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映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の概要:かつて豊かだった自然も、人間の開発事業のため急激にその姿を消しつつあった。それに伴い、住処を失った動物達は行くあてもなく苦しい毎日を送っていた。社会風刺の意味も含んだ深い映画。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の作品情報

平成狸合戦ぽんぽこ

製作年:1994年
上映時間:119分
ジャンル:アニメ、ヒューマンドラマ
監督:高畑勲
キャスト:野々村真、石田ゆり子、三木のり平、清川虹子 etc

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映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の登場人物(キャスト)

正吉(野々村真)
狸達のリーダー的存在。思慮深く、常に冷静沈着。
おキヨ(石田ゆり子)
正吉の妻。4人の子宝に恵まれる。
鶴亀和尚(5代目柳家小さん)
105歳という高齢の狸。寺に住み着いている。
権太(泉谷しげる)
過激派のリーダー格。人間に対して攻撃的な行為をとる。
ぽん吉(林家こぶ平)
正吉の友人。狸であるが変化の術が使えない。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ【起】

昔の日本は緑に溢れ、森で暮らす動物達の楽園だった。東京都にある多摩地区南部もその一つ。その地域には、昔より多くの狸達が住み着いていた。しかし、戦後日本は産業革命により次々と変化を見せていく。人口が爆発的に増えたことで、人間は住む場所を求めあらゆる場所で開発を進めていた。

そしてとうとう、狸達の楽園、多摩地区にもその脅威が迫りつつあったのだ。人間達はその一帯の森を伐採し、多摩ニュータウンを開発しようと考えていた。森が伐採されていくに従い、多くの狸達が住処を失っていった。そして、残された僅かな資源をとうとう狸同士で奪い合うようになったのだ。

しかし、ここである提案が持ち上がる。現在狸間で行われている仲間割れをやめ、狸同士協力して、人間を多摩地区から撤退させようという提案だ。狸は昔より、化学(ばけがく)というあらゆるものに変化する能力を身につけていた。その化学の力を使って、人間達を驚かせて開発から手を引かせようと考えたのだった。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ【承】

しかし、長年化学を使ってこなかった狸達の能力は衰えていた。そこで、一部の狸達が四国と佐渡に住む長老達のもとに、化学を復興させるべく助けを求めに出かけていく。しかし、残された狸達もただただ待っているだけではなかった。

狸達の中にも過激的な手法を選ぶ者たちがおり、そういった狸たちは工事に使うトラックなどをひっくり返し、使えなくするなどの妨害行動を起こしたのだった。トラックがなければ工事ができない人間たちの手は一旦止まることとなる。更に、工事現場に怪談話を流すことで人間たちを恐怖させるのだった。その怪談を恐れた一部の工事員達は慌ててその場から逃げ出した。

自分達の計画が成功したことに狸達は喜ぶが、しかし、その妨害も長くは持たなかった。新しいスタッフがすぐに起用され、工事が再開してしまったのだ。落胆する狸達だったが、そんな狸達のもとにとうとう仲間からの要請を受けた長老狸達が姿をあらわすのだった。そして、ここから狸達の本格的な人間に対する挑戦が始まるのだった。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじ【転】

長老達は、「妖怪大作戦」という計画を立案する。その計画を実行するため、長老達は多摩地区にいる狸達を鍛え始めるのだった。そうして時が経ち、とうとう作戦実行の時がやってきた。狸達はそれぞれ妖怪へと姿を変える。狸達による百鬼夜行はたちまち人間界でも大きな話題となった。

しかし、時代の流れとともに人間も変化していた。なんとこの騒動を見た人間達は、恐れるどころかこれを一種のエンターテイメントと捉えたのだった。更に、これはチャンスとばかりにレジャーランドの関係者達は、これは自分達が宣伝のために行ったことだと嘯いたのだ。

全く自分達の思い通りにいかない展開に呆然とする狸達。そんな狸達に救い船を出したのは同じく変化の能力を身につけるキツネ達だった。キツネ達は狸達と違い、その変化能力を上手く活用し人間界に適応していた。そしてキツネ達は、狸達も自分達のように人間に化けて人間界で生活していけばいい、と提案するのだった。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の結末・ラスト(ネタバレ)

