映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』の概要:19世紀に実在した伝説のアウトローが仲間の裏切りで暗殺されるまでを描いた西部劇。ブラッド・ピットがタイトルロールのジェシー・ジェームズを演じ、ベネチア国際映画祭で男優賞に輝いた。
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』の作品情報
上映時間:160分
ジャンル:西部劇
監督:アンドリュー・ドミニク
キャスト:ブラッド・ピット、ケイシー・アフレック、サム・シェパード、メアリー=ルイーズ・パーカー etc
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』の登場人物(キャスト)
- ジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)
- 強盗や殺人事件を犯してきた無法者。左手の中指の指先がなく、目の病気で頻繁に瞬きをする。妻子がおり、引っ越しを繰り返している。
- ロバート・フォード(ケイシー・アフレック)
- 通称ボブ。ジェシーに憧れて育ち、ジェシーに関する本や新聞記事を大切に収集している。大物になりたくてジェシーを裏切る。
- チャーリー・フォード(サム・ロックウェル)
- ロバートの兄で、ジェシーの強盗団の一人。口の達者なお調子者で、ジェシーにいつか殺されるのではないかと恐れている。
- ウッド・ハイト(ジェレミー・レナー)
- ジェシーの従兄弟で、ジェシーに大切にされている。ディックが父親の再婚相手である若い継母に手を出したために仲違いする。
- ディック・リドル(ポール・シュナイダー)
- ジェシーの強盗団の一人で、女好き。ウッドに殺されそうになり、ボブに救われる。しかし、ボブの裏切りで警察に捕まってしまう。
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』のあらすじ【起】
ジェシー・ジェームズは列車強盗を企み、仲間と森の中で待機する。仲間に加わったばかりのボブはジェシーの兄やジェシー本人に話し掛けて取り入ろうとする。一方、チャーリーとウッド、そしてディックは女の話をして盛り上がる。ジェシーの一味は線路を木材で塞ぎ、夜中に走ってきた列車を止める。そして列車を襲撃し、乗客や金庫から金品を奪う。一味は隠れ家に移動し、ジェシーとボブはポーチでくつろぎながら葉巻を味わう。ボブはジェシーの過去の冒険が書かれた本を読んで過ごしていたことを打ち明ける。
ジェシーはボブ以外の仲間達に町を出て隠れるように指示を出し、ウッドはボブだけが残ることに不満を覚える。ジェシーはボブに引っ越しを手伝わせ、外出先に同行させる。その後ジェシーはボブを追い出し、ボブはチャーリー達がいる農場に向かう。そして、ボブはジェシーの本を収めた小箱に強盗で使った覆面をしまう。しかし、チャーリーやウッドに小箱の中身をからかわれて、ボブは怒る。
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』のあらすじ【承】
ジェシーは街中で探偵者の人間がいるのを感じ取り、町を離れる。それから間もなくして列車強盗に関わった仲間のうち4人が逮捕される。ウッドはディックを連れて父親の家に移動する。しかしディックはウッドの若い継母に手を出してしまう。ジェシーは仲間の一人の様子を確認するために会いに行く。そして仲間が落ち着かない様子なのを見て、相手を外に連れ出して撃ち殺してしまう。
ウッドがボブのいる農場にやって来る。そしてウッドは継母の件でディックと撃ち合いになったことを説明する。実はディックも農場に隠れていた。ウッドはディックがいる2階に上がり、2人はそこで撃ち合いを始める。ウッドがディックを殺そうとした瞬間に、ボブがウッドを撃ち殺す。そしてジェシーにばれないようにウッドの遺体を小川に埋める。その後ジェシーが農場に姿を現す。チャーリーはボブが如何にジェシーに憧れてきたかを話してその場を取り繕うとする。そしてボブも渋々、如何に自分とジェシーの間に共通点があるかについて話す。
