は親密です。(女性 20代)
不気味で可愛らしいアリスの世界観をそのまま残しつつ、ティムバートン特有の独特な雰囲気で作り上げられた本作品。オリジナルとはストーリーもかなり異なる実写版アリス・イン・ワンダーランドである。ヘレナ・ボナム・カーター演じる赤の女王がなかなか迫力があり、なんだか可愛らしくもある。
アリス自体もなかなか面白いもので、ワンダーランドに来てから勇敢で頼もしく、バンダースナッチを手懐けちゃうようなかっこいいアリスへと仕上がっていくのである。おかしな世界でジャバウォッキー&赤の女王と戦う勇者アリスは現実では少しおかしな子。そのギャップは夢があってワクワクした。(女性 20代)
『不思議の国のアリス』のアリスが成長し、再びワンダーランドに戻って予言の書に書かれた未来の通り、ワンダーランドを救うまでを描いた物語です。
ストーリーは作り込まれた感じではなく単調に進んでいきますが、ワンダーランドというだけあって世界観は独特で素晴らしいです。また、アニメにも登場したキャラクターたちがよりリアルにより個性的な姿で再現されているので、『不思議の国のアリス』を観たことがある人にはぜひ観てほしいです。(女性 20代)
大人になったアリスが再び不思議な世界へと行く、「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の後日談的なストーリーだった。
全体を通して3Dが駆使され、作り上げられた世界観に圧倒される。キャストも豪華で、ビジュアルもよく作り込まれていたと感じた。
ストーリー自体は先に指摘した通り、後日談的な内容のため原作を知っていることでより楽しめる作品になるのではないかと思う。アリスの作品における「アリスが意思を持つようになる」という部分は変わっておらず、そういった点では非常に良い映画だった。(女性 20代)
不思議の国のアリスの世界観を、実写版で実現した映画。よく知られている童話の物語から、13年経ったところでストーリーは始まる。成長したアリスが、かつて訪れた不思議の国へ戻ったが、そこは変わり果てていたのだった。下の世界に戻すため立ち上がったアリスと、不思議の国の住人たち。個性豊かなキャラクターたちと、思わず笑ってしまうような容姿が、物語に魅力を付け足しているのだろう。それぞれの個性が存分に生かされた作品で、不思議の国の魅力を楽しめる。(女性 30代)
この作品は、ティム・バートン監督のアートだと思う。物語を追うのも勿論なのだが、映像を止めて背景をじっくり鑑賞したい作品だ。美しく狂っている世界が表現されている。
個人的には3Dで視聴した時、あの独特の世界への没入感がすごかったので、視聴環境が整っている人にはぜひお勧めしたい。
マッドハッターを演じるジョニー・デップも、悔しいが存在感が半端ではない。白塗りの誰かわからない状態なのに、嬉々として演じるジョニーが流石である。(男性 30代)
本作は、初めて3D作品として劇場で観た思い出がある。憧れのファンタジーの世界観や、綿密にビジュアル化してあるキャラクターたちの奇抜さには驚いた。ファンタジーの実写ならではの不気味さも癖になるほどの映像美を楽しめる。
今までにティム・バートンが描いてきたジョニー・デップの中でも、本作のマッドハッターはかなりインパクトがあり、忘れられないキャラクターとなっている。まだ観ていない続編を観てみたい。(女性 20代)
みんなの感想・レビュー
ワクワクするようなワンダーランドの世界に、自分も迷い込んだかのようなきれいな映像で、一時も目が離せません。ジョニーデップはじめ役者さんたちが、本当にこんな世界があるのではないかと思う程ファンタジー空間に溶け込んでいました。
誰もが幼い頃に本やアニメで親しんだ、「不思議の国のアリス」の不思議の国が本当に実在したら、、そんな妄想を大人たちが本気で実現してくれた、そんな夢のある作品だと思います。
原作アリス・イン・ワンダーランドの、その後の世界を描いた物語。
