映画『スリープレス・ナイト(2016)』の概要:警察と犯罪組織の癒着を潜入捜査にて極秘に捜査していた主人公。息子を誘拐され事件が一気に加速していく。そこへ、内務調査課の女性刑事も加わり、三つ巴戦が展開される。2011年にフランスで公開された同名作のリメイク版。
映画『スリープレス・ナイト』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:バラン・ボー・オダー
キャスト:ジェイミー・フォックス、ミシェル・モナハン、ダーモット・マローニー、デヴィッド・ハーバー etc
映画『スリープレス・ナイト』の登場人物(キャスト)
- ヴィンセント・ダウンズ(ジェイミー・フォックス)
- ラスベガス市警察の殺人課に所属する刑事。実は内務省の内務調査官で、警察と犯罪組織の癒着を極秘で捜査している。粗暴な面があるものの愛情深く、元妻と息子を大切にしている。
- ジェニファー・ブライアント(ミシェル・モナハン)
- 内務省から派遣された内務調査課の刑事。正義感に厚く、嘘を見抜く才能がある。強気で一途で頑固。自分の信念を信じて疑わず、突進してしまうのが欠点。
- ロブ・ノヴァク(スクート・マクネイリー)
- ルビーノの取引相手。マフィアの息子でボスである父親に頭が上がらない。失態が父親にばれる前に収拾しようと必死。冷酷で賢いが、短気。
- スタンリー・ルビーノ(ダーモット・マローニー)
- 麻薬の密売を行っている犯罪組織のボス。ノヴァクの組織の配下におり、頭が上がらない。主に麻薬を製造し売買することで収益を得ている。他にもクラブやバーを経営している。
- デニソン(デヴィッド・ハーバー)
- 内務省から派遣された内務調査課の刑事。ジェニファーの相棒だが、ノヴァクの組織に大金で買収されている内通者。証拠隠滅のためには人殺しも厭わない。
映画『スリープレス・ナイト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『スリープレス・ナイト』のあらすじ【起】
ラスベガス市警察、刑事課所属のヴィンセント・ダウンズは20年来の相棒とある夜、大量のコカインを入手。その際、銃撃戦となってしまい応戦した結果、被害者が出てしまう。
翌日、ヴィンセントと相棒は昨夜の事件の担当となるべく、捜査チームへ志願。現場にて証拠品の隠滅を図ろうとした。ところが、チームには内務調査課の刑事、ジェニファー・ブライアントと相棒のデニソンも参加しており、ヴィンセントと相棒が汚職に関係しているのではないかと疑われてしまうのだった。
その日の午後は16歳の息子を迎えに行く予定だったヴィンセント。妻とは離婚し息子とも離れて暮らしていたが、その日に限って息子の面倒を見ることになる。だが、自宅への帰宅途中に突如、襲われ息子が誘拐されてしまう。どうやら奪ったコカインの持ち主、麻薬密売をする犯罪組織の手の者らしい。その証拠に攫われた直後、ヴィンセントには犯罪組織のボスであるスタンリー・ルビーノから着信があった。
奪ったコカインは取引先のロブ・ノヴァクへ渡る予定で、3時間以内に渡さなければ息子を殺すと脅される。
襲われた際、左腹部をナイフで刺傷されたヴィンセント。署へ戻り手早く傷の手当を行う。相棒と口論した後、コカインを持ってルビーノの店を訪れた。店のトイレにて3分の2のコカインと銃を隠し、残りを持ってルビーノの元へ。
しかし、ヴィンセントを尾行していたジェニファーが、トイレに隠されたコカインと銃を発見してしまう。
同じ頃、ルビーノと対峙したヴィンセントは、息子と交換で残りのコカインを渡すと交渉。だが、そこへノヴァクがやって来てしまう。ヴィンセントは急いでトイレへコカインを取りに戻ったが、ジェニファーがすでに持ち去った後である。
ヴィンセントはトイレの見張りに協力してもらい、天井裏へと身を潜めた。
