映画『穴(1957)』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「穴(1957)」のネタバレあらすじ結末と感想

穴(1957)の概要:1ヶ月間失踪して、そのルポタージュを書くことにした美人女性記者は、悪党一味の計画に利用され、殺人事件の犯人にされてしまう。京マチ子が様々な姿に変装して大活躍するサスペンス・コメディ。若き日の市川崑監督の遊び心が随所に見られる作品。

穴の作品情報

穴

製作年:1957年
上映時間:103分
ジャンル:コメディ、サスペンス
監督:市川崑
キャスト:京マチ子、船越英二、山村聡、菅原謙二 etc

穴の登場人物(キャスト)

北長子(京マチ子)
美人女性記者。警察の腐敗を暴いた記事を書き、責任を押し付けられて会社をクビになる。1ヶ月失踪してそのルポタージュを書くという企画を始めるが、思わぬ事件に巻き込まれてしまう。変装が得意で、行動力もある。
千木恋介(船越英二)
銀行員。支店長の白州と共謀し、銀行の金を横領しようとしている。おとなしそうなふりをしているが、実は策略家で腹黒い。
白州桂吉(山村聰)
銀行の支店長。定年間際なので、銀行の金を横領して株を買い占め、社長職に就きたいと考えている。
猿丸警部(菅原謙次)
警部。長子に間違った記事を書かれ、迷惑している。ヒゲが特徴的な熱血警部。
鳥飼秋太(石井竜一)
元巡査。長子の取材に応じて警察をクビになり、故郷の千葉に帰って探偵事務所を開く。千木とは軍隊で一緒だった。
赤羽スガ(北林谷栄)
長子の友人。あちこちに顔のきくやり手の女で、長子に白州を紹介する。長子の失踪記事のアイデアも赤羽が提供した。

穴のネタバレあらすじ

映画『(1957)』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

穴のあらすじ【起】

出版社に勤める女性記者の北長子は、鳥飼巡査から聞き出した警察の内部情報をもとに、警察の腐敗を暴く記事を書く。その記事の中に登場する「S警部」を、自分のことだと確信した猿丸警部は、いい加減な記事を掲載した出版社に文句を言いにいく。しかし、警察から文句を言われるだろうと予想していた編集長は、すでに長子をクビにしていた。

会社をクビになった長子は、悔しいので死んでやろうと毎日遺書を書いていた。それを見た友人の赤羽スガは、「自分から失踪してそのルポタージュを書いたらどうか」と長子に提案する。長子はその提案を受け入れ、スポンサーになってくれる出版社を探す。

話を聞いた「週刊ニッポン」の社長は、この企画を面白がってくれる。失踪には1ヶ月の期限をもうけ、発見者か逃げ切った長子のどちらかに50万円の賞金が支払われることになる。長子は逃走資金を前借りしたいと申し出るが、社長に持ち合わせがなく、赤羽に紹介してもらった銀行から金を借りることにする。

銀行の支店長の白州は、赤羽とは古い付き合いで、快く5万円を貸してくれる。しかし白州には別の企みがあり、長子の書いた領収書を密かに破り捨ててしまう。

失踪準備をしていた長子に、ある出版社から長子の作品を女流作品集に掲載したいという電話があり、長子は大喜びでその本用の写真撮影に向かう。実はこれは白州の作り話で、白州の目的は長子の顔写真だった。白州は、飲み屋の女を長子に似せて、「北長子」と名乗らせて銀行の受付で雇い、長子の失踪期限である来月25日に、銀行の金を横領する計画を立てていた。そして、失踪から帰った本物の長子を犯人に仕立て上げるつもりでいた。

穴のあらすじ【承】

週刊ニッポンは、雑誌に長子の顔写真を掲載し、長子の失踪に懸賞金をかける企画を大々的に宣伝する。長子は巧みに変装し、失踪を続けていた。

長子は29日間失踪を続け、残りの期限はあと1日になる。こっそり自宅アパートへ戻った長子は、そこで身に覚えのないラジオ購入の請求書を見つける。その請求書から、自分と同姓同名の女性が白州の銀行で働いていることを知り、長子は危険を冒して白州を訪ねる。

白州は同姓同名の女性社員がいることは認めたが、彼女は欠勤しているとシラを切る。何かおかしいと思った長子は、密かに白州のカバンを調べ、作品集用に撮影した自分の写真を見つける。

銀行を出た長子は、出版社に確認し、作品集の話が嘘であることを知る。さらに、同姓同名の女性の住まいも訪ねるが、そこに住人はいなかった。

銀行に電話をした長子は、同姓同名の女性社員のことで話があると言われ、銀行に呼び出される。長子が指定された部屋へ行くと、そこには銀行の出納係の男の死体が転がっていた。そこに「兄が危篤だ」という知らせを受けた男の妹が現れ、警察に通報する。長子はとりあえず現場から逃走する。

