この記事では、映画『PORTALS ポータルズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『PORTALS ポータルズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『PORTALS ポータルズ』の作品情報
上映時間:89分
ジャンル:SF、サスペンス、ホラー
監督:エドゥアルド・サンチェス、リアム・オドネル、グレッグ・ヘイル、ティモ・ジャイアント
キャスト:ニール・ホプキンス、ルビー・オドネル、ディアンナ・ルッソ、トレミー・スローカム etc
映画『PORTALS ポータルズ』の登場人物(キャスト)
- アダム(ニール・ホプキンス)
- ポータル出現により家族で地方へ避難する途中、ポータルと遭遇。ポータルを通り戻って来た唯一の存在。左目を、真相を見抜く目にされてしまう。マルコーネン医師とレスリー医師に疑念を抱く。家族を深く愛している。
- ケイト(ルビー・オドネル)
- アダムの娘。幼いものの活発で聡明。両親が大好き。
- レスリー(ディアンナ・ルッソ)
- マルコーネン医師の同僚で医師。アダムの担当となる。左目の存在に気付き、除去手術を急遽中止させる。マルコーネン医師の実験により、パートナーをポータルで失っている。
- マルコーネン医師(トレミー・スローカム)
- 病院に出現したポータルの調査を行い、人体実験を行っている。アダムを診察し、左目の存在に気付く。真相を見抜く目を奪おうとする。
- スタン(ポール・マッカーシー=ボーイントン)
- 緊急コールセンターに勤めている。学生時代、銃撃事件に巻き込まれ心に闇を抱えており、ポータルについて独自に調査している。ポータルに魅入られるも、拒絶される。
- ドリー(グレッチェン・ロッジ)
- 緊急コールセンターに勤めている。幼い娘を持つシングルマザー。ポータルへ入れと強要する同僚のスタンに抗い、命を落とす。
- サラ(サルヴィタ・デコルテ)
- インドのジャカルタに在住。赤ん坊を亡くし失意に暮れていたが、仕事に打ち込むことで必死に前を向こうとしている。安穏と暮らしてきた義姉に劣等感を抱いていたが、ポータル出現により妊娠初期の義姉を助けようと奮闘する。
- アナ(ジョジーナ・ブラックレッジ)
- ポータルの研究を行う女性科学者。自らが実験台となり、ポータル同士を接続させ異空間移動を成功させるが、ポータルに精神を乗っ取られてしまう。
映画『PORTALS ポータルズ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『PORTALS ポータルズ』のあらすじ【起】
2020年8月。人類で初めてブラック・ホールの生成に成功するが、その後宇宙で発生した爆発の影響により世界規模で大停電が発生。暗闇に包まれた人々は大混乱に陥り、行方不明者や暴力行為が頻発した。翌日には大都市から地方へ避難する人々が続出。幼い娘ケイトの父アダムと妻も避難するため、家を出発する。
停電から3日が経過。車を走らせていたアダムだったが、ケイトと会話をしていた彼は前方をちゃんと見ていなかった。道路のど真ん中にぽっかりと開いた謎の空間。レスリーがそれに気付いた時はすでに間近に迫っており、車はドア幅ほどの空間に飲み込まれてしまうのだった。
ドア幅の謎空間ポータルは各地で同時に多数発生。同じような通報が相次いで寄せられる。緊急コールセンターに勤めるスタンは、上司にポータルの謎を訴えるが、まともに取り合ってくれない。程なくしてポータルは国家安全保障省が重要事案に指定。州兵が派遣されることになった。職員ドリーには幼い娘がいたが、連絡が取れないことに不安を募らせる。だが、上司は仕事を優先しろと言う。彼女は仕方なく仕事を再開したが、通話中に大きな雑音が入り停電してしまう。
暗闇の中、コールセンターの人々は室内にポータルの発生を目の当たりにし、恐怖に震えた。ところが、スタンだけはポータルへと近づく。やがて予備電源にて多少の明かりが戻ったものの、電力不足でドアが開かない。その間にもスタンはポータルの様子をじっと見つめる。
数年前、コールセンターに実在しない電話番号からポータルについての通報があった。だが、上司は誤報だと相手にせず、加えてスタンが銃撃事件に遭って心を病んだと蔑んでもいた。スタンはデスクに隠し持っていた銃を取り出し、同僚にポータルへ入れと強要。抵抗するなら殺すしかないと1人の職員を撃った。恐怖に苛まれた1人の職員がようやくポータルへ。スタンはドリーにも彼女の娘がすでにポータルの向こうへ行ったと告げる。ドリーは上司から密かに受け取っていたハサミで反撃したが、銃撃に倒れてしまう。すると、怪我を負ったスタンは自ら望んでポータルへ入ろうとするが、なぜか拒まれる。彼はポータルへ向けて銃を発砲したが、銃弾は跳ね返ってスタンに命中。彼は命を落とした。
警察がコールセンターに突入した時には、職員の姿はなく命を落としたスタン、ドリー、1人の職員の遺体とポータルだけが残されていた。
