この記事では、映画『ベテラン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ベテラン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ベテラン』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:リュ・スンワン
キャスト:ファン・ジョンミン、ユ・アイン、オ・ダルス、キム・シフ etc
映画『ベテラン』の登場人物(キャスト)
- ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)
- ソウル警察庁・広域捜査隊・刑事。腕っぷしが強い。人情味溢れる人物。不正を嫌う。正義感が強い。
- チョ・テオ(ユ・アイン)
- 企業であるシンジン物産の御曹司。企画室長。麻薬常習者。気に入らないことがあるとすぐ暴力を振るう。問題を起こしてばかりいる。
- チェ(ユ・ヘジン)
- シンジン物産の常務。テオとは従兄。問題処理係として、テオの下に就いている。
- ペ(チョン・ウンイン)
- トラック運転手。突然賃金が貰えないまま解雇される。シンジン物産の下請け業者に勤めていた。
- チョン・ソグ(チョン・マンシク)
- 運送会社・所長。シンジン物産の下請け業者。ペを雇っていた。
映画『ベテラン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ベテラン』のあらすじ【起】
販売した車を回収し、再び販売して金を集めている犯罪組織があった。広域捜査隊のソ・ドチョル刑事は客の振りをして車を購入し、トランクに入って回収されるのを待った。車が回収された後、ドチョルはトランクから出て犯罪者を一網打尽にした。そこに仲間の警察が駆けつけ、犯人達は逮捕された。ドチョルは捕まえた犯罪者を尋問し、車を販売する予定だったロシア人犯罪者達を逮捕した。
組合に所属していたトラック運転手達は、賃金未払いのまま突然解雇を突きつけられる。運転手のペは困り果て、助けを求めてドチョルに電話を掛けた。しかし、ドチョルは電話に出なかった。その頃、ドチョルは監修した映画の撮影の打ち上げに参加していた。ドチョルはそこで、大企業・シンジン物産の御曹司であるチョ・テオ企画室長と出会う。
ドチョルはテオに犯罪者の匂いを感じ取り、オ・チーム長に相談した。オ・チーム長の話から、テオは問題ばかり起こしていることが分かった。その頃、テオは賃金未払いの件でデモが行われていることを知り、解決を図るためにデモに参加していたペ親子を部屋に呼んでいた。始めは子供にお菓子やおもちゃを与え、穏やかに話していた。だが、突然ペと事業所のチョン所長にグローブを渡すと、殴り合いを行わせた。ペは子供の前だったため殴り返すことができず、チョン所長に顔面が血だらけになるまで殴られてしまう。殴り合いの後、テオは未払い分の賃金と上乗せしたお金をペに渡した。

映画『ベテラン』のあらすじ【承】
ドチョルは子供からの電話を受け、病院へと駆けつけた。電話を掛けてきたのはペの息子だった。ペは飛び降り自殺を行ったが、幸い手摺に体が引っ掛かって一命を取り留めていた。ペがデモの後自殺を行ったことは分かった。だが、賃金が支払い済みだったため、なぜ飛び降りたかが分からなかった。ドチョルはペの息子に話を聞き、ペが殴られたという情報を得る。それ以上は子供が不安定で、ペの身に何が起こったのか聞き出すことはできなかった。ペは所轄の担当刑事と会って事件について意見交換を行うが、所轄の上司から仕事の邪魔をするなと叱られてしまう。
ドチョルはテオに会うため会社を訪ねるが、チェ常務が立ち塞がり追い返されてしまう。チェ常務は事件を表ざたにしないために、見舞金と題したお金をペの妻に渡した。担当刑事は既にチェ常務と繋がっており、事件を調査する気はなかった。しかし、ドチョルは諦めなかった。
ドチョルは上司から圧力がかかり、シンジン物産の件から手を引くよう忠告される。一方、ドチョルの妻・ジョヨンは、チェ常務に呼び出されお金とバッグを渡される。ジョヨンの心は揺れ動くが、決して受け取らなかった。
映画『ベテラン』のあらすじ【転】
ドチョルは世論を動かすため、知り合いの記者に頼み今回の事件を公にしてもらうことにした。シンジン物産のチョ・ドンゴン会長はそのことを知り、記事を食い止めるために奔走した。そして、問題を処理しきれなかったチェ常務を殴り、テオに海外行きを命じた。怒ったテオはチョン所長の提案に乗り、ドチョルを始末することにした。
