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映画『四月物語』あらすじネタバレ結末と感想

映画『四月物語』の概要:岩井俊二が監督・脚本を務めた1998年の日本映画。旭川から好きな先輩を追って武蔵野大学へ入学した女性の日常を描いた青春物語。松たか子がフレッシュな演技を見せてくれる作品。

映画『四月物語』 作品情報

四月物語

  • 製作年:1998年
  • 上映時間:67分
  • ジャンル:ラブストーリー
  • 監督:岩井俊二
  • キャスト:松たか子、田辺誠一、留美、加藤和彦 etc

映画『四月物語』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『四月物語』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『四月物語』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『四月物語』 あらすじ【起・承】

東京の大学へ進学が決まった卯月(松たか子)。
親元を離れ、初めて一人暮らしをする。
彼女が選んだのは武蔵野大学。
実は大好きだった先輩が来ていると知り、決めたのだ。

入学式で自己紹介をすると、都会から集まった学生達の中で何となく浮いている卯月は笑われる。
引っ越し挨拶をしにいけば、隣人の人とも何となく合わない。
一人で映画館に行けば、気味の悪いサラリーマンに追っかけられる始末。

その中で卯月に声をかけてきた女性生徒がいる。
さよ子だ。
怪しい雰囲気が漂い、少々変わり者の女子である。
彼女は卯月を突然買い物に誘ってくるなどし、卯月は少し困惑気味だ。

一人に慣れない日々が続き、彼女が通うのは武蔵野堂という書店である。
ここで先輩がバイトをしているという情報をききつけたからだ。
何度も通い本を購入する卯月。
しかし中々先輩には会えない。

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映画『四月物語』 結末・ラスト(ネタバレ)

さよ子にサークルに誘われた。
それは釣りサークルだった。
全く釣りなどしたこともない卯月は言われるがまま入部。
何となくさよ子のペースに流されてしまう。
ある日、いつものように先輩を見に武蔵野堂へ足を運んだ卯月。
その日は先輩のいる日だった。
遠くから見て満足をしている卯月は本を購入し帰ろうとした。
すると雨が降ってきたのだ。
自転車で帰ろうとする卯月に、先輩は傘を貸すと話してくれた。
しかし「この近くだから」と卯月は断った。

家までの道で、雨はどんどん酷くなる。
卯月は自転車を止めて、画廊のビルの前で雨宿りをしている。
すると中から出てきた男性が傘を貸してくれると言ってくれた。
卯月は「傘を買ってすぐに戻るから待っていて欲しい」と頼む。
傘を借りて、すぐさま武蔵野堂へ向かう。

武蔵野堂に着き先輩に「やはり、傘を貸してくれ」という。
先輩は客の忘れ物だとたくさん傘を持ってきてくれた。
その中で壊れた赤い傘を借りた卯月は、すぐに自転車に乗り雨の中を急いだ。
約束通り男性は待っていてくれ、傘を返すことが出来たのだった。
卯月は雨の中、先輩と再会出来たことを「愛の奇跡」だと思いたいと思った。

映画『四月物語』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『四月物語』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

松たか子の演技が新鮮で初々しい

大学に通うため旭川から上京したヒロインを演じるのが松たか子だ。
彼女の演技は爽やかでいて、ありそうなリアルな女性像を描いている。
新学期の何もかも新しい生活を始めるのに、周囲の人の視線を気にしたり、自分を取り巻く新しい環境にドギマギすることは誰にでもある。
本作品はその様子がきっちり描けている。

特に好感を持てたのが、卯月が新居で引っ越しの荷物を待っている時。
何とか業者の手伝いをしようと右往左往するが、結局何の役にも立たず気持ちだけがはやっている感じが演出されているのが良かった。
気持ちが非常によく分かる。
このような細かな日常のシーンが繊細に描かれていて共感が持てた。

また新しい学校で地方から出てきたということで、ある程度の自分への恥ずかしさみたいな気後れ感が出ていたのも良い。
周りは実際には気にしていないのかもしれないが、卯月よりも前に自己紹介したクラスメートの中に帰国子女がいたり、おちゃらけ系のキャラクターがいたりと。
そう思ったかどうかはわからないが「さすが東京だ」という気持ちの表情なのだろうというのが見て取れた。
このあたりも良く分かる心理状態である。

何故武蔵野大学なのかという結末

本作品の全編では何故彼女が、武蔵野大学に通いたかったかは語られていない。
しかし中盤の回想シーンで好きな先輩が上京した地がここだということで、大学受験を決めたと言っている。
なんだそういうことなのかと納得できる。
本作品は日常の一角を切り取って平凡に映した平凡な作品である。


大人になってしまった今、青春時代の初々しくて純粋な気持ちを思い出させてくれる素敵な作品でした。
大学生になる時って不安と希望が入り交じったドキドキワクワクした気持ちになりますよね。しかし、実際に大学生活が始まってみると思い描いていたのとは少し違ったり…。そんなもどかしさと新しい出会いがものすごくピュアで見ていてにやにやしてしまいました。
今の大学生よりも、大学生時代を懐かしむ大人になってしまった人に見て欲しい作品です。(女性 30代)

映画『四月物語』 まとめ

このような映画は若い頃は好きでは無かった。
退屈で映画自体に何の波も無いからだ。
しかし年齢を重ねていくと、このような作品の良さを感じることが出来るようになるから不思議だ。

平凡な女子大学生が上京し、平凡な恋愛、平凡な新生活を送るという平凡揃いの作品。
この映画で伝えたいことは何なのか考えても、一人の女子大学生のあるある日常生活ということしか思い当たらない。
しかし作風としては日本映画っぽくて良いのだ。
趣のある映画であることは間違い無い。

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