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映画『ヒューゴの不思議な発明』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ヒューゴの不思議な発明』の概要:豪華キャストを集結させた、良質なヒューマン・ドラマ作品。主役を務めたエイサ・バターフィールドの可愛らしさも必見。少年は、様々な出会いの果てに何を知るのか。

映画『ヒューゴの不思議な発明』の作品情報

ヒューゴの不思議な発明

製作年:2011年
上映時間:126分
ジャンル:アドベンチャー、ファンタジー
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:ベン・キングズレー、ジュード・ロウ、エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ etc

映画『ヒューゴの不思議な発明』の登場人物(キャスト)

ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)
早くに父を亡くした少年。父親が遺した機械人形を修理しているうちに、色々な人と出会っていく。
ジュルジュ(ベン・クングズレー)
おもちゃ屋の店主。機械人形を直すために必要なパーツを、ヒューゴに盗まれていた。実は機械人形とはある関係がある。
イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)
ジョルジュの養女。好奇心旺盛な少女で、父親のいないヒューゴに対しても対等に接する。
ヒューゴの父(ジュード・ロウ)
時計修理の仕事、及び博物館で勤務していた男性。彼が遺した機械人形が、ヒューゴを大冒険へと連れ出していく。

映画『ヒューゴの不思議な発明』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ヒューゴの不思議な発明』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ヒューゴの不思議な発明』のあらすじ【起】

幼い頃に父親を亡くしたヒューゴ・カブレは、叔父と二人で暮らしていた。叔父はパリの駅にある時計のネジ回しの仕事をしていたが、ある日突然行方不明になってしまったのだ。叔父は大層酒飲みであったため、またどこかで飲み歩いているのだろう、とヒューゴが代わりに仕事を務めていた。

実は現在、ヒューゴは時計台の中にこっそりと暮らしていた。時計が止まってしまえば、誰かが異常を確認しにくる。そうなるとヒューゴにとっては都合が悪いのだった。ヒューゴの父親は時計修理の仕事をしていたため、ヒューゴも機械に強かった。そして、ヒューゴの父親は、ヒューゴに一体の機械人形を遺していた。

しかし、それは修理が必要な状態で、その部品を手に入れるためジョルジュという男が店主をつとめるおもちゃ屋にヒューゴは忍び込む。しかし、ヒューゴは捕まってしまい、ジョルジュに機械人形の説明書を奪われてしまったのだった。ヒューゴはジョルジュの養女、イザベルに出会い、説明書を処分しないようにと頼み込むのだった。

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映画『ヒューゴの不思議な発明』のあらすじ【承】

翌日、ヒューゴは改めてジョルジュの元へと向かう。そして、しっかりと謝罪をした上で、説明書を返して欲しいと頼み込むのだった。しかし、そんなヒューゴに、ジョルジュは紙の燃えかすを見せる。

ジョルジュが説明書を燃やしてしまったと思い落胆するヒューゴに対して、イザベルが説明書は無事であることを教えてくれた。そして、ジュルジュは、今までヒューゴが盗みを働いてきた分を労働で返せば、説明書を渡すというのだった。

機械に強いヒューゴは、そのままジョルジュの元で働き始める。一方、少しずつ機械人形の修理も進めていた。しかし、修理に必要となる、ハート形の形をしたパーツがどうしても見つからないのだった。その部分は人形のキーとなる部分であるため、それがなければ人形は動かない。しかし、ある日なんと、イザベルがそのパーツを持っていることが判明したのだ。最後のピースとなるそのパーツをはめ込むと、人形が動き始めた。そして、人形はとある絵を描き始めたのだった。

映画『ヒューゴの不思議な発明』のあらすじ【転】

その絵は、『月世界旅行』という映画の絵だった。そして、なぜかその機械は、最後にジョルジュの名前を書き記したのである。ジュルジュに何が起こっているか尋ねようと考えたイザベルとヒューゴは、彼の家へ向かう。しかし、話を聞いたイザベルの母親は、ヒューゴを慌てて追い出そうとするのだった。

しかし、ヒューゴは母親の視線がとある箱に向かれていることに気がつく。そして、その箱の中には、たくさんの映画の場面を描いた絵が入っていたのだった。ヒューゴとイザベルは、ジョルジュがかつて有名な映画監督であったことを知る。しかし、ジョルジュはなぜか、戦争中に死んだことになっていたのだった。

二人は、ジョルジュが撮った一本のフィルムを鑑賞した。その映画では、イヴリンの母親が女優として映っていた。そして、映画が終わった頃、ジョルジュは自分の人生を二人に語り出すのだった。一方、その頃川でヒューゴのおじさんの死体が発見された。その死体は死後数日経っているにもかかわらず、駅の時計は今でも問題なく動いている。そのことに、鉄道公安官が疑問を持ってしまったのだ。