しかし、狸達の中には訓練を受けても完璧に変化ができなかった者もいた。つまり、変化ができる狸達が人間界に降りるということは、彼らとの別れを意味していたのだった。しかし、妖怪大作戦に失敗した狸達に他に取れる術はなかった。

彼らは最後に、自分達の変化能力を全力で使い、昔の日本、動物達と人間が共に暮らしていた懐かしき良き時代を再現したのだった。そしてその変化が終わった頃、狸達は仲間に別れを告げそれぞれの道を歩み始める。

狸達が最後に化けた風景は再び人間達の間で話題となり、多摩地区には僅かではあるが昔の自然を残そうという運動が広がった。そして森に残ることを選択した狸達はその自然の中で暮らしていくこととなる。一方、変化に長けた狸達は見事に人々の中に紛れて人間として生活を送っていた。しかし道は違えたとしても彼らは同じ狸、仲間である。彼らは定期的に集まり、酒を飲み交わしながらかつてのお気楽なひと時を楽しむのであった。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の感想・評価・レビュー

内容は重いのに音楽とタヌキたちの明るさで楽しめるアニメになっていました。工事現場での「双子の星作戦」と、最後に昔の風景を再現した場面が好きです。自分の子供時代の風景を見て駆け寄るおばちゃん、昔に戻りたい感情はたくさんの人が持っているはずなのに、それでも便利さを選んで森を切り開いていくのが人間なんだな、と思いました。

タヌキたちの決死の妖怪大作戦を「我が社の宣伝」にしてしまう人間のほうが、化かし合いと言われるキツネやタヌキよりも狡猾ですね。(女性 40代)


土地開発などで住処を追われたタヌキ達の生き様を描いた作品となっている。作中のタヌキは、昔話であるように人の言葉をしゃべったり、実際に人間や妖怪などに化ける事が出来たりと、たらればの世界観となっているのだが、それ故に展開も分かりやすく、人間とタヌキ社会の隔たりというものがしっかり描かれている。タヌキ達が最後に百鬼夜行として大小様々な妖怪に化けて、人間の前を練り歩くというシーンがとても面白く、今でも夏の風物詩の一つと言えるような夏に見る代表的な作品の一つとなっている。(男性 30代)


動物全般が好きなので、たぬき目線で人間の自然破壊を描いた本作に衝撃を受けました。たぬき達がいくら抵抗しようとも、事態は良い方向へは向かわず、人間達は自然を壊し続けます。この作品を観賞し、たぬき達の苦しむ描写を見た途端、自分は環境を守れているのか?と考えさせられました。
全体的に笑いを誘う描写が多く、悲しいシーンを観ていても、観るのを中断しようとは思いません。明るい風刺が多いのも、映画の見やすさに繋がっていると思います。
私は子供の時からこの作品を観ていますが、環境保護についてとても考えさせられたので、親子で観賞して、感想を言い合っても面白いかもしれません。(女性 20代)


環境問題が大きくとり上げられはじめた時代の映画で、子供にも分かりやすく自然破壊を人間のエゴとして伝えている点は先進性が高い。タヌキたちが結集して挑む最後の挑戦のシーンはにぎやかで独創的。注目すべきは個々の性格が出ているタヌキの顔のバリエーションの豊かさ。ここまで書き分けできるスタッフは他にはいないだろう。アニメを創る技術レベルが段違いだ。随分褒めたが微妙な下ネタが自分は苦手だったりする。(男性 30代)


ジブリ作品の中で最もメッセージ性の強い作品だと思う。アニメらしい狸の絵のタッチだけではなく、私たちが普段見ている動物の狸のタッチを混ぜ、ストレートに環境の変化を訴えるところがとても印象的だった。決して人間を責める描き方ではなく、狸が変化を取得したり環境に合わせて住処や生き方を変化させ、なぜ動物が山から下りてくるようになったのか、観ている方が考えるべき描き方をしているところが、とてもジブリ作品らしい。
作品としては新しくはないが、近年の動物出没のニュースなどが多い今、是非テレビでやってほしいと感じる作品である。(女性 30代)


