映画『デッドヒート(2020)』の概要:仮釈放されたダミアンは、5年前に消えた麻薬資金3300万ドルを回収するため、当時の仲間と再び手を組んだ。保安官のタッカーは、ダミアンを逮捕した際に死者を出してしまった不手際から免職処分を受け、ダミアンへ報復するため監視を行う。
映画『デッドヒート』の作品情報
上映時間:86分
ジャンル:アクション
監督:クリスチャン・セスマ
キャスト:ルーク・ゴス、ヴァル・キルマー、ニック・ヴァレロンガ、メルセデス・キルマー etc
映画『デッドヒート』の登場人物(キャスト)
- ダミアン・ブルックス / ブリット(ルーク・ゴス)
- メキシコの麻薬カルテルであるシナロア・カルテルと提携し、大麻の密輸を担当していたチームのリーダー。通称ブリット=英国人。自身が投獄される前にカルテルの麻薬資金3300万ドルを載せたトラックが行方不明になり、未だ誰も発見できていない大金を回収するため仲間と合流する。刑務所にいた5年の間に世間は様変わりしており、ブレインズやブローンから「人類が時空の割れ目からパラレル世界に入り個人と社会の影響が変化した」「古代の宇宙人やプロメテウス、エリア51、ボルテックスは本物だ」と嘘を聞かされ困惑する。
- ウィリアム・タッカー(ヴァル・キルマー)
- 地元の保安官。麻薬取締局DEAの職員らと共にダミアンを逮捕へ追いやったが、3人の死者を出したことで免職処分を受けた。この件で離婚しており、地方検事に合格した娘ジェイミーは一人で暮らす父を心配している。ダミアンの出所を知り、次こそ正当な手柄を上げるため彼を追う。
- トニー / ブローン(ポール・スローン)
- 通称ブローン=腕力と呼ばれる肉体派。テレビの情報を鵜呑みにするタチで、オカルトへの疑念がない。アヌンナキが原始人にレーザーを与えたという話を「科学」だと信じている。
- シシ / バッドアス(V.ボーズマン)
- 通称バッドアス=つわものと呼ばれる肉体派の女性。ダミアンの元恋人だが現在はジャネルと交際している。
- ジャネル / ベイブ(ミュリエル・テリオ)
- トニーやシシと同じく、ダミアンと共に行動する仲間。彼が服役中にインフルエンサーとなり、かなりの人気を誇っている。ダミアンは5年間で生まれた新しい職業の存在を知り困惑した。
- ジェフ・ベントリー / ブレインズ(マイク・ハットン)
- “頭脳派”と呼ばれ、電子機器を使いこなすだけでなく計画の立案にも関わる。しかし、旺盛な性欲で度々トラブルを起こす。シナロア・カルテルのドンであるエル・ゴードの娘オリヴィアに手を出したことで、ダミアンが彼らと築いた信頼関係に亀裂が生じた。ジャンキー。
- レイラ(マーサ・ミシェル)
- ダミアンの保護観察官。自宅の手配から就職活動の付き添いまで、ダミアンが怪しい行動を取らないよう見張っているが…
映画『デッドヒート』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『デッドヒート』のあらすじ【起】
5年前。消えた3300万ドルを探すため、エル・ゴードは手下を総出で空き地を掘り返したが、地中からはバツ印の書かれたゴミ袋が出て来ただけだった。同じ頃、ダミアンはカルフォルニア州ソルトン湖の畔に佇み、雄大な景色を眺めていた。
DEA(麻薬取締局)職員を率いたタッカーは、ダミアンが出入りしていた洗車場へ突入し、激しい銃撃戦の後に彼を逮捕した。ダミアンには5年間の服役が決定したが、その場で押収された大麻は僅か4.5キロであり、3人の死者が出た責任を問われたタッカーには免職が言い渡された。
現在。コーチェラ渓谷。ジャネルと過ごすシシの元へ、トニーから「ブリットが出所した」との連絡があった。3人は、彼と合流するためブレインズの元へ向かった。
ダミアンの出所日を待ち望んでいたタッカーは、ダイナーで友人と酒を飲んだ後、ダミアンの尾行を開始した。
刑期を終え出所したダミアンは、足に追跡装置を付けられた。彼が刑務所にいる間に大麻は合法化されたが、保護観察官のレイラは規定通りの期間を設けると説明し、彼を警察が用意した家へと案内した。
トニー達はブレインズの居場所をインスタのストーリーから特定し、彼の元を訪れた。“頭脳派”と呼ばれながらも美女をはべらせラリっていた彼は、「カルテルに追われてるんだぞ」と言うトニーへ「もう投稿はやめる」と宣言した。
ダミアンは、ゴルフに勤しむドン=リオ・キャップの元を訪れると、準備が整ったと伝えた。
トニー、ブレインズ、シシ、ジャネルの4人は、ソルトン湖でダミアンと再会した。彼らは再会を喜ぶのも束の間、3300万ドル回収計画について打ち合わせを行った。
映画『デッドヒート』のあらすじ【承】
ダミアンは、金を奪うならDEAやICE(移民関税捜査局)が密売ルートを制圧し、かつての気概を失っている今がチャンスだと言った。さらに、エル・ゴードは体調を崩して隠居しておりシナロア・カルテルは壊滅状態、当時消えた3300万ドルは今や都市伝説と化しており、本気で事件の詳細を追う者もいないと言う。
ダミアンは、ブレインズに用意させたターゲットの写真――元DEA職員で、5年前の強制捜査の後に早期退職した二人の男の写真をシシとジャネルに渡した。彼女達はコーチェラにあるクラブに入り浸っている二人を拉致してくるよう指示され、トニーとブレインズは、DEAの倉庫からハードドライブと捜査記録を持って来るよう指示を受けた。
