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映画『トラフィック(2000)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『トラフィック(2000)』の概要:麻薬戦争について、捜査する警察と捜査される麻薬組織、麻薬が流入する米国と供給源となるメキシコ、そして薬物依存の恐怖を多角的に描いた意欲作。大きく3つの物語で構成される群像劇となっている。

映画『トラフィック』の作品情報

トラフィック

製作年:2000年
上映時間:148分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、フィルムノワール
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト:マイケル・ダグラス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ドン・チードル、ベニチオ・デル・トロ etc

映画『トラフィック』の登場人物(キャスト)

ハビエール・ロドリゲス(ベニチオ・デル・トロ)
メキシコの州警察の捜査官で麻薬組織の撲滅を目指している。両親は亡くなっていて身寄りはない。仁義を重んじ、犯罪者を密告することにも罪悪感を覚えてしまう。
ロバート・ウェークフィールド(マイケル・ダグラス)
米国の判事で、麻薬対策本部長への就任が控えている。家族よりも仕事を優先しており、家庭での退屈さを誤魔化すためにお酒を飲んでいる。
バーバラ・ウェークフィールド(エイミー・アーヴィング)
ロバートの娘。学校の成績はオールAの優秀な子だが、反社会的な面も秘めており、友達と麻薬を楽しんでいる。
モンテル・ゴードン(ドン・チードル)
米国の麻薬取締局の捜査官。米国での麻薬犯罪の取り締まりに執念を燃やしており、相棒のレイの命が奪われても決して捜査を諦めない。
レイ・カストロ(ルイス・ガスマン)
米国の麻薬取締局の捜査官でゴードンの相棒。冗談を言うのが好きで、捜査中も駄洒落を口にしている。
エデュアルド・ルイス(ミゲル・フェラー)
米国内での麻薬取引を手がけており、モンテルたちに捕まってしまう。司法取引に応じて裁判の証人となるが、ヘレーナが雇った殺し屋や麻薬組織から命を狙われる。
ヘレーナ・アヤラ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)
夫が麻薬取引に手を染めており、エデュアルドの証言で捕まってしまう。家族を守ろうと奮闘するうちに麻薬組織と関わり持つようになり、犯罪行為に加担していく。

映画『トラフィック』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『トラフィック(2000)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『トラフィック』のあらすじ【起】

メキシコの砂漠でハビエールは相棒と張り込みをしていて大量の麻薬を摘んだトラックを差し押さえる。そこに連邦警察の将軍が現れ、手柄を横取りされる。街に戻ったハビエールの前に連邦警察が現れ、将軍の元に連れて来られる。将軍は麻薬組織を潰すために組織の殺し屋を捜し出すようハビエールに頼む。ハビエールの相棒は危険な任務だと反対する。

米国の麻薬対策本部長に就任することになっているロバートはワシントンで、首席補佐官と面談する。その後、前任者からの引き継ぎを受けたり、政治パーティーに出席したりする。一方、娘のバーバラは麻薬に溺れており、恋人や学友たちと色々な麻薬を試していた。

囮捜査中のモンテルとロイは、大量の麻薬取引をしているエデュアルドに接触する。商談の途中でエデュアルドに正体がばれてしまうが、2人は追跡の末に逮捕に成功する。2人が組織のボスが誰かを教えるように迫ると、エデュアルドは司法取引を求めてくる。麻薬取締局の捜査官がヘレーナの家にやって来て夫を逮捕してしまう。

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映画『トラフィック』のあらすじ【承】

ハビエールはゲイバーに行って殺し屋をナンパして捕まえる。将軍はあまりに早い検挙に驚いてしまう。殺し屋は拷問による厳しい尋問を受ける。その後、将軍は殺し屋に優しく接して手懐ける。殺し屋から雇い主に関する情報を入手した将軍は次々に麻薬組織の関係者を検挙し、ハビエールは殺し屋を釈放してやる、

バーバラが友人達と麻薬をしながら社会への不満をぶちまけていたら、友人の1人が過剰摂取で倒れてしまう。友人を病院の前に置き去りにしようとしてバーバラ達は警察に見つかってしまう。ロバートはバーバラを厳しく罰しようとするが、妻の反対に遭う。ロバートは麻薬戦争の実態を知るために国境などを視察に行く。バーバラは友人の件にも懲りずに恋人と麻薬を買いにディーラーの元に出掛けてしまう。

