映画『ブラッド・スローン』の概要:ジェイコブは妻子と共に幸せな生活を送っていた。そんなある日、飲酒運転による事故を起こしてしまい、同乗者の友人を死なせてしまう。ジェイコブは刑務所に収監されることになった。
映画『ブラッド・スローン』の作品情報
上映時間:121分
ジャンル:サスペンス
監督:リック・ローマン・ウォー
キャスト:ニコライ・コスター=ワルドー、オマリ・ハードウィック、レイク・ベル、ジョン・バーンサル etc
映画『ブラッド・スローン』の登場人物(キャスト)
- ジェイコブ・ハーロン(ニコライ・コスター=ワルドー)
- 通称マネー。ファイナンシャル・エグゼクティブとして働いていた。妻と息子がいる。家族のことを深く愛している。飲酒運転による交通事故を起こし、同乗者の友人を死なせてしまう。
- カッチャー(オマリ・ハードウィック)
- 保安官。ビーストの犯罪を立証するため、仲間のジェイコブを追っている。犯人を逮捕するため、裏取引も行う。
- ビースト(ホルト・マッキャラニー)
- 刑務所に収監されている囚人。檻の中に入れられているが、手下や看守を使い刑務所を支配している。
映画『ブラッド・スローン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブラッド・スローン』のあらすじ【起】
ジェイコブは出所する際、看守からビーストが書いたメモを渡される。そのメモにはイースト・ロサンゼルス・ローラ生花店と書かれていた。ジェイコブが駅から降り立つと、仲間のショットガンがハウイという人物と共に待ち構えていた。ショットガンはジェイコブのために、生活に必要なものを用意していた。
ジェイコブはショットガン主催のパーティーに参加した。すると、突然外から銃が乱射され、女性の1人が撃たれてしまう。ショットガンは女性を気にかけるジェイコブを逃がした。ジェイコブはハウイの運転する車に乗ってその場を逃げ出した。その時、自分が許可しない限り誰とも接触しないよう指示した。ハウイはジェイコブの指示を受け入れた。
10年前。ジェイコブはファイナンシャル・エグゼクティブとして働き、妻のケイトと息子と共に幸せな生活を送っていた。そんなある日、ケイトや友人達と食事をした帰り、不注意で赤信号を無視してしまい事故を起こしてしまう。その時、友人のトムが亡くなった。
警察は2日後、ビーストの指示で武器の取引が行われるという情報を掴んでいた。実行者はジェイコブ。ビーストは15年も懲罰房から犯罪を指示している男で、ジェイコブは尻尾をなかなか見せない男だった。
ジェイコブは飲酒運転による死亡事故を起こしたことで逮捕された。事故の様子が交差点のカメラで撮影されていたため、裁判を起こすのは不利だった。弁護士は罪を認め、検事と取引することを勧めた。そうすれば7年の刑期が16ヶ月に短縮できた。ジェイコブはトムの家族のためにも、罪を認め刑務所に収監されることを決意する。
映画『ブラッド・スローン』のあらすじ【承】
ジェイコブはハウイの運転で、イースト・ロサンゼルス・ローラ生花店に向かった。そして、ハーマン・ゴメスという男から武器売買の取引場所について教えられる。ジェイコブがハウイと食事をしようとしていると、ショットガンが現れた。ショットガンはパーティーの件はただの奇襲だったと弁明した。だが、ジェイコブは自分が狙われているように感じており、ショットガンのことを信用することはできなかった。
ジェイコブは殺人を含む凶悪犯罪者がいる刑務所に収監されることになった。そこは弱みを見せればやられるような危険な場所だった。ある日、ジェイコブは1人の囚人とぶつかってしまい絡まれる。ジェイコブはやられないようにするため、咄嗟に殴りかかった。他の囚人達はそんなジェイコブを見て根性があると感じ、目をつける。ジェイコブはギャングの傘下に入ることになった。
ジェイコブは口座に入っているお金を渡すため、7年ぶりにケイトに会いに行った。だが、ケイトはお金を受け取るのを拒んだ。そして、涙を流しながら、長年連絡をくれなかったジェイコブを責めた。ジェイコブはお金を渡す手続きが終われば二度と会うつもりがないことを告げ、席を立った。
