映画『68キル』の概要:気弱でいつも恋人ライザの言いなりになるチップは、彼女が計画した6万8000ドルの強盗に付き合わされる。しかし彼女は強盗だけでなくその家の夫婦を殺害。さらに居合わせた美女ヴァイオレットを誘拐してしまうのだった。
映画『68キル』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:コメディ、サスペンス
監督:トレント・ハーガ
キャスト:マシュー・グレイ・ギュブラー、アナリン・マコード、アリーシャ・ボー、シェイラ・ヴァンド etc
映画『68キル』の登場人物(キャスト)
- チップ(マシュー・グレイ・ギュブラー)
- 美人だけど凶暴なライザの恋人で、何一つ彼女に逆らうことができない。美人に弱い性格は自覚しており、騒動に巻き込まれる度にそんな自分を嫌になる。下水道処理の仕事をしている。
- ライザ(アナリン・マッコード)
- チップと一緒に暮らす彼女。美人だが凶暴な性格で、いつもチップを振り回している。お金が足りなくなるとパパ活で生活費を稼いでいる。ある日、金持ちの家で大金を見て強盗を閃く。
- ヴァイオレット(アリーシャ・ボー)
- ライザたちが強盗に入った屋敷で暮らす美女。顔を見たため拉致され、車のトランクに閉じ込められる。屋敷では悲しい事情で娼婦をやらされていた。
- モニカ(シェイラ・バンド)
- チップが立ち寄ったガソリンスタンドのレジ係。彼の大金を見て恐喝するが、ヴァイオレットにキモ女と小バカにされる。白い肌に黒いアイメークをしたゴス女。
- ドウェイン(サム・イードソン)
- ライザの兄。彼女が連れて来た女を切り刻むのが趣味というとんでもなく凶暴な男。切り刻む様子を録画し、妹と一緒に鑑賞している。
映画『68キル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『68キル』のあらすじ【起】
気弱な性格のチップは、美人だけど凶暴な恋人ライザの言いなりだ。ライザは2人の生活費を稼ぐためだからと、シュガーダディ(パパ活)相手の中年男ケンの屋敷へ行った。チップは止めることができず、下水道処理の仕事へ出かける。
ケンとのひと仕事を終えたライザは、仕事から帰ってきたばかりのチップと寝ながら、強盗の話を持ちかける。それはケンの金庫にある6万8000ドルを盗むこと。ダイヤル番号を盗み見た彼女は、必ず成功すると自信満々だ。すでに兄のドウェインから拳銃を調達。チップは強盗なんてまっぴらだったが、誰も傷つけないという約束で従うことにした。
2人は赤いマスタングに乗ってケンの屋敷に到着。目出し帽を被り屋敷に入ると、ライザは座っていたケンを背後から切りつけて殺した。続いてケンの妻も殺害。突然の出来事にチップは困惑。「なぜ殺したんだ!」「ゲス野郎だし、その女だからよ!」とライザは全く悪びれていない。
ライザは金庫から現金を奪った。そこに屋敷にいたもう1人の女ヴァイオレットが現れる。顔を見られたと思ったライザは、彼女を殴って気絶させて車のトランクに閉じ込めた。テンションが上がったライザは、チップにカーセックスを要求。2人殺して女を誘拐したばかりなのに…。チップは信じられないという表情で彼女の要求に応えた。
映画『68キル』のあらすじ【承】
ライザはヴァイオレットをドウェインに売ろうとした。兄の趣味は女の体を切り刻むことで、これまでにも女を売ったと平然と言った。チップはヴァイオレットを逃がすため、ライザを殴る。すると彼女は打ち所が悪くて卒倒した。
チップはヴァイオレットを乗せたまま車で逃走。目覚めたライザは別の車に乗り、顔面血だらけになりながら不気味な笑顔で猛追してくる。強引に車を止めさせるとヴァイオレットを殺せとチップに詰め寄った。しかしライザは再び失神。チップはライザを道端に置き去りにしてその場を去った。
車を走らせたチップは、人目の付かないところで停車。トランクを開けると横たわるヴァイオレットの美しい体に見とれた。怒る彼女にチップは今夜のことは後悔していると反省。ヴァイオレットを助手席に乗せてドライブを続けた。明るい性格の彼女と話すうちに、チップは笑顔を取り戻していった。
しばらくしてチップはパトロールの警官に呼び止められる。テールランプが切れていたのだ。ライザの車であったため彼は車両証明書も免許証も無かったが、ヴァイオレットのお色気作戦のおかげでお咎めなしとなった。