同じ日、白州の銀行と取引をしていた工務店の従業員の給料2500万円が盗まれるという強盗事件が発生する。窓口で対応したのは、長子と同姓同名の女性銀行員だった。

警察は、2500万円強盗事件は長子と出納係の共犯で、長子が出納係を殺して2500万円を独り占めしたと断定していた。マスコミもすぐにその情報を嗅ぎつけ、新聞で報道を始める。

その頃長子は、警察をクビになり実家の千葉で探偵事務所を開いた鳥飼を訪ねていた。長子は犯人を白州だと推理し、彼が犯人だという証拠をつかんで欲しいと鳥飼に頼む。

穴のあらすじ【転】

長子は東京へ戻り、田舎娘に変装して、白州の部下の千木と接触する。長子は、自分の推理を千木に話し、千木の身にも危険が迫っていると警告する。千木は長子の話を信用してくれ、北長子になりすました偽物を一緒に探し出すことを約束してくれる。

失踪期限が迫った正午、警察は出版社で長子を待ち伏せしていた。そんなことはお見通しの長子は、出版社の社長に電話だけかける。逃亡資金のなくなった長子は、赤羽を頼ろうとするが、赤羽は長子に騙されたと思い込んで、話を聞いてくれなかった。

鳥飼は白州の銀行に出向き、千木に声をかける。鳥飼と千木は軍隊が一緒で、顔見知りだった。千木は鳥飼を自分のアパートへ誘う。

千木が偽物の居場所を突き止め、長子は彼女がいるという川崎の工場跡へ向かう。長子は、彼女もいずれ白州に殺されると思っており、「一緒に警察へ行こう」と説得する。しかし彼女は長子を襲い、体をロープで縛って地下に監禁する。

意識を取り戻した長子は、自力でロープを切って、脱出方法を考える。もうすぐ白州がここへ来ることになっており、のんびりしている時間はなかった。長子はドアの内側に電流が流れるよう細工をし、「火事だ」と叫んで偽物にドアを開けさせる。偽物は感電して気絶し、そのすきに長子は彼女の服に着替えて逃亡する。偽物から奪った靴には、東京駅の荷物預かり証の一部が隠されていた。

長子は出納係の妹にも会い、彼女が持っていたアクセサリーから、荷物預かり証の一部を発見する。その日の夕刊には、川崎の工場跡地で身元不明の女性の死体が発見されたというニュースが掲載されていた。彼女も白州に殺されてしまったようだ。

千木のことを信用していた長子は、荷物預かり証のことも千木に話してしまう。千木は、長子の味方のようなふりをしていたが、実は白州の仲間で、彼に長子の動きを全て漏らしていた。

長子は荷物預かりの係員を騙し、白州たちが預けた荷物を手に入れる。その中に2500万円の現金が詰まっていると思い込んでいた長子は、それを持って出版社へ向かう。これで無実が証明できると思っていたが、箱の中身は東京株式相場の記事だけが切り取られた新聞の束だった。長子は、この新聞を切り抜いた人物が犯人だと考える。

穴のあらすじ【結】

長子は千木に「白州のアパートの鍵が欲しい」と頼む。白州が犯人だと思い込んでいた長子は、彼のアパートに忍び込み、東京株式相場の記事が切り抜かれた新聞を探すつもりだった。しかし切り抜かれた新聞の話だけは、千木に内緒にしておく。

長子は千木のアパートに鍵をもらいにいく。そこで長子は、千木が東京株式相場の記事を切り抜いているのを目撃する。千木が真犯人だと悟った長子は、彼を誘惑して、白州のアパートでの見張り役を頼む。千木の部屋の押入れには、鳥飼が監禁されていた。

長子は千木に外での見張り役を頼み、白州の部屋に忍び込む。ところが、今日は留守のはずの白州が帰ってきて、長子に猟銃を向ける。そこへ千木が入ってきて、銃で白州を撃ち殺してしまう。

長子はまだ千木に騙されたふりをして、一緒に北海道へ逃げる約束をする。その気になった千木は、白州の部屋の電話で、11時45分発の北海道行きの飛行機を予約する。千木は長子と羽田で会う約束をし、先に部屋を出ていく。

長子は白州の筆跡を真似て「11時45分の北海道行き」というメモを書き、白州の死体のそばにそのメモを置いておく。そして「人殺し!」と窓から叫んでから、自ら自分の頭を鈍器で殴り、その場に倒れる。

警察に保護された長子は、ずっと気絶したふりをしていた。警察は長子が駅に預けた手荷物を調べるが、それはただの変装グッズだった。そこへ、羽田で身柄を確保された千木が連行されてくる。千木はシラを切っていたが、カバンの中の銃とトランクの中の現金2500万円が決め手となり、一連の事件の犯人と断定される。千木は「その女も共犯だ」と叫んでいたが、長子はシラを切り通す。追い詰められた千木は、警官の制止を振り切って窓から飛び降り、自殺を図る。

長子は自分の無実を証明し、懸賞金も手に入れる。しかし税金やら何やらを引かれると、懸賞金は10万円そこそこになってしまい、長子はがっかりする。それでも長子は、全くへこたれてはいなかった。

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