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映画『三国志 黄巾の乱』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『三国志 黄巾の乱』の概要:『三国志』を基にした歴史小説『三国志演義』をテーマに仙人や仙術などのファンタジー要素を加え、描かれた中華歴史アクション。曹操を主人公とし、三国志の始まりとなった黄巾の乱と陰謀に巻き込まれていく様子を描く。

映画『三国志 黄巾の乱』の作品情報

三国志 黄巾の乱

製作年:2017年
上映時間:92分
ジャンル:アクション、ファンタジー、歴史
監督:フイ・ユ
キャスト:ワン・チェン、ホ・ユジュン、チャン・ホーミン、シュウ・シャオヌオ etc

映画『三国志 黄巾の乱』の登場人物(キャスト)

曹操(ワン・チェン)
漢に仕える将軍。非常に聡明で漢を心から憂い、大儀を重んじる。真っすぐな気性を持ち、不器用ながら香香を思いやる優しさも持つ。
劉備(ホ・ユジュン)
後に蜀を率いる武将となる仁徳を重んじる聡明な人物。貧乏小豪族の息子で草鞋売りだった。曹操の因縁の相手として運命づけられている。
関羽(チャン・ホーミン)
戦場を渡り歩く傭兵だったが、劉備の仁徳に心を打たれ兄弟の盃を交わす。武と智に長けているが、女心に疎い。朴訥な人物。
香香(シュウ・シャオマオ)
呉の孫家当主の妹で、曹操の婚約者。曹操への想いを隠すことなく非常に活発的で行動的。当主の兄にも噛みつく気の強さがある。

映画『三国志 黄巾の乱』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『三国志 黄巾の乱』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『三国志 黄巾の乱』のあらすじ【起】

後漢の末期、腐敗した朝廷により民は虐げられていた。そこで道教、太平道の教祖は農民に蜂起を呼びかけ反乱を起こす。反乱軍が黄色の頭巾を目印としたことで、後にこの反乱は黄巾の乱と言われ当時、梟雄と異名を取っていた漢の将軍、曹操が弱兵を率いて強大な黄巾軍と激闘を繰り広げた。

教祖は、山中で仙人と出会い妖術を学んで太平道を興している。故に、教祖の2人の弟も妖術を操り戦線はかなり混濁。曹操は自軍のみでの対抗は難しいと考え、少帝の後ろ盾となり強大な軍事力を保持する太師に援軍を頼んだ。しかし、妖術によって戦況が不利になっても援軍は来ず、度重なる戦いに兵は疲弊していく。だが、そこへ未来を見据える仙人が現れ、太平道の妖術を阻止。曹操は黄巾賊を率いる教祖の弟の1人を見事に討ち取った。

黄巾賊の目的は腐敗した朝廷を破壊することである。朝廷は洛陽にあるが、黄巾賊の勢いは増すばかりで陥落は目前。そこで、曹操は手助けしてくれた仙人にアドバイスを求めた。すると、仙人はたった1人だけ助っ人はいるが、曹操にとって生涯の因縁の相手となると言う。純粋に漢の未来を憂いていた曹操は、それでも構わないと助っ人となる劉備の元へ向かうことにした。

涿郡の小豪族の生まれである劉備は、非常に気安く曹操からすればとても軽薄に見えた。だが、訳ありの罪人、関羽を匿ったことで役人に問い詰められ窮地に陥ってしまう。ところが、そこへ黄巾賊が進撃。聡明で仁徳を重んずる劉備に感銘を受けた関羽は、共に黄巾賊と戦い劉備に従うことにする。劉備と関羽は桃園の誓にて兄弟の契りを結んだ。

曹操は2人に協力を頼む。返事を聞く前に曹操を追っていた黄巾賊に囲まれてしまうが、仙人の弟子が駆け付けてくれたため、助かった。そうして、劉備と関羽は曹操に協力することにする。

仙人の弟子を含めた4人は、豪族である曹操の父を頼って邸を訪れるが、邸はすでに黄巾賊によって占拠されていた。兵に囲まれてしまった一行だったが、そこへ曹操の婚約者である香香が登場し、窮地を救ってくれる。彼女は呉の孫家、当主の妹であったが、曹操に協力すると言って聞かない。邸の主である曹操の父が亡くなり、後ろ盾を失ってしまった曹操。このことにより、彼は朝廷を欺いた重罪人と認識されてしまう。

そのためか兵は集まらず途方に暮れてしまった一行。そこで、手っ取り早く黄巾賊の力を削ぐには教祖を暗殺すれば良いと考える。しかし、教祖は仙人から仙術書、風遁天書を授かっている。風遁天書は医療や幻術の書で人心を掴むために使われており、教祖の力の源となっていた。

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映画『三国志 黄巾の乱』のあらすじ【承】

仙人の弟子曰く、幻術は侮れない。これに対抗するには、青龍の力が必要だと言う。青龍は十五夜の灯籠祭に姿を現すと言われていた。灯籠祭が行われる場所へ向かう道中、仙人の弟子によって奇門遁甲の使い方を学ぶ。仙術、体術、法術、気の使い方を学び、元々の能力を底上げする術である。更に自らの属性を知り武器に纏わせることでより強い力を操る。

