映画『アラジン(2019)』の概要:アグラバー王国のコソ泥アラジンは、お忍びで市場に訪れていたジャスミン王女に一目惚れをする。三つの願い事が叶う魔法のランプを手に入れた彼は、王女に近づくために王子になることを願った。
映画『アラジン』の作品情報
上映時間:128分
ジャンル:ファンタジー、ミュージカル、アドベンチャー
監督:ガイ・リッチー
キャスト:メナ・マスード、ナオミ・スコット、ウィル・スミス、マーワン・ケンザリ etc
映画『アラジン』の登場人物(キャスト)
- ジーニー(ウィル・スミス)
- 魔法のランプに棲む、青い肌の魔人。ランプを擦った者をご主人様と呼び、三つの願い事を叶えることができる。陽気な性格でしゃべることが大好き。歌やラップやダンスも得意。いつか自由の身になりたいと願っている。
- アラジン(メナ・マスード)
- アグラバー王国の泥棒。身寄りがなく、猿のアブーと暮らしている。生活のために泥棒稼業をしているが、貧しい子供に食料を分け与える優しさがある。ダイヤの原石と呼ばれる清らかな心の持ち主であるため、ジャファーに洞窟に行くよう命じられる。
- ジャスミン王女(ナオミ・スコット)
- アグラバー王国の王女。お忍びで市場を訪れた時、アラジンに助けられる。自立心が強く、いつか自分が国王になって国民を幸せに導くリーダーになりたいと考えている。大きなトラのラジャーを飼っている。
- ジャファー(マーワン・ケンザリ)
- アグラバーの国務大臣。コブラの杖で催眠術を使い、国王を騙して大臣の座に居続けている。元々は泥棒でここまで成り上がり、国王になりたいという野望を抱いている。そのために魔法のランプを手に入れるしかないと考え、アラジンを洞窟に取りに行かせる。
映画『アラジン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アラジン』のあらすじ【起】
アグラバー王国の市場で、アラジンはいつものように相棒の猿・アブーと盗みを働いていた。すると、お忍びで市場を訪れていたジャスミン王女と出会う。店主とトラブルになっていた彼女をアラジンは助け、自宅である建物の屋根に招いた。お互いの話をして惹かれ合うが、彼女はブレスレットが無くなっているのに気付くと、アラジンが盗んだに違いないと思い込み、怒って家を飛び出した。実はいたずら好きのアブーの仕業だった。宮殿に戻った王女は、結婚相手の候補であるシラバード王国のアンダース王子と渋々会った。
コブラの杖で催眠術を操れるジャファーは、アグラバーの国王を騙しながら大臣に居続けている。彼は国王に、シラバードとは友好関係を結ぶのではなく攻撃するべきだという催眠術をかけた。すると国王は好戦的な考えに変わり始める。ジャスミンは国王の考えを改めようとしたが、ジャファーに部屋を追い出されてしまう。自立心の強い彼女は、いつか自分が王となって国のために尽くしたいと考えていた。
アラジンはジャスミンにブレスレットを返すため、ベランダから王女の部屋に忍び込んで会った。彼は彼女のことを侍女だと思っていたため、また会いに来るよと軽く約束をして去った。その様子を見たジャファーはアラジンを捕まえ、遠く離れた洞窟へ連れて行った。アラジンにジャスミンは王女であることを教えた後、洞窟の奥にある魔法のランプを取りに行かせた。
その洞窟は欲のない心の美しい者「ダイヤの原石」しか入れない場所だった。アラジンは周りに散らばっている金銀財宝に触れることなく奥へと進んだ。途中で岩に挟まった魔法の絨毯を助けた後、岩の上の魔法のランプを手に入れた。その時、アブーが宝石に触れたため洞窟の主が怒り、溶岩が流れ込んだ。困ったアラジンが汚れたランプを擦ると、青い煙がモクモクと噴き上がり、青い肌をしたランプの魔人が現れた。
映画『アラジン』のあらすじ【承】
千年ぶりに外の世界に出た魔人のジーニーは、アラジンのことを「ご主人様」と呼び、三つの願いを叶えると言った。アラジンはまず「洞窟を出たい」と願い事をした。地上に戻ったアラジンは、実はランプを擦っていなかったという真相を明かし、願いはまだ三つあると主張した。
