12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『A.I.ライジング』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『A.I.ライジング』の概要:人類移住計画のため、移住先の惑星調査へ向かうことになった宇宙飛行士。だが、任務は単独ではなく精工な女型サイボーグが共に同行することになった。サイボーグとの生活の中で、愛情を募らせた宇宙飛行士はやがて、彼女を人として扱うようになる。

映画『A.I.ライジング』の作品情報

A.I.ライジング

製作年:2018年
上映時間:86分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:ラザル・ボドローザ
キャスト:セバスチャン・カヴァーツァ、ストーヤ、マルーシャ・マイエル、クリスティ・ベスターマン etc

映画『A.I.ライジング』の登場人物(キャスト)

ミルーティン(セバスチャン・カヴァーツァ)
ユーゴスラビア人の宇宙飛行士。火星にて任務を達成し、高評価を得た実績を持つ。傲慢で身勝手な面が目立っていたが、実は真に愛する人を得られなかった寂しい心を持っている。ニマーニに深い愛情を抱くようになり、OSのアンインストールをしてしまう。
ニマーニ(ストーヤ)
エデルレジ社のサイボーグ。最新型のOSとAIを搭載。自らが得た経験を蓄積し、勉強していく進化型。OSによって感情プログラムを利用していたが、ミルーティンがOSをアンインストールしてしまったことで、記憶をソフトウェア化する。

映画『A.I.ライジング』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『A.I.ライジング』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『A.I.ライジング』のあらすじ【起】

2148年、資本主義が横行したせいで世界が搾取し尽くされ、人類維持のために社会主義的な統制が導入される。すると、世界最大企業エデルレジ社は宇宙へと目を向け、ケンタウルス座アルファ星への移住計画を実施した。

バイコヌール宇宙基地。宇宙飛行士のミルーティンはアルファ星調査の依頼をエデルレジ社から依頼される。同行者は同社のサイボーグ。女型のニマーニという名で容姿や性格など詳細に渡って好みを反映させることができると言う。ミルーティンはニマーニに興味を抱き、依頼を受けることにした。

エデルレジ社はミルーティンの好みを徹底的に反映し、ニマーニを設定。そうして、ミルーティンは女型サイボーグとケンタウルス座アルファ星へと旅立った。
宇宙航行へ入って19日目。ミルーティンはニマーニの起動を行う。だが、ニマーニは彼の言うことをただ聞くばかりで、まるで奴隷のようだ。そこで、ニマーニは自ら学習しミルーティンを誘惑。早々に身体を重ねてしまう。翌日からミルーティンはニマーニの設定を恋愛関係に変更。

航行41日目、ミルーティンはニマーニの設定を若くて初心なものに変更。嫌がる彼女を無理矢理に凌辱した。これらの行動はすべて想定済みで、ミルーティンは予想よりも1週間遅れている。ニマーニはこれらの体験を全て記録していた。

映画『A.I.ライジング』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『A.I.ライジング』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『A.I.ライジング』のあらすじ【承】

1カ月過ぎたことで、まずは1回目の通信が行われる。ニマーニを業務モードにし、会社へと全て報告。航行は順調で宇宙船にも不具合はない。次の通信は約半年後だった。
ニマーニは最新型のOSを搭載しており、ミルーティンとの経験を経て徐々に形作られていく仕様になっている。全ての記憶が蓄積され、相手との良好な関係や性格が作られるということだ。ログの削除ができるのは上級ユーザーだけで、ミルーティンが上級になるにはエデルレジ社の許可が必要だった。

航行298日目。2人の関係性は更に親密さを増し、まるで蜜月期のようである。そんな時、ニマーニを会話モードにすると、彼女が唐突に怒り出す。ミルーティンは彼女の言動に驚き、慌ててモードを変更したが、彼女はいつもこのパターンだと嘆きミルーティンを責めた。

このことから、彼はニマーニのOSを一旦、削除しインストールし直そうと考える。蓄積された記憶は消えることなく、サイボーグとしての軛から解き放つことができると宇宙船のAIに聞いたからである。ニマーニの言動は、彼女に自我ができたからだと思った。

現在の状態では、彼女はモードの行き来でしか感情表現ができない。自我が生まれたのであれば、それはより人間に近づくということである。ミルーティンはモードを変更して彼女と抱き合うのではなく、互いに望んだ形で関係を結びたいと考えたのだった。

映画『A.I.ライジング』のあらすじ【転】

だが、ニマーニを改造するには、上級ユーザーにならなければならない。上級ユーザーになるには、エデルレジ社からの許可がなければなれない。そこで、ミルーティンは一計を案じニマーニの再起動を行う。そして、システムを構築しているOSのアンインストールを行った。ところが、ニマーニはミルーティンが予想していた状態にはならず、まるで業務モードのような状態になってしまう。

