映画『ブラック・ファイル 野心の代償』の概要:製薬会社の不正を暴くべく紛争する弁護士のケイヒル。だが、そんな彼の前にかつての恋人や謎の男が現れケイヒルを襲撃する等、周囲に不可解なことが起き始める。
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:サスペンス
監督:シンタロウ・シモサワ
キャスト:ジョシュ・デュアメル、アンソニー・ホプキンス、アル・パチーノ、イ・ビョンホン etc
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』の登場人物(キャスト)
- ベン・ケイヒル(ジョシュ・デュアメル)
- 若手弁護士として働く男。結婚しているが妻が流産したことをきっかけに夫婦関係が上手くいかなくなる。
- シャーロット・ケイヒル(アリス・イヴ)
- ベンの妻。看護師として働きながら家計を支えている。
- アーサー・デニング(アンソニー・ホプキンス)
- 製薬会社の経営者。自身の会社が販売した薬によって死者を出しているが不正を隠そうとしている。
- チャールズ・エイブラハム(アル・パチーノ)
- ベンが所属する弁護士事務所のトップ。ベンにデニング相手の訴訟を任せる。
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』のあらすじ【起】
アメリカの巨大製薬会社ピアソン製薬は、新薬を開発していた。これまで多くの薬を販売し多額の金額を儲けていた。だが、ピアソン製薬が販売した薬による作用で死者が出ている事態となっていた。
ピアソン製薬の会長アーサー・デニングは、自身の会社が販売した薬による問題で訴訟を起こされていた。
その状況下の中、ある日デニングの愛人エミリーが何者かに拉致される事件が発生する。加えて、デニングのもとへ身代金250万ドルの要求がされるのであった。
犯人はデニングを身代金の受け渡しをオクタビィア美術館に指定していた。そこでデニングは民間企業の護衛を雇う。護衛に事態の詳細を話し、オクタビィア美術館での引き渡しの際、護衛の指示通りに動くこととなる。
身代金の引き渡し場所に来たデニング。美術館内を徘徊していると1人の男性が話しかけてくる。護衛はすぐさま男性に付いて行かないよう指示する。だが、デニングは指示に従わず美術館で話しかけてきた男性に暴行をしてしまうのであった。
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』のあらすじ【承】
デニングが身代金を渡す日から遡ること1週間。法律事務所で働く若手弁護士のベン・ケイヒルは、自身が担当する案件が小さく出世に思い悩んでいた。
ベンには妻で看護師として働くシャーロットがいた。だが、彼女との関係も冷え切っていた。仕事では成果について、家庭では妻との関係性について苦悩するのであった。
そこへかつての恋人エミリーからSNSにて連絡が来る。久しぶりに会いたいとのメッセージに、妻との関係や仕事で行き詰っている状況であったベンにとって彼女からの誘惑を断ることはできなかった。
バーで10年ぶりに再会するエミリーとベン。エミリーがピアソン製薬に勤めているとの話を聞き、エミリーは訴訟に使える情報を持っていることをベンに伝える。情報に乗せられたベンは彼女の家に行く。そこでエミリーからの身体の関係の誘惑を振り払い、ベンはピアソン製薬の不正の証拠が入ったUSBを持って家に帰るのであった。
その後、デニングはすぐさま弁護士事務所の代表エイブラハムにピアソン製薬会社への訴訟を担当したいと申し出る。彼はベンに一任するのであった。
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』のあらすじ【転】
チームを率いてピアソン製薬の不正を証明する情報を集めるベン。ベンはその後妻のシャーロットをデートに誘う。だが、デートの最中、エミリーが妻に接触しベンに電話を無視しないよう伝える。さらに正体不明のアジア系男性もベンに訴訟から手を引くよう伝える。
ベンはその後も訴訟の準備をしていたが、エミリーの自宅に行くと彼女が死んでいた。動揺した彼は家に帰り、エミリーとの関係や死んでいることをシャーロットに伝える。
シャーロットも動揺しながら訴訟まではそのまま何事もなかったようにふるまうことを決める。
1週間後、勘違いで美術館での暴行したことを謝罪したデニング。そして訴訟が執り行われる。訴訟の場ではデニングは、ベンにエミリーの話をする。ベンが入手した情報がエミリー経由で正規ルートではないことをベンに指摘しつつも不正であることを暗に認めるデニング。デニングは和解案として4億ドルを支払う条件を提示しベンたちもこれに了承する。
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』の結末・ラスト(ネタバレ)
訴訟が終わりひと段落したベンは自宅に帰る。だが、そこにはなぜかエミリーの死体が自宅に運ばれていた。
急な展開に状況が読めなかったベン。そんな状況に追い打ちをかけるように警察が押し寄せる。
容疑をかけられたベンは逃走する。その後友人の協力を得ながらデニングのもとへ行く。デニングが自分を罠に嵌めたと思い問い詰めるベン。だが、デニングは罠に嵌めておらず、身代金はエミリー自身が愛情を確かめるために仕組んだ罠だったとデニングは気が付く。
エミリーを殺害した犯人は他にいると知ったベン。そこへバーであったアジア系の男から襲撃を受ける。
手足を縛られたベンの目の前には妻シャーロットもいた。シャーロットは男に刺される。ベンは咄嗟に男を襲い殺害する。
すぐさま妻を病院へ連れて行ったベン。妻の心配をしながら彼は黒幕のもとへ行く。アジア系の男を動かし罪を擦り付けた黒幕はエイブラハムであった。エイブラハムはデニングと癒着関係にあり、わざと訴訟を起こすことで金銭を貰っていた。先ほど殺害した男のパソコンからエイブラハムとのやり取りがあり、事前に警察に連絡していたベンによってエイブラハムは追い詰める。だが、エイブラハムはその場で自害する。
事件から数日が経過し引っ越すことにしたベンとシャーロット。だが、そこでエミリーの香水の匂いがする物を見つける。理由をシャーロットに問いただすとシャーロットは夫との関係に嫉妬し殺害したことを認める。ベンはそのまま引っ越しの準備を進めるのであった。
映画『ブラック・ファイル 野心の代償』の感想・評価・レビュー
汚職ものを題材にしたサスペンス映画。女性に振り回される男性が題材になるのは多いので新鮮さはない。だが、展開がわりと早く、そこまで鑑賞時間も長くないので非常に鑑賞しやすい。また、物語が動くとき画面が横にゆっくりとスライドして話が変わっていくのも良い。恐らくだが、話が未来に進むときは右にスライドし、過去に言及する話に変わるときは左にスライドさせ物語を動かしている。
映画というのはストーリー性も当然大事だが、映像作品でもある。ただ単調に話を展開させているのではなく、ストーリーと連動し、「魅せる」ことを意識する必要もある。そういう面では本作はできているのは個人的には楽しめた。(MIHOシネマ編集部)
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