映画『スリープレス・ナイト』のあらすじ【承】
ノヴァクという男は、ルビーノも恐れるマフィアの息子であった。非常に冷酷で賢く酒も飲まないので、誤魔化しが効かない。奴は自分の失態を取り戻そうと必死らしく、ルビーノに脅しをかける。焦ったルビーノは店へ戻りヴィンセントの姿を探したが、すでに見当たらない。
その頃、見つけたコカインをスパの女性用ロッカーへ隠したジェニファー。駆け付けた相棒にヴィンセントが汚職していると明かした。
ヴィンセントは天井裏から厨房へ逃れ、スーツに着替えると咄嗟に砂糖をコカインとして代用。一先ずの時間稼ぎをしようと画策。ジェニファーのせいで、計画が台無しである。
ノヴァクに砂糖をコカインだと偽って渡したヴィンセント。どうにかその場を凌ぎ、無事に息子を返してもらう。しかし、ノヴァクはすぐに麻薬がただの砂糖であることに気付き、戻ってルビーノへ文句を言うのだった。
息子を連れて逃走を開始したヴィンセント。実は、彼は内務省の内務調査官で警察と犯罪組織の癒着を捜査するため、2年もの間、潜入捜査を続けていた。そのために息子や元妻と疎遠になっていたのである。それは、家族を危険から守るためでもあった。
隣の厨房にて追手と交戦した後、どうにか逃げ延びたヴィンセント親子。
ところが、クラブへ足を踏み入れた際、人込みに紛れて息子が追手に捕まってしまう。
同じ頃、ノヴァクは買収している警官をも動かし、ヴィンセント捕縛へ乗り出す。ルビーノへも発破をかけコカインの奪取を命じた。
映画『スリープレス・ナイト』のあらすじ【転】
ルビーノの店で未だヴィンセントを探していたジェニファー。彼女は前回の捜査でも問題行動を起こし、殺されかけていた。頑固な性質であり、自分の信念に一途で周囲が見えなくなってしまうため、デニソンからも心配されている。相棒に説得された彼女は、仕方なく帰路に就こうとしたが、エレベーターでヴィンセントと鉢合わせしてしまう。
奴を必死に追跡し、交戦したものの敵うはずもない。押さえつけられたジェニファーは、ヴィンセントから身分を明かされ驚愕するも、頑なに信じようとしない。署内に内通者がいるため、無暗に応援要請もできない。ジェニファーの捜査が妨害され、彼女が殺されそうになった前回の事件も、どうやら署内に潜伏している内通者が情報を流したせいらしい。
ジェニファーからどうにかコカインの隠し場所を聞いたヴィンセント。彼女を手錠で拘束し、その場に放置するのだった。
スパへやって来たヴィンセントだったが、そこへジェニファーから連絡を受けたデニソンが現れ、立ち向かって来る。事情を明かそうとしたヴィンセントに対し、デニソンは全く聞く耳を持たず、問答無用で掴み掛る。激しい戦闘の後、ヴィンセントが勝利。
ロッカーは空だったため、移動を開始。その途中、逃げ出した息子から助けを求める着信があったので、クラブへ足を向けた。
更にヴィンセントの相棒が到着するという連絡が入ったため、先に駐車場へ。だが、相棒は現れた追手と相撃ちになってしまう。訳も分からず、彼のスマホを持って息子の元へ。相棒のスマホにはデニソンからの留守電が入っており、録音を聞くとヴィンセントを殺せというメッセージが入っている。どうやら、奴が内通者の1人らしい。
そのデニソンに救出されたジェニファー。相棒がヴィンセントを汚職警官だと断定。2人は駐車場へ向かい、2体の死体を発見する。1体はヴィンセントの相棒でまだ息があったが、デニソンが証拠隠滅のために息の根を止めてしまう。
映画『スリープレス・ナイト』の結末・ラスト(ネタバレ)
その頃、クラブへやって来たヴィンセントは息子の無事な姿を発見するが、そこへルビーノの手下が現れ攻撃される。どうにか退治して息子を確保。だが、そこにはノヴァクもおり、ルビーノに制裁を加えようとしていたが、乱闘中のヴィンセントを発見。クラブ内はノヴァクの発砲にて騒然となり、避難する客で出入口はごった返した。