ヘレーナは夫が逮捕された理由が分からず困惑する。夫の友人が自宅に来て夫が麻薬取引に関わっていたことを耳打ちする。その様子をモンテルとロイが盗聴していたが、2人のやりとりが小声で聞き取ることが出来なかった。夫の保釈は認められず、面会に訪れたヘレーナは生活が苦しくなった不満を口にする。ヘレーナが海辺で子供を遊ばせていると麻薬組織の人間に子供を誘拐されそうになり、夫が背負っている借金を返すように迫られる。

映画『トラフィック』のあらすじ【転】

ハビエールと相棒は将軍が麻薬組織のボスの手先で、ライバル組織を排除するために取り締まりをしていたことを掴む。ハビエールはアメリカの麻薬取締局の捜査官に接触され、金で情報を提供するように求められる。ハビエールは金ではなく公園に照明を設置するように要求する。そうすれば子供達が夜も公園で野球を楽しめ、麻薬の運び屋にならずに済むと説明する。

ヘレーナがレモネードを持って監視をしているモンテルとレイの元にやって来て、子供の命が狙われているので不審な動きがないか注意してほしいと求める。ヘレーナは面会中に夫が言っていた言葉を思い出し、書斎からハビエールたちが釈放した殺し屋との連絡先を見付ける。モンテルとレイは司法取引に応じたエデュアルドをホテルに匿う。ヘレーナは殺し屋にエデュアルドの殺害を依頼する。

家庭を省みないロバートは妻とケンカをしてしまう。バーバラが家の中でも麻薬をしているのを見付けたロバートは怒り、バーバラを依存症のセラピーに参加させる。ロバートはメキシコを訪問し、将軍と会談する。バーバラがセラピーから抜け出してしまい、ロバートは治安の悪い地区を車で走らせながら懸命に探す。

映画『トラフィック』の結末・ラスト(ネタバレ)

殺し屋はエドゥアルドを殺そうと車に爆弾を仕掛け、レイがその犠牲となってしまう。ヘレーナはメキシコの麻薬組織に直接会いに行き、夫が計画した麻薬の新たな密輸方法を示し、借金をチャラにしてエドゥアルドを殺すように依頼する。エドゥアルドは毒が盛られた朝食に食べて死んでしまう。夫は釈放されて自宅でBBQパーティーを開く。そこにモンテルが乗り込んで行ってつまみ出されてしまうが、こっそりと盗聴器を仕掛けて捜査を続ける。

バーバラは麻薬ディーラーの元で薬漬けになっていた。ロバートは昼夜車を走らせバーバラを探すが一向に見付けられずにいる。ロバートはバーバラの恋人の後をつけて、モーテルにいるバーバラを発見する。ロバートは麻薬対策本部長への就任を見送り、仕事ではなく家庭を選ぶ。バーバラはセラピーを再開し、ロバートも妻と共に参加する。

ハビエールの相棒は将軍の情報を麻薬取締局に売って儲けようとする。しかし、将軍の部下たちに見つかって殺されてしまう。悲しみに暮れたハビエールは、麻薬取締局に将軍の情報を渡す。将軍の一味は逮捕され、ハビエールは麻薬取締局と共に捜査を続ける。ハビエールが麻薬捜査局に要求した通りに公園に照明が設置され、子供達は夜まで野球を楽しめるようになる。

映画『トラフィック』の感想・評価・レビュー

登場人物が多く非常に複雑な物語が展開するが、画面の配色が3つに使い分けられており、どの場面を見ているのかが一瞬で分かるように工夫されている。派手なアクションシーンがある訳でもないのに見応えのある一級の娯楽作品に仕上がっているのは、スティーブン・ソダーバーグ監督の手腕あってこそ。今作でメキシコの麻薬捜査官を演じたベニチオ・デル・トロは麻薬戦争を描いた『ボーダーライン』シリーズにも出ており、そちらも必見だ。(MIHOシネマ編集部)

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