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映画『カツベン!』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『カツベン!』の概要:大正時代、白黒で無声だった映画には、必ず活動弁士という人の存在が必要だった。主人公は憧れの活動弁士になるものの、誤って窃盗団に加入してしまい片棒を担がされる羽目に。警察に追われ逃走した彼は、ある芝居小屋に辿り着き雇ってもらうことになるが…。

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映画『カツベン!』の作品情報

カツベン!

製作年:2019年
上映時間:127分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:周防正行
キャスト:成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾 etc

映画『カツベン!』の登場人物(キャスト)

染谷俊太郎(成田凌)
幼い頃から活動写真に魅せられ、弁士になる夢を抱く。山岡秋聲に憧れていた。弁士としての才能を持っているが、窃盗団に無理矢理協力させられていた。素直で一生懸命。
栗原梅子 / 沢井松子(黒島結菜)
身売りして家計を支える母親と共に暮らしていた女の子。俊太郎と出会ったことで活動写真の魅力を知り、弁士になりたいと夢を抱くも成長後は女優となる。俊太郎のお陰で有名映画監督に見出される。
山岡秋聲(永瀬正敏)
かつて人気を博した活動弁士で現在は青木館に雇われている。いつも酒に酔っているが、俊太郎の才能に気付き、弁士としての心得を教える。
茂木貴之(高良健吾)
青木館の看板弁士。非常に傲慢で我儘。女優の松子をいいように扱い、橘館に引き抜かれる。俊太郎にライバル心を燃やし、妨害行為を働く。
橘琴江(井上真央)
青木館のライバル、橘館の娘。裕福な家に生まれ人気弁士に目がない。いい弁士がいると橘館に引き抜く。茂木を引き抜いた後は俊太郎にも目を付ける。
青木富夫(竹中直人)
青木館の主人。青木館存続のため、弁士や楽士の募集を募るなど必死に働いている。気の好い人物で俊太郎を住み込みの雑用で雇ってくれる。
青木豊子(渡辺えり)
青木館の夫人。気が強く夫である富夫に発破をかける。由緒ある青木館を守るために必死。

映画『カツベン!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『カツベン!』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『カツベン!』のあらすじ【起】

大正4年。活動写真、現在で言うところの映画は、基本的に映像は白黒で無声が主流だった。撮影期間も非常に短いが、大衆の娯楽としての人気も高く芝居小屋はいつも満員御礼。芝居小屋で上映される活動写真には必ず音声をつけるための弁士という者が必要になる。活動弁士は非常に情感たっぷりに映像へと音声をつけ、ナレーションやセリフを観客に話して聞かせる人気職でもあった。

幼い頃、染谷俊太郎は同年代の少女、栗原梅子のお陰で芝居小屋へと入り込み、活動写真を見たことがある。梅子も活動写真が好きで活動弁士を目指していた。俊太郎も彼女と同様に弁士になりたいという夢を抱き、よく弁士の真似事をしたものだ。中でも弁士の山岡秋聲は人気が高く、誰もが憧れる存在であった。

10年後、駆け出しの弁士となった俊太郎は、なぜか窃盗団の一味となっていた。彼が有名弁士を騙っている間、窃盗団が空き巣へ入るのである。弁士を探していると言うので飛び込んだところ、窃盗団だったという顛末だ。抜けるにしても容易にはできず、脅されて仕方なく加担しているのだった。

そんなある日、10年前は駐在で活動写真をこよなく愛する警察官が劇場を訪れる。現在は出世して刑事となっていたが、すでに引退した弁士の名を騙っていた俊太郎を即座に見抜き、追われる羽目に。逃走するトラックへどうにか乗り込んだ俊太郎だったが、道中ひょんなことでトラックから大金の入ったトランク共々振り落とされてしまう。

近くの町へ辿り着いたが、鞄を手放そうにも忘れ物だと言われ手放せず。そこで、芝居小屋の青木館の前を通りかかり、弁士が足りないことを知る。俊太郎は劇場主の青木富夫に縋りつき、偽名を名乗って住み込みの雑用として雇ってもらうことになった。

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映画『カツベン!』のあらすじ【承】

大金の入ったトランクは屋根裏に隠し、一から出直すつもりで精を出す俊太郎。青木館の売り出し弁士は高慢な態度の茂木貴之。劇場主の富夫も夫人の豊子も彼には頭が上がらず、茂木はわがまま放題、好き放題。他にも青木館には弁士がいるが、かつての人気弁士であった山岡秋聲は飲んだくれで役に立たず、もう1人は酷い汗かきで上映中に着物を脱いではまた気直すという始末。とにかく、一癖も二癖もありそうな弁士ばかりであった。

