映画『ミラクル・ニール!』の概要:地球から送られてきた探査機を回収した宇宙人達は、地球を破壊するかどうかについて話し合った。1人の宇宙人がチャンスを与えるべきだと言ったため、地球人の中から無作為に選んだ1人に全知全能の力を与えて判断することにした。
映画『ミラクル・ニール!』の作品情報
上映時間:85分
ジャンル:SF、コメディ
監督:テリー・ジョーンズ
キャスト:サイモン・ペッグ、ケイト・ベッキンセイル、サンジーヴ・バスカー、ロブ・リグル etc
映画『ミラクル・ニール!』の登場人物(キャスト)
- ニール・クラーク(サイモン・ペグ)
- 学校の教師。仕事に対して不真面目で、遅刻魔。階下に住むキャサリンに思いを寄せているが、小心者で声を掛けることができない。
- キャサリン(ケイト・ベッキンセール)
- 本を紹介する番組のディレクター。本が大好き。仕事に不満がある中、元彼からも付き纏われており悩んでいる。密かにニールに思いを寄せている。
- レイ(サンジーヴ・バスカー)
- ニールの同僚で友人。同僚のドロシーに思いを寄せているが、全く相手にされていない。
- グラント(ロブ・リグル)
- 軍人。キャサリンの元彼。嫉妬深く束縛が激しい。我儘でプライドが高い。キャサリンのことが忘れられず、ストーカー化している。
- デニス(ロビン・ウィリアムズ)
- ニールが飼っている犬。ニールのことが大好きで、キャサリンのことが気に入らない。ビスケットが大好物。
映画『ミラクル・ニール!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ミラクル・ニール!』のあらすじ【起】
1972年アトラス・セントールと呼ばれる探査機を付けたロケットが、宇宙へと打ち上げられた。探査機は太陽エネルギーや惑星の引力を動力とし、宇宙の最果てまで進んで行くこととなった。その探査機には、人類の男女の絵と地球の場所を記した金属板が搭載されており、新しい生命体が発見されるか世界中が注目していた。
ニール・クラークは執筆した本が認められ、称賛された。カメラの前で本についてインタビューを受けていると、大量の犬が現れ邪魔をされてしまう。今まで見ていたのは全てニールの夢で、インターホンの音に合わせて飼い犬のデニスが吠えていた。ニールが玄関のドアを開けると、上の階に住んでいる住人が立っていた。犬の吠える声がうるさいので、何とかして欲しいと文句を言われる。ニールは上の階まで聞こえないだろうと言い訳をするが、怒った住人に、躾けができないなら保護施設に放り込むと怒鳴られてしまう。
ニールはお金がなかったため、友人で同僚のレイにギャンブル代を借りに行った。レイは恋人がいないニールのことを心配しており、思いを寄せている女性(マンションの下の階に暮らすキャサリン)との進捗状況を尋ねた。ニールはキャサリンに相手をされていなかったが、面倒事が嫌いだからデニスがいればいいのだと言って強がった。レイはそんな友人の言葉に呆れ果てた。
宇宙人達が地球から送られてきた探査機を回収した。宇宙人達は地球を確認すると、知能や威厳もない人間達の姿に呆れ果て、地球を破壊することを決める。だが、1人の宇宙人が地球にもチャンスを与えるべきだと進言した。話し合った結果、地球人が自らを優等種と証明できれば仲間に入れることを決める。地球人の中から無作為に選んだ1人に全知全能の力を与え、悪用すれば絶滅させ、良い行いをすれば仲間に入れることにした。選ばれたのはニールだった。
キャサリンは本を紹介する番組のディレクターだった。本を愛しているため、本の中身に興味を持ってもらえるような作家への質問を考えていたのだが、司会者のフェネッラやプロデューサーから却下される。フェネッラ達は本など愛しておらず、作家のゴシップや誹謗中傷を求めており、数字を取ることばかり考えていた。小売店で買い物中、キャサリンがそのことを思い出して悔しくて泣いていると、偶然会ったニールから不器用な言葉で慰められる。
