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映画『アポカリプト』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アポカリプト』の概要:「マッドマックス」「パッション」で話題のメル・ギブソン監督作品。無名の役者たちが全編マヤ語で送る、スリル満点の逃走活劇。R指定になるほどリアルな戦闘描写には要注意!

映画『アポカリプト』の作品情報

アポカリプト

製作年:2006年
上映時間:138分
ジャンル:アクション、歴史
監督:メル・ギブソン
キャスト:ルディ・ヤングブラッド、ダリア・エルナンデス、ジョナサン・ブリューワー、ラオール・トゥルヒージョ etc

映画『アポカリプト』の登場人物(キャスト)

ジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)
部族長の息子で、若者たちのリーダー的存在。冗談好きで明るい青年。若いが、妻セブンと息子のタートル・ランを守る、頼れる父親でもある。
セブン(ダリア・エルナンデス)
ジャガー・パウの妻。第二子を妊娠中。子どもを守る冷静さと賢さを持ち合わせた、強い母親。
フリント・スカイ(モリス・バードイエローヘッド)
ジャガー・パウの父。部族長として森を治める。勇敢で厳格だが、悪ふざけもするお茶目な一面も。
ブランテッド(ジョナサン・ブリュワー)
部族の若者。仲間想いの大男。子宝に恵まれないことを、皆にからかわれている。
ゼロ・ウルフ(ラオウル・トルヒーヨ)
マヤ帝国の傭兵部隊リーダー。冷静に職務を全うする。息子のスネーク・インクを大切に思う、良き父親でもある。
ミドルアイ(ヘラルド・タラセーナ)
マヤ帝国の傭兵。残忍で、執念深い。ジャガー・パウを「死に損ない」と呼び、虐めて楽しむ。

映画『アポカリプト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アポカリプト』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アポカリプト』のあらすじ【起】

スペイン人侵略前のユカタン半島。マヤ帝国が豊かに栄える都から離れたジャングルの奥地では、各部族が森の縄張りを守っている。フリント・スカイが治める森でも、男たちが狩りをし、女たちは子を育て、笑い合い助け合って暮らしていた。トラブルと言えば、罠でとらえたバクの臓物の分配や、なかなか子が出来ない若者ブランテッドと彼をからかう長の息子ジャガー・パウのケンカくらいのものだ。

しかし、素朴なジャガー・パウたちの暮らしに不穏な気配が迫る。森で狩猟中、見慣れない部族の一団と出会ったのだ。彼らは魚を差し出し、ただ通過させてくれるよう頼んでくる。彼らは、「新しい始まり」を探して旅をしているらしい。見れば、老若男女問わずケガをし、何かに怯えているようだ。ジャガー・パウは何事かと問いかけようとするが、村に怯えが伝染することを懸念したフリント・スカイが息子を止める。

その夜、ジャガー・パウは嫌な夢を見た。森で出会った部族の男が、自らの胸を切り裂き、心臓を握りしめて立っているではないか。荒い息の中、絞り出すように「逃げろ」と言う。傍らでは、狂ったように犬が鳴いていた。ジャガー・パウが目を覚ますと、既に日は登っていた。犬が吠えているのは現実だった。犬は、武器を持ったマヤ帝国からの侵略者に向かって吠えていたのだ。

まだ眠りの中にいた村人たちの小屋が、次々と襲われていく。男は捕らえられ、女は犯され、抵抗すれば容赦なく殺された。一足先に目覚め、異変に気が付いたジャガー・パウは、身重の妻セブンと幼い息子を連れ、間一髪で家を脱出する。村の外れの深い岩穴に、ロープで妻子を下して隠してやる。不安げなセブンに「必ず戻る」と約束し、ジャガー・パウは再び地獄のような騒ぎの村へと駆け戻っていった。

ジャガー・パウを始め男たちが必死に戦うも、大人は次々と捕まり、竹竿に首を繋がれていく。残忍な傭兵ミドルアイに反撃して目を付けられてしまったジャガー・パウは、目の前で父親のフリント・スカイを殺されてしまった。ジャガー・パウ自身も殴られ、意識を失ってしまう。

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映画『アポカリプト』のあらすじ【承】

ジャガー・パウが目を覚ますと、竹に首を繋がれているところだった。最後の望みは、岩穴に隠した妻子が傭兵たちから逃げ延びること。降ろしたロープの端を木に結んでおいたが、それが不自然に目立ってしまっている。傭兵の一人が穴をのぞき込むと、中には誰もいない。セブンの機転で、横穴に身を隠していたのだ。しかし、傭兵は念のためロープを切り、ジャガー・パウは絶望する。

