映画『クワイエット・フィールド』の概要:ヴァンパイアらしき脅威の存在が急増し、人類滅亡の危機に陥った世界。主人公と生き残った人間は、奴らから逃れつつ生活を送っていた。そんなある日、自宅に核シェルターがあるという女性と出会った一行は、身を潜めつつ生き残る方法を模索するのであった。
映画『クワイエット・フィールド』の作品情報
上映時間:104分
ジャンル:アクション、サスペンス、ホラー
監督:ジェフ・シナサック
キャスト:ジェフ・シナサック、エリシア・ホワイト、アダム・クロンハイム、ジョナサン・ロビンズ etc
映画『クワイエット・フィールド』の登場人物(キャスト)
- レイ(ジェフ・シナサック)
- 妻子を探している。IT関係の仕事をしており、妻が看護師だったため、医療の知識を多少持っている。
- ヴィッキー(エリシア・ホワイト)
- 黒髪のウェイブがかった長髪の女性。単独でバイクを運転し、移動中だった。ボーガンを武器に携えている。勇敢で肝の据わった人物。
- エリック(アダム・クロンハイム)
- 長髪の男性で、20代後半の若者。田舎の農場の馬小屋に捕らえられ、繁殖の種馬にされていた経験があり、弟を置いて逃げたことを悔やんでいる。ヴァンパイアへと変貌を遂げ、レイ達を執拗に追いかける。
- カルロス(ジョナサン・ロビンズ)
- ベイリーと同郷で、恰幅の良い男性。レイと意気投合し、友人となる。どこか間の抜けた人物で、やらかすタイプ。
- ベイリー(リンジー・ミドルトン)
- 金髪の女性で専ら車の運転をしている。足に怪我を負い、後半以降は臥せっている。献身的な看病をしてくれるミッチェルへと好意を抱く。
- ミッチェル(リース・プレスリー)
- 元軍人で仕切りたがりの男性。もう誰も死んで欲しくないとの理由からベイリーの看病を献身的に行い、次第に思いを寄せるようになる。
映画『クワイエット・フィールド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『クワイエット・フィールド』のあらすじ【起】
政府の地下シェルターにて、何十人もの放置された遺体を発見したレイ。彼はその中に自分の妻子がいないかを探した。遺体は損傷が酷く、しばらく放置されていたようで腐りかけている。この中に妻子がいるか分からない。レイは茫然自失となり、近くのイスに座りこんでしまう。だが、あまり長居はできない。友人のカルロスが呼びに来たため、やむなくその部屋を出た。
町には生きた人間の影などどこにもない。奴らは陽の光に弱く、日中は外へ出て来られないが、建物の影や室内の移動はできる。特に陽が沈む夕方辺りから行動し始めるため、早々に逃げなければならなかった。匂いを嗅ぎ取られてしまえば追って来る。
生き残った人間は、レイとカルロスの他に元軍人のミッチェル、車の運転をする紅一点のベイリー、農場から逃げ出して来たエリックの合計5人。彼らは1台の車で共に行動し、助け合って生きていた。案の定、追手に見つかってしまったため、急いで高速道路へ入る。どうにか撒けたようだ。
辺りが暗闇に包まれた頃、高速道路から降りて一般道へ向かうことにした。しかし、そんな時に限って後続にライトを発見。まさか追手かと思ったが、人間の女性でバイクに乗っていた。だが、バイクでは匂いを振り撒いて移動しているようなものだ。一先ずは、バイクを捨てて車へと救出。当然、追手がいたため、どうにか倒して事なきを得た。
女性、ヴィッキーは奴らへ復讐するために旅をしていたらしい。レイ達も南から順に町を巡り北へと向かっていた。次の行き先をヴィッキーの家があるキンカーディンに定め一行は出発。日が高いうちに辿り着き、ひとまずは休息を得る。ピリピリしているミッチェルはすぐに出発しようと言うが、ヴィッキー曰くこの家には核シェルターがあるらしい。酸素フィルター完備で食料の備蓄もあるため、3週間は潜んでいられると言う。
