映画『カリフォルニア(1993)』の概要:連続殺人事件を取材する記者が事件の現場を巡る旅行の同乗者を募ったために、実際の殺人鬼と旅することになるサスペンス映画。当時交際していたブラッド・ピットとジュリエット・ルイスの共演作。
映画『カリフォルニア』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:サスペンス
監督:ドミニク・セナ
キャスト:ブラッド・ピット、ジュリエット・ルイス、デヴィッド・ドゥカヴニー、ミシェル・フォーブス etc
映画『カリフォルニア』の登場人物(キャスト)
- アーリー(ブラッド・ピット)
- お金を奪うために非情な殺人を繰り返す殺人鬼。仮釈放中の身だが、アデールを連れてブライアン達との旅に出てしまう。
- アデール(ジュリエット・ルイス)
- アーリーの恋人。純粋な心の持ち主だが、知性が足りない面がある。集団強姦された過去があり、アーリーなら自分の身を守ってくれると信じている。
- ブライアン(デヴィッド・ドゥカヴニー)
- 連続殺人事件について記事を書く記者。本の執筆を依頼されるが、行き詰まっており、殺人現場を巡る旅を思い付く。
- キャリー(ミシェル・フォーブス)
- ブライアンの恋人で、エロチックな作品を撮る写真家。アーリーとアデールのカップルを一目見ただけで警戒感を抱く。
映画『カリフォルニア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『カリフォルニア』のあらすじ【起】
連続殺人事件に興味があるブライアンは処刑よりも治療が重要だとの持論を説く。そしてキャリーと共に殺人事件の現場となった織物工場に行き、犯人の心理を分析する。ブライアンは殺人事件に関する本を執筆する契約を結んでいたのだ。実際に現場を見ることが重要だと感じたブライアンは殺人現場を巡りながらカリフォルニアを目指す旅を計画し、経費を負担してくれる同乗者を募る。
大家に家賃の支払いを迫られ、保護観察官にもしつこくつきまとわれていたアーリーはその募集に飛び付く。そして、ブライアンとキャリーはアーリーとアデールを迎えに行く。キャリーは貧相な2人の姿を見て警戒感を抱く。実はアーリーは出発前に住んでいたトレーラーハウスを燃やし、大家を殺していた。
ブライアンは殺人事件が起きた民家に着き、住民に取材を頼むが断られてしまう。その隙にアーリーは民家から鞄を盗む。キャリーは食事中に足をいじるアーリーの下品な振る舞いが嫌になるが、ブライアンは偏見だと言って擁護する。
映画『カリフォルニア』のあらすじ【承】
翌朝、アデールがキャリーのように短い髪型で現れる。アーリーに髪を切られたのだ。4人は途中でガソリンスタンドに寄る。今回の支払いはアーリーがする番だった。アーリーは金持ちそうな男がトイレに入ったのを追い掛け、男をナイフで刺し殺す。そして金を奪って、支払いを済ませる。
その夜、アーリーとブライアンは2人で飲みに行く。ブライアンがバーで男に絡まれるが、アーリーが相手をぶちのめしてしまう。モーテルに残ったキャリーはアデールの髪型を整えてあげる。アデールは過去に集団強姦された経験があり、アーリーはそうしたことから守ってくれる人だと話す。そして思わずアーリーが出所したばかりなことを口にしてしまう。
モーテルに戻ってきたブライアンにキャリーはアーリーに関する懸念を口にする。しかし、ブライアンは真剣に取り合おうとしない。翌朝、キャリーの運転で出発するが、途中でキャリーはアーリーの荷物に銃があるのを発見する。アーリーはブライアンに銃の撃ち方を教え、ブライアンも試射を楽しむ。
映画『カリフォルニア』のあらすじ【転】
4人は食肉処理場に着く。そこでブライアンとキャリーは銃の件で喧嘩をする。キャリーはアーリーとアデールが車内で親密にしているのを見付け、その様子を写真に撮る。しかし、それをアーリーに気付かれてしまう。キャリーはブライアンにアーリーを車から降ろすように要求する。
ガソリンスタンドに着き、ブライアンはアーリーに事情を説明する。ガソリンスタンドのテレビでアーリーが指名手配されていることを報じられており、キャリーはアーリーの正体を知ってしまう。追い詰められたアーリーはガソリンスタンドのカウンターに隠してあったショットガンを手にし、店員を撃ち殺す。そして、ブライアンとキャリーを拉致して出発する。
ブライアンは皆を次の殺人現場である鉱山に連れて行く。ブライアンとアーリーが中に入り、ブライアンはなぜ殺しをするのかとアーリーを問い質す。車に残ったキャリーはアデールを説得しようとする。そこに2人の警官が姿を見せるが、アーリーは2人を撃ち殺してしまう。
映画『カリフォルニア』の結末・ラスト(ネタバレ)
アーリーは老婦人が暮らす家に押し入る。そしてブライアンとキャリーをピアノに拘束する。老婦人の夫が別の部屋にいるのを見付けたアーリーは夫を殺す。それを見た老婦人はその場で気を失ってしまう。アデールは意識を取り戻した老婦人をこっそり裏口から逃がす。それに気付いたアーリーは周囲に向かって発砲を始め、アデールはアーリーを植木鉢で殴る。アデールはアーリーと一緒にいることを拒み、アーリーは彼女を殺してしまう。
翌朝、アーリーはキャリーだけを連れ去る。老婦人が家に戻って来てブライアンを助け出し、ブライアンはアーリーを追跡する。アーリーは核実験場の廃屋に身を潜め、反抗的態度を示したキャリーをベッドに拘束する。ブライアンは廃屋に近付き、アーリーをシャベルで殴る。そして乱闘の末に、アーリーを銃で撃ち殺す。
ブライアンとキャリーは海辺の家で新生活を始める。ブライアンはアーリーの声を録音したテープを聞き返す。そこにはアデールが勝手に吹き込んだお礼のメッセージも残っていた。
映画『カリフォルニア』の感想・評価・レビュー
1990年代に多く製作されたバイオレンス映画の一つで、ブラッド・ピットとジュリエット・ルイスが殺人鬼の男と重水な女という対照的なカップルを好演している。殺人犯の心理に迫るというテーマながらその答えは示されずに終わる。アーリーが女性達を「ママ」と呼ぶ理由などを含め、キャラクターをもっと深掘りしてほしかった。殺人現場を巡るという設定も活かし切れておらず、どのシーンでも単なる背景になってしまっていた。(MIHOシネマ編集部)
ブラッド・ピット演じる殺人鬼のアーリーが魅力的に見えてしまったのは私だけではないはずです。衝動的な行動が多いので危うさを感じますが、ママと呼ぶ姿に母性本能をくすぐられるというか、不思議な気持ちになりました。
お金のために殺人を犯していたのは一つの理由であって、アーリーの心にはもっと深い闇があったように感じます。それをもう少し詳しく描いて欲しかったです。ブライアンたちも殺人犯の精神的な部分に注目していたのに、何故そこを描かなかったのかが疑問です。(女性 30代)
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