映画『ぼくを探しに』の概要:伯母のダンス教室でピアノを弾いているポールは、言葉を話すことができなかった。幼い頃に両親の死を目撃し、ショックを受けたのが原因だった。ひょんなことからポールと出会ったナタリー・プルーストは、母親の記憶を呼び起こす手伝いをした。
映画『ぼくを探しに』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:コメディ
監督:シルヴァン・ショメ
キャスト:ギヨーム・グイ、アンヌ・ル・ニ、ベルナデット・ラフォン、エレーヌ・ヴァンサン etc
映画『ぼくを探しに』の登場人物(キャスト)
- ポール(ギヨーム・グイ)
- 33歳。2歳の頃に両親の死を目撃し、ショックから言葉が話せなくなる。伯母のアニーとアンナ姉妹に引き取られ、ピアニストになるための英才教育を施される。友人はおらず、孤独な日々を送っている。
- ナタリー・プルースト(アンヌ・ル・ニ)
- ポールと同じアパートに暮らしている女性。ハーブティーを使い、人の記憶を呼び起こす仕事をしている。家の中で畑を耕している。
- アニー伯母さん(ベルナデット・ラフォン)
- 姉妹のアンナと共にポールを引き取り、育てる。アンナと一緒にダンス教室を経営している。ポールを溺愛しており、ピアニストにしようと奮闘する。
映画『ぼくを探しに』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ぼくを探しに』のあらすじ【起】
ポールは伯母のアニーとアンナ姉妹に育てられた。ピアノの英才教育を施され、彼女達が経営するダンス教室でピアノを弾いていた。ポールは友達がおらず、孤独な日々を送っていた。そして、言葉を話すことができなかった。
ある日、ポールは盲目のピアノの調律師、ミスター・コエーリョがレコードを落としたことに気づく。コエーリョはアパートの1室の中に入っていった。ポールは後を追い、その部屋の住人であるナタリー・プルーストと出会う。プルーストはポールにハーブティーを振る舞った。
ハーブティーを飲んだポールは、気を失った。プルーストはポールの様子を見て、悪夢を見ていることに気づく。実は、ポールが言葉を話さなくなったのは、2歳のときに両親の死を目撃したことが原因だった。ポールは母親のことを恋しがっていたが、父親のことは恐れていた。プルーストとコエーリョは、ポールを部屋の外へと運んだ。ハーブティーの効果で、目を覚ましたポールはプルーストの部屋にいたことを忘れていた。
アニーはダンス教室の外に来たホームレスの男性にお金を渡し、追い払った。一方、プルーストはポールから盗んでいた鍵を使い、彼の部屋に忍び込んだ。そして、母親の居場所を知っているというメモを残した。
メモを見たポールは、プルーストに会いに行った。プルーストが言っている母親の居場所は、ポールの奥底に眠っている記憶のことだった。プルーストはハーブティーをポールに振る舞い、記憶を呼び起こす手伝いをした。その時、1回50ユーロのお金を徴収した。ハーブティーを飲んだポールは、幼い自分をあやす母や大人達の姿を思い出す。
映画『ぼくを探しに』のあらすじ【承】
ダンス教室の中を、ホームレスの男性が覗いていた。ポールは男性を目撃し、幼い自分をあやしていた大人の1人だと気づく。慌てて男性を追いかけるが、逃げられてしまう。ポールはプルーストの元を訪ね、再びハーブティーを飲んだ。
ポールは幼い頃の記憶を再び思い出す。ポールの母・アニタの家は音楽一家で、アニタも元ピアニストだった。しかし、アニタは父のためにピアノを弾いていただけで、音楽に特別強い思い入れがあるわけではなかった。アニーとアンナはポールをピアニストにしたかったため、アニタの考えを残念に思う。
アニーとアンナはポールを連れ、知り合いの家を訪ねた。ポールは33歳になり、ピアノコンクールの若手部門に出場するのは今年で最後だった。優勝を目指していたが、毎年中国人に敗れていた。アニー達が中国人の文句を言っていると、知り合いの養女のミッシェルが中国人であることが判明する。アニー達は気まずい思いをした。ミッシェルはポールに興味を抱き、積極的にアプローチをした。ポールは困惑する。
ポールとプルーストは公園のベンチの端と端に座っていた。プルーストがウクレレを弾いていると、ミッシェルがやって来た。ミッシェルはポールの隣に座り、手を握ろうとした。ポールは驚き、拒んでしまう。ミッシェルは気にした様子もなく、笑顔で去っていった。
映画『ぼくを探しに』のあらすじ【転】