映画『PORTALS ポータルズ』のあらすじ【承】
アダムが意識を取り戻すとそこは病院のベッドの上。左目は厚いガーゼで覆われていた。現れた女性医師レスリーによるとポータルに出会って酷い事故を起こしたと言う。そして、生き残ったのはアダムだけだが、妻子は無事らしい。辻褄が合わないと思ったが、家族が無事なら良いとひとまずは安心。
その後、マルコーネン医師の診察を受ける。左頬に受けた傷により、左目への血流が途絶え視力が完全に失われてしまったため、医師は眼球を取り除くべきだと言う。そこで、眼球の摘出手術を受けることになったが、メスを入れると左目に異変が発生。レスリー医師は危機を察し、咄嗟にマルコーネン医師を制止するのだった。
インド、ジャカルタにて停電3分前。駐車場で義姉から週末の旅行に誘われていたサラは、口論を展開していた。そんな時、停電が発生。すると、義姉は何かの声が聞こえると言った後、何かに操られたように態度を一変。ついて来いと言われ追いかけた先にポータルがあった。他にも無反応になった人々がポータルへと続々と集まり、義姉はポータルの先に望むものがすべてあると告げる。サラにもその声が聞こえたが、怯える彼女は義姉を制止しポータルには入らなかった。そこへ、ベビーカーを押した若い母親が子供をポータルへ送り出す。ところが、母親は拒絶されポータルに激突して命を落とした。
他の人々は次々とポータルへ入り消えて行く。転んだ際、正気と取り戻した義姉と共に逃げようとしたサラだったが、ポータルはそれを許さない。他の人々を操って姉妹を捕まえようとする。必死に抵抗する姉妹だったが、義姉は何度もポータルに思考を奪われる。その度に痛みで正気を取り戻させ、助けようとするサラ。義姉は妊娠が発覚した直後でもあるため、何とかして助けたい。ひとまずは自家用車を見つけ出し、追手を退治。義姉を救出した。
映画『PORTALS ポータルズ』のあらすじ【転】
ところが、車のラジオを介して再び操られてしまった義姉。車はポータルに向かってしまいサラも取り込まれてしまう。
車のフロントガラスを突き破って外へ出たサラだったが、風景は同じ駐車場でも閑散としており、義姉の姿もない。傷だらけの彼女は方々を走り回り、赤ん坊を抱いた義姉を発見。赤ん坊はサラが失ってしまった大切な我が子だった。
どうなったのか、ここはどこなのかと聞くと義姉はそのようなことはもう関係ないと答え、赤ん坊をサラに手渡す。すると、サラの傷が無かったことのように消え、義姉もまた姿を消してしまうのだった。
アダムはレスリーと向かい合って座っていた。左目の手術は成功し、家族とも会えると言われる。だが、アダムは医師たちの話が嘘だと気付いていた。疑念に苛まれた彼は左目のガーゼを外し、目を観察。眼孔が真っ黒で明らかに大きい。更に鏡の中の自分が話しかけてくる。マルコーネン医師曰く、左目は最新式の義眼らしいが、とても義眼とは思えない。苛立ったアダムは診察に来た医師と取っ組み合ったが、負けそうになってしまう。医師曰く、アダムの左目はポータルと同様の輝きを持ち真相を見抜く特別な目であるらしい。危うく殺されそうになったところで、レスリーが現れマルコーネン医師を銃殺してしまうのだった。
レスリーはアダムにスマホを手渡し、ポータルは入り口でアダムの家族も自分の家族もポータルの向こう側にいると話す。アダムはポータルに入って戻って来た唯一の存在らしい。左目が変化したのはそのせいで、マルコーネン医師は向こう側へ繋がる窓だと確信していたようだ。
ポータルは地球外生命体か異次元の存在だと言われている。何であれ、知性が高いものであることは間違いがなく決して侮ることができない。レスリーは耳栓をしてアダムを病院の付帯施設へ。扉の奥にはポータルがあった。
映画『PORTALS ポータルズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
高周波の放射線を放出しており、意思疎通ができるポータル。マルコーネン医師には真相を見抜く目を与えると告げたらしい。それが、アダムの左目であった。レスリーはアダムならポータルを行き来できるはずだと言うが、ポータルは代価を望む。アダムは反応を示したポータルと向かい合ったが、超音波のようなものが2人を襲いレスリーの頭が弾けてしまった。これが代価なのだろう。
ポータルの向こう側へ。荒野の建物に入ると牢屋があり、ケイトの呼び声が聞こえ扉を通ると家のキッチンが現れる。そこには大人になったケイトがいた。ところが、ケイトは父親のことが分からないらしく逃げてしまう。
後を追って別の部屋へ。しかし、娘はおらず鏡の中の自分が椅子に座れと促す。ポータルと向かい合ったアダムは、相手がアダムの左目を通して人類を見定めようとしていることを知る。相手は高次元の存在で人類よりも遥かに豊富な知識を持っており、ポータルを設置したのは実験のようなものだと言う。そして、アダムに家族と暮らしたいなら、完全にポータル内へ入りその代価として右目をもらう。現実へ戻るなら左目を返してもらうと告げる。どちらが本物であるかなど、最早関係ない。