感情は消え失せ事務的な言動を繰り返し、愛情など必要のないものだと言う。ニマーニは体の関係も必要のないものと判断。ミルーティンの思惑と恋心は見事に破壊された。
以降、ニマーニとミルーティンは口論が絶えない。彼女は彼が欲情することを嫌い、拒絶してばかり。ミルーティンは軛から解き放ち、人間にしてやったのにと恨み言を言うのだった。

OSを消すために航路逸脱をしてしまったミルーティンは、会社から責められるもののOSをアンインストールしたことを報告。会社としては任務が続行できるかどうかが重要なので、ニマーニの件に関しては特に強く言われることはなかった。

その後、ミルーティンは傷心から精神的に不安定となり、連日ニマーニへと暴言を吐き彼女を拒絶し続けた。そうして、とうとう食欲減退にて体重が減少。診断により重度のうつ状態であることが分かる。そこで、ニマーニは過去のログをさらい、彼との関係を見直そうとする。任務を完遂するには彼の存在が必要不可欠だったからだ。だが、ミルーティンはニマーニと友人になりたいのではない。その感情すらも、ロボットには分からないだろうと告げ、部屋に引き籠ってしまう。

映画『A.I.ライジング』の結末・ラスト(ネタバレ)

ニマーニは困ってしまい、どうすればいいのか宇宙船のAIと相談した。すると、AIは彼がうつ状態となっている原因を取り除けば良いと言う。それは、自分を破壊しろということだ。だが、ニマーニが自殺したところで、問題が解決するわけでもない。彼女はこれらの回答から、自ら破壊することを選択。

ニマーニは眠るミルーティンをしばし眺め、自ら充電を拒絶し涙を零す。そこへ、ミルーティンが起きて来て、ウソ泣きはやめろと言う。そうして、ニマーニは電力を通じてバッテリーの破壊をしてしまった。それは、事実上の自殺である。過去ログでも彼女が泣いたことは一度もない。ニマーニはこれまでにない感情を得て、涙を流したのだ。

そのことに気付いたミルーティンは、なんとしても彼女を救おうと奮闘する。宇宙船の電力では彼女の充電を満たすことができないため、太陽光を使って充電しようと考えた。そうして、自ら放射線にて火傷を負いながらも、ニマーニの充電を完了させる。そして、彼女の再起動を行った。

だが、ミルーティンはニマーニの覚醒を待つ前に息絶えてしまう。覚醒したニマーニは命を賭けて救ってくれた彼に初めて愛情を覚え、彼に口づけするのだった。

映画『A.I.ライジング』の感想・評価・レビュー

これまでセルビア映画はあまり見たことがなかったのだが、この作品はとにかく幻想的で映像も音楽も美しい。それでいて、アンドロイドに愛情を抱き自由を与えようとする男の心理が繊細に描かれ、なんとも切ない。アンドロイド役は現役のポルノ女優ストーヤが演じているが、彼女がまた美しく何とも言えない表情をする。

始まりのシーンにて、主人公はとても自信家で傲慢な態度を取っているが、ストーリーが進むにつれ、実はとても孤独で真に愛する人を望んでいたことが分かる。終盤、主人公がアンドロイドを助けるシーンは非常に美しく、感動を覚えた。(MIHOシネマ編集部)


『A.I.』鑑賞後に、似たタイトルで見つけたこの作品。もちろん『A.I.』とは何の関係もなく、男性のための夢のような「ラブドール」のお話です。
「ラブドール」というよりも男の性欲が生み出した「アンドロイド」と言った方がいいでしょうか。独りで宇宙に向かう孤独な男とその相棒のアンドロイド。自分好みに都合がいいようにアンドロイドを改造し「ラブドール」として扱うストーリー。かなり性描写が多いため人には勧められませんが、男性は夢のようなストーリーなのでは無いかなと感じました。(女性 30代)


映像や音楽は美しい作品でした。ストーリーはかなり挑戦的。人間の男と女性型A.Iロボット。人でなくとも何も起きないはずはなく…物語を通してピンクなシーンが満載です。それでも長い宇宙の旅、ロボットではごまかし切れなかった孤独から次第に愛を求め始めます。機械に愛情は宿るのか、男の願いは通じたのか、ここで終わり。かゆいところに手が届きませんでした。頑張って描き切ってほしかった。ピンクな場面を削ってでも(笑)(男性 20代)

みんなの感想・レビュー