映画『コンフィデンシャル 共助』の概要:南北の確執を超え、極秘の合同捜査が始まる。ターゲットは韓国に逃亡した北朝鮮の将校。迫力のあるアクションを見せ場に、北朝鮮のエリート刑事と韓国の熱血刑事が強敵に挑む様を描く。
映画『コンフィデンシャル 共助』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:キム・ソンフン
キャスト:ヒョンビン、ユ・ヘジン、キム・ジュヒョク、コン・ジョンファン etc
映画『コンフィデンシャル 共助』の登場人物(キャスト)
- イム・チョルリョン(ヒョンビン)
- 北朝鮮のエリート刑事。上司の裏切りで、仲間と妻を失い組織と元上司への復讐を誓う。韓国へ潜入し、ジンテとタッグを組み、元上司を追い詰めていく。
- カン・ジンテ(ユ・ヘジン)
- 妻と娘に頭の上がらない、庶民派熱血刑事。突如受けた、南北共同捜査で昇進を狙うも大きな事件に巻き込まれていく。
- チャ・ギソン(キム・ジュヒョク)
- チョルリョンの元上司であり、国家を欺き銅板を奪おうとしていた首謀者。冷酷な態度で、仲間でも間髪入れずに銃殺してしまう存在。
映画『コンフィデンシャル 共助』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『コンフィデンシャル 共助』のあらすじ【起】
平壌で秘密裏に行われるアメリカドル紙幣の捏造。この組織を摘発するべく待機していたチョルリョン。現場を目の前にしているにもかかわらず、チャ・ギソン隊長は待機命令を変えない。我慢しきれなくなったチョルリョンはギソン隊長の命令に背き、現場へ突入してしまう。チョルリョンの目に入ったのは、工場で働く人々を惨殺する、謎の武装集団。そしてその指揮を執るギソン隊長。実は、ギソン隊長は偽札の銅板を手に入れる策略を企てていたのだった。同じ部隊にいた妻と仲間たちは無残にも目の前で撃ち殺された。自身も大きな傷を負ったチョルリョンだったが、ギソン隊長の銃弾は弾切れ。一人だけ一命を繋いだのである。そして、ギソン達はソウルへと向かった。
ギソンと共作し一人生き残ったのではないかと、本部で拷問を受けるチョルリョン。妻を殺された恨みにかられるチョルリョンは、ギソンへの復讐を誓い、ソウルで開かれる北南長官級会談に乗じてギソンを逮捕する計画の中心となるのであった。
その頃、ソウルのカン・ジンテは必死に容疑者を追っていた。逮捕まであと一歩というところで、娘からの電話に気を取られ容疑者を逃がしてしまう。目の前で犯人を取り逃がしたことで、3か月の停職を言い渡されるジンテ。せっかくの機会なのでゆっくり過ごそうとするジンテだったが思惑通りにはいかない。娘にはiPhoneをねだられ、義妹のパク・ミニョンからはお金の工面を頼まれる始末。さらには、ピョ班長からの呼び出しで家を出なければならないことに。その要件は南北長官級会談に合わせて、脱北者を逮捕しに来る北の警察に協力して欲しいとのことだった。南の警察の代表という言葉に惹かれ、出世や昇給を目論んだジンテはチョルリョンを迎えに行くのだった。
ギソンを捕まえるという任務を請け負ったチョルリョン。任務期間は3日間のみ。緊迫した状況のチョルリョンを初めて見たジンテは思わず「チョーかっこいい!」と漏らす。
北の警察は銅板の情報を隠しているため、南の警察はたった一人の犯罪者を捕まえるために南北協力を必要とすることに違和感を隠し切れなかった。一方でチョルリョンも、いたって平凡な佇まいのジンテに対して違和感を覚え、iPhoneの受け取りを拒否。さらに高速の上で車を降り、ジンテの監視から逃れるのである。
映画『コンフィデンシャル 共助』のあらすじ【承】
単独で捜査を進めるチョルリョン。ギソンの手下で、連絡係であるミョンホの居場所を突き止め、逮捕を目論むも民間人を巻き込み大事故寸前の捜査をしてしまう。ジンテのフォローのおかげで、負傷者は誰も出さずに済んだものの、チョルリョンは表情一つ変えず情報を漏らすことはなかった。