ポータルはアダムを家族で暮らしていた家へ案内。犠牲を払えば妻と子供との暮らしを送らせてくれる。だが、アダムはポータルの話を断り、両目を自ら抉り出してしまうのだった。
そうして、両目を失ったアダムは家族と暮らす生活を取り戻す。
停電から3か月後の英国、リバプール。2人の科学者によるポータルの調査が続けられ、1人の科学者アナがポータルへ。それは、ポータル間での移動を目的とした実験であったが、実験は無事に成功。次は2人でポータルを抜けたが、アナはポータルに取り込まれ相棒であるはずの仲間を殺してしまう。そうして彼女は、ポータルは始まりに過ぎず、やがて世界は終わると不吉な笑みを浮かべるのであった。
映画『PORTALS ポータルズ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
今作は異次元に繋がる謎の扉ポータルを巡って、時系列も違う4カ所で起こる出来事をオムニバス形式で描いている。まず、アダムが主人公のメインストーリーである『The Other side』次に『Call center』そして、ジャカルタの姉妹の話『SARAH』。これに科学者の話が加わって4つとなる。最初のシーンでブラック・ホールの生成に成功したとか科学者が語るが、ポータル出現に関わっているのか、そうでないのか明確にはならない。ただ、その可能性が非常に高いという程度。結局、ポータルが入り口に過ぎないというだけで、ラストシーンでは不吉極まりないセリフで幕を閉じる。もう、アダムの話だけで良かったのではないかとも思うが、ポータル出現によって多様な人々の反応や行動を描きたかったのかもしれない。設定や描き方は各話それぞれに面白かったが、できれば完全なオムニバスの単話形式で観たかった。(MIHOシネマ編集部)
複数のストーリーがオムニバス形式で展開される独特なSFスリラー。ポータルの出現とともに人々が失踪したり、異常な行動をとる様子は不気味で、謎が謎を呼ぶ構成が面白かったです。各話が微妙につながっているようでいて、全体の真相は観客の解釈に委ねられる感じが好みでした。やや消化不良な印象もありつつ、雰囲気で見せる作品。(30代 男性)
未知の存在“ポータル”の出現によって日常が崩れていく様を描いた作品で、パニック映画とも心理SFとも取れる不思議な雰囲気でした。特に病院でのエピソードは緊張感があり、先が読めない展開にハラハラしました。正体不明なまま終わるポータルには賛否ありそうですが、あえて説明しないことで不安感が増していたと思います。(20代 女性)
正直ストーリーはかなり抽象的で、細かい説明を求める人には不向き。でも、“ポータルを通じて人類がどこかに吸い込まれていく”という発想はとても興味深かった。特に、黒いオブジェのようなポータルのデザインがミステリアスで、視覚的にも惹き込まれる。答えがないからこそ考察したくなる映画です。(40代 男性)
オムニバス形式の短編がつながる形で、ひとつの世界観を構築していく構成は面白かったです。ただ、エピソードによってクオリティの差があるのが気になりました。個人的には、地下施設で起きる混乱の話が一番怖かった。ポータルの出現によって人間が“変わっていく”描写は、寓話的でもありゾッとしました。(30代 女性)
予告編の雰囲気に惹かれて観ましたが、思っていたより哲学的で難解。何が起きているのかをセリフで説明するのではなく、あくまで体感させる作り。ポータルが何なのか、なぜ人類が消えるのか…すべて曖昧なままですが、その分“考える余白”が大きいです。雰囲気映画が好きな人には刺さるかも。(20代 男性)
「見た後に怖くなる」というより、「見ながらずっと不安になる」タイプのSF。ポータルの正体をあえて説明しないことで、観ている側もまるで登場人物と一緒に“未知”を体験している感覚になる。特に、最後のエピソードで明かされる“転送された人々”の描写は衝撃的。後味の悪さすらクセになります。(40代 女性)
登場人物がポータルを目にしてからの精神的変化が非常にリアル。音の演出やカメラワークが巧妙で、観ていて常に不穏な空気が漂っているのが印象的でした。明確な敵がいないまま、じわじわと世界が崩壊していくタイプの物語で、パニックや恐怖が内面的に迫ってくる感じが良かったです。(30代 男性)
“多元宇宙”や“意識の共有”といったテーマをうっすら感じさせる点で、かなりマニアックなSF。特に印象に残ったのは、ポータルに触れた人たちが見せる幻覚や“選ばれた感”を持つ演出。宗教的な暗示もあって、どこか人類進化論を描いているようにも感じました。B級感はあるけど、奥深い内容でした。(50代 男性)
ストーリー的には難解だけど、あの静かに広がる“終末感”が良かった。ポータルに吸い寄せられていく人たちを見て、「あれは救いなのか、破滅なのか」と思いを巡らせてしまう。映像は地味ながら、音響や照明の演出がよく練られていて、不気味な空気を醸し出していた。雰囲気映画としておすすめ。(20代 女性)
映画『PORTALS ポータルズ』を見た人におすすめの映画5選
アニヒレーション ―全滅領域―
この映画を一言で表すと?
