映画『麻薬王』の概要:しがない金細工職人のイ・ドゥサムはひょんなことから麻薬ビジネスに足を踏み入れることになる。彼は次第にその魅力に取り憑かれてしまい・・・。1970年代の韓国で実在した人物をもとに作られたギャング映画。
映画『麻薬王』の作品情報
上映時間:138分
ジャンル:フィルムノワール
監督:ウ・ミンホ
キャスト:ソン・ガンホ、チョ・ジョンソク、ペ・ドゥナ、キム・ソジン etc
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映画『麻薬王』の登場人物(キャスト)
- イ・ドゥサム(ソン・ガンホ)
- 釜山で金細工を営んでいたが、麻薬売買の魅力に取り憑かれてしまう、今作の主人公。いつもビジネスチャンスを探しており、自分ができると判断した仕事は絶対に成功させる行動力がある。また、自分より立場が上の人物に対しては、徹底的に下手に出る小心な一面もある。
- キム・イング(チョ・ジョンソク)
- 釜山地方検察庁に赴任した検事。過去にFBIで捜査を学んだことがあるほど優秀で、麻薬撲滅へ熱意を燃やしている。
- キム・ジョンア(ぺ・ドゥナ)
- 日本のヤクザの大親分の養女で、中央情報部にもコネを持つ権力者。ドゥサムの行動力に目をつけ、ビジネス拡大の手助けをした。英語が堪能で、国外にも友人を持つキャリアウーマンでもある。
- イ・ドゥファン(キム・デミョン)
- ドゥサムの従弟で、彼の麻薬売買ビジネスの初期段階から彼を手伝っていた。最後には麻薬に溺れドゥサムを裏切るなど、人間的な弱さが見える人物。
- チェ・ジンピル(イ・ヒジュン)
- 韓国のマフィア組織の幹部だったが、組織に裏切られ逮捕される。ドゥサムとビジネスを開始するとその豪腕ぶりを発揮するが、彼を見下しているため、命令に耳を貸さない。
映画『麻薬王』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『麻薬王』のあらすじ【起】
戦争に負けた日本では、人々は露頭に迷い、薬物依存者が続出していた。
これは韓国の薬物、メタンフェタミン(ヒロポン)が安値で流通していた背景があったのだった。
1972年、韓国釜山で金細工職人のイ・ドゥサムは、日本が堪能であることを見込まれ日本との麻薬売買に関わるようになる。
港に警察が駆けつけ、危うく逮捕されるところだったが、これは日本人を騙すための芝居で、警察にはすでに賄賂を渡していたのだった。
本格的に組織の下で働くようになったドゥサムは、要所要所で賄賂を払い、麻薬ビジネスの基礎を学んでいく。
ある日、従弟のドゥファンがチンピラに絡まれているところを助け、病院に連れて行く。
そこで偶然あった知り合いから、日本の大阪にヒロポンという麻薬を魚の腹に詰めて密輸するよう頼まれる。
しかし、日本から帰ってくると組織に裏切られ、身代わりとして警察に逮捕されるが、看守に賄賂を渡し、自宅拘禁となる。
出所後、刑務所で出会った密輸業者のチェ・ジンピルとビジネスを開始させるのだった。
映画『麻薬王』のあらすじ【承】
ドゥサムはチェ・ジンピル、ドファンに加え、ドゥサムの妹で数字に強いドゥスク、ヒロポン製造のための技術者としてペク教授、英語が堪能なワン・ムノを仲間に引き入れ組織を立ち上げる。
製造が軌道に乗り、大阪での評判も上々。
そんな中、ジンピルが帳簿をごまかして、売り上げを独占していることがわかる。
これに不満を持ったドゥサムは、日本のヤクザと関わりを持つ韓国人に接触し、日本の神戸のヤクザと直接取引できるよう持ちかける。
神戸に直接商談に向かうと、取引先のヤクザが他の組織から襲撃を受ける現場に居合わせてしまう。騒動の中、偶然に神戸のヤクザの親分を助けたドゥサムは、無事取引を成功させる。
1974年、釜山地方検察署に、優秀で熱意ある検事キム・イングが訪れる。彼はイ・ドゥサムとチェ・ジンピルが麻薬密売していることを知り、彼らを一網打尽にしようと考える。
逮捕状が出されたためドゥサムは釜山から逃げ、汝矣島の製薬会社社長クを訪ねる。
映画『麻薬王』のあらすじ【転】
製薬会社を訪ね、そこで初めてメタンフェタミンを摂取したドゥサムは、次第にその魅力に取り憑かれていく。
ペク教授の代わりに、クの製薬会社と手を組むことになると、「メイド・イン・コリア」とブランド化し、製造ルートを確立していく。
その後、日本のヤクザの大親分の養女で、韓国の中央情報部とのコネを持つキム・ジョンアという女性と出会う。
彼女の紹介で日本の暴力団と手を組み販売ルートを確保したドゥサムは、食品流通事業という表向きの顔を作り上げ、一気に麻薬王への道を進めていく。
そんな中、過去の密売の件で自分を拷問した中央情報部の監察室長と再会する。
ドゥサムが裏で大掛かりな麻薬売買をしていると考えていた彼は、執拗に彼を追跡。なんとか言い逃れてきたものの、ドゥサムは長年の恨みから彼を殺害してしまう。
ドゥサムは、証拠隠滅のために彼の死体をバラバラにして海に投げ捨てると、罪の意識から麻薬に手を出すようになるのだった。
映画『麻薬王』の結末・ラスト(ネタバレ)
1976年、麻薬王として成功したドゥサムは、釜山でも指折りの権力者となっていた。裏で麻薬製造、売買を行いながら大金を稼ぎ、表向きは食品流通事業の社長として、国の地域開発事業にまで影響を与えていたのだった。
しかし、次第に歯車がずれていく。ドゥフアンは麻薬に溺れ精神異常者に。妻はジョアンとの浮気に耐えきれなくなり、家を出て行った。ジョアンとも決別しドゥサムは孤立。
一方キムは、メイド・イン・コリアに関わった人物を一網打尽にするべく、様々な計画を立てるが、ドゥサムのコネによって尽く失敗してしまう。
ドゥサムがさらに麻薬に溺れていく中、韓国で大統領が代わる。これによって政府とのコネが使えなくなると警察から指名手配される。助けを求めたドゥサムは妻に電話するが、これを予測したキムによって居場所が特定されてしまい、最後は包囲戦に。
追い詰められたドゥサムは自殺を図るが、キムによって阻止され、最後は関わった人物全員を売り渡し、逮捕されるのだった。
映画『麻薬王』の感想・評価・レビュー
今作は韓国で実在した人物をもとに作られたフィクションであるが、所々に映画『スカーフェイス』の要素が散りばめられており、リンクするものが感じられた。
一般的なギャング映画と異なり、主人公のドゥサムは野心の強い人物ではなかった。それにも関わらず、最後には金に依存し周りを傷つけてしまう彼の姿から、麻薬ビジネスの破滅的な面が垣間見えた。
昨今の韓国映画の発展を印象付ける、非常に現代的なギャング映画だった。(MIHOシネマ編集部)
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