その頃、チョルリョンの世話をジンテに任せていたピョ班長達だったが、ターゲットとされるギソンは北の将校であることを知る。なぜギソンのような大物がソウルに居て、北の当局は追っているのか。真相を探るように、ジンテへ命令を下すのであった。
共助すべき事案ということで、ギソンを暗殺されることがあれば南の警察としては大失態である。ジンテはチョルリョンを見張るため、飲みに誘う。そこで、「兄弟の契り」を交わし、チョルリョンの足首に電子アンクレットをつけた。位置追跡装置かと疑うチョルリョンだったが、警察の証だとジンテは誤魔化すのであった。そのまま、ジンテは自宅へチョルリョンを連れて帰った。見知らぬ男性を泊めることに渋る妻のユナだったが、チョルリョンのルックスに惚れてしまった義妹のパク・ミニョンは大歓迎だった。
その頃、ギソンは犯罪組織のソウル支部長、チャン・ソンテと銅板の取引に挑んでいた。ソンテは24時間猶予を欲しがり、根に利に銅板の品質を確かめるというのだった。渋々承諾するギソン。そう簡単に大金は手に入らない状況にヤキモキしていた。
一方でミョンホを追って怪しげな免税店に踏み込んだジンテとチョルリョン。令状なしで踏み込んだ二人に、チンピラたちは襲い掛かり乱闘となる。銃をジンテに取り上げられていたチョルリョンは手短にあった武器で全員を倒してしまう。人間離れした強さのチョルリョンに驚き、操作から外れたいと懇願するジンテ。しかしピョ班長は昇進を約束し、チョルリョンから目を離さないよう念を押すのであった。
映画『コンフィデンシャル 共助』のあらすじ【転】
ミョンホの後を追って、中華料理店に向かったジンテとチョルリョン。二階の雀荘でギソンの行方を探る中、チョルリョンは路地にミョンホの姿を見つけた。チョルリョンが駆け付けた時には、すでにミョンホが銃殺された後だった。その場にいたギソンの手下から携帯を手渡される。電話口の声はギソン。「俺に助けてもらった命を大事にしろ。」とギソンはチョルリョンを煽り立てるのであった。ギソンの手下と取っ組み合いになるも逃げられてしまったところに追いついたジンテ。そこには唯一の手がかりであったミョンホの死体がある。傷を負いながらも協力しているのに、何も教えてくれないチョルリョンに苛立ちを隠せないジンテ。そんな姿に、ようやくチョルリョンは自分のせいで大事な人をギソンに殺されたという真実を話した。やっとチョルリョンが離してくれた真相を、ピョ班長に電話で伝えるためチョルリョンの元を離れた隙に、一人の男性がチョルリョンの電子アンクレットを見つけて話しかけてきた。男性は趣味のアイテムと勘違いしていただけだったが、電子アンクレットは位置追跡装置であることがばれてしまう。少しずつジンテに信頼を寄せ始めていたため、上司からの指示であることを信じ再び二人は自宅へ向かうのであった。
自宅では妻のユナと義妹のミニョンが待っていた。傷の手当てをして、温かい雑煮を用意してくれたのである。ジンテの家庭の温かさが身に染みたチョルリョン。そんな中、ジンテの携帯が盗聴されているとピョ班長から連絡が入る。家族を巻き込まないため、一人先に外に出るジンテ。追いかけようとしたチョルリョンに妻のユナが声をかける。「夫は大黒柱だから、何かあったら助けて欲しい」と。チョルリョンに盗聴されていたことに腹を立てるジンテ。しかしチョルリョンはこれまで見せたことのない真剣な表情で、「助けてください。」とジンテに改めて協力を依頼するのであった。チョルリョンの表情に動かされたジンテは、ピョ班長から得た情報を共有する。「これまでありがとう」と覚悟を感じさせるお礼をジンテへ伝え、チョルリョンはギソンが取引をしているであろう相手の元へ向かうのである。
その頃、ギソンは交渉相手の足元を見た態度に苛立っていた。そこへ突入したチョルリョン。「本当に来たな」とチョルリョンの執念を賞賛するギソンだったが、手榴弾を使い脱出するのだった。交渉場所の外には、ジンテの後輩たちが待ち構えていた。後輩たちを銃で攻撃しながら逃走するソンテ。後輩の無念を晴らすために、チョルリョンと追跡するジンテに、ピョ班長から連絡が入る。すでに事件は手に負える規模ではないため、国家情報員の手に渡ったという。「チョルリョンを行かせるな」という命令に背き、ジンテはチョルリョンと共に追跡を続けた。
