映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』の概要:想像力が豊かで非常に賢く、工作が得意なジューン。彼女は母親と共に架空の世界ワンダーランドの設計を行っていたが、母親が病を患ってしまいしばらくの間、離れて暮らすことに。寂しさを募らせた少女は、ワンダーランドの設計を辞めてしまう。
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』の作品情報
上映時間:85分
ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー、アニメ
監督:ジョシュ・アッペルバウム、アンドレ・ネメック
キャスト:ブリアンナ・デンスキー、ノーバート・レオ・バッツ、ミラ・クニス、ジョン・オリバー etc
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』の登場人物(キャスト)
- ジューン(ブリアンナ・デンスキン / キャメロン・ベイリー)
- 想像力が豊かで非常に賢く、お転婆で工作が得意な少女。架空の遊園地ワンダーランドの構想をママと共に練っている。
- ピーナッツ(ノーバート・レオ・バッツ)
- チンパンジー。ワンダーランドで一番人気のある存在で、魔法のペンの使い手。ジューンのママの導きにより、ワンダーランドの創造を行っていたが、声が聞こえなくなったことで自信を失ってしまう。
- グレタ(ミラ・クニス)
- イノシシ。リーダーシップがあり、仲間達を引っ張るしっかり者。性別はメスでスティーブと恋仲になる。ワンダーランドのために仲間を引き連れ奔走している。
- スティーブ(ジョン・オリバー)
- ヤマアラシ。あわてんぼうだが、グレタに恋をしている。非常に知的でうんちく博士だが、少々引っ込み思案のところがある。
- ブーマー(ケン・ハドソン・キャンベル)
- クマ。おっとりした天然。青い毛並みを持った優しい性格。和み担当。
- ジューンのママ(ジェニファー・ガーナー)
- 想像力が豊かで、娘のジューンと共にワンダーランドの設計を行っている。娘の可能性を最大限に伸ばそうと常日頃から、娘にアドバイスを与えている。病に罹り長期入院してしまう。
- ジューンのパパ(マシュー・ブロデリック)
- 少々頼りない面があり、娘のジューンを励ましたいが、役不足を日々痛感している。妻の教育方針の後押しをしており、娘のためには何でもしようと思っている。
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』のあらすじ【起】
想像力豊かで行動力もあるお転婆な少女ジューンは、ママと共に動物たちが活躍する架空の世界ワンダーランドをいつか作り上げることを夢見ていた。彼女のパパもママも娘のお転婆には大変に手を焼いていたが、想像力を膨らませ工作に精を出すことを咎めることはせず、むしろ後押しするほど可愛がっている。ところが、最も娘を愛し応援してくれていたママの病気が発覚。ママは病気治療のため、長期入院することになった。
ママのいない家はまるで灯が消えてしまったかのようになってしまい、ジューンもまた気落ちする日々を送る。近所の子供たちの星でもあったジューンを周囲は懸命に励まそうとしたが、功を成さず。ジューンは家中を賑わせていた工作もワンダーランドへの構想も全て片付け鳴りを潜めてしまった。
そんなある時、家に伯父夫婦が訪ねて来る。伯母はジューンがママとワンダーランドの構想を練っていたことを知っており、少しでも姪を元気づけようとしたが、ジューンはママに会えない寂しさから反発してしまい、ワンダーランドの設計図を暖炉に投げ捨ててしまう。すぐに正気へと戻ったジューンだったが、設計図は灰となって消えてしまった。
すでにママの入院生活は7年にもなりパパを支えるため、家のことやパパの健康状態に口うるさくなってしまったジューン。彼女は非常に賢く幼いながらもテキパキと家事をこなす。そんな娘を以前のように戻したいと考えているパパ。学校が主催する数学キャンプへと娘を送り出すことにした。
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』のあらすじ【承】
ジューンは渋々ながらもパパの勧めに従い、キャンプへ参加。期間は夏休みいっぱいだったが、出発早々にパパからの手紙で悪い想像を膨らませてしまう。親友に協力してもらいバスからこっそり抜け出して家に帰ることにした。山から丘へ出て街を一望したところで、燃え残った設計図の1枚が彼女の元へ飛んでくる。しかし、不思議なことに設計図は意思を持っているかのように飛び回り森の中へ。ジューンは設計図を追いかけて道なき道を走った。そうして、ようやく設計図を捕まえたジューン。
そこで彼女は、蔦や草に覆われたジェットコースターの乗り物を発見する。コースターにはワンダーランドのスターであるチンパンジーのピーナッツのマークが描かれていた。コースターに乗り込むと、音を軋ませて乗り物が出発。その先には寂れてしまったワンダーランドが。中へ入った彼女は周囲を見渡して驚愕する。架空の世界だとばかり思っていたワンダーランドがまさか実在していたことと、そのワンダーランドに黒雲が襲い掛かろうとしていた。
ワンダーランドは常に晴天で明るいはずだった。そこへ、ワンダーランドで活躍するイノシシのグレタ、ヤマアラシのスティーブ、ビーバーの兄弟、青いクマのブーマーが慌てた様子で通り過ぎる。勢いで一緒に行動したジューンは彼らが何かから逃げ回っていることを聞き出すのだった。どうやら現在、ワンダーランドでは戦争が勃発しており、動物たちはぬいぐるみの軍隊によって追い詰められているようだ。軍隊はワンダーランドを破壊することを目的としている。
