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映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』の概要:古代中国神話をテーマに描かれた剣戟映画の完結編。名門家の当主が20年前に亡くなった花魁に殺されるという事件が発生。捜査を行うことになった刑事のションは医師のチンルオを頼りに謎の解明に挑む。

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』の作品情報

レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚

製作年:2020年
上映時間:75分
ジャンル:アクション
監督:シュエ・ウェンホワ
キャスト:ガオ・スーウェン、ツァイ・ペイチー、ガオ・リン、シェン・カイ etc

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』の登場人物(キャスト)

チンルオ(ガオ・スーウェン)
“隠された町”で医局を営む医師。2年前に無実の罪で投獄されて以来、人との関わりを断ち“隠された町”に引き籠っている。優れた嗅覚と医師としての腕を持っている。
ション(ツァイ・ペイチー)
探事司(捜査機関)の刑事。体に蛇の鱗と毒耐性を持つ。恐らく判妖魔。幼少期、チンルオの父親に拾われチンルオと兄妹のように育つ。チンルオを守るために命を賭けている。
シェ・シャオラン(ガオ・リン)
22年前、花魁を選ぶ大会で優勝した美しい芸妓。優勝後、姿を消しリウと結婚。一児の母親となるが、シュー氏に誘拐、監禁され逃亡後は自殺してしまう。
リウ(シェン・カイ)
“隠された町”で酒屋を営んでいる。他にも毒酒や酔心酒なども作っている。実はシャオランの夫で、顔に醜い火傷痕が残っている。

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』のあらすじ【起】

ベンリョウの皇宮の地下にある古い殿堂は、郊外の水門に通じている。その先にある町では太陽が見えないことから“隠された町”と呼ばれていた。下界を離れこの町で医局を営む医師チンルオは、行きつけの居酒屋の羊スープを絶品している。

幼少期、チンルオと父は薬草採取のために山へ入り、異形の者が出るという白夜の森へ迷い込んだことがあった。2人はそこで体に蛇の鱗がある少年を拾う。父は彼にションと名付けた。その彼は後に開封府(警察)で刑事となり、難事件を次々と解決し上の部署へと異動になった。最近彼は、毒烏骨猿(どくうこつえん)の事件を解決している。
チンルオは店の店員に乞われ、もう1品料理を無料にしてもらう条件で事件のあらましを話して聞かせることにした。

その昔、花魁を選ぶ大会が開催され、優勝したのは美しい舞を踊ったシェ・シャオランという芸妓だった。その22年後、地主のシュー氏が邸にて毒殺される。シュー氏の夫人は遺体発見の際、シェ・シャオランの姿を目撃したと証言。しかし、花魁は20年前に首を吊って自殺している。そこで、捜査に呼ばれたのがシェンである。彼は毒殺と聞いてすぐさまチンルオの元へ向かった。

チンルオはションに捜査協力を依頼されても容易には受けない。彼がチンルオを下界に戻したいと望んでいることを知っているからだ。チンルオは医師の父親をも凌ぐ腕を持っていたが、とある事情から“隠された町”に引き籠って2年が経つ。説得を諦めないションにチンルオは条件を提示した。

蛍に似た光を放つ虫、瑠璃光を捕まえるというものだ。だが、瑠璃光には毒があり捕まえるには手がかかる。蛇の鱗を持ち毒耐性があるションならば、それが可能だった。瑠璃光が振りまく粉には人に幻影を見せる効果がある。チンルオはションと共に都へ向かうことにした。

シュー氏の邸にて、優れた嗅覚を生かし死因は毒烏だと判明。加えておしろいと国に禁止されている酔心酒の匂いが遺体の傍だけに漂っている。聴取によると昨夜、シュー氏は夫人と出掛け、酷く酔って帰宅。酔い覚ましのスープを頼んで部屋へ入った。夫人がスープを持って来ると部屋の中にシャオランがいたと言う。シュー氏はシャオランが花魁であった頃、まだ少年で袖にされていたが、シュー氏の父親が彼女を妓楼でよく指名していたらしい。

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映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』のあらすじ【承】