映画『コンフィデンシャル 共助』の結末・ラスト(ネタバレ)
前方に見つけたギソンの車。白昼、激しいカーチェイスとなった2台だったが、チョルリョンはギソンをついに追い詰めたのである。「人民の名を使って女の復讐か?」と煽り立てるギソンを撃ち殺そうとするチョルリョン。チョルリョンの暴走を止めるべく、間に入ったジンテに対して、チョルリョンは銃を向ける。その隙に、ギソンは海へ飛び込み逃亡。チョルリョンの気を静めるため、ジンテは銅板を渡し北朝鮮へ戻るように諭すのであった。国に戻り賞賛されるチョルリョン。ギソンの遺体が見つかっていないことを報告するも、上官は「もう忘れろ」とだけ助言するのであった。
チョルリョンと別れたジンテは愛する妻と娘の元へ車を走らせていた。すると鳴り響く娘からの着信音。またiPhoneをねだるお願いかと思いきや、娘の声は震え泣いていた。なんとギソンは生きており、ジンテの妻と娘を誘拐していたのである。ギソンの提示した条件は2時間以内に銅板を持ってくること。ジンテは、チョルリョンに助けを求めたが北朝鮮は銅板を渡してくれるはずもなく、ただ一人手ぶらで指定された場所へ向かうのであった。
妻と娘の元へ駆け寄ると、隣に時限爆弾が仕掛けられていた。「俺だけを殺せ」と家族を守ろうとするジンテ。危機的なタイミングにチョルリョンが現れ、銅板の裏側だけを置き人質を解放するよう交渉するのであった。なんとかギソンの手から逃れたジンテ一家。チョルリョンを残し、倉庫を立ち去るのであった。妻と娘を車で送りながらも、チョルリョンのことが気にかかるジンテ。妻にもじもじとチョルリョンの元へ戻りたい意思を伝えた。「怪我をしても知らないから」と妻はジンテを送り出すのであった。
ジンテが戻った時には、ギソンは銅板の回収を完了し、チョルリョンにとどめを刺そうとしていた。ジンテはずっと預かっていた銃を返し、反撃をし始める。ギソンを埠頭に追い詰めた二人だったが、暗闇の中でギソンはナイフを使い、攻め返すのである。銃を手にしたチョルリョンは俊敏でギソンは力尽きる。ようやく叶った復讐に涙するチョルリョン。そして銅板を「共和国の恥だ」と海に捨てるのだった。二人の死闘に決着がついた頃、ピョ班長達が援護のために駆け付けるのであった。
一年後、ピョ班長からの命令で、ジンテは北朝鮮へと向かう。再び南北共助捜査の機会が訪れたのである。ジンテのパートナーはもちろんチョルリョン。ジンテが歓迎したときと全く同じように、母国へ迎え入れるのであった。
映画『コンフィデンシャル 共助』の感想・評価・レビュー
韓国映画を何作か見ていると必ず巡り合う「ユ・ヘジン」という俳優。顔の個性は強いがどんな作風にも染まるカメレオンに近い俳優である。今作も、見事に家族想いな熱血刑事を演じきっている。そして、相反する美貌の持ち主ヒョンビンがアクションにも積極的に挑戦している。コメディな一面も備えつつ、見どころがしっかりある展開であった。南北問題にも触れながらも、韓国映画独特の湿っぽさは感じないからっとしたライトな一作。(MIHOシネマ編集部)
北のエリートを演じたヒョンビンと南の熱血刑事を演じたユ・ヘジン。ユ・ヘジンは韓国映画の名脇役的存在で、どんな作品に出ても違和感なく馴染んでいます。今作ではイケメンランキングで必ず上位にランクインするヒョンビンとタッグを組むということで、凸凹さに不安もありましたがユ・ヘジン演じるジンテの体当たりの熱血さが素晴らしく、クスッと笑ってしまうようなコメディ要素もあり、大満足の作品でした。
ストーリーの軸もしっかりしているので、バディムービーとして楽しめると思います。(女性 30代)
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