数本の竹竿に大人たちが繋がれ終わると、傭兵は彼らを立たせ歩き出した。後には、燃える家と、山のような死体と、泣き叫ぶ子供たちが残された。

険しい山道を、竹に括りつけられた首を無理に曲げた姿勢で歩かされる村人たち。途中で同じような捕虜たちと合流したと思ったら、前日に森で出会い、夢にも出てきたあの男の部族だった。二つの部族の子供たちが、泣きながら竹に繋がれた親を追う。しかし、大人がやっと渡れるくらいの深い河を渡ってしまうと追う事も出来ず、年長の少女が子供たちのことは任せてと叫んで見送った。

捕虜の中には戦いで深い傷を負った者もいるが、傭兵は容赦しない。ジャガー・パウの後ろに繋がれた男が遂に歩けなくなると、ミドルアイは崖から男を放り投げた。しかし、傭兵たちのリーダーであるゼロ・ウルフはこれに怒り、ミドルアイを強くかりつける。まだ捕虜たちを殺すわけにはいかないのだ。

一方で、穴に残されたセブンとタートル・ラン。セブンは、息子の脚のケガを蟻に噛ませて止血してやる。命綱のロープは、力なく落ちてきた。静まり返った村の岩穴で、彼女もまた、戦いのさなかにあった。

その夜、ゼロ・ウルフは、息子のスネーク・インクにナイフを贈る。戦いでの働きに対する、ご褒美だ。達成感に浸る親子とは対照的に、捕虜たちは希望を失っている。ブランテッドは、傭兵に襲われた妻が死ぬまで抵抗し続けられたのか不安に思い、早く地獄に落ちて妻が地獄にいない事を確かめたいとさえ願い始めていた。

翌朝、捕虜を連れた一行は焼け落ちた部落を通った。疫病が蔓延したらしい。生き残った顔のただれた少女を、傭兵は邪険に追い払う。しかし、その瞬間、少女は突然何かに憑かれたかのように話し出した。「暗黒の昼が来る。ジャガーを連れた男が泥沼から生き返る。男は愛する者のために傭兵たちを殺す。そして世界を終わらせる。その男は、今ここにいる。」

映画『アポカリプト』のあらすじ【転】

いよいよ、マヤ帝国の都が見えてきた。奴隷たちが石を削り木を運び、灰で真っ白になっている。胸をやられたのか、吐血している者ばかりだ。畑は干上がり、飢えた奴隷たちに虫が湧いている。しかし、都の中は服をまとったマヤ帝国の富裕層が贅沢に暮らし、民衆は憐れみと期待に満ちた目で捕虜たちを見つめている。文明社会とは無縁の生活をしてきたジャガー・パウらは、不安げに街を眺めるばかりだ。男たちは体を青く塗られ、女たちは奴隷として競りにかけられる。年老いて誰にも買われず街に放り出された義母を、ブランテッドはただ見つめる事しかできなかった。

青く塗られた捕虜たちは、ピラミッドの上へと連行される。取り囲む民衆は熱狂し、頂上から転がり落ちてくる生首に群がっている。太鼓の音が鳴り響き、踊りと神輿で祭りのようだ。干されている生首には青い塗料がこびりついていて、捕虜たちも恐怖に震え始めた。

頂上には祭壇と、マヤ帝国の支配者家族や祭司たちが待っていた。干ばつや疫病から逃れるため、神に生贄を捧げるのだという。一人の捕虜が、中心に連れ出された。あっという間に胸を開かれ、心臓が取り出されてしまう。その後に首を落とされ、首も体もピラミッドの階段から転がり落ちて民衆のものとなった。続けざまにもう一人、部族の男が犠牲になる。次はジャガー・パウの番だ。しかし、彼の脳裏にセブンの顔が浮かぶ。自分はまだ、死ぬわけにはいかない。

しかし、敵に囲まれ為す術のないジャガー・パウ。呆然と支配者たちを見つめていると、天に異変が現れた。真昼だというのに、太陽が隠れ始めたのだ。次第に暗くなる様子に取り乱す民衆と、得意げな祭司。支配者たちは、皆既日食を予測して生贄の儀式を行っていたのだ。すぐに月が通り過ぎ再び光が戻ると、祭司は高らかに「神は生贄の血を飲み、受け入れた」と宣言し、儀式は幕を閉じた。

なんとか生き延びたジャガー・パウだが、捕虜たちを待っていたのは、より残忍な人狩りゲームだった。真っ直ぐな道を捕虜たちに走らせ、無事に通り抜けたらそのまま森に帰らせてやるという。しかし、背後からは槍や矢が飛び、道の終わりにはナイフを構えたスネーク・インクが待っている。第一走者のブランテッドも、あと一歩と言うところで矢に倒れてしまった。続くジャガー・パウは、共に走る男とジグザグに道を駆け抜け、なんとか逃れようとする。それでも矢が直撃し、スネーク・インクがとどめを刺そうとしたところ、瀕死のブランテッドに助けられたジャガー・パウ。スネーク・インクを返り討ちにして、家族が待つ森へ向かって駆け出した。