大人になったアリスは、幼少の頃に体験したワンダーランドの世界のことばかり夢に見る、少し変わった女の子に成長していました。ワンダーランドは想像の世界だと思っても、周りと違う自分に自信を持てずにいました。そんな彼女が、またワンダーランドに戻り、不思議で個性豊かな仲間たちに支えられながら自信を取り戻し、1人の戦士として、赤の女王に立ち向かっていくストーリーには、とてもワクワクさせられました。
ティム・バートンの描くカラフルで不気味で、だけど愛らしいワンダーランドの世界は流石のひと言です。あんなに個性的で飛び向けたキャラクターの役をこなせる、それぞれの役者の存在感の大きさと演技力にも、ぜひ注目して見てみてください。
この映画のキービジュアルを見た時は、奇妙で可愛らしいワンダーランドが見られると期待していた。しかし実際は、ダークな世界が広がり可愛らしさとは掛け離れた映画だった。ストーリーも重々しく、まさかアリスが戦士として剣を握るとは想像もつかなかった。
正直な感想を述べると、期待していた内容とは違った。しかしこの作品の世界観やキャラクターには、惹かれるものがある。華やかなのにどこか影がある、暗いのにどこか華やかさを感じる。ティム・バートンだからこそ、できた映画だろう。彼の作品が好きな方は、是非とも見てほしい。
ティム・バートンと聞いて私が1番にイメージするのは『チャーリーとチョコレート工場』です。そして、彼と『スウィーニー・トッド』や『ダーク・シャドウ』でタッグを組むのがジョニー・デップ。この2人の作品と言うと、不思議でちょっとダークな世界観にコメディ要素も散りばめられていて、面白いけどちょっと怖い、独特な雰囲気のイメージがありました。
この『アリス・イン・ワンダーランド』もまさにその通りです。ティム・バートンワールド全開の、鮮やかでちょっと不気味なキャラクターたち。見ている人を飽きさせない展開はさすがです。
『不思議の国のアリス』を観た方にはぜひ観ていただきたい作品。ちょっと気持ち悪い不気味な世界観の中は細かいところまですごく凝っていて、見応えのあるシーンが多い。原作からあまり世界観が崩されていなかったので良い作品だと思った。毒々しさや、実写のリアルな、不気味なような世界観は苦手な人にはこの作品の造りは厳しいかもしれない。ジョニー・デップの狂ったハマり役具合が良い。彼の七変化を感じるには、この作品は欠かせないだろう。
大人になったアリスが再び不思議な国に戻ってきた!アリスのお馴染みのキャラクターが出てくるだけでもワクワクします。そしてジョニー・デップやアン・ハサウェイなどのキャストも豪華で見どころ満載です。アリス役のミア・ワシコウスカも可愛く原作のアリスもアリスのイメージにピッタリでした。とにかく可愛い衣装やカラフルなセットに少しダークな世界観がたまらなく可愛くて女の子は好きな作品だと思います。少しダークなところにティム・バートンらしさを感じます。
これぞティム・バートン監督作品!といえる、美しくてちょっとホラーな世界観が詰まった作品です。映像はもちろんのこと、ジョニー・デップやアン・ハサウェイなど、キャスト陣の美しさとそれぞれのキャラクターの完成度が素晴らしすぎて、それだけでも観る価値ありだと思います。
ストーリーも、原作とは大きく違うので最初は戸惑いを感じましたが、アリスが不思議の国での冒険を通して成長し、心の強さを獲得していく姿にはとても勇気をもらえました。まるでアート作品のような、観ていて美的センスを刺激させられる作品です。
初めて見たときの衝撃、映画への没入感は忘れることができない。「独特の世界観」という言葉では片付けられないほどの斬新さ、映像の奇妙さは、これぞディズニー映画の真骨頂であると言っても過言では無い。
演じる俳優陣も、この映画を大きく支えている。ジョニー・デップの違和感のなさ、ヘレナ・ボナム=カーターの強さ、アン・ハサウェイの美しさ、そんな爆裂的な個性の中でも負けないミア・ワシコウスカの真っ直ぐさ、これらをうまくまとめたティム・バートンには脱帽である。
