映画『ベイビー・トーク』の概要:大人の滑稽さを、赤ちゃん目線で描いたコメディ。赤ちゃん役の声をブルース・ウィリスが担当しており、赤ちゃんの表情とファンキーなセリフがマッチするところが妙におかしい。赤ちゃんと遊ぶジョン・トラボルタも、いい表情を見せている。
映画『ベイビー・トーク』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:エイミー・ヘッカリング
キャスト:ジョン・トラヴォルタ、カースティ・アレイ、オリンピア・デュカキス、ジョージ・シーガル etc
映画『ベイビー・トーク』の登場人物(キャスト)
- モリー(カースティ・アレイ)
- 会計士として働く33歳のキャリアウーマン。不倫相手の子供を出産し、息子にとって最高のパパを探し始める。明るくてお人好しのキュートな女性で、少々のことではめげない強さも持っている。
- ジェームズ(ジョン・トラボルタ)
- 飛行機の教官を目指しているタクシー運転手。街中で陣痛を起こしたモリーをタクシーに乗せ、彼女の出産にも立ち会う。その後もモリー親子と交流を深めていく。貧乏だが、行動力があって子供をあやすのもうまい。
- アルバート(ジョージ・シーガル)
- モリーの不倫相手の会社社長。妻と2人の娘がいるにも関わらず、モリーとの関係を続け、他にも女を作る。自分で「身勝手病」だと自覚している。エリートだが、自己中心的で父親には向かない男。
- マイキー(ブルース・ウィリス ※声のみの出演)
- モリーの息子。まだ赤ちゃんなので言葉は発しないが、心の中ではいろいろとしゃべりまくっている。ママとジェームズのことが大好き。
映画『ベイビー・トーク』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ベイビー・トーク』のあらすじ【起】
会計士としてバリバリ働いている33歳のモリーは、顧客の会社社長、アルバートと不倫関係にあった。アルバートは女たらしの身勝手な男で、モリーは何度も別れようと思ったのだが、いざとなると彼に言いくるめられてしまう。
今日もオフィスでアルバートに迫られ、モリーは体を許す。アルバートの精子はモリーの子宮内部を元気よく泳ぎ、卵子に潜り込む。受精卵は順調に細胞分裂し、モリーの体内ですくすくと育っていく。モリーが体調の異変に気付いて産婦人科を受診した時には、すでに妊娠3ヶ月を迎えていた。
モリーが妊娠したことを伝えると、意外にもアルバートは喜んでくれる。モリーは人工授精で妊娠したと周囲に嘘をつき、アルバートの子供を産むことにする。娘が未婚の母になることを嘆く母親には、精子提供者はエリートの医学生だと伝えておく。モリーは両親や友人に支えられ、順調な妊娠期間を過ごす。アルバートも家を出てくれ、モリーは彼と結婚できるのではないかと期待する。
そんなある日、モリーは友人とショッピングに出かけ、服屋の試着室でイチャつくアルバートと若い女性を目撃する。アルバートはぬけぬけと「彼女に恋をした」と言い放ち、モリーを失望させる。モリーは、怒りに任せてアルバートを殴り、その場を立ち去る。その直後、モリーの陣痛が始まる。
映画『ベイビー・トーク』のあらすじ【承】
モリーはすぐにタクシーを拾い、急いで病院へ向かう。運転手のジェームズは、陣痛に苦しむモリーを見て、猛スピードで車を走らせる。モリーは、安全運転するよう頼むが、ジェームズの暴走は止まらない。
ハチャメチャな状態で病院にたどり着いたモリーは、怒り狂いながら分娩室へと運ばれていく。ジェームズは、父親に間違えられて出産に立ち会うことになり、怖がるモリーを励ます。モリーは初対面のジェームズに見守られ、元気な男の子を出産する。初めて我が子を抱いたモリーは、この子にパパがいないことが寂しくなる。モリーは「いつか世界一のパパを見つけるわ」と赤ちゃんに誓い、その子をマイキーと名付ける。
マイキーと退院したモリーを、ジェームズが訪ねてくる。ジェームズは、モリーの忘れ物のバッグを届けてくれた。
マイキーはママの顔を認識し、泣けば望みが叶うことを覚える。そして昼夜を問わず泣きまくる。モリーは完全に寝不足で、産後うつの状態になる。母親はそんな娘を心配し、気分転換を勧める。モリーは久しぶりに友人と外出し、マイキーのパパになってくれる素敵な男性を見つけようと決意する。
モリーは数人の男性とデートをしてみるが、どれもこれもパッとしない。そんなある日、モリーのアパートのポストを探っているジェームズと遭遇する。モリーが厳しく問い詰めると、ジェームズは、自分の祖父をこの地域の老人ホームに入れるため、モリーの名前と住所を勝手に使ったことを白状する。モリーはこの不正行為を見逃す条件として、金曜日と隔週の土曜日に、マイキーのベビーシッターをするよう命じる。
映画『ベイビー・トーク』のあらすじ【転】
ジェームズは赤ん坊の面倒を見るのが上手で、マイキーも彼によく懐く。疲れて眠ってしまったモリーを気遣い、勝手にマイキーを連れ出して騒ぎになったりしたこともあったが、ジェームズは、なかなか有能なベビーシッターだった。ジェームズのおかげで、モリーの育児はずいぶん楽になる。