茂木の弁士としての語りは素晴らしく、秀麗な容貌も相まって女性に人気が高い。青木館では彼の語りに合わせて活動写真の速度も調整していた。対して山岡は活動写真に合わせるが、声は小さく多くを語らない。彼に憧れを抱いていた俊太郎は、変わり果てた姿にしょんぼりしてしまう。

閉館後に映像技師と俊太郎が映画について熱く語り合っている頃、茂木はとある小料理屋の個室にてライバル劇場館である橘館から引き抜きの話をされる。橘館の劇場主の娘、琴江が茂木にぞっこんで何度も青木館へと足を運んでいたのだ。

そんなある日、自分の出番になっても酒に酔った山岡が起きてくれず、弱り果てた富夫。茂木ももう1人の弁士も山岡の代わりはしたくないと言い張り、ちょうどそこへ居合わせた俊太郎が山岡の振りをして弁士として立つことにした。
すると、期待していなかった周囲は、俊太郎が実は弁士として素晴らしい才能を持っていることを知る。

このことを知った山岡は激怒し、閉館後に俊太郎へと次の作品を語らせたが、自分の言葉で語らない弁士は必要ないと更に怒ってしまうのだった。
翌日、弁士として壇上に上がった俊太郎は、本来なら感動的な内容になるはずだった映画を面白おかしく語り聞かせ、劇場を訪れたお客さんを大いに賑わせた。すると、役目を終えた俊太郎は活動写真の有名監督からたいそう褒められる。更に窃盗団を追っている刑事が芝居小屋を訪れ逃走中の窃盗団ボスを捜索していることを知るのだった。

その日の夜、慌てて逃げる準備をしていた俊太郎だったが、富夫から今後もよろしくと言われては逃げることもできない。彼は荷物を戻して箪笥を閉めたが、その箪笥がなんと隣室の箪笥と繋がっており、隣室で女優の沢井松子へと襲い掛かっていた茂木と押し引きの勝負をすることに。見事勝負に勝った俊太郎は松子と共に外へ逃げ出した。

映画『カツベン!』のあらすじ【転】

近くの川へ走って逃げた2人。俊太郎は会話から松子が幼い頃に交流していた梅子であることに気付く。彼女は俊太郎へと一緒に遠くへ逃げないかと言ったが、事情を聞こうとすると多くを語らずその場を去って行くのだった。

翌日の日中、俊太郎は屋根裏に隠していた大金を取り出し、松子と別の場所で幸せになる妄想をしたが、現実的ではないと考え直す。ところが、その姿を隣室から楽士の1人が目撃してしまう。更に松子に関して茂木からライバル宣言されてしまった俊太郎。加えて逃走中の窃盗団ボスに見つかってしまい、拳銃を突きつけられる。ボスの本当の目的は持ち逃げした大金を取り戻すことだったが、俊太郎は必死にしらを切った。ところが、ボスは橘館と共謀しており今回は俊太郎の喉を潰すのが目的だと言う。どうやら琴江が俊太郎に熱を上げ始めたことが原因らしい。たまたま松子が通りかかったため、どうにか助かった。

しかし、そのせいで喉の調子が悪くなってしまい、いつもの語り口ができない。観客が文句を言い始めたため、傍で見ていた松子が助け舟を出してくれる。すると、作品の内容も相まって俊太郎と松子の弁はピタリと嵌り、観客の感動を誘う。そのお陰もあり茂木を押さえて人気を博すようになった俊太郎。彼の姿を目にした松子はひっそりと身を引き、茂木に連れられ姿を消してしまう。

その日の夜、酔っぱらってしまった映像技師と居酒屋へ入った俊太郎は山岡と遭遇。共に酒を飲んで帰宅したが、青木館は賊が入ったかのように全てが荒らされている。大切なフィルムまでもがバラバラになっていた。そこへ、窃盗団ボスが現れ金の返却を求める。ところが、屋根裏に隠したはずのトランクがない。騒ぎを聞きつけて人が集まって来たため、ボスは早々に退散。酷い有様に富夫は橘館の仕業だと叫び、泣き出す始末。すると、山岡が事態の改善を図るべく翌日上映のための指示を出すのだった。

寝る間も惜しんで作業し、どうにか芝居小屋を開くことができた青木館。上映が始まるまでの束の間、俊太郎は橘邸へ入り込み松子の救出を行うことに。ところが、監禁中の部屋に松子が一番嫌いなクモが出現したことにより、彼女が悲鳴を上げる。そのせいで見張りが戻って来てしまい、乱闘となった俊太郎。そこへ、琴江が現れ見張りを殴り倒し、松子を助ける代わりに橘館へ来るよう条件を提示。俊太郎は身を投げ打って松子を助けるよう頼んだ。すると、彼の言葉に心を打たれた琴江は鍵を渡す際に俊太郎の唇を奪って行く。