映画『クワイエット・フィールド』のあらすじ【承】
そこで、一行は話し合った。奴らは特徴から見てヴァンパイアのようだ。人間の血液を食料としており、嗅覚に優れている。故に匂いが消える雨を嫌い、動物には見向きもしない。今や生きている人間の数は少なく、奴らは短期間で爆発的に増えている。だが、このまま人間狩りを続ければ、間違いなく人間は絶滅するだろう。そうなった時、奴らは共食いを始めるかもしれない。いずれは奴らも絶滅する。そこまで、生き延びられれば人間の勝ちであるが、シェルターに隠れている間に果たして奴らが絶滅に至るだろうか。
更にシェルターでは身動きが取れず、襲撃されるか潜入されたら逃げ場がない。中へ籠もるにしても、雨でも降らない限り地面に匂いがついてすぐに居場所がばれる。そこで、一行はひとまず車へ戻り、雨が降るのを待つことした。
だがその夜、日中に出歩いたことで匂いを嗅ぎつけられ、陽が落ちた頃に襲撃されてしまう。車のタイヤを銃で撃ち抜かれ、逃走を妨害される。レイ達は仕方なく走って逃げることにした。しかし、森へ入った際、エリックが奴らに襲われてしまい、ベイリーが銃で足を負傷してしまう。一行が沼へ入ったところで、ようやく雨が降り出しどうにかシェルターへと入ることができた。
医療関係者がいないため、ベイリーの傷に残った銃弾を取り除くことができない。消毒して痛み止めを飲ませるしか方法がなかった。このシェルターの外には監視カメラもついており、外の様子を監視することができる。彼らは外の様子を見張りつつ、雨の日に家から必要な物を運び出した。
数日後、ベイリーの傷口が感染症で化膿し始める。レイの妻が看護師であったため、多少の知識はあるものの薬も治療できる医者もいない。近くの病院へ行くには車も探さなければならず、日中は雨が降っていたが、今はやんでしまった。一刻を争う事態ではあるが、今動くには状況が良くない。
しばらくして、雨が降り出した。ベイリー以外の全員が外へ出て、二手に分かれて隣家を巡り使えそうな物を集めて回る。ヴィッキーがバイクを発見したため、レイと2人で薬局を探しに行くことにした。
映画『クワイエット・フィールド』のあらすじ【転】
ようやく薬局を見つけた2人。雨は降り続いていたが、辺りはすでに暗い。ヴィッキーが見張りを行い、レイが薬を探しに入る。だが、こんな時に1体のヴァンパイアにヴィッキーが襲われてしまい、他の奴らにも見つかってしまう。必要な物はすでに入手していたため、2人は急いでバイクに乗り逃走した。
早速、ベイリーの足から銃弾を取り除く処置を行う。まずは酒で酔わせて昏睡したところで、ピンセットを使い銃弾を取る。全ての処置をレイが1人で行った。大仕事を終えたレイを仲間達が労う。その日はカルロスが見張りをすることにした。
だが、カルロスも寝入ってしまい監視カメラの映像も消えてしまっている。今が何時かも分からず、襲撃に備えて陽が昇るまで出入口でミッチェルが見張りをした。しかし、その日はカメラが破壊されただけで、襲撃はなく。朝が来てから外へ確認に出た。
偶然にカメラを破壊されただけなら、それで良かった。だが、家の壁にエリックからのメッセージが残されていたことから、意図的にやられたことが判明。エリックなら確かに、中の様子を目にしているため、監視カメラの存在も知っている。そこで、一行はシェルターに隠れ続けることは危険だと考え、日中は移動するための車探しを行い、もしもの時のためにシェルターでの防衛戦の準備をすることにした。
ベイリーの状態も回復へ向かっているようだが、油断は禁物である。その日はカルロスが防衛戦の準備を行い、他の3人が探索へ。しかし、カルロスはシェルターのドアを開けたまま、外へ出てしまう。そして、地下室へと材料を探しに向かい、奴らの餌食になってしまうのだった。