その後、チンルオはおしろいの匂いを辿って観月楼という妓楼へ。芸妓のおしろいは基本的に自家製であるため、それぞれに匂いが異なる。遺体についたおしろいの匂いはこの妓楼特有の物だった。そこで、チンルオは妓楼へ入り接待をした芸妓から酒の話を聞く。芸妓が何かを知っている様子だったので、問い詰めると酔心酒の入手先を白状した。

酔心酒を造った男リウは“隠された町”にいた。それもチンルオから買った酔心花を原料にしている。チンルオは現場で発見した獣毛のようなものをリウに見せる。すると、リウは教える代わりにションで自作の毒酒を試したいと言うのだった。
仕方ないので、5種類の毒を調合した酒を飲んだション。しかし、彼の体は猛毒をも退けてしまう。リウは感嘆し、獣毛は毒烏骨猿という生き物の毛だと教えた。

毒烏骨猿は水猿子という伝説の生き物が変異した生物だと言う。リウはこの生物を飼っていたが、毒烏骨猿は非常に賢く鍵を開けて逃げてしまったらしい。そして、この生物は酔心酒しか飲まない。猛毒を持っており、自らの毒で毒を相殺するが、この毒は皮膚炎にも効能がある。リウは酒を欲しがる毒烏骨猿がうるさかったので、舌を切り取ったと言うのだった。

シュー氏は酔心酒を飲んだために毒烏骨猿に襲われた可能性がある。だが、本当に毒烏骨猿が実在しているかは眉唾物だ。それより、チンルオはリウの店で瑠璃光の匂いがしたことを気にしている。シェンはリウが変異生物を探したと言っていた河の周辺で聞き込みを行うことにした。

聞き込みによりリウが舟を連日借りて生き物を捜していたことが分かる。それと同時に水猿子が出たという噂も流れていた。その話を聞いたチンルオ。シュー氏の邸の廟堂から匂う香と共に悪臭がしていたことを思い出す。廟堂には大奥様が20年前から住んでいる。そして、シャオランが死んだのも20年前。ここには何かがある。2人は再びシュー邸へ向かった。

シェンが話を聞いているうちに廟堂へ侵入したチンルオは匂いを辿って、棚の裏に隠された扉を発見する。そこへ、大奥様が戻って来て天罰が下ったのだと20年前に起きた出来事を明かした。

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』のあらすじ【転】

22年前、大会で優勝したシャオランが忽然と姿を消した。シュー氏はシャオランへの執着を断ち切ることができず、異常なまでに彼女を探し回った。そして、とうとう山奥の湖の畔の家で愛する人と幸せな家庭を築いているシャオランを見つけ出す。シュー氏はシャオランを誘拐し、彼女の夫と幼い子供を山の家に閉じ込め火をかけて殺してしまった。

シャオランは廟堂の隠し扉の地下にある牢に監禁され、シュー氏によって拷問を受ける日々を送る。先代の当主はとても厳格な人物で、法を犯すことを一際嫌っていたため、大奥様は息子が仕出かしたことを話すことができず、ひたすら隠すことにしたのだ。だが、あまりに酷い仕打ちであったため、大奥様はシャオランを逃がすことに。シャオランはその後、首を吊って命を絶ってしまった。そのことを聞いた大奥様は監禁部屋の上に仏壇を作り毎日、祈りを捧げることにしシャオランとその夫、子供の廟堂を、焼き払った湖の家の跡地に建てることにしたのだった。

チンルオとションは大奥様に教えてもらった湖の畔の廟堂へ向かう。2つの位牌にはリウと書かれてあり、そこには花グモがいたため、全てを察したチンルオ。そこで、2人はリウの酒店で家探しをして、22年前に夫のリウが描いたシャオランの姿絵を発見。加えて瑠璃光の匂いを感じ取った。そこへ当のリウが戻って来る。