映画『ミラクル・ニール!』のあらすじ【承】
ニールは教師の仕事をしていたたが、やる気はなく度々遅刻をしていた。そのことを校長先生に叱られてしまうが、ニールに堪えた様子はなかった。自分が受け持っている生徒達が教室内で暴れていたため、ニールは教室に入るのを諦め、廊下で競馬新聞を読みふけった。
レイは食事中の何気ない会話で、人生を好転させるためなら何をしたいかニールに尋ねた。ニールが「宇宙人に自分のクラスを破壊させる」と言うと、校内から大きな物音が聞こえてきた。急いで音が聞こえた現場に向かうと、ニールのクラスが破壊され、クラスにいた38人の生徒が亡くなっていた。
ニールが家に帰ると、デニスが部屋の中に糞をしていた。冗談交じりに「糞よ、消えろ」と唱えると、糞が自動的に動き自らトイレの中に入っていった。ニールは生徒達が亡くなったショックでおかしくなってしまったのだと思い、酒を浴びるように飲んだ。だが、ニールが零れたお酒に瓶に戻るよう手を振って指示を出すと、お酒が独りでに動いて瓶の中に戻っていった。ニールは手を振って願いを言えば叶うことに気づく。ニールは生徒を生き返らせるため、「死人よ生き返れ」と唱えながら手を振った。しかし、生徒達ではく、墓の中からたくさんの死者が蘇ってしまう。ニールは一度元に戻すと、クラスの爆破をなかったことにしてくれと唱えた。時間が撒き戻り、レイと食事をしながら会話している場面に戻った。ニールは今までの出来事は全て夢だと思い込んだ。
映画『ミラクル・ニール!』のあらすじ【転】
ニールが教室に行くと、生徒達は暴れ回っていた。「親切で思いやりがあり、勉学に励むクラスになれ」と言いながら手を振ると、生徒達は大人しくなり勉強が好きになった。校長先生に自分を好きになるよう力を使うと、今までの態度が嘘のように優しくなった。ニールはその力を利用して、レイが思いを寄せている女性教師のドロシーに「レイを崇拝しろ」と命令した。ドロシーは態度を変え、レイを崇拝し始めた。ニールは自分が全知全能の力を持ったことを理解し、感動した。
ニールは全知全能の力を持ったことをレイに打ち明けた。信じてもらえなかったため、目の前で力を使って見せた。骨格標本の骸骨を動かしてしゃべるようにすると、レイは言葉を失くして驚いた。レイは富や名声だけではなく、どんな女性も手に入るぞとニールを嗾けた。
キャサリンは元彼のグラントに付き纏われて困っていた。何度も目の前から消えてくれと言っているにも関わらず、一向に付き纏いを止める気配がなかった。グラントはキャサリンの訴えを聞かないまま、タワーマンションの鍵を渡して去って行った。キャサリンは鍵を置いて行くこともできず、仕方なく持って帰ることにした。その日の夜、キャサリンは友人にそのことを相談した。プロデューサーにも言い寄られており、束縛してくる男にウンザリしていた。だが、ニールのことは優しくて好きだった。友人はキャサリンがニールに好意を寄せていることを見抜き、ベッドに誘えばいいと嗾けた。
宇宙船で、ある問題が起きていた。“銀河パワー”に故障個所が見つかったのだ。直さないと地球人(ニール)は全知全能の力を使うことができなかった。その頃、力が使えないことなど知らないニールは、「キャサリンが俺を愛する」と言いながら力を使った。すると、すぐにキャサリンが訪ねて来て、キスをされベッドに誘われる。そんな2人の姿を、グラントが見ていた。
映画『ミラクル・ニール!』の結末・ラスト(ネタバレ)
ニールはデニスに力を使い、合理的に会話ができるようにした。そこに、キャサリンが訪ねて来てしまう。ニールはデニスに黙っておくよう頼むが、デニスは自分の欲望を止めることができず、ニールに対して「愛している」や「足に体を擦りつけさせて欲しい」などの言葉を叫んだ。キャサリンはデニスが人で、ニールがゲイだと誤解してしまう