奴らの目には太陽光が強いライトのように映る。それは行動するのに支障を来すほどであるため、日中は動かずに暗闇でじっとしている。カルロスが出て来たことで、シェルターの扉が開いているのを発見したエリックは、遮光カーテンとサングラスで太陽光を遮り、堂々と中へ侵入した。当然、ベイリーも発見されてしまい、奴らの餌食となってしまう。
映画『クワイエット・フィールド』の結末・ラスト(ネタバレ)
そうとは知らず、乗り物を探し続ける3人。ミッチェルは偶然にも車を発見し、逸早くシェルターへ戻ったが、待ち伏せしていた奴らに襲われ逃げることもできなかった。
夕暮れ時、自分達が乗っていた車を見つけ、タイヤ交換を行ったレイ。ヴィッキーと合流してシェルターへ戻った。
だが、車のルームミラーについていた飾りを見たヴィッキー。確か高速道路から追いかけて来た奴らがこれと同じ飾りをつけていたと思い出す。しかもシェルターのドアが施錠されていない。不審に思った2人は、奴らの銃撃に遭い命からがら外へ逃げ出した。車に乗ろうとしたが、車も破壊されてしまい走って川へ。
衣服を脱いで全身に泥を塗りたくり、匂い消しを行った後、森へ戻って枯れ葉に埋もれて隠れた。作戦は功を奏し、奴らは2人を素通りして行く。
そのまま朝を迎え衣類を身に着けた後、シェルターへ。中に入るとミッチェルとベイリーの遺体があり、家の地下室ではカルロスの遺体もあった。
そこで、ヴィッキーは前日に発見した船に乗って逃げようと提案。だが、レイは逃亡に疲れたので、復讐しようと言い出す。2人は食料に水と燃料をありったけ集め、船で逃げる用意をしておき、その後は奴らを一網打尽にする準備を行った。
それから飲めるだけの水を飲み、シェルター内に放尿。新しい臭い付けをし、新たな泥を塗って衣服を身に着けた。そうして、再び落ち葉の中へ隠れ奴らが集まるのを待つ。そして、集まったところでシェルターを爆破。すぐさま踵を返し船へ。
だが、爆破から逃れた1体がしつこく追いかけて来て、レイへと襲い掛かる。突然のことだったため、逃れようもなく首筋を噛まれてしまう。だが、事前に抗生物質を飲んでいたお陰で、レイの血液は奴らにとって毒と化している。奴は薬物に侵され即死。レイとヴィッキーは、無事に船で海へと逃れることに成功するのであった。
映画『クワイエット・フィールド』の感想・評価・レビュー
序盤から大量の変死体が映されるという衝撃的なシーンから始まる。何の説明もなく、前半は死体が転がる町を進み、謎の怪物から逃げ惑う。恐らく奴らはヴァンパイアと思われる。なぜ、こうなったのかの説明はない。とにかく、爆発的に数が増えていて、人間が絶滅の危機に立たされているという状況。更に軍がまだ稼働していて抵抗しているらしいが、それらしいシーンは一切なく、話に出るだけである。
中盤までそんな感じで進み、シェルターに入ってからようやく、安定したストーリー展開に入る。終盤では主人公の復讐が開始され、少しだけ気分がすっきりするが、抗生物質で命を救われるというのはどうなのかと疑問に思わないでもない。(MIHOシネマ編集部)
『クワイエット・プレイス』は音を立てたら即死亡でしたが、今作は「匂い」を出したら即死亡です。完全に大ヒット作品のシナリオをそのまま頂いてきたような展開ですが、意味のわからないまま進む『クワイエット・プレイス』とは違い、ヴァンパイアが蔓延る世界という設定はとても面白かったです。
かなりグロテスクな描写もありますが、最後は復讐シーンもありとてもスッキリ出来ました。(女性 30代)
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