映画『アデル ファラオと復活の秘薬』の概要:『アデル ファラオと復活の秘薬』(原題:Les aventures extraordinaires d’Adèle Blanc-Sec)は、植物状態の妹を救うため、古代エジプトの侍医のミイラをよみがえらせ、秘薬を手に入れるために奮闘するジャーナリストの物語。
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:107分
- ジャンル:コメディ、ファンタジー、アドベンチャー
- 監督:リュック・ベッソン
- キャスト:ルイーズ・ブルゴワン、マチュー・アマルリック、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ etc
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
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映画『アデル ファラオと復活の秘薬』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』 あらすじ【起・承】
20世紀初頭、フランスのパリで、馬車が川に転落し、3名が亡くなる事件が起こる。その内の1人は元パリ市長で、警察は事件の調査を始める。
実は、事件の原因は、ある科学者がよみがえらせたジュラ紀の翼竜・プテロダクティルスだった。科学者・エスペランデュー教授は、死者をよみがえらせる儀式を行い、博物館に展示されていたプテロダクティルスの卵の孵化を成功させたのだ。
一方、女性ジャーナリストのアデルは、植物状態の双子の妹を救うため、古代エジプトに来ていた。エスペランデュー教授の力でラムセス2世の侍医をよみがえらせ、古代エジプトの医療と秘薬によって妹を助けようと考えたのだ。
敵対するデュールヴー等の邪魔も入ったが、アデルはミイラを手に入れることに成功する。
パリでは、謎の怪鳥の話題で持ち切りだった。博物館では、メナール教授とその助手のズボロフスキーは割れた卵の状態からプテロダクティルスの卵の化石が孵化したことに気付き、捜査に来た警察には専門家としてエスペランデューを紹介した。
カポニ警部はすぐさまエスペランデューの元に向かい話を聞くが、その最中、部屋のカーテンの奥からプテロダクティルスが現れ暴れはじめた。
元凶がエスペランデューであると判断した警部は、彼を逮捕してしまう。
パリに戻ってきたアデルは、エスペランデューにミイラをよみがえらせてもらおうとするが、彼が逮捕されたことを知って愕然とする。しかし、諦めきれないアデルはあの手この手で彼を脱獄させようとするのだった。
ある時は看守に扮し、ある時は看護婦に扮し、牢獄に侵入しては脱獄を試みるが、全て失敗に終わる。ついには、面識のある大統領に恩赦を頼むが、それもかなわなかった。エスペランデューの死刑執行は明日。
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』 結末・ラスト(ネタバレ)
諦めかけたアデルを救ったのは、彼女に憧れて毎日のように手紙を送って来るズボロフスキーだった。
ズボロフスキーは翼竜に帰巣本能があることに気付き、翼竜の居場所を知っていたのだ。
アデルはなんとプテロダクティルスに乗り、ギロチンにかけられる寸前のエスペランデューを救い出した。
これでようやくミイラをよみがえらせられると思ったところへ、警察に雇われたハンターがやってきて、プテロダクティルスを撃ってしまう。儀式を行ったエスペランデューとプテロダクティルスは一心同体であり、プテロダクティルスが受けた傷はそのままエスペランデューの傷としても表れる。
アデルは瀕死のエスペランデューをなんとか自宅まで連れていき、儀式を行った。
エスペランデューはそのまま息絶えたが、ミイラはちゃんとよみがえっていた。ところが、そのミイラはファラオの侍医ではなく、原子物理学専門だという。全てが無駄になり絶望するアデルだったが、ミイラはまだ救いはあるという。エスペランデューの力は強大で、半径2km以内の死者は全てよみがえったというのだ。
その時ちょうどルーブルで古代エジプトの特別展が開催されていた。アデルとミイラは夜中の美術館にしのびこみ、ファラオとその家来らを眠りから覚ますことに成功する。
帽子ピンが頭に刺さって植物状態になっていた妹のアガットは侍医とファラオの秘薬によってすぐに目を覚ました。
全て解決したアデルは休暇に出かけていた。しかし、彼女が乗った船は「タイタニック号」で――。
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
アドベンチャー作品と思って観るとがっかりするかも
作品の副題は「ファラオと復活の秘薬」で、なんとなく『インディ・ジョーンズ』のような古代遺跡でのアドベンチャー作品をイメージしてしまう。実際、冒頭あたりではミイラを手に入れるために遺跡に入り、墓荒らし対策の仕掛けをクリアしたり金貨泥棒と戦ったりと、それらしい展開である。
しかし、蓋を開けて見れば古代動物やミイラをよみがえらせるという妙なファンタジーである。
舞台は冒頭以外全てパリ市内で、アドベンチャーとは程遠い。
コメディとしては面白い
あくまでもコメディ作品として観れば、それなりに楽しめる。まずアデルの妹が植物状態になった理由が馬鹿らしい。二人でテニスをしていて、ヒートアップしてしまいアデルが渾身の力で打ったスマッシュがアガットの頭にぶち当たり、その時落ちた帽子ピンが地面で跳ね返ったところで彼女の頭に刺さったのだ。悲痛な事故ではあるがどことなく笑える。
プテロダクティルスを追う警察も面白い。大統領は詳細を調べるよう内務大臣に命じ、内務大臣は今週中に解決するように警視総監に命じ、警視総監は72時間で解決するよう本部長に命じ、本部長は48時間で解決するよう警視に、警視は24時間で解決するようカポニ警部に……と、伝言ゲームのようなオチである。そしてカポニ警部は怪鳥事件に振り回されることになる。
また、ルーブル美術館のシーンでは、長い眠りから覚めたファラオが街の美しさを称賛する
場面がある。ルーブルの広場を見て、「ここにピラミッドを建てるともっといい」と言った。現在のルーブル美術館にガラスのピラミッドがあり、それを示唆する発言だと気づいた人はクスッと笑える。
タイトルに騙されてしまった今作。「ファラオ」なんて文字を目にしたものだから、勝手な思い込みで『ハムナプトラ』のような古代エジプトを舞台にしたアドベンチャー作品だと思ってしまいました。ストーリー自体は面白かったものの、アドベンチャーと言うよりもミステリー要素が強く、どちらかといえば『シャーロック・ホームズ』に近いかもしれません。アデルが体を張って困難に挑み、男性にも負けない知性と頭の回転の速さを見せてくれるので、見終わった時にはとても清々しい気持ちになれました。ラストは「タイタニック号」に乗り込むというまさかの展開だったので、それは彼女の死を意味するのか、続編の匂わせなのかすごく気になります。(女性 30代)
映画『アデル ファラオと復活の秘薬』 まとめ
観る前の印象とは全く違う内容であったが、ファンタジー・アドベンチャー・コメディといろんな要素があって楽しめる作品だったと思う。フランス映画らしいギャグが多くて、それが好きな人にはいい作品だと思う。
ラストは、アデルがタイタニック号に乗り込むところで終わっている。死を予感させる終わり方ではあるが、原作のフランス漫画ではこの後も続いているようなので、タイタニックの中でまた何か起こるのかもしれない。
次なる冒険を示唆しているので期待してしまうが、どうやらもう『アデル』の続編は制作されないようなので、少々残念である。
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