「理解不能な未知」に人類が直面する、幻想と狂気のサイケデリックSF。
どんな話?
謎の光のヴェール「シマー」に包まれた区域へ、科学者たちが調査に赴く物語。そこでは生命体や物質が異常進化し、現実の法則が通用しない不気味な現象が次々に起こる。隊員たちの心と身体が侵食されていく様が描かれる。
ここがおすすめ!
『PORTALS』同様、説明されすぎない“未知”が恐怖と魅力を引き立てています。映像美とサウンドが織りなす不気味な世界観は必見。哲学的な問いや人間の本質に迫る要素も多く、思考派のSFファンには特におすすめです。
ザ・シグナル
この映画を一言で表すと?
“異常な通信”が導く、予想外のラストに衝撃を受けるSFスリラー。
どんな話?
MITの学生3人が、謎のハッカーを追って砂漠にたどり着く。そこで彼らを待っていたのは、奇怪な現象と記憶の混乱、そしてSF的な大転換。ラストで明かされる真実が、観客の予想を完全に覆す。
ここがおすすめ!
『PORTALS』が好きなら、この予測不能な展開と説明されすぎない構成がツボのはず。ミステリアスな進行と、じわじわと恐怖を感じさせる空気感がよく似ている。エモーショナルな余韻も魅力です。
ザ・スフィア
この映画を一言で表すと?
深海の球体に触れた人間が、次第に理性を失っていく心理SFスリラー。
どんな話?
深海で発見された巨大な謎の球体“スフィア”。調査チームは内部に潜入するが、それ以降、彼らの精神に異変が起き始める。現実と幻覚の境界が崩れ、次々と悪夢のような現象が襲いかかる。
ここがおすすめ!
『PORTALS』同様、“接触不可能な未知の存在”が人間に与える影響を描いています。密閉空間、精神崩壊、知覚のゆがみという要素が重なるこの作品は、じわじわと恐怖が広がるサスペンスとしても秀逸です。
タイム・クライムス
この映画を一言で表すと?
時間ループの罠が破滅を招く、緻密に組まれたサスペンスSF。
どんな話?
男が偶然入り込んだ研究施設で、過去に戻るタイムマシンを使ってしまう。そこから起こる自己との遭遇と連鎖する悲劇。時間を少しずらしただけで崩れていく因果関係が緊張感を生む。
ここがおすすめ!
『PORTALS』が好きな方には、緻密な構成とじわじわ狂気に蝕まれる構成がツボになるはず。予算は小さくても、脚本の妙で観る者を引き込むスペイン産タイムトラベルの隠れた傑作です。
COHERENCE(コヒーレンス)
この映画を一言で表すと?
一つの部屋に無限の宇宙が重なる、ミニマルで濃密なSFサスペンス。
どんな話?
友人たちが集まるディナーパーティの夜、彗星の接近をきっかけに、世界が少しずつ“ズレていく”。同じようで違う人間関係、同じようで違う部屋――観る者は何が現実かを問われ続ける。
ここがおすすめ!
『PORTALS』と同様に、視聴者を“わからない恐怖”へと誘う構成が巧み。大がかりなCGを使わず、会話と展開だけでここまで緊迫感を演出できるのは圧巻。観終えた後、誰かと語りたくなる一作です。
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