映画『黒い乙女Q』の概要:QとAからなる二部作の一作目。孤児院育ちの少女が引き取られた家には、同じ境遇の少女も引き取られていた。引き取った夫婦は少女達を歓待し、2人の少女は次第に打ち解けるが、夫の事業が失敗し2人のうちのどちらかが、施設へと返されることになる。
映画『黒い乙女Q』の作品情報
上映時間:66分
ジャンル:ホラー
監督:佐藤佐吉
キャスト:浅川梨奈、和田聰宏、三津谷葉子、松嶋亮太 etc
映画『黒い乙女Q』の登場人物(キャスト)
- 芽衣(浅川梨奈)
- 幼い頃より孤児院にて育てられた少女。17歳。人には見えない何かを見たり、感じたりすることができる。
- ラナ(北香那)
- 芽衣と同様に孤児院から引き取られた少女で17歳。右足が不自由で松葉杖を使って歩行する。芽衣と進んで親交を持とうとし、隕石が地球に衝突して人類が滅亡すると本気で信じている。2つのお多福の面の保持者であり、面を崇めている。
- 宇田夫(和田聰宏)
- 事業を成功させ、裕福な生活を送っており2人の少女を引き取る。胡散臭い優しさと明るさで生活を快適にしようと奮闘する。実はラナの配下で言いなり。
- 宇田妻(三津谷葉子)
- 料理上手で異様に明るく、胡散臭い。2人の少女を歓待し良くしてくれるが、実はラナの配下で言いなり。
映画『黒い乙女Q』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『黒い乙女Q』のあらすじ【起】
養護施設にて育った孤児で17歳の芽衣は裕福な家庭、宇田家へ引き取られる。宇田夫妻はとても優しく、家には昨日引き取ったラナという少女がいた。夫妻は芽衣とラナに大金を渡し、学校や生活で必要な物を買えと言う。宇田家の庭には蔵があり、宇田夫は2人に近づかないよう話した。
ラナは怪我をしているのか、右足を引きずって歩く。やがて2人は学校へ通い会話を交わすようになる。すると、意外なことに同じ趣味を持ち、同じ誕生日であることが分かった。ラナのお陰で次第に芽衣も心を開き、宇田夫妻とも打ち解けていく。
そんなある日の夜、芽衣の部屋にラナがやって来て、一緒に眠ろうと言い出す。まるで双子のような2人の少女。ラナは地球に隕石がぶつかって人類が滅亡するという推測を心から信じているようだった。
映画『黒い乙女Q』のあらすじ【承】
ところが、宇田夫の事業が失敗し今後、ラナと芽衣のどちらかしか面倒を見ることができないと言われてしまう。どちらかが残り、どちらかが施設へと返される。その事実に2人の少女は会話を交わさなくなってしまう。
翌朝、宇田妻の母親の形見だというツボが割れるという事件が発生。更に、宇田夫の車には深い傷がつけられその上、ラナの松葉杖が真っ二つに折られていた。
そんなことが続出する中、横断歩道を渡ろうとしていた芽衣は、不意に背中を押されて道路へ飛び出してしまう。背後にはラナがおり、杖で押されたと思った芽衣。慌てて詰め寄ったが、ラナは素知らぬふりをする。
その日の夜、芽衣の部屋に再びラナが訪れる。彼女は宇田夫妻の部屋へ芽衣を連れて行き、夫妻の悪巧みを覗き見させた。実は事業が失敗して2人の内、1人しか面倒を見られないということも、ツボも車の傷も松葉杖も宇田夫が仕組んだことだった。夫妻は引き取った少女達の反応を見て楽しんでいたのである。口ぶりからすると、恐らくはラナと芽衣の前にもそういったことを続けてきたようだった。
映画『黒い乙女Q』のあらすじ【転】
部屋に戻ったラナと芽衣は2人で協力して宇田夫妻を殺してしまおうと相談。いよいよ、2人の内のどちらが残されるのか、発表される日がやってくる。ラナが事前に蛇の猛毒を入手してきたため、隙を突いて夫妻を毒殺することにした。
計画は順調に進み、宇田夫がラナの迎えに出かけて行く。残った芽衣が宇田妻を殺害する予定だった。しかし、宇田夫妻は芽衣をも連れてラナの迎えに来てしまう。どうやら急遽、家族で温泉旅行へ行こうという話になったらしい。ラナと芽衣は移動中にスマホのメッセージで相談し、殺害計画の続行を決断した。そして、自宅に着いた直後にラナが宇田夫を毒殺。逃げ出した宇田妻を芽衣が毒殺することに成功する。
2人はその後、夫妻の遺体を山奥へ運んで埋めることに。穴へ死体を放り込んだところで、埋めるのはラナがやると言うため、芽衣は先に家へと帰った。だが、彼女には霊感があるのか、人には見えない何かが見えてしまう。度々、目撃するお多福の面を被った何かや、見知らぬおじさんなどである。
映画『黒い乙女Q』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、死体を埋めた場所で手を合わせた芽衣。朝食は宇田妻が作っていたビーフシチューだった。人殺しの罪に苛まれる芽衣に対し、ラナはまるで罪悪感などないかのようである。そこで、芽衣は自首しようとラナを説得したが、彼女はまるで狂ったかのように自首しないと言い張る。更にラナが持ち出して来た黒い箱には古めかしい、お多福の面が納められていた。恐怖を抱いた芽衣は逃げ出そうとするも突如、死んだと思われていた宇田夫妻が現れ彼女を蔵へ閉じ込めてしまう。
蔵に閉じ込められた芽衣は、口もきけず目も見えない少女に襲われ、お多福の面を被った少女と対峙することになる。
どうやらこれまでの出来事は全てラナが画策したものであり、彼女は宇田夫妻の上位に立つ存在のようだ。ラナは隕石が地球に衝突するまでもう時間がないと焦った様子で、黒い箱に治められた2つのお多福の面に手を合わせて、次は必ずメガネに叶う者を連れて来ると言うのであった。
映画『黒い乙女Q』の感想・評価・レビュー
どこか古めかしい印象の作風ではあるが、二部作の一作目であることから、謎ばかりが提示されている。全ての謎は二作目のAで明らかにされるらしい。監督、脚本は佐藤佐吉。目指すは、今まで誰も見たことがない怖い映画だったと言う。
芽衣がいた孤児院の院長は頑なに彼女を手放したがらず、虐待を思わせるようなシーンが入る。引き取られた家の夫婦は明らかに胡散臭く、同じ境遇で引き取られたラナはどこからか強力な蛇の毒を入手して来る。突っ込みどころが多々あり、それすらも計算された謎の一部であるとすれば、今作はかなり秀逸な作品だと思われる。追い詰められるかのような演出も、次回を切望する声が相次ぐのも頷ける。(MIHOシネマ編集部)
よく意味がわからないまま鑑賞し始めてしまったので、見終わる頃にようやく「Q」ってそういうことか!と感じました。施設から引き取られた2人の少女と胡散臭い夫婦。霊感があり不思議な能力を持つラナと至って普通の女の子の芽衣。とにかく今作で描かれていたのは謎の部分のみで、疑問に思ったことが全くはっきりしないまま終わってしまいます。
見終わる頃にQの意味に気づいた私は、Aの内容が気になって仕方ありませんでした。(女性 30代)
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