ドチョルは監察官から取り調べを受けることになる。違法に車を転売していた犯人が、ドチョルから暴行を受けたと証言したのだ。監察官がシンジン物産の件で圧力をかけてきたのは明らかだった。オ・チーム長はドチョルを助けるが、昇進に響くためこれ以上事件を引っ掻き回すなと叱った。ドチョルはそんなオ・チーム長に失望するが、やはり事件の調査を諦める気はなかった。
ドチョルはチョン所長に会いに行った。すると、オ・チーム長と仲間の刑事が現れる。オ・チーム長はドチョルを見捨てることができなかったのだ。ドチョル、オ・チーム長、ユン刑事の3人でチョン所長に会いに行った。部屋の中にはチョン所長の仲間の男がおり、ユン刑事が刺されてしまう。チョン所長は想定外のことに驚き、逃げるが捕まってしまう。
映画『ベテラン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ドチョルはチョン所長の取り調べを行った。チョン所長は一緒にいた男に監禁されていたと証言した。だが、ドチョルも他の刑事もそんな証言など信用しなかった。仲間の刑事が刺されたこともあり、上司は黒幕を逮捕するようドチョル達にきつく言い渡した。ドチョル達は殺人教唆の罪で捜査を行った。すると、チョン所長の車から大金とパスポートと航空券が出てきた。札帯に印字されている銀行に確認を取れば、誰が大金を支払ったのか一目瞭然だった。
チェ常務はドンゴン会長から命じられ、テオの身代わりに出頭することになった。事件の捜査は、ドチョル達とは別のチームに引き継がれることになった。ドチョルは納得がいかなかったため、捜査を止める気はなかった。そんな時、仲間のミス・ボン刑事が行っていた調査により、ペが最後に妻に送ったメールが身を投げてからのものだと判明した。つまり、ペ以外の者がメールを送ったのだ。しかも、テオの部屋があるフロアでは、昼休みが30分早まっていた。人払いを行っていたのだ。ペは自殺を行ったわけではなかった。
ドチョルは刑務所にいるチェ常務に会いに行き、今回の事件の顛末を話した。ペはチョン所長に殴られた後、息子をタクシーに乗せて家に帰らせた。ペは腹の虫が収まらなかったため、テオの元に戻った。そこで、事故が起きた。テオがペを殴ったときに、ペが机の角に頭を打ちつけてしまったのだ。チェ常務は事故を隠すため、自殺を偽装したのだ。チェ常務はドチョルから話を聞いても、白を切り通した。
ドチョル達のチームは、テオに痛めつけられた元警護の協力を得て、テオが参加するパーティーの情報を得る。テオがそこで麻薬を使うと睨み、踏み込むことにした。警備の者に邪魔をされるが、ドチョル達は建物の中へと入った。パーティーではやはり麻薬が使われていた。ドチョルは逃げたテオを追うが、警護の者に邪魔をされる。テオは警官を撥ねながら車に乗って逃げた。ドチョルはバイクに乗って追いかけた。事故を起こしたテオは、ドチョルを殴って逃げようとした。その姿は多くの人が見ており、携帯のカメラに収めていた。ドチョルはボロボロになるが、テオの腕に手錠を掛けた。
テオとチョン所長は逮捕され、チェ常務も事件に加担したことが明らかになった。その頃、病室で眠っていたペの指が動いていた。
映画『ベテラン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
久しぶりにスカッとする韓国映画を観た!正義感あふれる熱血刑事ソ・ドチョルと、冷酷な財閥御曹司チョ・テオの対決がめちゃくちゃ熱かった。悪徳財閥の悪行にイライラする分、後半の反撃シーンは爽快感MAX。ファン・ジョンミンのアクションと台詞回しがかっこよすぎて惚れた。(20代 男性)
社会的テーマとエンタメのバランスが絶妙。財閥の横暴、警察の正義、庶民の怒りが、派手なアクションとユーモアを交えて描かれていて、飽きずに一気に観てしまった。ラストの公開殴打シーンはやりすぎかと思いつつも、観客としては痛快でしかなかった。韓国映画の底力を感じた。(30代 女性)
テンポよく進むストーリーと、メリハリの利いた演出がとても良かった。特にチョ・テオ役のユ・アインが演じる最低な御曹司っぷりは見事で、あまりに憎たらしい演技に逆に感心してしまった。ファン・ジョンミンとの対決は最初から最後まで緊張感たっぷりで、まさに“王道”の痛快アクションだった。(40代 男性)
コメディタッチなところもありつつ、メッセージ性も強くて見応えがあった。社会の不条理に立ち向かう“普通の正義”を描く姿がリアルで共感できたし、最終的に勧善懲悪で終わるのも後味が良い。韓国のエンタメ作品ってこういうバランスが上手いなと改めて感じた。登場人物全員キャラが立ってて面白い!(20代 女性)
刑事モノとしてはとても分かりやすいストーリーだが、韓国ならではの社会風刺がきっちり織り込まれていて良かった。財閥という権力に立ち向かう正義の警察官という図式はベタだけど、それでも熱くなる。何よりアクションのキレと、会話のテンポが良くて、観ていて爽快。週末にぴったりの映画だった。(50代 男性)
