「バトルクリーク・ブロー」(原題: The Big Brawl, 香港公開題: 殺手壕)は、1980年の香港・アメリカ合作映画。監督はロバート・クローズ。主演はジャッキー・チェン。制作総指揮にはブルース・リーやジャッキー・チェンなど多くの香港映画に携わったレイモンド・チョウ。ジャッキー・チェンのアメリカ映画初主演作品(製作は香港のゴールデン・ハーヴェスト)。
映画『バトルクリーク・ブロー』 作品情報
- 製作年:1980年
- 上映時間:96分
- ジャンル:アクション
- 監督:ロバート・クローズ
- キャスト:ジャッキー・チェン、ホセ・ファーラー、クリスチーヌ・ド・ベル、ロン・マックス、マコ etc…
映画『バトルクリーク・ブロー』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『バトルクリーク・ブロー』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『バトルクリーク・ブロー』のあらすじを紹介します。
1930年代のシカゴの町では、ドミニチ(ホセ・フェラー)が率いるファミリーと、モーガン(デイヴィッド・シェイナー)が率いるファミリーの、二つのマフィアが対立していた。そして町で行われる高額の賭博格闘試合に、それぞれのファミリーがファイターを出場させていたが、モーガンファミリーに雇われた大男のファイター、キッス(H・ B・ハガティー)が君臨し、ドミニチは面目が立たなかった。
チャイナタウンで中華料理店を営む父と、優秀な医者の兄を持つジェリー(ジャッキー・チェン)は、伯父のハーバート(マコ)からクンフーを教わりながら恋人ナンシー(クリスチーヌ・ド・ベル)と日々を楽しく過ごしていた。ある日、ジェリーが父の店を荒らしに来たドミニチの部下を撃退し、ドミニチはジェリーに一目を置く。
テキサスの小さな街、バトルクリークで開催される格闘大会にキッスが出場することをドミニチは知り、ジェリーの腕を買い、組織のメンバーとして出場させるため、人質に取った兄の婚約者を無事に帰すことを引き換えに、ジェリーへ格闘大会の出場を強要する。もともと出場するつもりでいたジェリーは、ドミニチの言うことを聞く。ハーバートをコーチに特訓が開始され、いよいよ競技の日がやって来た。世界中の強豪たちが集まり、人で膨れ上がったバトルクリークの闘技場。ジェリーもキッスも予想通り次々に強豪たちを倒してゆく。そして迎えた決勝の日、試合間際でファミリー間の裏工作によりジェリーは窮地に追い込まれる。
映画『バトルクリーク・ブロー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『バトルクリーク・ブロー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ジャッキー・チェンのアメリカ進出第一弾作品
香港カンフー映画から一転し、いかにもアメリカっぽい雰囲気になった作品ではあるが、混沌としたアメリカの時代背景で、マフィアが絡む格闘技大会なんていう設定には、日本でもブームであった昭和のプロレス的ないかがわしい雰囲気が出て面白い。そしてジャッキーの70年代の香港映画になかった華やかさが、この映画あたりから出始めた感じがある。興行収入はそこそこだったらしいが、次作のヒット作「キャノンボール」でジャッキーが認知される伏線になったのではないか。カンフーというこだわりを一旦置いといて、エンターテインメントを中心とした、ジャッキーの国際的アクションスターへの扉を開いた記念的な作品だろう。
時代設定が作品の効果に貢献していなかった
カンフー映画以外でジャッキーを世界へ売り出す作戦にしては、時代設定が曖昧である。何故1930年代の設定にしなければならなかったのかが、どうにも不明瞭で、格闘技の世界大会ならば現代の設定にした方が良かったという気が拭えないのだが、そこはキャラクターの個性で救われているのだろう。
ジャッキーの演技もいきいきとしてアクションシーンにも幅が出ている。トレーニングのシーンも、アメリカ人から見ればユニークに移る場面が多いはずだ。格闘大会の出場者も様々なタイプの人間が出場して、異種格闘技的な雑多さにまみれて戦うシーンにも、その後のジャッキーの多彩なアクションを窺わせる要因が見られて、なかなか新鮮に映る。
映画『バトルクリーク・ブロー』 まとめ
混沌とした闘技場のシーンは、ただ単に広場という設定があるのみで観客席もリングも境目がなく、町全体のリングでくり広げられるプロレスの場外乱闘を見ているようでなかなか笑える。ジャッキーが街角のあらゆるものを利用して戦うというお馴染みのスタイルも多用されており、アクションシーンのアイデアにおいてはバラエティ豊かな発想が当時は随分と新鮮に映った。随所に織り込まれたテンポの速いコメディアンタッチなシーンや、ジャッキーのオカマチックな仕草などは今見ても爆笑させてくれる。
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