映画『ブラッド・スローン』のあらすじ【転】
ジェイコブはショットガンや仲間と共に、武器売買の件で役割分担を話し合った。その時ショットガンの様子に違和感を抱く。ジェイコブはショットガンの車を尾行した。ショットガンは保安官に会いに行っていた。恋人のモニカの釈放と引き換えに、ジェイコブを裏切ったのだ。
刑務所にいるジェイコブは、指示されるまま犯罪行為に手を染めた。行為はエスカレートしていき、ついには殺人まで犯すようになった。ジェイコブが暮らすモーテルに、ケイトと息子が訪ねてきた。息子は父に手を差し伸べようとするが、拒まれてしまう。ジェイコブは閉めたドアの内側で涙を流した。
ジェイコブはギャング同士の抗争に巻き込まれる。その結果、刑務所内での凶器による暴行の罪で、懲役4年が言い渡された。さらに、ギャングとの関与が確定したため、5年の刑期が追加された。ジェイコブは裁判所に来たケイトに、自分を忘れるよう伝えた。ケイトはショックを受ける。
ジェイコブは仮釈放されることになるが、ギャングの支配下から逃れることはできなかった。ビーストは武器売買を取り仕切るようジェイコブに指示した。もし刃向えば、家族の命はないと脅した。ジェイコブは家族を守るために受け入れることしかできなかった。
映画『ブラッド・スローン』の結末・ラスト(ネタバレ)
警察はジェイコブが暮らしているモーテルを見張っていたが、夕方なのに戻って来なかった。カッチャー保安官は手がかりを求め、ショットガンの家を訪ねた。その時、窓から家の中の様子を確認し、血痕があることに気づく。家に侵入したカッチャー保安官は、ショットガンの遺体を発見した。殺したのはジェイコブだった。
カッチャー保安官はショットガンの携帯を見つける。そして、ギャングの一味にまだ彼の死が伝わっていないことに気づく。警察はショットガンの携帯を使い、取引現場を割り出すことにした。
ジェイコブはハウイとショットガンが銃の数を誤魔化したことに気づいており、車からハウイを突き落して1人で取引現場に向かった。すると、警察が現れた。現場にいるギャング達が抵抗する中、ジェイコブは大人しく逮捕された。
ジェイコブは刑務所に収監された。カッチャー保安官はギャングの情報を渡せば釈放すると取引を持ちかけるが、ジェイコブは拒絶するだけだった。カッチャー保安官はジェイコブが人生を投げだしているように感じた。
ビーストはジェイコブが裏切ったことを確信しており、家族を始末することを告げた。ジェイコブは用意していた道具を使って拘束を解き、無線を奪って看守を檻の中に入れた。ビーストは自分を始末するためにジェイコブがわざと捕まったことに気づく。ジェイコブはビーストと戦い始末した。そして、刑務所を仕切る立場に成り代わった。
ジェイコブは息子からの手紙を受け取る。そこには父を恨んでいないこと、母を守ることが書かれていた。ジェイコブは涙を浮かべながら壁に貼ってある家族の写真を眺めた。
映画『ブラッド・スローン』の感想・評価・レビュー
交通事故によって起こった1人の男性の転落物語だった。主人公が家族のことを深く愛しているのが分かるからこそ、傍にいられなくなってしまったことが悲しかった。少しずつ主人公がどんな人生を歩んできたのか描いてあるため、物語の最初の方は説明不足で正直おもしろさを感じなかった。ニコライ・コスター=ワルドーの演技が上手く、幸せな日々を送っていたときと刑務所に収監されてからの主人公の雰囲気が全く別人のようで驚いた。(MIHOシネマ編集部)
暴力全開のプリズン映画で、”殺られる前に殺れ”と言わんばかりの刑務所の残酷さ恐ろしさが伝わってくる。また、家族のために変貌を選択した主人公の姿を描き、強烈な家族愛を感じさせてくれる。奥さんの心情を考えてしまうと、非常に辛い気持ちにもなる。過度な演出やBGMを使わない点は、刑務所の雰囲気と合っていて良かった。ただ、刑事の死の恐怖の下りなど、本筋とあまり関係の無いシーンもあり、もう少しコンパクトにして欲しいと思った。(男性 20代)
みんなの感想・レビュー