慌てて鍵を開けようとした俊太郎だったが、大柄な見張りが目を覚ましてしまい突撃される。男は扉と壁をぶち破り劇場へと抜けてしまった。活動写真の上映中だった劇場では突然の出来事に観客が唖然としている。

映画『カツベン!』の結末・ラスト(ネタバレ)

実は、屋根裏のトランクを盗んだのは、目撃した楽士だった。彼は大金で豪遊した後、ゴミ置き場で爆睡。その隙にくず鉄売りがトランクを持って行ってしまうのだった。
一方、青木館では上映が始まらずに観客が大騒ぎ。富夫が必死に観客を宥めているが、野次は増す一方。その頃、俊太郎は橘館から松子を連れて逃走中だった。ひとまず、松子を駅へ送り俊太郎は青木館へ戻る。

ダメになったフィルムを繋ぎ合わせたことで映像がハチャメチャになっている。場繋ぎで残った弁士が必死に語ったが、上手く語ることができず観客は憤懣やるかたない。ところが、そこへ窃盗団のボスが乱入。

騒然とした劇場内へ、どうにか戻った俊太郎。道中、遭遇した楽士も戻り、いざ上映が開始される。俊太郎は映像技師と協力してフィルムの修正を行っていたため、ある程度の流れを知っている。彼は次々と現れる役者のセリフを上手く扱い、1つの話として繋げた。その辣腕には山岡も舌を巻く。しかし、上映は拍手喝采で終わったが、そこへ拳銃を持った窃盗団のボスが再び現れる。山岡の助けもあったが、ボスは拳銃を発砲。本物の刑事が駆け付け、俊太郎が別人を名乗っていることもばれてしまう。

即座に逃走を開始した俊太郎。青木館内は上を下への大騒動。その頃、駅で列車を待っていた松子は、有名映画監督に声をかけられ共に列車へ乗り込んでいた。
劇場内では未だ騒動は治まらず、窃盗団のボスが放った銃弾が映写室の薬品を撃ち抜く。青木館では火災が発生し、その場にいた全員が外へ避難したが、俊太郎はたまたま近くにあった自転車で更に逃走。ボスも通りかかった自転車で追いかける。更に刑事が人力車を拾って、町内を駆け抜けた。

しかし、田んぼのあぜ道を逃げていた俊太郎の自転車がとうとう壊れる。執念で追って来たボスにより拳銃を突きつけられ、追い詰められたが、幸いなことに弾切れだった。そこへ警察が駆け付け、とうとうボスは逮捕されてしまう。そして、俊太郎もまた詐欺罪で逮捕されることになった。

青木館は全焼となり青木夫妻は憔悴して座り込んでいたが、焼け残った映写技師の宝物の缶になんと大金が詰め込まれているのを発見。実は町内で楽士と遭遇した際、くず鉄屋が持ち去ったトランクを発見し、俊太郎が金だけを移していたのであった。
その後、刑務所へ収監された俊太郎は、諦めずに弁士として語り続ける。その語りには他の囚人達をも楽しませる人気者であった。そんなある日、彼へと面会に訪れた女性が面会せずに帰ったという話を聞く。刑務官は俊太郎へ女性から預かった物を渡す。ハンカチに包まれたそれは、梅子との思い出があるキャラメルだった。

映画『カツベン!』の感想・評価・レビュー

周防正行監督の5年振りとなる映画作品だが、監督自らが脚本を執筆していない初の作品。大正時代に活躍していた活動弁士をテーマに、周防監督ならではの笑いあり心温まるドタバタ映画となっている。

白黒の無声映画に音声をつける人がいるのは知っていたが、彼らのことを活動弁士と呼ぶことを知らなかった。今作は主人公を俳優の成田凌が演じているが、彼本来の良さがよく表れた演技だったと思う。その他にも周防監督作品にほぼ常連として起用されている竹中直人と渡辺えりのコンビは最早、鉄板としか言えない。彼ら以外にもそうそうたる顔ぶれの俳優が出演しており、それぞれに個性的であるため、面白くないはずがない。ストーリーも面白く、カツベンにも魅せられるので観て損はしない作品。(MIHOシネマ編集部)


今作に登場する活動弁士とは今で言う「声優」のこと。様々な声を操る声優の人気は凄いもので、歌手として活動している方もいますよね。活動弁士にもファンがついてキャーキャー言われている様子は今の声優界にも共通するものがあるなと感じました。
昔の日本を笑いあり涙ありでものすごくテンポよく描いているので、弁士や学士、映像技師など今ではほとんど無くなってしまった仕事がどれほど大切だったかを楽しく見ることができました。
成田凌に竹野内豊、永瀬正敏など豪華なキャストが揃っているので老若男女問わずに楽しめると思います。(女性 30代)

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