ガソリンスタンドに寄ったチップは、レジ係のゴス女モニカに6万8000ドル入りの袋を見られて恐喝される。そこにヴァイオレットがやって来て、黒いアイメークを見て「キモ女」と罵りチップを助けた。
映画『68キル』のあらすじ【転】
再び車を走らせる2人。ヴァイオレットは「あなたは女に操られて食い物にされているわ」と指摘。チップはその通りだと開き直った。ではレジの女を殺してきてというとチップは拒否。すると彼女は笑顔で「それでいいのよ」と彼にキスをした。
疲れた2人はホテルで休むことにした。彼女はケン夫妻に雇われて3Pを強要されていたことを涙ながらに告白。悲しむ彼女をチップは励ますと、2人は愛し合った。
翌朝チップが目覚めると、ヴァイオレットは姿を消し現金も盗まれていた。可愛い女に会う度に頭が空っぽになる自分に嫌気が差すチップだったが、浴室でヴァイオレットの死体を見つけると呆然とした。チップは犯人を捜すことを決意する。
ホテルの受付に行ってライザに電話をすると、彼女はずっと病院にいると言った。受付の男に聞くと、夜中に複数の人間がチップの部屋を出入りしていて、その中でも目立っていたのは色白で黒いアイメークの女だと話した。チップはホテルの車を盗むとガソリンスタンドへ直行した。
ガソリンスタンドには別の女がいて、モニカの居場所が知りたければアソコをなめろと要求。チップは嫌々ながら応じて住所を聞き出す。そこで盗まれたマスタングを発見。家に乗り込もうとしたが、逆にモニカの仲間に捕まってしまった。
映画『68キル』の結末・ラスト(ネタバレ)
家の中にはモニカによく似たタイプのイカれた男女がたむろしていた。モニカは盗んだお金でたくさんのドラッグを買い込み、「今夜はパーティーよ」と言って椅子に縛ったチップをゴルフクラブで殴りつけた。モニカは「キモ女と言われたからヴァイオレットを殺した」と言った。
殴られ続けたチップは意識を失うが、夢の中でヴァイオレットから「自分の力で立ち向かわなきゃ」と励まされると目を覚ました。しかし目の前にいたのはライザ。彼女は兄と一緒にこの場所を探し当てたのだ。ドウェインはモニカの仲間たちを惨殺すると、モニカを個室に連れ込んだ。
ライザはチップがたった一晩で別の女を好きになったことに呆れたが、それでも愛していると言った。そしてチップを子犬に例えて「逃がすか殺すか躾けるか、どれがいい?」と言った。チップは「俺は子犬じゃないし、君は飼い主じゃない」と言い返してライザを撃ち殺した。
ライザから解放されたチップはドウェインを殺すと、命乞いをするモニカも殺害。現金を奪って家に火をつけて車で走り去った。途中、道路脇で車がエンストした美女を見かけたが、チップはもう女に気を留めることはなかった。
映画『68キル』の感想・評価・レビュー
いつも恋人の言いなりの気弱なチップが、6万8000ドルの現金強奪や殺人事件に次々と巻き込まれていく中で、女に振り回されない男に成長する話。登場人物が皆ぶっ飛んでいて、ギラギラ目のライザなど救いようのないクズばかりで目が離せない。バイオレンス、コメディ、ロードムービーなどのバランスが程よくて、95分間の長さでテンポもよくサクッと楽しめた。最後はチップ以外全員死亡で、妙にスッキリとした後味で終わる。(MIHOシネマ編集部)
狂った人間がわんさか登場し、どんどん亡くなっていくサイコパスコメディ。6万8千ドルぽっち貰って、サクサク人を殺める異常性に苦笑いしてしまいます。主人公の成長も良く考えるとしょぼくてくだらなかったです。元が色気のムンムンの女性にあっさり釣られる男ですからね。笑えるけれども、現実社会にも彼らのような人がいると思うと少し怖くも感じます。なのでラストの主人公以外の退場には、後味の悪さを感じた後に安堵感を感じることができました。(男性 20代)
出てくるやつらが全員狂ってるのに物凄くテンポが良いからか明るく楽しい気持ちで見ることが出来ました。いくら可愛い女の子でもこれはやり過ぎ…なんて思うことにも応じてしまう意思の弱いチップでしたが、強盗や誘拐、殺しなど過激すぎる場面に立ち会ううちに自分らしさを取り戻していくのがとても面白かったです。
美人に弱い男性は沢山いると思いますが、女は本当に怖いので気をつけて欲しいなと思ってしまいました。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー