映画『ルシッドドリーム 明晰夢』の概要:3年前に幼い息子を誘拐されたシングルファーザーの記者が、明晰夢を利用して犯人と息子の所在を捜索するSFサスペンス映画。夢を介して次々と明らかになる手がかりを追ううち、驚くべき真犯人が明らかになる。
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』の作品情報
上映時間:101分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:キム・ジュンソン
キャスト:コ・ス、ソル・ギョング、パク・ユチョン、カン・ヘジョン etc
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映画『ルシッドドリーム 明晰夢』の登場人物(キャスト)
- チェ・テホ(コ・ス)
- 大物政治家や大企業などの悪事をスクープするやり手の記者。非常に諦めが悪く、頭の回転も良く地道な調査や取材を厭わない。息子のミヌを深く愛しており、とても大切にしている。
- ソン・バンソプ(ソル・チョング)
- やり手で実績もある刑事。生まれつき心臓の悪い一人娘がおり、憂いている。実は娘の心臓移植のため、同じ血液型のミヌを誘拐する。
- ディスマン / クォン・ヨンヒョン(パク・ユチョン)
- 幼少期に歩けなくなり車椅子生活を余儀なくされ、明晰夢から他人の夢へ侵入する術を見出した共有夢の男。何度も共有夢を経験していることから、その道のプロでもある。
- ソヒョン(カン・ヘジョン)
- 美人女性精神科医で明晰夢の研究を行っており、FIBへも犯人捜査の協力を行っている。テホとは古くからの友人で、捜査に協力してくれる。
- チェ・ミヌ(キム・ガンフン)
- テホの息子。父親が大好きで唯一の心の支えにしており、とても可愛らしい。記憶力も抜群で父親の顔をきちんと覚えていた。稀血の持ち主。
- チェ・ギョンファン(チョン・ソッコ)
- 誘拐事件の実行犯。心優しい面があり妻を失った悲しみを抱えている。ミヌを誘拐し殺せと命令されていたが、単独で反抗し密かにミヌを孤児院へ隠していた。バンソプに見つかり交通事故に遭い2年間、昏睡状態になっている。
- ユ・サンマン(イ・ソク)
- 誘拐事件の実行犯。裏業界では有名な存在であり、非常に粗暴でギョンファンを脅して使っていた。バンソプとは直接連絡をする間柄で逮捕された際、口封じのために殺害される。
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』のあらすじ【起】
大物政治家の裏金疑惑をスクープした記者チェ・テホは、妻を早くに亡くし周囲の協力を得て、幼い一人息子ミヌを育てるシングルファーザーだった。ある日、息子と遊園地へ向かったテホは、何者かに意識を奪われ息子を攫われてしまう。
ミヌの捜索は大規模なチームを組んで行われ、テホ自らも必死に息子の行方を探ったが、とうとう見つけられずに3年が経過してしまった。
ミヌが誘拐されても身代金の要求がないことから、テホは裏金疑惑に関連している者が仕組んだのではないかと考え、何人かの政治家へと詰め寄ったが、ことごとく失敗していた。その度に警察へと連行され、今や顔見知りとなってしまった刑事ソン・バンソプはテホの心情を理解しながら何度も宥めているのだった。
そんなある日、テホはインターネットにてFBIが明晰夢を利用し、犯人を検挙したという記事を見つける。教授である精神科医ソヒョンが全面協力しての捜査であった。ソヒョンが古くからの友人であることを思い出したテホは、彼女へと頼み込んで明晰夢を利用させてもらう。利用後の副作用には様々なリスクが伴うと言われたが、テホにとっては些細な問題だった。
ソヒョンは夢と現実を区別するために時計を設定している。夢の中では長針と短針は動いているが、秒針は止まっていると言う。更に強制的に覚醒を促すリモコンを手渡される。夢に入る時間はたったの10分だが、以下はあってもそれ以上はない。それが人体に影響を及ぼさない限界である。そうして、テホは自らの夢へと入った。
ミヌが攫われた遊園地での出来事を改めて見直し、怪しい人物を追いかけたが、相手の男はテホと対峙した直後、何も語らずに消えてしまい明晰夢から覚めた。ソヒョン曰く、明晰夢の中で事実とは異なる行動を取ってしまうと想像の域に入ってしまい、手がかりが失われるらしい。だが、テホが見つけた男は全く見覚えのない人物であった。話を聞いたソヒョンは、その男は夢を共有する人物でディスマンと呼ばれていると言う。彼の存在もまた現実と区別をつける目安になるらしい。
再び、夢に入ったテホは自分が意識を失う間際、右手の甲に鬼のタトゥーをした男がミヌを連れ去る後姿を発見。現実へ戻った後、遊園地の地図を使って更なる捜索を開始した。
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』のあらすじ【承】
テホはバンソプにも明晰夢を体験してもらい、捜索の協力を得る。手がかりは今のところ鬼のタトゥーだけ。そこで、もう一度夢に入りテホの意識を奪った人物がいないかを探した。テホが倒れた際、真っ先に彼を助けようとした係員が怪しい。ところが、一晩資料や記録を探っても係員の男は見つけられなかった。そこで、テホは昔の伝手を使って係員の男を捜してもらうことにした。
テホはまたも夢へ入り、タトゥーをした男も売店を利用していたことを知る。遊園地の売店で働く男にも協力してもらい、犯人がクレジットカードで支払っていたことを思い出す。
そこで、一同はクレジットカードから犯人の身元を探ることに。そうして、タトゥーをした男チェ・ギョンファンを発見したものの、奴は2年前の事故で昏睡状態に陥りいつ死んでもおかしくない容態だった。
その後、係員の男が見つかったと知らせが入り、捜索を頼んでいた人物と会う。係員だったユ・サンマンは一部の業界では有名な男だったらしく、東京へ高飛びするつもりらしい。テホはすぐさまバンソプに連絡を入れ空港へ向かった。トイレにて変装したユ・サンマンを見つけ、駐車場で奴をようやく拘束。すると、サンマンはチェ・ギョンファンがミヌを殺したと言い出す。その場へバンソプと捜査員が到着しサンマンは逮捕されたが、テホは息子の死を信じることができなかった。
ところが、翌日。勾留されていたサンマンが自殺。恐らくは黒幕が口封じのために殺害したと考えられ、バンソプもまた黒幕が強大な存在であることを感じている。しかし、こんな時に限ってテホに異変が発生。度重なる明晰夢の利用で脳に支障が出ていた。そこで、テホはソヒョンの元を訪れたが、大企業の会長が彼女の患者であることが判明。実は会長とは因縁があったテホ。誘拐事件が起こる前、会長の息子のスクープを発表したが、その後息子が事故に遭い死亡していた。会長の息子は非常に珍しい血液型で輸血できなかったために命を落としたのである。ミヌもまた会長の息子と同じ血液型だった。
その帰り、デパートでディスマンと遭遇したテホ。ディスマン、クォン・ヨンヒョンは両足が不自由で車椅子生活を送っていた。巨大な倉庫を住処としている彼は、明晰夢から他人の周波数を合わせる術を見出し、他人の夢へ侵入している。テホの夢に侵入できたのは、ソヒョンのPC端末をハッキングして周波数を見出したからだと言う。
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』のあらすじ【転】
そこで、テホは自分も共有夢に入れるのではないかと考えた。ソヒョンを呼び出し、共有夢に入れないか打診。他人の夢に侵入するということは、明晰夢とは違って簡単に抜け出すことができない。昏睡状態のチェ・ギョンファンなら何か知っているはずだと考え、クォンの協力を得て共有夢へ入ることになった。
そうして、チェ・ギョンファンの夢で奴の事故も何者かに仕組まれたこと、サンマンに脅されてミヌを誘拐したこと、希少な血液型を持つ人物のリストを入手。ところが、サンマンとギョンファンに見つかってしまい、追いかけられる羽目に。テホは情報をしっかり記憶し、クォンに渡された脱出用のスイッチを押した。しかし、他人の夢であるためか容易に逃げ出すことができず、奴らに捕まってしまう。
サンマンとギョンファンは言い合いを始めたが、銃を持つサンマンがテホへと銃を発砲。そこへ、危険を察したクォンが現れテホを助けてくれるのだった。即座に共有夢から覚醒したテホ。クォンは酷く怒っていたが、テホは夢で得た情報をすぐさまバンソプへ知らせた。
3年前、大企業の息子が事故に遭って瀕死状態になった。そこで、父親の会長は希少な血液型である息子のために同じ血液型を持つ者のリストを作り、輸血を目的にミヌを連れ去ったと思われる。しかし、会長にはその証拠がない。テホは諦めず会長の周辺と共有夢で見た車のナンバーの調査を頼んだ。
そうして、ソヒョンと共謀して明晰夢にて治療を受ける会長を誘拐。廃ビルにて会長に詰め寄り、稀血を扱う研究所からリストを買ったことを聞き出す。だが、会長はミヌの誘拐については知らないと話した。そこへSPが駆け付けテホは拘束されてしまう。そこで、テホは自らの命を賭け情報を聞き出そうとした。会長は彼の決意に負け、息子が死んだ直後にリストのデータが何者かに盗まれたと明かす。犯人は恐らく血液か臓器を狙っており、リストに載っている人物なのではないかと言うのだった。
リストを見返したテホは、ふとある病院に気付く。その病院はバンソプの娘が入院している病院だった。刑事の娘は生まれつき心臓が悪く、産まれてからずっと入院生活を送っている。病室を訪ねバンソプの娘と対面したテホへ、調査を頼んでいた人物から連絡が入る。車のナンバーとサンマンの死亡について、考えられる人物は一人しかいなかった。
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』の結末・ラスト(ネタバレ)
ギョンファンを事故に追いやった車はバンソプの車だった。更に奴はサンマンとギョンファンを検挙した後、釈放して誘拐を指示したのである。報告を聞きながら車に戻ったテホだったが、後部座席からスタンガンを押し当てられ意識を失ってしまうのだった。
意識を取り戻したテホは拘束され、バンソプから話を聞く。彼は娘を救うためにミヌを誘拐したが、息子はまだ生きていると言う。だが、彼ですらミヌがどこにいるかは知らなかった。なぜならギョンファンがミヌを隠してしまったからである。
2年前、ギョンファンの所在を捜し当てたバンソプは奴を追ったが、ハンドル操作を誤ったギョンファンが事故に遭い昏睡状態になったため、ミヌの所在は分からなかった。だが、テホのお陰でギョンファンの夢に侵入できることが分かった。バンソプは再びテホの意識を奪い、車に乗せて近くの川へ沈めてしまう。
しばらく後、連絡が取れなくなったテホを心配した協力者が彼の救出にやって来たが、バンソプの手下によって深手を負ってしまう。それでも協力者は敵へと反撃し、テホを救出。
一方、バンソプは娘の容態が悪化していると聞き、ソヒョンの元へ。彼女は何も知らずにクォンの自宅を教えてしまう。
ソヒョンへ連絡を入れたテホも彼女の協力を得て夢へ。同じ頃、クォンの手引きによりバンソプもギョンファンの夢へ入った。しかし、病院ではギョンファンが急変。蘇生処置が行われていた。
もうじきギョンファンの命が尽きようとしている。夢は色を失い世界は灰色だった。ギョンファンを追い詰めたバンソプの元へテホも辿り着き、殴り合いが展開される。バンソプはテホを追い詰め殺そうとしたが、そこでギョンファンが銃を手に発砲。バンソプは夢の中で死んでしまう。だが、本人がそれを認めなければ夢の中でも生き返ることができる。要は現実だと認めなければいいのだ。
テホはバンソプの足へ銃弾を放ち、逃走したギョンファンの後を追った。夢の世界が次々と崩れていく。ギョンファンが死ねばミヌの所在を失う。テホは彼を説得し、ミヌの居場所を聞き出した。だが、夢の崩壊と共にビルも崩壊しギョンファンは転落してしまう。辛うじてテホは彼からミヌがいると思われる施設の写真を入手。テホは脱出を試みたが、他人の夢であることから容易に脱出できず。そこへバンソプも現れ施設の写真を見られてしまう。奴もまた脱出しようと試みたが、失敗。そこで、テホはビルから落下した脱出ボタンを追って自らも飛び降りる。バンソプは脱出を諦め、テホは脱出を諦めなかった。
後日、ソヒョンと共にミヌがいると思われる施設へ。ミヌはペドロという名前で呼ばれていたが、3年ぶりに会った父の顔をちゃんと覚えていた。息子と涙の再会を果たしたテホは、満面の笑みを浮かべミヌを強く抱き締めるのであった。
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』の感想・評価・レビュー
夢だと自覚して見る夢、明晰夢をテーマに描いたSFサスペンス映画。NETFLIXにて配信公開されているが、今作は込み入った内容ではなくある意味、王道のストーリーと言われている。
誘拐された幼い息子を執念で探し出す父親の姿を描いている。父親である主人公は記者であることから、非常に根気強く諦めが悪い。序盤で一人息子のことをとても可愛がっている様子が描かれるが、主人公のように年数が経っても諦めない精神を持ち続けるのは非常に困難なことだと思う。ストーリーでは明晰夢によって手がかりを得ていくのだが、その過程がしっかり描かれ、内容は非常に充実している。見応えのある作品。(MIHOシネマ編集部)
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