グラントが家に忍び込んでいたため、キャサリンは家の中に帰れなくなってしまう。困っているとニールに声を掛けられ、自分の家に来ればいいと誘われる。キャサリンはどこにも行く当てがなかったため、仕方なくニールの家にお邪魔した。そこで、ニールから全知全能の力があると言われる。信じられず戸惑っていると、グラントが銃を持って現れる。ニールは力を使って銃の攻撃が効かないようにし、グラントに撃ってみろと迫った。2人が言い争いを始めたため、キャサリンは馬鹿らしくなり、家を出て行った。その後、ニールは力を使ってグラントを懲らしめた。しかし、デニスに気を取られた隙に、殴られて気絶させられてしまう。
キャサリンがニールの家に行くと、部屋は荒らされており、ニールの姿が見えなかった。クローゼットの中を確認すると、レイが隠れていた。レイはニールの力によって同僚が自分を神のように崇拝し、不死身と思うようになったので殺されそうになっていることを話した。キャサリンはレイと共に、ニールを助けに向かった。
ニールはグラントの欲望を叶えるため、金塊を生み出したり、信号を全て青に変えるよう命令されていた。キャサリンが部屋の中に踏み込むと、グラントはキャサリンが自分を愛するよう力を使えとニールに命令した。デニスが犬質に取られていたため、ニールはグラントの願いを叶えた。だが、グラントがキャサリンに気を取られている隙にデニスを解放し、グラントを犬に変え、キャサリンを元に戻した。そこに、レイを追ってドロシーが現れる。ニールはドロシーも正常に戻した。キャサリンとレイは自分達を散々な目に遭わせたニールに腹を立てており、部屋を出て行ってしまう。
ニールはキャサリンに自分を愛するよう力を使ったことを打ち明け謝罪した。そして、愛していると気持ちを伝えた。だが、全てを操ることができる男のことなど愛せないと言って怒鳴られてしまう。ニールはレイにもキャサリンにも嫌われたことにショックを受け、自分のことしか考えていなかったことを後悔した。気持ちを入れ替え、皆のために地球問題を解決することにした。飢餓問題を解決するために皆に食事を与え、無意味な戦争を失くさせ、ホームレスに家を与え、地球温暖化問題を解決した。だが、ニュースを見ると、肥満が増加して万里の長城が崩落し、サハラ砂漠に住宅が誕生し、特に理由もない戦争が起きていた。しかも、地球の気温が氷河期以上に下がっていた。ニールは地球を元に戻した。ニールは全知全能の力を持っていることに耐えられなくなり、橋から飛び降りて自殺を図った。だが、助けに来たデニスが溺れてしまったため、自殺するのを止めて泳いで岸に向かった。
デニスはニールに力を捨てることを勧めるが、ニールにはできなかった。すると、デニスは自分に移すことを勧めた。力がなくなるわけではなく、ニールが命令すればデニスは願いを叶えるからだ。ニールはデニスの話に納得し、力を移した。すると、デニスは「この力の源を破壊し永遠に使えないようにしろ」と願って手を振った。地球を攻撃しようとしていた宇宙人達は、自分達が放った力に攻撃され死滅した。
ニールはキャサリンに会いに行き、力を捨てたことを伝えた。食事に誘うと、キャサリンは笑顔で承諾してくれた。デニスは話せる状態のままで、グラントは犬のままだった。
映画『ミラクル・ニール!』の感想・評価・レビュー
地球人の一人に全知全能の力を与え、その行動次第で地球が滅亡するか否かという何ともざっくりした作品である。そして、力を与えられたニールはそんな事を知る由もなく、私利私欲の為に力を使い始める。予想通りというかある意味レール通りの展開だが、主人公のアクの強さも相まって、分かっていても楽しめるだろう。ラストもハッピーエンドではあるが、展開が急な部分もあり、感動というよりはおバカ映画の延長上のラストという印象になった。(男性 30代)
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