映画『ヒューゴの不思議な発明』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジョルジュは、機械いじりが大好きな青年だった。彼は、機械人形を作って、人々を喜ばせていたのだ。そして、彼は映画を撮り始める。しかし、その頃戦争が始まった。戦争が始まると人々は映画には見向きもしなくなり、ジョルジュの会社は倒産してしまう。彼は残ったお金で玩具屋を始めたが、愛着のある機械人形を売りさばくことはできず、ヒューゴの父親が働く博物館に寄贈したのだった。

ヒューゴは機械人形をジョルジュに見せようと、時計台の中へ戻っていく。しかし、鉄道公安官がヒューゴを狙っていた。ヒューゴは公安官に捕まり、連れていかれそうになってしまう。しかし、そんな二人の間にジョルジュが立ちふさがる。ジュルジュはヒューゴは自分の息子であると宣言すると、ヒューゴを引き取ってくれたのである。ジュルジュの家に戻った一行は、再びジョルジュの撮影した映画を見ていた。家族の間には温かな空気が流れており、機械人形はその家族を幸せそうに見守っているのだった。

映画『ヒューゴの不思議な発明』の感想・評価・レビュー

父親譲りの機械に強く、心優しいヒューゴの、機械人形に対する想いが強く、男らしい部分や器用で可愛らしい姿が見所であった。とても面白く、次々とストーリーの展開が気になった。ジョルジュが機械人形を、ヒューゴの父親が働く博物館に寄贈されていたことや、駅の時計が動き続けていることなど、驚きやなるほどそういうことか、と納得するような事実も解明されていく。最後の、ジョルジュがヒューゴを引き取り、家族みんなで映画を鑑賞している姿に安心し、見守る機械人形と一緒の気持ちで見終わることができた。(女性 20代)


映画のタイトルからヒューゴが不思議な発明をして、その発明の魅力が描写される展開を想像していただけに、見終わった後にまず感じたのは騙されたというものでした。邦題をつけた方のセンスにツッコミを入れたくなるところでしたが、原題は”Hugo”そのものだと知り、それであれば納得の展開の作品でした。

ヒューゴが機械人形の修理を通じておもちゃ屋の店長ジョルジョの固く閉ざされていた心の扉を徐々に開いていき、最後にはジョルジョが映画を製作していた頃の活き活きとした気持ちを取り戻していく展開に夢は捨ててはいけないと感じました。(男性 40代)


3Dを使った映像が魅力的な映画だった。実写でありながらアニメーションにも見えるような、スチームパンク、レトロ風な世界観。劇中のサウンドも映像に寄り添っていて、こちらの気持ちを盛り上げてくれる。美しいパリの街並みと、細やかな歯車や機械の動き、登場人物たちの感情の揺れが繊細に描かれている。

歯車が回るように、物語の要素がひとつ、またひとつとはまっていくのが心地よかった。最後まで観て、ようやく完成する映画だと思う。大人から子どもまで楽しめる、映画へ愛が詰まった心温まる作品だ。(女性 20代)


ヒューゴもイザベルも独特の存在感があるが、特に時計塔の中で暮らすヒューゴが時計や機械を修理するシーンが印象的だ。
また劇中に登場する『月世界旅行』は、映画史の中でも本作の中でも重要な意味を持つ。
かつてまだ映画の無かった時代にそれを自分たちの手で創り上げていく、当時の映画製作の過程にロマンを感じずにはいられない。
思い描いたものを手探りで一つの形にすること、そういう心躍るキラキラとした気持ちをずっと持ち続けていたい。大人になり、記憶のどこか奥底に忘れたものを思い出させてくれる作品。(女性 20代)


盛り上がりが少ないので物足りない展開と感じる人もいるのかもしれないが、ファンタジーの世界観が素敵で、そんな可愛い雰囲気をゆっくりと味わえたので、私は気にならなかった。ストーリーには少し矛盾を感じるところや、しっかりと繋がっておらずちぐはぐな場面もあるのでこの作品は好みが分かれると思った。

邦題が『ヒューゴの不思議な発明』となっているが、ヒューゴは何も発明していないので、なぜこのタイトルになったかは疑問が残る。(女性 20代)