ここまでメッセージ性のある作品だとは思わなかった。この作品が公開された時代は、人間による環境汚染や自然破壊が問題になっていた頃だ。環境汚染や自然破壊は今でも変わっていない。現代に生きる人全てが考えなくてはならない問題である。だからこそ今作は今見てもらいたい作品といえる。
だからといって重苦しい作品というわけでは全くない。全体的な雰囲気は明るいし、ストーリーもわかりやすい。そのような雰囲気に強いメッセージを込めたジブリは、やはり上手い。(男性 30代)


自然をいかに普段「自分たち人間主体」で考えているかを反省させられる名作アニメーション。目先の利益の為にいかに人間が勝手な振る舞いをしているか、狸の視点から見せられる。

子供のころ劇場で見た覚えがあるが、開発に巻き込まれて何匹もの狸たちが犠牲になっていく様子は今見ても心が痛む。それまで愛らしい姿を眺めていたからなおさらだ。

動物園にいって狸を興味深く眺めてしまうのはこの作品があったからだろう。自分にとって間違いなく人生に影響を与えた作品だ。(男性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. ふくりん より:

    「狸が化ける」という言葉があるように、本作では狸たちが化けて人間たちを驚かす姿が多く見られるが、中でも妖怪大合戦は見どころ満載だ。
    人類にとって永遠のテーマである”共存”を狸たちの視点で問題提起しつつも、狸たちの陽気な雰囲気が頼もしくもあり、隅々まで日本らしさが溢れている。
    観終わった後に、私たちに出来ることは何かと考えてしまうのは、制作者の狙いなのではないか。平成を代表するジブリ作品だと思う。

  2. 匿名 より:

    多摩に住むタヌキたちを主人公にしたアニメが今作「平成狸合戦ぽんぽこ」である。人間が知らない所では、実はタヌキたちは二本足で歩き、言葉を交わし、化け学と呼ばれる術によって変身をしているという設定がまず抜群に面白い。おそらくこういったタヌキたちの面白可笑しい生態を描くだけでも映画は成立したのだろうが、今作は自然破壊を続ける人間とタヌキの戦い(合戦)にスポットが当てられているところが捻りが効いている。

  3. 匿名 より:

    今作では明らかに人間は悪として描かれている。自然を破壊し、タヌキの住み家を奪い、自分たちはどんどん支配する場所を広げていく。だが始末が悪い事に、人間たちはその行為を悪だとはまったく思っていない。映画内でも、特に極悪人の人間が出て来る訳ではないのだ。彼らは彼らなりの論理によって、自然破壊を進めているだけである。その描き方が、逆にタヌキたちの悲劇性を際立たせていると言えるだろう。罪の意識のない犯罪ほど恐ろしいものはないからだ。

  4. 匿名 より:

    この映画は決して暗い映画ではない。むしろ楽しい家族向けの映画と言っていいだろう。確かに終盤の展開のもの哀しさは子供向けではないかもしれない。しかし、全編を通してタヌキたちの底抜けの明るさと、楽しい音楽によって救われているのだ。
    キツネと違ってのんびりした性格のタヌキたちは、とにかく歌って踊るのが大好きだ。「イヤサッ!」の掛け声から始まる音楽の数々は、見ているこっちまでもがリズムを取りたくなるような楽しさに溢れている。どんなに人間たちから追い立てられても、踊って楽しむ事を忘れないタヌキたちのしたたかな生き方に、私たち人間は逆に学ぶところがあるのかもしれない。

  5. 匿名 より:

    タヌキの一挙一動のリアルさも素晴らしいし、妖怪変化の多様さも見ていて楽しい。唯一の難点は、タヌキたちの顔がどれも同じに見えてしまい、キャラクターの差がまったくわからない所だろう。しかし軽妙なナレーションのおかげで、最後まで肩を凝らずに見せ切ってしまうのはうまい。