ラスト、チョ・テオがマスコミの前で顔面ボコボコにされるシーンは賛否ありそうだけど、私は思わず拍手したくなった。あれくらいの制裁を受けないと、こいつの悪行は帳消しにならない!と。全体的にポップで痛快だけど、きちんと社会の闇にも目を向けているバランス感覚がとても良かった。(30代 女性)
正直、序盤はありがちな刑事ドラマかと思ったけど、中盤からグッと引き込まれた。特にチョ・テオの悪行がエスカレートしていく様子は本当に胸糞悪くて、だからこそ最後の制裁が痛快に感じた。ファン・ジョンミンの“正義の象徴”としての存在感が抜群で、誰が観ても共感できる主人公だったと思う。(40代 男性)
アクションと社会風刺がここまでうまく融合した映画はなかなかないと思う。暴力シーンも生々しいし、でも決してただの暴力にはならない。正義のために“必要な怒り”として描かれているのが印象的。ヒーローではなく“ベテラン”刑事という設定も良くて、年齢と経験が説得力になっていた。(50代 女性)
刑事ドラマなのにポップで笑えるシーンも多くて、全体的にすごく見やすかった。社会的テーマを扱っていながらも難しくならないのは、脚本と演出のセンスだと思う。特に好きだったのは、ドチョルの仲間たちとのやり取り。チームとしての掛け合いが本当に楽しくて、ドラマシリーズ化してほしいくらい。(30代 男性)
映画館で観た時、周囲の観客がラストに拍手していたのを覚えている。それくらい観終わった後の満足感が高い映画だった。悪役がしっかり悪く、正義がしっかり勝つ。シンプルだけど、今の社会にこそ必要な構図だと思う。観ているこちらの怒りを代弁してくれるようなドチョルの行動に救われた。(20代 女性)
映画『ベテラン』を見た人におすすめの映画5選
インサイダーズ/内部者たち
この映画を一言で表すと?
腐敗した権力と対峙する男たちの、熱く鋭い韓国社会派サスペンス。
どんな話?
政界・財界・メディアの癒着を暴こうとする検事と、裏社会で暗躍してきた元側近が手を組み、巨大な腐敗構造に立ち向かう。緻密な駆け引きと怒涛の展開が見どころの骨太な社会派ドラマ。
ここがおすすめ!
『ベテラン』が描いた財閥と正義の衝突に共鳴するテーマで、さらにディープな視点で韓国社会の闇に切り込む。イ・ビョンホンの怪演とチョ・スンウの冷静な対比が圧巻で、正義とは何かを考えさせられる。
ザ・キング
この映画を一言で表すと?
権力を手にした男の転落と覚醒を描く、華やかで過激な権力ドラマ。
どんな話?
貧しい家に育ちながら検事になった男が、上層部の“特権階級”と手を組み、欲望に飲み込まれていくが、やがて自身の正義に目覚める。野心と堕落、そして再生を描いたエンタメ性の高い作品。
ここがおすすめ!
『ベテラン』のように“正義と権力”をテーマにした作品で、政治×法曹界の駆け引きが見応えあり。華やかさの裏にある堕落と人間の弱さがしっかり描かれていて、スリリングかつメッセージ性も抜群です。
新しき世界
この映画を一言で表すと?
潜入捜査官が正義と義理の間で揺れる、魂を削るクライムノワール。
どんな話?
巨大組織に潜入している警察官が、ボスの死を機に内部抗争に巻き込まれ、仲間への義理と正義の職務の間で苦悩する。緊張感あふれる心理戦と、涙なしには見られない人間ドラマが魅力。
ここがおすすめ!
アクションよりも心理的葛藤に重きを置いた展開で、『ベテラン』とは違った角度から“正義”を追求する。ファン・ジョンミンも出演しており、静かな迫力で物語を引き締める重要な役を演じているのも見逃せない。
悪いやつら
この映画を一言で表すと?
実在の犯罪者を基にした、欲望と暴力のリアルな犯罪叙事詩。
どんな話?
実在の汚職刑事の半生を基に描いた物語で、金と権力を貪りながらのし上がっていく男の姿を、容赦なく描写する。ヒーロー不在の韓国クライム映画の金字塔。
ここがおすすめ!
『ベテラン』が提示した“正義”とは正反対の主人公だが、韓国社会の闇をえぐるという点では同じ方向性を持つ。泥臭くも引き込まれる展開と、キム・ユンソクの存在感に圧倒される作品です。
ゴールデンスランバー
この映画を一言で表すと?
普通の男が大統領暗殺犯に仕立て上げられる、息もつかせぬ逃走劇。
どんな話?
ごく普通の宅配ドライバーが、ある日突然“暗殺犯”として追われることに。陰謀に巻き込まれながらも、仲間や家族の助けで逃げ延びようとする姿が描かれる社会派サスペンス。
ここがおすすめ!
『ベテラン』のようにテンポよく進む展開と、庶民目線の正義が胸を打つ。追われる側のスリルと、見えない巨大権力への怒りが絶妙に描かれており、スリリングで胸熱な展開が続きます。
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