マイキーがヨチヨチ歩けるくらいまで成長した頃、モリーは両親の紹介で、公認会計士の男とデートをする。子守り役は、ジェームズが引き受けてくれた。男は悪い人ではなかったが、モリーはあまりデートを楽しめず、早めに彼と別れる。帰宅すると、遊び疲れたマイキーとジェームズがぐっすり眠っており、モリーはなぜかホッとする。
他の赤ちゃんと遊ぶようになったマイキーは、友達にはパパがいることに気づく。そして自分のパパはジェームズだと思うようになる。
祖父がこの地域の老人ホームに入所できることになり、ジェームズに頼まれて、モリーも引越しを手伝う。ジェームズの祖父は気難しい人だったが、マイキーのことを孫だと思って可愛がってくれる。ジェームズはお礼に、モリーを空のデートに誘う。
ジェームズはタクシー運転手をしながら、飛行機の教官になるのを目指していた。初めて小型飛行機に乗せてもらったモリーは、ジェームズとのデートを楽しむ。帰宅後、2人はすっかり盛り上がり、ベッドになだれ込む。しかしモリーは、貧乏なジェームズとの悲惨な未来を想像してしまい、一線を超えるのを踏みとどまる。
仕事に復帰したモリーは、ボスからアルバートの担当を続けるよう命令される。モリーは仕方なく、久しぶりにアルバートの会社を訪ねる。アルバートは性懲りもなくモリーに復縁を迫り、マイキーに会いたいと言い出す。モリーは迷うが、アルバートとマイキーを会わせてみることにする。
映画『ベイビー・トーク』の結末・ラスト(ネタバレ)
モリーのアパートへやってきたアルバートは、子守りをしていたジェームズと鉢合わせる。ジェームズは腕ずくでアルバートを追い返し、帰宅したモリーから事情を聞く。2人は感情的になり、口喧嘩になってしまう。「あなたには関係ないでしょう」と言われ、ジェームズは黙って帰っていく。
ジェームズは、モリーのこともマイキーのことも心から愛していた。しかし、モリーにその気がないのなら、マイキーとは別れるしかない。ジェームズはマイキーだけに、自分の正直な気持ちを打ち明ける。まだ喋れないマイキーは、落ち込んでいるジェームズに、自分の大事なぬいぐるみをあげる。
モリーもジェームズのことは好きだったが、社会的地位のあるアルバートの方が、マイキーのパパにはふさわしいのではないかと思っていた。モリーはアルバートと話をするため、マイキーを連れて彼のオフィスへ行く。しかし相手にその気がないことがわかり、ついにアルバートに見切りをつける。
帰宅したモリーは、ジェームズの祖父が暴れて困っていると老人ホームから連絡を受ける。モリーはマイキーを連れて、老人ホームへ向かう。モリーたちを見て祖父は落ち着き、マイキーと遊び始める。モリーは職員に2人を任せ、所長と話をしにいく。モリーはジェームズの妻だと名乗り、祖父が暴れた理由を説明する。後からやってきたジェームズは、モリーに感謝する。
マイキーは窓からジェームズの姿を見て、祖父の部屋を抜け出す。マイキーはジェームズに会いたくて、勝手に外へ出てしまう。マイキーがいなくなったことに気づいたモリーとジェームズは、血眼になってマイキーを捜す。そしてマイキーがレッカーされていく車に乗ったのを見て、車で後を追う。
ジェームズは街中を暴走し、マイキーが乗った車に追いつく。しかしすでにマイキーは車外に出て、道路の真ん中にいた。ジェームズは命がけでマイキーのもとに駆け寄り、彼を抱きしめる。それを見たモリーは、マイキーのパパはジェームズしかいないとやっと気づく。マイキーもそれを熱望していた。モリーとジェームズは、人目もはばからずに熱いキスを交わす。
その後、2人は無事に結婚し、モリーはマイキーの妹を出産する。3人は、新しい家族の誕生を心から喜ぶ。モリーはとても幸せだった。
映画『ベイビー・トーク』の感想・評価・レビュー
物語の結末は早い段階で想像が付く内容なので、そこが逆にいじらしい映画である。赤ちゃんであるマイキーからの視点で描かれていく展開も新鮮であり、マイキーはもちろん、モリーとジェームズが望む幸せの形というものが最後にはしっかり構築されていくので、安心してみていられる映画である。アルバートの典型的な自己中的性格の描き方と、ジェームズの良いパパ像の対比が面白く、視聴者は皆同じ気持ちになってモリーを後押しするだろう。(男性 30代)
もう30年も前の映画ですが、色褪せない名作です。ジョン・トラボルタが子守をしているのが可愛らしいです。
子どもにとって幸せなのは、不自由のない生活が出来る父親でないといけないと考える新米シングルマザー。理想と現実で葛藤する様は考えさせられます。とはいえ、基本的にはコメディ作品なので、マイキーに笑わされるばかりでした。
ラストは皆が幸せになる、観ている方も温かい気持ちになれる作品です。(女性 20代)
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