一方、ダミアン宅の前で張り込みをしていたタッカーは、ジェイミーに呼び出されて車を走らせた。彼女は、明日の地方検事の就任式に出席してほしいと告げた。
保護観察期間を過ごすダミアンは、レイラに付き添われて就職活動を行った。しかし、彼は警察が斡旋するミニゴルフの面接官の態度に耐えられず、自分で職を探すと言ってリオの経営するカジノへ向かった。リオはダミアンにイカサマ師を監視するだけのポストを与え、レイラはとんとん拍子に働き口が決まった彼の行動を怪しんだ。そんな彼女へ、ダミアンは「仮出所者15番ではなく、人として向き合えば安全な人物と分かる」と説得しデートに誘った。
バハカリフォルニア州メヒカリ。ブリットが出所して仲間と合流したと報告を受けたエル・ゴードは怒りを露わにし、彼らの元へオリヴィアを向かわせた。
映画『デッドヒート』のあらすじ【転】
夜を迎え計画を実行するブローンとブレインズは、清掃員に扮してDEAの資料倉庫へ潜入した。彼らはサーバーから捜査記録を抜き出したが、部屋を出たところで警備員に見つかり捕まってしまった。
カリフォルニア州コーチェラのバーでは、派手な衣服に身を包んだシシとジャネルがターゲットに接近していた。二人はターゲットを酔わせた上で昏倒させ、車に詰め込もうとした。そこへオリヴィアとその手下達が姿を現し、ブリットの居場所を聞かれた二人も捕まってしまった。
同じ頃、ダミアンの家にはレイラが訪れていた。彼女はダミアンの追跡装置を解除すると、彼を乗せてデートに出掛けた。その帰り道、街とは逆方向に車を走らせたレイラは人通りの無い道に車を停めると、ダミアンへ睡眠薬を打った。
タッカーはリオから連絡を受け、彼のカジノへ向かった。リオは“共通の友人”から預かったという座標のメモをタッカーへ渡すと、「あんたの部下が数キロの大麻の押収で死者を出した。友人によると、その件は今日の午後4時に終わる」と告げた。
トニー、ブレインズ、シシ、ジャネル、元DEA職員の二人は、エル・ゴードの大農園に連れて来られた。ダミアンもまた農園に到着し、仲間達は不本意な形で合流を果たした。そこへ、エル・ゴードがレイラに伴われて姿を現した。彼女は保護観察官と身分を偽った、エル・ゴードの娘の一人であった。
エル・ゴードに銃を向けられたダミアンは観念し、金が埋まっている場所へ案内すると言った。エル・ゴードは月収程度の額である3300万ドルに拘るダミアンへ、「何が目的だ。お前は息子同然だった」と語りかけたが、彼は謝罪するばかりであった。
映画『デッドヒート』の結末・ラスト(ネタバレ)
座標を頼りに、タッカーはカリフォルニア州サーマルの林に到着した。カルテルの残党に連れられたダミアン達を発見した彼は、隠れて様子を伺った。
ダミアンはブレインズに、DEAから奪ったデータにログインするよう指示した。ブレインズが渋々ロックを解除した時、突然クコがDEAの元職員達を撃ち殺した。ダミアンは「この二人が重要な案内役だった」と怒鳴り、死人が出たことで取り乱したレイラは金の回収を諦め逃走。タッカーが物陰からエル・ゴードの手下達を撃ったことをきっかけに、ダミアンやトニーも応戦した。
ダミアンは、身を潜めるタッカーと対峙した。彼はタッカーの人生を壊してしまったことを詫び、FBIの標的だったクコを撃ったことは表彰ものだと伝えた。名誉挽回という目標を達成できたタッカーは、自分の前から去るダミアンを引き留めなかった。
タッカーは就任式を終えたジェイミーへ勲章を手渡し、彼女を抱き締めた。ダミアンはその様子を遠くから見守っていた。
ダミアンは、父の跡を継いだレイラへ電話すると「オリヴィアはどこにいるのかな?」と意地悪く尋ねた。オリヴィアはブレインズとヨリを戻し、ダミアン達の仲間になっていた。リオが用意したジェットで国外逃亡しようとする彼らは、ダミアンに計画の全貌を問い質す。
エル・ゴードの密輸を手伝っていたダミアンは、DEAの手入れを知って引退を思い付いた。リオに協力を仰いだ彼は金を積んだトラックを洗車場ですり替え、囮をエル・ゴードの元へ走らせた。DEAの二人は元々カルテルの手先であり、金が消えた地点を知っていたため同行させたと言う。出所した自分を追うタッカーに気付くと、彼の名誉を回復しつつこちらも得をする計画に移行したと打ち明けた。
ダミアンは、リオが洗浄した金は監査の入らない居留地へ送られており、今やその額は5120万ドルにまで膨れ上がっていると話すと、どこか温かい国へ行こうと決めた。
映画『デッドヒート』の感想・評価・レビュー
それなりに見応えはあったが、最後のタネ明かしが雑で腑に落ちない話だった。
大金を巻き上げて引退する計画を練ったダミアンとブレインズは“全て想定内だった”という旨の説明をしているが、ジェットに乗り込むまでの展開を観る限り「ほんとにそうなのか?コジつけ過ぎじゃない?!」と思わざるを得ない程グダグダに感じた。どこからどこまでが“計画”なのか、非常に分かりづらかった。
そもそも、個人的に「ヴァル・キルマーってこんなにおじいちゃんになったの?!」という衝撃がとても強く、頭脳戦がどうとかダミアンがエル・ゴードに捕まってスリル満点とか、ストーリーの見せ場が全然入ってこなかったのも残念である。(MIHOシネマ編集部)
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