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』のあらすじ【転】
ジェシーはチャーリーを連れて、家に戻る。妻からウッドが行方不明なことを知らされ、チャーリーを問い詰める。チャーリーはあくまで白を切り続ける。ボブは警察に向かい、ジェシーの仲間が農場にいることを密告する。そしてディックは捕まってしまう。ボブはさらに知事に会いに行き、ジェシー逮捕のために取引をする。ジェシーが強盗の計画を口にするようになり、チャーリーはボブを加えるように提案する。
食料品店で働いていたボブの元に保安官が様子を確認に来る。ボブは心変わりがしていないことを説明する。その後、ボブのことを迎えにジェシーとチャーリーが現れる。ボブはチャーリーと2人きりになり、取引に説明する。2人が一緒にいる様子を見たジェシーは許可無く2人きりになるなと命じる。そして皆はジェシーの家に戻って来る。ジェシーは強盗の予習の真似をしてボブの喉元にナイフを突き付けて脅す。ジェシーはふざけてみせただけだったが、ボブとチャーリーは凍り付く。ジェシーは気分のむらが激しくなっていく。
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジェシーは意地悪くしたお詫びとしてボブに銃を贈る。ボブは皆の留守中にジェシーの寝室に入ってジェシーの生活を想像する。チャーリーはジェシーに殺されるのを恐れ、夜中に泣く。ジェシーが朝に新聞を持って帰って来る。新聞はディック逮捕を報じていた。ジェシーはボブに疑いの目を向け、ボブとチャーリーは緊張を強いられる。ジェシーは拳銃を外し、壁に掛かった絵の汚れを拭こうとする。その瞬間にボブは背後からジェシーを撃ち殺す。そしてチャーリーと逃げ出し、警察に電報を打つ。
ジェシーの遺体は写真に撮られ、多くの人が遺体を見るために自宅を訪れる。ボブとチャーリーは暗殺の様子を描いた演劇に出演するようになり、チャーリーがジェシー役を演じる。しかし、ボブは臆病者との野次を浴びて聴衆に殴りかかる。チャーリーは次第に精神を病むようになり、仕舞には自殺を図ってしまう。ボブも歳月と共に暗殺を後悔するようになる。そしてある日、ボブへの復讐を目論む男によって撃ち殺されてしまう。
映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』の感想・評価・レビュー
情緒的な映像が美しく、ロバート・フォードを演じたケイシー・アフレックの演技が光る作品。羨望や畏怖といった複雑な感情が交錯するキャラクターを見事に演じている。かなり異色の西部劇で、強盗を繰り返していた伝説のアウトローを描いているのにアクションシームは少なく、心理サスペンスとの触れ込みなのにサスペンス感も全くない。2時間40分と長尺なため、演技と映像を楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれそうだ。(MIHOシネマ編集部)
21世期にようやく描かれた西部劇史上最ものリアルなジェシー・ジェームズだった。危険で魅力的なアウトローを演じたブラッド・ピットが素敵すぎる。史実に忠実な歴史小説を原作としているので、内容も歴史修正主義的であるが未だに伝説化を免れないジェシーを描いてもいる。
これまでのジェシー・ジェームズの伝記映画と違うところは、ロバートのその後をしっかりと描写していることだ。有名になった彼をまた誰かが追い、そして今度はその人物を追うというような終わらないガンマンの伝説化が英雄的アウトローの性質を見事に演出した新しさがある。(女性 20代)
世界観が好きな人にはかなるハマる作品でしょう。しかし、それぞれのキャラクターや独特な雰囲気に馴染めないとだらだらと長い作品だと感じてしまうかもしれません。
ブラッド・ピットにケイシー・アフレック、ジェレミー・レナーと豪華すぎるキャストに期待して鑑賞しましたが、伝説のアウトローを描いた作品としてはかなり上質だと思います。ジェシーの人柄やジェシーに憧れる男。彼を通して様々な人間模様が描かれるので、長い作品ですが最後まで飽きずに見られました。(女性 30代)
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