登場人物の特殊メイクやセットのビジュアルの独特さは豪華で、原作とは一味違った視点で楽しむことができた。
ファンタジーの中にも暗さがあるティム・バートンの世界観は好みだけれど、大人から見ると内容に少し物足りなさを感じてしまった。
特に終盤、急にダンスシーンになった時は、話がずれたような脈絡のない感じがして違和感を感じずにはいられなかったが、アリスのたくましい成長には勇気づけられたし、原作とは少し違う不気味な不思議の国が覗けた。
個人的にはファンタジー映画の中で一番と言えるぐらい好きな作品。続編よりも1作目の方が断然好きである。ティム・バートン監督作品のファンなら、きっと気に入ると思う。赤の女王の見た目は衝撃を受けたが、何度も見ていると可愛く思えてきた。この作品でアリスを演じたミア・ワシコウスカの魅力に嵌まった。キャストだけでなくセットも豪華で、ずっとワクワクした気持ちで楽しむことができた。とにかく一度見て欲しい。
①アリスが好きな大人や子供にとっては楽しい映画
「不思議の国のアリス」、「鏡の国のアリス」の後日談という設定であり、大人になって不思議の国での出来事を全て”夢”と思い込んでいたアリスが、不思議の国の救世主として戻ってくるという迫力満点のストーリー。
「不思議の国のアリス」の登場人物がメインで、白ウサギ、マッドハッター、芋虫のアブソレム、チェシャ猫などが登場するが、「鏡の国のアリス」の登場人物である双子のトウィードルディとトウィードルダム、バンダースナッチ、ジャヴァウォッキーなども登場する。
ジャバウォッキーとバンダースナッチは原作の中でオリジナルの詩として読まれるものであり、それをマッドハッターが口ずさんでいるシーンがある。
アリスがウサギを追って落ちた穴の底の部屋での出来事は、原作にほぼ忠実に作られている。
だが、原作を知らなければマッドハッターが何を口ずさんでいるのか謎になってしまうし、なかなかドアにたどり着けないアリスを見ながら”昔と同じ事をしているから本物か偽物か”という議論をする白ウサギや双子の会話も意味がわからないだろう。
赤の女王の膨らんだ頭は印象的で、最先端のVFX技術とモーションキャプチャー、アニメーションも利用した世界観は息を呑むものがある。
②アリスとマッドハッターに重点を置きすぎたストーリー
求婚されたところを逃げ出し、アンダーランドでも逃げ腰だったアリスが、”偉大なことを成し遂げる人はどこかおかしい”という父の言葉でマッドハッターを励ましたり、決められた道よりも捕らえられた仲間を助けるために動くアリスの成長が、しっかりと描かれたストーリーだ。
しかし、赤の女王と白の女王がどうして仲違いしたのか、バンダースナッチはなぜ赤の女王の言いなりになっていたのかなど、ハッキリしない部分が多い登場人物が多すぎる。
元の世界に戻ったアリスが結婚を破談にしたのにもかかわらず、へイミッシュの父とすぐに仕事の話をするという矛盾点もある。
運命の日にさなぎになったアブソレムが、アリスの世界で蝶として出会うという設定は面白い。
白の女王の作る、アリスの体の大きさを元に戻す薬の材料が口に入れるのもはばかられるものがあるが、”不思議の国だから仕方ない”と納得してしまう力強さがある作品だ。
最先端技術を使い、美しい映像で「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」という、ルイス・キャロル作の児童文学作品の、その後を描いた作品。
3D映画として公開され、迫力満点のストーリーを劇場で楽しむこともできた映画だ。
SF、ファンタジー、ホラーなどの映画の中から選ばれる「サターン賞」を受賞し、映画をモチーフにしたゲームや漫画も発売された。
また著名なアーティストも参加したサウンドトラックアルバムも2枚発売され、主題歌のアヴリル・ラヴィーンの「アリス」も収録されたことで話題になった。
ティム・バートン監督作品の常連となっているジョニー・デップがマッドハッターという強烈な印象のキャラクターとして出演しているが、ミア・ワシコウスカのナチュラルなアリス役も印象的な作品。