映画『アポカリプト』の結末・ラスト(ネタバレ)

都から逃げ出したはいいが、ジャガー・パウは腹に受けた矢傷のダメージも大きい。ジャングルまで辿り着いたころには、既に息も絶え絶えになっていた。どうにか木に登り、横たわって休むジャガー・パウ。追手も一度は通り過ぎていく。しかし、木の上はジャガーの親子の縄張りだった。ジャガーに追われて森を駆け巡り、傭兵どころではない。青い体のジャガー・パウはすぐに傭兵に見つかり、再び捕まりそうになるものの、標的を変えたジャガーに助けられたジャガー・パウは逃げ延びる。

傭兵たちは、少女の予言を思い出す。昼が夜になり、ジャガーを連れた男が自分たちを滅ぼす。しかし、息子を殺されたゼロ・ウルフの怒りは深く、予言など意味は無いと一蹴した。彼は滝から飛び降りたジャガー・パウを追う為、迂回しようと提案した部下を殺し、自分も滝つぼに飛び降りる。

森へ帰れば、ジャガー・パウの縄張りだ。と油断したところ、深い泥沼に落ち込んでしまった。頭までどっぷり浸かり、危ない所で沼からはい出した。気を取り直し、毒ガエルで吹き矢を作り、ハチの巣で傭兵たちを襲うジャガー・パウ。全身泥まみれのジャガー・パウに、傭兵たちも再び予言を思い出してしまう。

一方、ジャガー・パウを待ちきれず、自力で穴から脱出しようとするセブン。ロープを上手く使い、半分ほどまで岩肌を上っていくも、やはり落下し産気づいてしまった。さらに、降り出した強い雨に、穴はみるみる水で満たされていく。

そこへ、ようやく夫が帰ってきた。しかし、ジャガー・パウもまだ追われる身で、妻子を助けることができない。怒り狂ったゼロ・ウルフに追い詰められるが、ジャガー・パウは狩り用の罠を利用した。残る傭兵はあと二人。それなのに、ゼロ・ウルフの矢で受けた傷が痛み、ただフラフラと逃げる事しかできない。必死で走り続けると、森を抜け海岸へ出てしまった。

そこには、傭兵の目すらも奪う光景が待っていた。スペインの船団が着岸し、兵士や宣教師を乗せた小舟がこちらに向かっていたのだ。傭兵も、もはやジャガー・パウに興味を失っていた。マヤ文明をはるかに凌ぐ文明に見入った傭兵たちの目を盗み、ジャガー・パウは家族の元へと帰っていく。

やっと助けに戻れたジャガー・パウが耳にしたのは、元気な産声だった。セブンが、息子を肩車して首まで水に浸かりながら、男の子を出産していたのだ。妻子は穴から救われ、家族はまた一緒になった。後日、ジャガー・パウの傷が癒えた頃になっても、スペインの船はまだそこにいた。しかし、ジャガー・パウは文明に近づかない。彼は妻子を連れ、「新しい始まり」を探す旅に出るのだった。

映画『アポカリプト』の感想・評価・レビュー

本作は、俳優のメル・ギブソン監督がマヤ文明の残酷さを描いた歴史アクション作品。
生贄文化や虐殺シーンがとにかく残酷である。
人間がどのようにして生き残ってきたか、どうしてマヤ文明は滅びたのか、本能的に分かったような気がした。
また、逃亡や生きるために殺す「殺すか殺されるか」という人間の本能が、緊張とスピードと臨場感を持って描かれていて、最後まで主人公から目が離せなかった。
含みを持たせるラストは、余韻を残していて好みだった。
無名の俳優人たちの自然な芝居も見どころだ。(女性 20代)


「マヤ語」という言語を知っていますか?主に「ユカテコ語」と呼ばれるこの言語は、メキシコでは「マヤ語」と呼ばれ、ユカタン半島で約90万人が使用している言語だそう。
この作品は全編「マヤ語」で構成されています。知らない言葉だからこそ、そのリアルさが素晴らしく、過激で衝撃的な戦闘シーンもものすごくリアルに感じました。
監督はメル・ギブソン。この作品には有名俳優を一切使わないことで、本物を追求した彼の潔さに感動しました。(女性 30代)


序盤から容赦無い残酷な描写がノンストップで続くため、見る人を選ぶでしょう。しかし、ロケーションや民族衣装、装飾品、マヤ語等作り込みが本格的です。ジャングルはとてもセットには思えず、原住民同士の争いや処刑シーンが非常に生々しいです。脚本、監督を手掛けたメル・ギブソンのこだわりが思い切り伝わってきて、彼を讃えたいと思いました。内容は逃走劇のため至ってシンプルですが、鑑賞後はマヤ文明についてもっと学びたくなりました。(女性 30代)

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