映画『八月のクリスマス』の概要:「八月のクリスマス」は、1998年の韓国映画。写真館を営む余命わずかな青年と交通取り締まり員の女性との温かいラブストーリー。「シュリ」のハン・ソッキュがしみじみと演じています。ホ・ジノ監督の長編デビュー作。
映画『八月のクリスマス』 作品情報
- 製作年:1998年
- 上映時間:97分
- ジャンル:ラブストーリー
- 監督:ホ・ジノ
- キャスト:ハン・ソッキュ、シム・ウナ、シン・グ、イ・ハンウィ etc
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映画『八月のクリスマス』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『八月のクリスマス』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『八月のクリスマス』のあらすじを紹介します。
写真館を営むジョンウォン(ハン・ソッキュ)は、余命わずかだったが、穏やかな日々を過ごしていた。彼の写真館には、好きな女の子の写真を焼き増しして欲しい小学生や家族写真を取りに来た人、遺影を撮って欲しいおばあさんまで様々な人であふれていた。
そんな客のなかで、交通取り締まり員のタリム(シム・ウナ)とジョンウォンは親しくなってゆきます。季節は夏。一緒にアイスを食べたり、会話を楽しむ2人。30代と20代前半の年齢差を超えていつしか互いが大切な存在になるが、気持ちを伝える事は出来ないでいた。
ある晩、久しぶりに友人チョルグ(イ・ハンウィ)に会ったジョンウォンは、冗談っぽく”チョルグ、俺は死ぬんだ”と告白します。その後、2人で酒を飲むが、普段飲まないジョンウォンは酔っ払い荒れてしまう。
死への準備として、ジョンウォンは友人たちと写真を撮り、最後に遺影用の写真を自撮りします。また、ビデオを上手く再生できない家族のために写真と手書きの説明書や現像機の取り扱い方を紙に書いて残しておく。
遊園地でタリムとデートした夜。帰り道で、兵役時代に聞いた幽霊話をした。”人は死んだら幽霊になるだろう?”その後、ジョンウォンは自宅で倒れ、救急車で病院へ。タリムもまた、他の区域に異動となり2人は会えなくなってしまう。
タリムは何度も写真館を訪れ、手紙を残すが。
季節は冬。タリムへ手紙を残し、ジョンウォンは旅立った。ある日、写真館を訪れたタリムは、自分を写した写真が飾られているのを見て微笑む。”君だけは思い出ではありません・・”と。ジョンウォンの想いが写真に刻まれた瞬間だった。
映画『八月のクリスマス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『八月のクリスマス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ハン・ソッキュの演技に泣ける!映画
「八月のクリスマス」は、愛と死を穏やかに見つめたラブ・ストーリー。主人公ジョンウォン役をハン・ソッキュがしみじみと演じています。ジェットコースターのような激しい恋ではないけれど、好きな人に会えるだけで満たされるような究極のプラトニック・ラブを描いています。
もし、余命を知らされていなかったらどうなのでしょうか?積極的に告白するのかなぁ。”死”という重りがあるからこそ、美しく描けるのかもしれません。ジョンウォンの営む写真館に集まる人々のエピソードの1つ1つが、温かく愛おしくなります。
また余命わずかであっても、明るさを失わないジョンウォンの笑顔に癒されます。普通なら余命を知ったら、取り乱したり暴れたりしてしまいそうだけど、静かに受け止める主人公の心の豊かさにも共感。ハン・ソッキュの魅力は、役への親和性と集中力、そして役の芯がぶれない点です。
本作は日本でも、2005年に同名映画としてリメイクされていますが、ハン・ソッキュが演じた韓国版がおすすめ。何度観ても、じわじわと静かな感動に包まれますよ。
ホ・ジノ世界の魅力~日常生活の先にあるもの
「八月のクリスマス」(98)以降も、「春の日は過ぎ行く」(01)やペ・ヨンジュンが主演した「四月の雪」(05)など良質なラブ・ストーリーを作り続けています。ホ・ジノ監督の世界は、例えば、”不倫と恋愛”を描いた「四月の雪」など、不倫とはいえ、ちっともドロドロしていないですよね。
不倫はいけない事だけど、同じ苦しみを共有する同志関係に発展する物語です。関係性の純粋さや互いを思いやる気持ちが丁寧に描かれていて、癒されます。激しい恋愛ものに疲れた人にもおすすめ。ホ・ジノ監督は、日常生活をとても大切に考えています。
「八月のクリスマス」では、”遺影写真”が物語のきっかけになったそうです。題名にも工夫があり、”夏と冬”という一見、反対のイメージが一緒に結びついています。2人が出会ったのは熱い夏、季節が巡り冬になったが、大切な人はもういない・・・。冬は、”死”や”閉ざされた”イメージも拡げます。
日常生活や季節感を大切にしている監督ならではの感性に惹かれます。ホ・ジノ監督の最新作は、フランスの名作小説を映画化した、「危険な関係」(12)。上海を舞台にチャン・ツィイーやチャン・ドンゴンなどアジアのスターが競演した、めくるめく情念の世界。評価は分かれるようですが、美しい映像とチャン・ツィイーの演技が楽しみです。
異国の地が舞台でありながら、どこかノスタルジーを感じさせる作品。写真館やフィルムといったものも、ある年代よりも下の人にはもはや馴染みのないものだろう。ただ書籍も電子化される今日でも遺影写真はプリントされたもので、それが変わるとはなかなか思えない。そう考えると遺影写真に肝を置いたこの作品にはある種の普遍性がありそうだ。自分の余命を知る中で自分の余命を恋心とリンクさせないでおきたかった主人公を描くという繊細さと共に、じんわりとどこか温かい余韻の残る一本。(男性 40代)
映画『八月のクリスマス』 まとめ
まるで縁側に座り、穏やかに過ぎてゆく時のなかにいるような想像を抱かせる、ホ・ジノの世界。良質なラブ・ストーリーを作り続けてゆく原点ともいえる作品が、「八月のクリスマス」です。余命わずかな毎日を明るく過ごす、主人公ジョンウォン。演じる、ハン・ソッキュの笑顔や優しい声が切なくさせます。詩的なナレーションにも注目して下さい。
1番胸に迫ってきた場面は、”葬式用の写真を美しく撮って欲しい”とやってきたおばあさんの願い。いつかは訪れるその時の為に写真を残そう。人間だけが”死”を意識するというけれど、やっぱり心の準備が必要。恋愛も大事だけど、今この瞬間を大切にしたいと強く思わせてくれる映画です。ぜひ、大切な人と一緒に観て欲しい。
みんなの感想・レビュー
日本版山崎まさよしのもいいけど、やはりハン・ソッキュが一枚うわ手です。
静かなで哀愁ただよう存在感。彼女役もとても可愛い。
地味だけどずっと心に残る、珠玉の作品です。
日本版は、山崎の歌はかなり好き。