息子を連れ人込みに紛れて逃走していたヴィンセントは、展示されていたスポーツカーを奪い外へと逃げ出して行く。たまたまその場に居合わせたジェニファーは、ルビーノを麻薬密売の疑いで逮捕。
駐車場へ出たものの追手が現れたため、息子に車を運転させヴィンセントは追手を始末した。しかし、そこへガスマスクを装着したノヴァクが登場。奴は駐車場内に煙幕を張り、視界を奪った。ところが、息子の身を案じたヴィンセントの元妻までもが、駐車場へとやって来てしまう。
追手との攻防にとうとう意識を奪われてしまったヴィンセントだったが、機転を利かせた息子のお陰でどうにか助かる。だが、そこへ元妻が現れ驚きを隠せないヴィンセント。銃を乱射するノヴァクと交渉しようとしたが、失敗。反撃してノヴァクを倒したものの、自分も撃たれてしまうのだった。
妻と息子に車へ乗せられ病院へ向かう車中、ヴィンセントはジェニファーへ電話をかけ、相棒のスマホに録音されたデニソンの通話を聞かせた。これで奴自身が内通者だということが判明するはずだ。通話を切ったジェニファー。ルビーノの搬送中であったが、車中でデニソンへと銃を向ける。だが、デニソンはルビーノと運転手の警官を銃殺。ジェニファーも撃たれ車はトンネル内で横転。辛うじて生き残ったジェニファーは、どうにか車から這い出て、デニソンを逮捕するよう駆け付けた警官へと告げるのであった。
元妻が看護師として務める病院へ搬送されたヴィンセント。同じようにジェニファーも搬送されて来る。どちらも虫の息であったが、適切な処置により助かるのだった。
事件が明かるみに出たことでデニソンがマフィアと癒着していたことが判明したものの、捜査に来た麻薬局内にもどうやら癒着がある様子。ヴィンセントとジェニファーの仕事はまだまだ、続くようであった。
映画『スリープレス・ナイト』の感想・評価・レビュー
潜入捜査していた内務調査官の奮闘が描かれている。2年もの間、慎重に潜入捜査を続けてきたのに、息子を誘拐されたことで一気に加速していく。そこへ、やっかいなことに内務調査課の女性刑事がはりきって割り込んで来るものだから、マフィアとの三つ巴戦へ。
作中では警官が簡単に人を殺害するシーンが多い。時にはそうしなければならないことがあるとしても、あまりに簡単にやるものだから少々、疑問を感じざるを得ない。これはお国柄なのだろうか。ただ、ストーリー展開にスピードがあるため、さらっと流せてしまう。主人公のジェイミー・フォックスの切迫した演技が素晴らしい。(MIHOシネマ編集部)
警察VS犯罪組織だけでなく内務調査課の刑事の存在があったことで、より複雑でスリリングな物語になっていたと思う。ただ、ジェニファーが猪突猛進過ぎて、ちょっとは落ち着いて考えたら良いのにと突っ込みたくなった。
ヴィンセント役のジェイミー・フォックスは相変わらずカッコ良い。息子を救うために孤軍奮闘する姿が良かった。癒着問題が全て解決したというわけではないため、少しだけモヤッとした気持ちが残るが、現実的な結末だったと思う。(女性 30代)
ジェイミー・フォックスがめちゃくちゃかっこいい今作。潜入捜査のプロである主人公の息子が誘拐されたことにより、捜査していた事件が急展開を迎えるというストーリーなのですが、とにかくテンポが良くてスリリングなので見ていて飽きません。
冷静に考えたらやりすぎな映画らしい派手な演出も作品の雰囲気とマッチしているので違和感がありませんでした。
よくある展開ではありますが、3つの組織を組みあわせたことによって良い具合に話が複雑になっていて、最後まで面白く見られました。(女性 30代)
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