アラジンは正式に一つ目の願い事をした。それは「王子になる」という願い事。アグラバー王国では法律で、王女の結婚相手は国の王子でなくてはならないと決められていたため、王女に近づくためには王子になるしかないと考えたのだ。ジーニーは彼に品のある白を基調とした衣装を着せ、架空の国アバブワ王国のアリ王子に変身させた。それは上辺だけの王子であるが、人々は本物の王子だと思い込むという魔法だった。
アリ王子となったアラジンは、象になったアブーの上に乗り、大勢の家来や踊り子、動物たちを引き連れてアグラバー王国に入国した。盛大な登場でジャスミン王女と面会を果たしたアラジンだったが、つい口を滑らせてジャムと宝石で王女を買いたいと口走ると、王女は怒って出て行った。ジーニーは夜のパーティで巻き返しを図ろうとアラジンにダンスをさせたが、王女は興味を示さなかった。
映画『アラジン』のあらすじ【転】
アラジンはジーニーに、願い事ではなく友達として協力してほしいと頼み、侍女をデートに連れ出してもらった。アラジンは侍女がいないうちに王女を訪ね、魔法の絨毯で外の世界へ飛び出した。星明りの下、砂漠や川、森の上空を飛び回り、これまで見たことのない新しい世界の美しさに酔いしれる2人。街に戻った王女はこの街並みが一番好きだと言い、国王になりたい気持ちを新たにした。王女はアリ王子がアラジンだと気付き始めたが、アラジンは否定。2人は軽くキスをして別れた。
アリ王子が魔法の絨毯を使ったことを知ったジャファーは、彼の正体はアラジンだと確信して捕らえると、椅子に縛り付けて海に突き落とした。海底に沈むアラジンを助けるため、アブーはランプを海に投げ入れてジーニーを登場させる。アラジンは意識を失っていたため、ジーニーは代筆で二つ目の願い事「助かりたい」と記して、彼を地上へ救い出した。
意識を取り戻したアラジンは、ジャファーには裏の顔があり危険だと国王に訴えるが、催眠術がかかっている国王は信じようとしない。アラジンがコブラの杖を叩き壊したことで国王はようやく目が覚めて、ジャファーを地下牢に閉じ込めた。
アラジンは三つ目の願い事としてジーニーを自由にしたいという気持ちもあったが、この状態を続ける方が得策だと考え始めていた。しかしそれは、王女を騙し続けることでもある。アラジンの身勝手な心変わりに失望したジーニーは、ランプに閉じ籠った。
映画『アラジン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジャファーは地下牢を脱獄すると、アラジンからランプを盗み、国王にしろという願い事をした。ジャファーは新国王となったものの、ジャスミンや家来たちは彼に従わなかった。すると彼は二つ目の願い事として、自分を最強の魔術師にしろと要求。ジャファーは自分で魔法を使えるようになると、家来を地下牢に閉じ込め、国王の息を止めて、アラジンを北の果てへと吹き飛ばした。
アラジンとアブーは氷の世界に放り出されたが、魔法の絨毯によって救い出された。すぐに王国に戻り、ジャファーとジャスミン王女の結婚式を妨害する。アラジンはジャファーに向かって、お前はジーニーには勝てないから永遠に二番目だと挑発。負けず嫌いのジャファーは、宇宙一の最強の存在にしろという三つ目の願い事をした。彼はモクモクと煙に包まれて魔人となるが、同時にランプに囚われる身となり、ランプの中に吸い込まれてしまった。
アラジンはジャスミンに騙したことを謝って彼女の元を去り、ジーニーに三つ目の願い事、「君を自由にする」と願った。人間に戻ったジーニーは涙ぐんでアラジンに感謝し、侍女と世界の旅に出かけることにした。国王はジャスミンの勇気と強さを認め、国王に指名。法律を変えられる立場となった王女はアラジンを引き留めると口づけをし、盛大な結婚式を挙げるのだった。
映画『アラジン』の感想・評価・レビュー
本作以前のアラジンといえば、アニメ版『アラジン(1992)』が有名。「ホール・ニュー・ワールド」を含む挿入歌が大ヒットし、ディズニーアニメの代表作となった。本作はそれを大スター、ウィル・スミスを主役にして実写リメイクしたもので、鮮やかな映像美で期待通りの大ヒットとなった。ウィル・スミスの歌やダンスのミュージカルシーンが素晴らしいのはもちろんだが、ヒロインのナオミ・スコットの歌唱力も見事で、見ておいて損のない作品だ。(MIHOシネマ編集部)