ポールはハーブティーを飲み、再び幼い記憶を思い出した。アニタはポールと共に、おむつのCMに出演した。そのお金を使い、家の改築を行った。ホームレスの男性はジェジェという名で、ポールの父であるアッティラ・マルセルの友人の大工だった。家の2階にはアニーとアンナが暮らしており、ピアノの音が鳴り響いていた。アッティラはアニタ達がCMに出演したことが気に入らず、激しく怒っていた。アッティラに襲われているアニタの姿を思い出し、目を覚ましたポールは涙を流して悲しんだ。
公園の木が伐採されることになり、プルーストは座り込んで抗議した。しかし、プルーストは警察に連行され、木は伐採されてしまう。ポールは公園に行き、プルーストのウクレレが壊されて捨てられていることに気づく。ポールはウクレレを持って帰り、修理した。一方、アニーとアンナはポールの様子がおかしいことを心配していた。
コエーリョは調律をしながら、ポールにプルーストの話をした。その時、ポールは別室に移動しており、部屋にはアニーとアンナがいた。アニー達はプルーストのせいでポールがおかしくなってしまったのだと思い、部屋に怒鳴り込みに行った。
映画『ぼくを探しに』の結末・ラスト(ネタバレ)
コエーリョはプルーストに託されたハーブと手紙をポールに渡した。手紙には店じまいすること、旅に出ることが書かれていた。ポールはハーブティーを飲み、プロレスラーのアッティラがリングの上でアニタと戦っている様子を思い出す。勝利したのはアニタで、試合後アッティラとアニタは仲睦まじそうに微笑んでいた。ポールは仲がよさそうな両親の姿を思い出し、喜んだ。ポールは感謝の言葉を書いた紙と共に、プルーストの部屋にコンクールの招待状を届けた。
ポールはコンクールに出場した。客席にプルーストの姿を探すが、いなかった。ポールは落胆しながらも、ピアノを弾いた。すると、幼い頃に見たキャラクターの幻覚が見えた。ポールは笑顔で演奏を終えた。客席や審査員達は立ち上がり、ポールの演奏に拍手を送った。
ポールは優勝を勝ち取り、プルーストの部屋を訪ねた。だが、プルーストはいなかった。ポールは部屋に戻り、ハーブティーを飲んだ。両親は音楽を聞きながら、幸せそうに踊っていた。その時、2階にあったピアノが落ちてきて、両親は下敷きになる。アニーとアンナはその光景を目撃していた。目を覚ましたポールは、自分が使っていたピアノが、両親の上に落ちたピアノだと気づく。ピアノには修理した跡があった。ショックを受けたポールは、思いっきり鍵盤を叩いた。蓋が落下し、ポールは指に怪我を負う。
アニー達はポールに事情を説明した。家の壁を取り払ったジェジェの違法工事がピアノの落下の原因で、彼は5年の刑に服していた。アニー達は指の治療をするため、ポールを病院に連れていった。ポールの指は、二度とピアノが弾けなくなっていた。
ポールはプルーストの部屋を訪ねた。すると、大家がおり、部屋を修繕していた。プルーストは癌を患い、亡くなっていた。ポールはプルーストが埋葬されている墓を訪れ、彼女のウクレレを供えた。すると、雨によってウクレレが鳴った。ポールはプルーストの気配を感じ、微笑んだ。ポールはウクレレを持ち帰った。
ポールはウクレレの先生になり、ミッシェルと結婚した。2人の間には子供がいた。ミッシェルは子供が話しそうだと気づき、ポールを呼んだ。ポールは我が子の顔を見て「パパ」と言葉を教えた。
映画『ぼくを探しに』の感想・評価・レビュー
ちょっとホロリとする場面があり、楽しい場面があり、色々感情を揺さぶられる素敵な作品だった。特に音楽がおしゃれで、物語に合っていたのが良かった。ポールは33歳ながらもアニー達に過保護に育てられ、幼い印象を受けた。しかし、プルーストに出会い記憶を取り戻したことで、本来の自分を取り戻せたのだと思う。アニー達は酷い義母だと思うが、ポールを大切に思っていた気持ちは本当だったのではないかと思う。(MIHOシネマ編集部)
フランス映画らしいアイロニーとユーモアにあふれる作品。
マダム・プルーストの植物だらけの部屋は童話のよう。似たような服を着て双子みたいな叔母たちや、盲目のピアノ調律師、動物の剥製を作る医者など個性的なキャラクターが出てきてファンタジックです。
両親の死にショックを受けて言葉を話せなくなった主人公のポールが、子供の頃の記憶に触れることで成長していくストーリー。でもあまり深く考えず、お洒落な世界を楽しむのがいいと思います。ポールとその父親を同じ俳優が演じていますが、雰囲気がまったく違うのも印象的でした。(女性 40代)
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