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映画『南極料理人』あらすじ・ネタバレ結末と感想

映画『南極料理人』の概要:2009年の日本映画。南極観測隊の7人の男たちに付き添い、基地で料理を作り続ける西村の人を癒し続ける毎日を描いた1年間を見せてくれる物語。非日常の南極での生活が魅力的に描かれている。

映画『南極料理人』 作品情報

南極料理人

  • 製作年:2009年
  • 上映時間:125分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:沖田修一
  • キャスト:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾 etc

映画『南極料理人』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『南極料理人』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『南極料理人』のあらすじを紹介します。

物語は1997年の南極でのことである。
昭和基地から1000キロ以上離れたふじ基地では、南極観測隊として働く7人の男と彼らに料理を作るために同行している料理人西村(堺雅人)の姿があった。
しかし南極では食料はおろか、水の調達でさえ難しい。
食材も缶詰を基本としているため、思考を駆使して料理せざるおえない。

観測隊員はそれぞれ家族や恋人を置いてきている。
その間に当然心変わりしてしまうこともあり、様々な思いを抱えている。
西村もまた妻と娘、息子を残してきているのだった。
しかし寂しいなどとは言っていられない、彼はいかに彼らにおいしい料理を提供するかということに夢中である。
隊員の誕生日にはステーキ、フレンチと男たちを喜ばせていく。
しかしラーメンが出てこないと不満をもらされた。
減っていく食材と制限のかかる料理法の中で、西村は何とかラーメンを作ろうと手打ちで麺を作ることに成功した。

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映画『南極料理人』 結末・ラスト(ネタバレ)

1年たち隊員と西村は、家族のような時間を過ごすことが出来るようになっていた。
しかし観測所から帰る日が来る。

西村は1年間料理を作り続けた大事な包丁をしまい、キッチンを綺麗に片づけ食堂を後にする。
男たちはそれぞれ元の場所に帰っていった。

西村も家族の元へ。
そこで娘と久しぶりにハンバーガーを頬張り、その美味しさと当たり前の日常に歓喜の声をあげるのであった。

映画『南極料理人』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『南極料理人』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ご飯は幸せにする

この映画は凄い。
人の生活の中で当たり前で忘れていることを思い出させ、気が付かせてくれる。
料理人西村の料理に対するひたむきな姿勢と、喜んで欲しいという思い。
また南極という究極の場所でただおいしい料理を楽しみにする男たち。
この物語だけ聞いてもあまり楽しめる要素は見当たらない。
大体2時間を変わり映えしない雪景色で過ごし、同じ場所で起こる何となくしたストーリーであることも察しが付く。
しかし本作品は大きく裏切ってくれる。
いつのまにかこの雰囲気の良い最高の男達の中に、自分も溶け込んでしまうのである。
そして気が付く、当たり前のご飯は当たり前じゃない。
人をこんなにも幸せにするものなのだということを。

大笑いではないが、笑いがこみ上げる作品

人は大きく爆笑するシーンがある映画を面白いと思うのか。
もちろんそれもそうであろう。
しかし2時間の映画の中で何となくずっと笑みがこぼれる作品は、実は1番面白いのかもしれない。
本作品は面白く個性的な男たちが繰り広げる、面白い非日常。
その中にいくつもの細かな笑いが用意されている。

個性派俳優の集合

本作品の見どころは俳優陣。
堺雅人を筆頭に生瀬勝久、きたろうなど日本を代表する個性的な俳優が勢ぞろいしている。
脚本に忠実過ぎず、アドリブが有名な人たちばかりだからこそ見せてくれるその場の男たちの雰囲気を見ているだけで心地よい。
もう少し見たかったという後ろ髪ひかれる満足度も良かった。


派手なところはないけれど、じわじわ染みてくる良さがありました。かなり過酷な状況下なのに、のほほんと時間が流れているのがいいですね。くすっと笑えるシーンがたくさんあり、楽しかったです。任務が終わり、静けさに包まれた基地の光景にはほんとに寂しくなってしまいました。もっと彼らの暮らしを眺めていたかったです。

出てくるご飯がどれも美味しそうで、観測隊のメンバーも満足した顔で食べているのに、誰一人「美味しい」と口にしない。それがおもしろいなあと思っていたら、ラストの台詞がまさかの一言で笑ってしまいました。(女性 40代)


堺雅人の魅力を存分に楽しめる作品。大きな事件が起こることもなく、8人のおじさんたちの南極での生活ぶりが淡々と描かれていくが、ついつい最後まで見たくなってしまう。素朴で俳優たちの自然な演技が堪能でき、とても邦画らしい作品だと思った。一緒に過ごして、同じご飯を食べたら、なんとなく家族みたいな雰囲気になっているのが見ているこちらも楽しかったし、誰かと食べるご飯って美味しいよなと思えた。物語の中ではたくさんの美味しそうな料理が出てくるが、最後の最後に登場する料理と堺雅人の反応が一番心に残った。(女性 20代)


映画化されなければ、南極観測隊に料理人として参加する人がいるということを知らないままだったと思う。男8人、たまにピリッとしつつほのぼのとした生活が、見ていて癒された。水や食料を満足に手に入れられない状況下で料理を作るというのは、想像以上に大変だと思う。純粋に凄いなと思った。
観測隊員達が嬉しそうにラーメンを食べるシーンに、なぜか涙が込み上げてきた。食事というのは人間にとって生きる基本なのだなと改めて感じた。(女性 30代)


極寒の地「南極」で各々の仕事をしにやってきた男たちの共同生活が、調理担当の主人公を軸に描かれています。作品のほとんどの場面はダラダラとしたもので、本当に精鋭達なのかと疑いたくなりますが、長い過酷な生活の中の一部を切り取ったものと考えると、だらしなさが逆にグッときます。共感できるエピソードばかりで、隊員たち一人一人がとても魅力的でした。そして何より主人公が素晴らしい。基地ではオカンみたいな立ち位置で、隊員のお腹を満足させていた訳ですが、日本ではぐうたら親父っていうこのギャップがたまらないですね。名作です。(男性 20代)


メンバーと背景がほぼ固定のシチュエーションコメディのような作品。恐らくは南極観測隊のメンバーだった作者による原作そのものが強力なのだろう。合わせて役者陣の個性と力量も手伝い、何か大きなストーリーの波があるわけでもないのに飽きずに観ていられる。観ている内に自分もそこにいて皆の様子を眺めているような気分になるのだ。もちろん実際の観測隊の仕事は想像を絶する程過酷だろう。だからこそ、数少ない楽しみである食事の場をほのぼのと描くことに意味はあるのだろう。(男性 40代)

映画『南極料理人』 まとめ

堺雅人の代表作とも言える本作品。
南極という非日常の中で描く日常的な男たちの生活。
それに料理人として付き添う西村の姿が非常にマッチしていて面白い。
毎日の生活の中で、ごはんがこんなに人を幸せにするものであると思ったことなど無い。
人は当たり前に慣れると感謝すら忘れてしまうものである。

本作品はのんびりと人を癒してくれる人間味溢れる作品である。
疲れたり、何となく寂しいと感じた時、ぜひこの映画を見てほしい。
2時間の中で特に何の盛り上がりもないが、ずっと笑顔でいさせてくれるのだ。
温かい気持ちを持続させてくれる素敵な映画である。

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