名作アニメ映画『アラジン』の実写化。ただ元が名作であり過ぎるために、どうしても期待値は高まってしまう。結果からいうと、悪くもなかったが、特に良かったわけでもないというのが正直な感想になる。
追加された楽曲「スピーチレス~心の声」が、どうも記憶に残らない。楽曲アレンジ、演技、アクションも悪くはないのだが、どうして敢えて実写にしたのかその答えにたどり着けなかった。
吹き替え版でも見たのだが、擦り切れるほど前作の楽曲を聞きこんでいた身としては、歌詞が違うことに違和感を感じてどうにもはまれなかった。逆に、前作を見ていない人にとっては良作なのかもしれない。(男性 30代)
ディズニーの実写映画の中でもダントツで好きな今作。この頃のディズニーは「女性」の描き方を少し変えていて、強くて自立している女性像を描いていたような気がします。『トイストーリー4』のボーピープや、今作のジャスミンのように、女性らしさと自分のプライドや信念を貫く強さを兼ね備えたキャラクターがとても目立っていました。
アニメ版も大好きでビデオが擦り切れるほど鑑賞しましたが、この実写版で描かれた魔法の絨毯の空の旅はロマンチックすぎて鳥肌がたちました。ウィル・スミスが演じたジーニーのおかげで明るく楽しい世界観が出来上がっていて、突然の歌や踊りにも違和感がありませんでした。沢山の人に見てほしい作品です。(女性 30代)
子どもの頃に観たアニメ版が好きだったので、期待半分、不安といった気持ちで鑑賞しました。不安に思っていたCGの演出に違和感がなく、ジーニーを演じる青いウィル・スミスも良い味を出していました。ストーリーも良い感じにアップデートされていて、ヒロインのジャスミンが、自立したひとりの女性として力強く描かれています。アニメ版にはなかった、ジャスミンのソロ曲も素敵でした。
インド映画のような要素も取り入れられていて、キレのあるダンスも楽しめます。起承転結がはっきりとしていて、王道のハッピーエンドでした。(女性 30代)
ディズニーが魅せてくれる夢と魔法の世界を思う存分堪能することができる。色彩鮮やかな映像がとても美しく、アラジンの舞台であるアグラバー王国の異国情緒漂う雰囲気がとても良かった。
アラジン役のメナ・マスードもジャスミン役のナオミ・スコットも、アニメから飛び出してきたかのようにぴったりだが、なんといってもウィル・スミス演じるジーニーは必見である。個人的にはジャスミンの侍女のダリアもお気に入り。(女性 30代)
『千夜一夜物語』の中の作品『アラジンと魔法のランプ』がもとになったディズニー作品の実写版です。魔法の絨毯や、願いを叶えてくれる魔人の話は誰もが聞いたことのあるストーリーではないでしょうか。魔人ジーニー役のウィル・スミスがなんとも陽気で頼もしく、アラジン役のメナ・マスードはこの映画で初めて知りましたが、お茶目で好感が持てました。衣装や背景もさすがはディズニー。とても個性的なのですが、ゴージャスな美術・衣装は作品の世界観にぴったりでした。
魔法の絨毯で旅をする「僕を信じて」という言葉で始まり『A Whole New World』が歌われシーンは憧れです。(女性 40代)
1992年に公開されたディズニー映画、『アラジン』の実写映画。個人的にはストーリー構成、音楽、映像、全てにおいて最高といっても過言ではない作品である。
ただ一つ惜しいのは、マーワン・ケンザリ演じるジャファーが原作のイメージと大きく異なる点である。「早婚」という世界的社会問題の観点からキャラクターの設定変更がされたようだが、やはり原作ファンとしては違和感を抱いてしまう。
また、ジャスミンの力強い歌声が響く実写オリジナルの「スピーチレス」は、現代の女性たちの気持ちを代弁しているようでとても心に響いた。(女性 20代)
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