グレタの指揮により軍隊を退治した後、動物たちから事情を聞く。話によるとある日突然、ワンダーランドに黒雲を纏った闇が空を覆い、ぬいぐるみに命を与えパークを破壊し続けているらしい。破壊された遊具は餌として闇に飲み込まれている。事態を好転させるには、パークの象徴で動力源でもあるクロックワークスウィングスを再起動させることだが、ピーナッツは起動しようと単独で向かい軍団によって倒されてしまったようだ。
そこで、ジューンは唯一焼け残った設計図を出す。それは、クロックワークスウィングスの設計図だ。ジューンは自分がワンダーランドの設計者であることを明かしたが、ぬいぐるみ兵の襲撃に遭い仲間たちは散り散りになってしまう。逃走の際、窮地に追いやられた彼女は、奮起したグレタによって助けられ隠れ家へ向かった。
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』のあらすじ【転】
グレタ曰く、ワンダーランドからはすでに出られないらしい。一同は口論を展開し、最終的にクロックワークスウィングスを再起動させることに。夕日が照らす中、クロックワークスウィングスの元へ向かったジューンだったが、設計図の肝心な部分には自分の名前が書いてあって詳細が分からなくなっている。そんな時、設計図が風に飛ばされてしまう。
どうにか追いかけたものの、ぬいぐるみ兵に発見されてしまいジューンは危機的状況へ。花火の川をどうにか突破しその先の渓谷へ逃れた。しかし、足元が抜けて下にあった無重力ランドへ落下。そこで彼女はピーナッツを発見する。彼は無重力ランド内にある建物でひっそりとキャンディーの仕分けを行っていた。
ぬいぐるみ兵からどうにか逃げ出した後、引き篭もって鬱々としているらしい。かつてのピーナッツはワンダーランドの光であり希望でもあったのに、現在は落ちぶれ投げやりになってしまっている。彼を導いていたのは、ジューンのママであった。ジューンはピーナッツが抱えている不安が自分と同じものだと気付く。しかし、ぬいぐるみ軍の襲撃に遭いピーナッツが持つ魔法のペンを手に逃走したジューン。ピーナッツは自らを犠牲にして、ジューンを逃がしてくれるのだった。
グレタたちと合流したジューンは、闇を作り出したのは自分のせいかもしれないと告げる。捕まったピーナッツはぬいぐるみ兵によって闇の餌にされるべく現在移送中だが、助けるにはジューンが持っている魔法のペンを彼に渡し、クロックワークスウィングスを再起動させることだ。ところが、話を聞いたグレタが全てジューンのせいだと怒ってしまう。ママと会えなくなった寂しさのせいで、ワンダーランドを見捨てて闇を作り出してしまったジューン。グレタたちはジューンを置いて、去ってしまうのだった。
打ちひしがれ泣き出してしまったジューンの元へ設計図が舞い降りる。ママの言葉を思い出した彼女は1人でもどうにかしようと考える。その後、ジューンの行動により、グレタたちが見直してくれる。コースターのカートを使って一気に谷を越える計画を立て、まずはブーマーを乗せたが、不運にも逆走してしまう。策を弄したものの失敗し、それでも全員が谷を渡ることができた。
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』の結末・ラスト(ネタバレ)
しかし、時すでに遅くピーナッツは闇に吸い込まれてしまう。そこで、ジューンは魔法のペンを手に自分が闇へ入ってピーナッツを助けると宣言。グレタたちは彼女を心配したが、ジューンは意気込んで闇へと吸い込まれていく。
ゴミ捨て場のように残骸が溢れている闇の底では強い光が次々と遊具を消滅させている。そこで、ようやくピーナッツを見つけ出したジューン。彼女はピーナッツを励まし、自分が彼を導く存在になると告げる。すると、魔法のペンが光を放ちピーナッツが奮起。彼は希望を取り戻し、巨大な滑り台を作り出して闇から脱出した。
ぬいぐるみ兵に追い詰められていた仲間達を助け出したが、次はクロックワークスウィングスを修理しなければならない。そこで、ジューンは設計図に目を落とし、上空から全体を見渡した。設計図にはママによってジューンの名前が書かれていたが、その名前こそがクロックワークスウィングスを再起動させる鍵だということに気付く。ジューンはピーナッツと共にクロックワークスウィングスの再起動に奮闘。仲間達も襲い来るぬいぐるみ兵と対峙した。
そうして、全員の力によってクロックワークスウィングスの再起動に成功。すると、闇が消え失せ次々と遊具が復活し、ぬいぐるみ兵が元に戻りお客様も戻った。動物たちはワンダーランドでの仕事に戻り、ジューンは自宅へ帰宅。驚愕したパパの話では、数学キャンプに出発してからたったの30分しか経っていないらしい。ジューンは帰宅早々、ワンダーランドの設計図を書き直し、遊具の作り直しを行った。
それからしばらく後、夕暮れ時に家のチャイムが何度も鳴る。親友が遊具実験の指示を仰ぎに来るのだ。辟易としていたジューンだったが、最後のチャイムでドアを開けると、なんとそこには退院したママが。以前の自分を取り戻したジューンは、その後も自作でワンダーランドを作り上げ、近所の子供達の人気者となる。そして、彼女は自分のアイディアを今でもピーナッツへと囁き、ワンダーランドをより豊かで楽しいパークへと作り上げているのであった。
映画『みんなあつまれ!ワンダーパーク』の感想・評価・レビュー
子供向けの長編アニメーションだが、色彩や想像力が豊かで楽しませてくれる。主人公の少女が賢く、遊具も手作りしたり近所の子供達を巻き込んでジェットコースターを作ったりと結構、規格外。そんな娘の成長を大変ながらも、見守る両親の温かい心が描かれている。
主人公は架空の遊園地を母親と設計しているが、その設計図が大人顔負けの緻密さ。娘を導く母親もまた、かなり想像力が豊かだと思われる。ある意味、理想の子育てなのだろうと思うが、現実はこうはいかないだろう。ワンダーランドを救うべく活躍する少女の心の成長を描いた作品。(MIHOシネマ編集部)
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