チンルオは烏毒骨猿と言われた毛が実は海狸の毛であること、そして大奥様が山奥の廟堂に焼香を頼んだこと、花グモがいたことを明かし、リウがシャオランの夫であることを指摘。リウはシュー氏へと復讐するために海狸の毛を置き、水猿子の噂を流し妖魔の仕業に仕立て上げたのだ。観月楼の芸妓とは酒を運ぶうちに親しくなり、シュー氏に暴行され悩む彼女の相談相手になった。

そして、シュー氏が酔った勢いでシャオラン一家の話を芸妓にしたことで、シュー氏がリウの家族の仇であることを知る。事件当日、リウはシュー氏の部屋の天井の梁に身を潜め、準備を整えて待った。殺害後は夫人に幻影を見せその隙に逃げたのだろう。よって、犯人はリウだと指摘したチンルオ。すると、リウは瑠璃光の粉を撒き散らし逃走してしまう。

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』の結末・ラスト(ネタバレ)

シェンはリウを追いかけたが、“隠された町”にはルールがある。リウは突如、姿を現した看守夫妻に全財産を捧げる代わりに自分を逃がして欲しいと頼む。看守夫妻は亡霊を召喚し、シェンへと攻撃を仕掛けた。

シェンが亡霊との激しい戦いを展開している間、チンルオは逃走するリウを追う。彼は廟堂で位牌を荷物に詰めていたが、チンルオの言葉にはっとする。亡霊を躱して駆け付けたシェンも現れ、リウを逮捕しようとしたが、奴はすでに毒酒を飲酒しており程なくして息を引き取った。

チンルオは再び大奥様の元へ。大奥様は10年前、火傷で醜い姿となったリウと会って、彼のその後を聞いていた。リウは息子と共に命からがら逃げ出し、幼い息子を知り合いに預ける。父は死んだものとして、息子は育てられたと言う。大奥様から全てを聞いたチンルオ。

彼女は次に観月楼へ向かい、芸妓と会った。リウの息子も事件に関わっていると知ったからだ。案の定、シャオランに良く似た息子が姿を現し、馴染みの芸妓がシュー氏によって暴力を受けていることを知り暗殺を企てた。彼は“隠された町”へ毒を買いに行きリウと出会ったのだ。息子の話を聞いたリウは他人の振りをしてシュー氏の暗殺を請け負う。互いに計画を詰める内、実の父と息子であることを知る。リウは全てを自分のせいにするため、あらゆる証拠を残した。父子は2人で協力して、シュー氏を暗殺。その時、大奥様が2人を目撃したが、彼女は何も見なかったことにしたと言う。

暗殺後、リウは息子に金を持たせ隠れろと言った。ほとぼりが冷めた頃、芸妓と逃げるよう促して。チンルオはリウが描いたシャオランの姿絵を息子へと渡し、彼らへ自分が今回の出来事を記した物語を渡して去った。これが、烏毒骨猿事件の全容である。

落ち着いた頃、シュー家の大奥様の元を訪れたチンルオ。彼女からシェンがチンルオを守るために悪を一掃して心を救おうとしているが、その代わりに自分の心が闇に落ちることを見過ごしている。故に、チンルオが彼の心を救うことが肝要だと進言される。
一方、シェンは3年前に新設された妖言と関連のある事件を捜査する機関、妖録司への異動を命じられるのだった。

映画『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 妖舞炎奇譚』の感想・評価・レビュー

前作『レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 隠市奇聞録』の続編で完結編。前作からの続きで1年後の事件を描いている。医師は前作と変わって人情などいらないと断言するほど人が変わっているが、事件に関わることで自身を取り戻す。そして、刑事は相変わらず医師を守護。前作はよく分からない内にストーリーが進んだが、今作はある程度の設定が分かっているので、違和感なく観ることができた。今作では刑事の過去が医師の回想で明らかになる。刑事は生まれつき半妖魔なのではないかと思うが、今作でも刑事の謎は明かされない。そして、ラストシーンでは旅に出ていた医師の父が実は妖録司の長官であったことが分かる。完結編と銘打っているので、続編は出なさそうな気がするが、続きが出るなら観たい。(MIHOシネマ編集部)

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前作 レジェンド・オブ・ヒドゥンタウン 隠市奇聞録

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