『ヒューゴの不思議な発明』は単なるファンタジーではありません。映画監督ジョルジュ・メリエスの生涯を再現していますから、彼の波乱と挑戦に満ちた人生を知ることができるのです。全体的に青みがかった映像や駅の雰囲気など、ビジュアルの美しさを堪能しつつ、メリエスが手掛けた沢山のものに思いを馳せて鑑賞してみてください。『月世界旅行』は、現代の特殊技術では描くことのできない、当時の撮影技法が満載です。機械人形も必見です。(女性 30代)


マーティン・スコセッシ監督の作品の中でも傑作だと感じました。不思議な雰囲気はありますが、気づけば物語の中に引き込まれていて、見終わった頃にはほっこりとしていました。ファンタジーチックな音楽に、レトロな映像、子どもが主人公ではあるものの、大人のための絵本を読んでいるような感覚です。言葉はもちろんあるのですが、サイレント映画などが好きな方にもオススメです。若かりし頃のクロエ・グレース・モレッツの演技にも吸い込まれます。(女性 20代)


特に子供にとっては夢のある話だろう。多くの人が行き交う大きな駅の一角でこっそり暮らす、それはどこか秘密基地を思わせる。鉄の塊なのにどこか憂いを帯びた自動人形。その人形が描く絵もミステリアスでキュート。主人公の少年が盗みを働いたり、それを見つけた店の主人が少年にとっては父の形見でもあるノートを取り上げる辺りなどは、あまり良い気分がしなかったが、終わりよければすべてよし、か。
それにしても何故タイトルに「発明」とあるのだろう。自動人形は「修理」だよな…いつ発明品が出るのだろうと思って観てしまった。(男性 40代)

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    ①映画への愛にあふれた、冒険ファンタジー

    マーティン・スコセッシ監督が持つ、男くさいイメージとは違う。少年が主役の”自動人形”の謎と映画をめぐる冒険ファンタジー。何故、この作品を作ろうと思ったのだろうか?
    マーティン・スコセッシの作品は、「タクシードライバー」(76)や「カジノ」(95)、レオナルド・デカプリオが主演した「ギャングオブニューヨーク」(02)などアメリカの裏社会や伝記物を描いています。

    またロバート・デニーロとの共演作(8作も!)が多いことでも有名。本作は、愛娘フランチェスカのために作ったらしい。作品の雰囲気が、レトロ・フューチャーな感じ。少年ヒューゴが住む、時計塔がまるで時計じかけの館のように凝った造りになっているのも面白い。

    そしてなによりも映画への愛があふれています。最初の映画を作ったとされる、リュミエール兄弟、「月世界旅行」で有名なジョルジュ・メリエス、そしてヒューゴとイザベルがこっそり観たハロルド・ロイドの「要心無用」など、懐かしさと古い映画の持つユニークさがたまらない!

    ”自動人形”が描き出す、メリエスの「月世界旅行」の1シーンの絵は、映画好きにとっての記念メダルのようなもの。映画史を紐解きながら、やがて、パパ・ジョルジュが映画監督だったと種あかししてゆくくだりもいい。子供向けのファンタジーだからといって、観ないとソンをしますよ。

    ①エイサ・バターフィールド&クロエ・グレース・モレッツの更なる飛躍の可能性

    この作品の魅力は、なんといっても子役のエイサ・バターフィールドとクロエ・グレース・モレッツの演技です。特にエイサ・バターフィールドの繊細で、堂々としたセリフと演技が素晴らしい。クロエ・モレッツもかわいい。2人で映画館に忍び込んで、映画を観るシーンなんて名シーンだと思う。

    またハロルド・ロイドの映画をまねしたようなシーンとして、駅の公安官と犬・マキシメリアンにヒューゴが時計塔で追われる場面があります。落ちないかどうかスリルも満点です。クロエ・モレッツが演じる、知的なイザベルも存在感があり、これからの成長が楽しみ。2人とも同じ歳なので、良き友・良きライヴァルとして活躍が期待されます。

  2. 匿名 より:

    ”世界は大きな機械。だけど、使われている部品は全て必要。必要な人間ばかりなんだ!”というヒューゴの言葉に、個人を尊重し肯定する姿勢こそ、本作の1番のテーマなのではないでしょうか。そして映画への愛があふれています。本作を観れば、改めて映画の素晴らしさに気付くことでしょう。主役2人の演技にも魅了され、”自動人形”の謎や映画の歴史、名付親への思いなど、丁寧かつスリルたっぷりに描かれています。

    とても見ごたえのある映画で、マーティン・スコセッシの愛娘への愛も感じます。メリエスの「月世界旅行」はとても有名な作品なので、また観たいですね。”映画”という発明が、人類の夢を叶えた!あるいは人類を変えたのかもしれません。夢を忘れた大人にこそ観てもらいたい映画です。