そんなある夜、嫉妬に駆られた香香が、仙人の弟子に戦いを挑んでしまう。このことで、香香の属性が水であることが判明。戦いを止めるべく仲裁に入った曹操だったが、そこへ劉備が乱入し、互いに腕比べをすることに。しかし、腕比べは一太刀で香香により止められるのであった。

一方、黄巾軍は洛陽へ向けて進軍していたが、各地から農民が続々と押し寄せ膨れ上がる兵士によって収拾がつかなくなっていた。そこで、軍を率いる教祖は新たに救いを求めてやって来た農民たちを皆殺しにしてしまう。弟はこれに異を唱え、兄の所業を責めるのだった。

その頃、旅を進めていた曹操一行の前に香香の兄が現れる。彼は曹操に協力できないため、妹を連れて帰ると言う。曹操もまた婚約者を守るため、戦地へ連れて行けないと言うが、香香は兄から縁を切られても曹操の味方でありたいと願い兄を追い返してしまうのだった。

灯籠祭が行われる街へ到着した曹操一行。青龍は美女に化けて姿を現すため、見つけるのは至難の業である。そこで一行は手分けして青龍を探すことにし、曹操は香香と共に行動することになった。

映画『三国志 黄巾の乱』のあらすじ【転】

一人で行動することになった関羽は、漢字当てクイズが行われている会場を訪れる。そこで、か弱く美しい女性が負けて悔しがっている姿を目撃。関羽は武術以外にも勉学にも精通していたため、女性を助けることに成功。ところが、そこへ賊が現れ女性を青龍と呼んで戦いを挑んで来る。賊は黄巾賊であり教祖の弟が率いていた。

各地に散っていた曹操たちも賊に襲われ戦闘となるが、青龍を守る関羽の前に教祖の弟が登場。駆け付けた仲間によって助けられるものの、教祖の弟は仙術をも操るかなりの強者。曹操たちは力及ばず、膝を屈してしまう。ところが、青龍は以前も関羽に助けられたことを思い出し、本性を顕にして関羽に憑依。強靭な能力と加護を授け、敵を一網打尽にするのだった。

強大な力を受けた関羽は命の危険に晒されるが、一命を取り留める。しかし、このことにより曹操が仙人から受け取った毒を劉備と関羽、香香に飲ませていたことが判明。仲間達は失望し、曹操の元を去ってしまう。

信念を新たにたった1人で鎧を身に纏った曹操は、黄巾軍首領を討つべく行動を開始する。しかし、道半ばで香香が持っていた装飾品を発見。彼女が黄巾賊に攫われたことを察知する。そうして、彼は軍旗を手にたった1人で黄巾軍と対峙した。

映画『三国志 黄巾の乱』の結末・ラスト(ネタバレ)

獅子奮迅の戦いをする曹操だったが、そこへ香香の兄が兵を率いて参戦。更に考え直した劉備と関羽が戻って来てくれる。黄巾軍の教祖は戦況が不利と分かるや仙術にて屈しない兵士を作り上げ戦わせる。これにはさすがの曹操も歯が立たなかった。しかし、仙人の弟子が現れ一刀両断にしてくれる。その上、囚われていた香香も2人の隠密の従者によって救出されるのだった。

これにより、一気に窮地へと陥った教祖だったが、立ち向かって来た2人の隠密従者を一瞬で消し去ってしまう。曹操も力を籠め教祖へと襲い掛かり、武器を破壊。奴の胸へ刀を突き刺したものの、教祖は息絶えるでもなく曹操を振り払う。距離を取った曹操だったが、教祖は巻物の術を使ってその身を異形の姿へと変貌させてしまう。

その力は精神にダメージを与える強大なものだった。それぞれに心の暗部へと囚われてしまう曹操と仲間たちだったが、香香だけが仙人の弟子から逃れる術を教えられていたため、幻術を破る。彼女は自らを犠牲にし、全員にかけられた術を解いた。そのせいで、香香は意識不明に陥ってしまう。

そのことに気付いた曹操と仲間たちは持てる力の全てを使って抵抗。追い詰められた教祖は巻物から更なる力を得たが、力に溺れた彼は心を闇に囚われ自ら灰になってしまうのだった。同時に巻物も灰になって消えてしまう。

戦いは終わったが、香香の意識が戻ることはない。悲嘆に暮れる曹操。香香の兄は曹操を責め、妹を連れて行ってしまうのだった。

映画『三国志 黄巾の乱』の感想・評価・レビュー

誰もが知る三国志の序章的な事件である黄巾の乱にファンタジー要素を加えた作品で、歴史をなぞりつつ仙術や妖術などでよりファンタジックな演出がされている。

主人公は知る人ぞ知る曹操。曹操と言えば冷酷無比で抜け目がなくやり手なイメージが強いが、今作では大義を重んじる実直な人物として描かれている。そして、いずれは曹操の因縁の相手と運命づけられている劉備は、仁徳を重んじつつどこかチャラい印象で描かれ、それこそ知的で冷静沈着な関羽は、どちらかと言うと朴訥な青年として描かれている。これまでの印象を一掃するような描き方で、新たな三国志が描かれているように思う。妖術だの仙人だのが突然、現れ仙術書を巡って戦乱が激しさを増していくのだろうという流れで、続編に続く終わり方をしている。三国志好きな人でも、見る人を選ぶ作品かもしれない。(MIHOシネマ編集部)

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