この記事では、映画『暴力脱獄』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『暴力脱獄』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『暴力脱獄』 作品情報

- 製作年:1967年
- 上映時間:92分
- ジャンル:アクション、サスペンス
- 監督:スチュアート・ローゼンバーグ
- キャスト:ポール・ニューマン、ジョージ・ケネディ、ルー・アントニオ、ストローザー・マーティン etc
映画『暴力脱獄』 評価
- 点数:95点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『暴力脱獄』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『暴力脱獄』のあらすじを紹介します。
夜中に酩酊し、酒瓶片手に次々とパーキングメーターを壊し、器物破損の罪で2年の刑に服役する羽目になったルーク(ポール・ニューマン)。刑務所の囚人たちはドラグライン(ジョージ・ケネディ)など厳つい連中ばかりだったが、彼らを取り巻く看守たちも囚人に匹敵するような猛者が揃っており、囚人と看守の間は憎悪感に満ち溢れた空気に支配されていた。ルークの仕事は炎天下での草刈りや穴掘りという重労働だったが、彼の新入りらしからぬ図々しさと要領の良さは周囲からの反感を買い、特に囚人のボスであるドラグラインはそれがひどく気に入らなかった。一触即発状態だった中でついに二人は殴り合いとなり、ルークはドラグラインに勝利し、囚人のボスはルークが取って代わる。ある日ルークの母(ジョー・V・フリート)が刑務所に面会へと訪ねて来る。病で老け込んだ母の後ろ姿を見送りながらルークは二度と母に会うことはないだろうと感じていた。やがて届いた母の訃報を知らせる電報に彼は涙を落とす。その三日後ルークは脱獄を図り、ひたすら逃走したが、最後は捕らえられ悲惨な懲罰を受ける。しかし彼は再び脱獄し、塀の外からドラグラインに「冷たい手のルークより」と記した手紙を送ったきた。彼をうらやむ囚人たちだったが、自由になった彼を責める者は誰もいなかった。やがて囚人たちの期待を裏切るようにルークは再び捕まってしまう。彼は厳重な足枷をはめられ、独房に収監されながら反抗の意志は覆らない。そしてルークは三度めの脱獄をドラグラインを道連れに決行するが、途中でルークは我が道を行くと言い、ひとりで廃れた教会に入り天に向かい「俺はどうすればいい?」と神に話しかける。別の道に向かったドラグラインは警察官に追われ、ルークのいる教会へ逃げ込み、逃げられない事を告げ彼を刑務所に戻るよう説得する。窓を開け警官に話しかけたルークの胸に警官の放った一発の銃弾が命中する。ドラグラインはそれに怒り、彼を撃った警官に掴みかかるが取り押さえられた。そしてルークは微笑んだまま車に乗せられ病院へ向かったが戻ることはなかった。彼がこの世を去った今日も囚人たちは炎天下で働く。無言で黙々と作業を続ける彼らの胸中には、「冷たい手のルーク」が微笑んでいた。

映画『暴力脱獄』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『暴力脱獄』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
本来持つ男の社会性を描いている作品
主人公ルークが戦争からの帰還兵という設定は詳しく描かれていないが、時代背景から言えばベトナム戦争だろう。ベトナム帰還兵の話を描いた初期の映画としても興味深い点はある。ルークが刑務所に収監されるシーンから、故郷を離れ見知らぬ人間とみすぼらしい施設の中で共同作業をするというのは、軍隊も刑務所も大して変わりの無い世界なのだと気付かされる。収監されたルークは単に器物破損の罪である。当時はどうだったのか知らないが、常識的に考えれば公共物の損壊というのは、酔っぱらっているという状況から見ても、警察署に留置され取り調べを受けて、罰金を払えば釈放というところなのだろうが、どうして刑務所にまでという感じは否めない。刑務所に収監されるいきさつはさておき、衝動的に酔っぱらってやったことだから、それほど罪の意識はないだろうが、それでも最初からふてぶてしくクールに装っていられるのは、戦地でそういった経験をしているからではないだろうか。憶測ではあるが、ベトナム帰りでどこか世間に馴染めないルークが、意図的に刑務所に入るような状況に自分を追いやったという考えに及んでしまう。戦場という緊迫した世界の中で、敵に囲まれながら男ばかりの生活にまみれ、自分の居場所を確保するというのは、男の社会性として本能的な部分で誰もが持っているのではないだろうか。形はどうあれこの映画に出演している囚人たちはそういった世界感の中で、人生を謳歌しているような気がしてならないのである。
少年のような繊細な心理も巧みに描かれている
ルークが脱獄を繰り返すという衝動は母親への回帰願望が変質したような行動にも思える。ここでも彼の行動は極めて本能的だ。一般社会へ迎合できないという幼児性が、ゆで卵の大食い競争なんかにも表れているのではないだろうか。そして面会に訪れた母への憧憬が衝動的な脱獄への繰り返しという本能に表れる。いわゆる純真な少年が外で友人たちと遊びほうけ、夕食時に母親が迎えに来た姿を追いかけるという、昔ながらの図式が見え隠れしているような気がしてならない。監督のスチュアート・ローゼンバーグが描きたかったのは、そういった大人になり切れなかった少年の複雑な心理ではないだろうか。バンジョーを奏でながら独りで歌うルークにも故郷を懐かしむような面影が表れている。アメリカン・ニューシネマにはそのような未発達の少年が持つ冒険譚のような作品が多く、戦争というものがその心情を描く背景に見事なほどに当てはまるのだろう。
刑務所で生きる伝説のようになったルークが、まるで拠り所であるかのように他の囚人たちの目に写ってるのが印象的だ。自由平等の人間性さえ失われそうなルールに従う者と、自らの道に進む者という分かりやすい境界線は、当時のベトナム戦争下の支配体制への態度と似ている。
ルークの脱獄の意志は強くは無くて目的も分からないけど、それがどこか戦後の虚しさというかニヒリズム的なものを感じたからスッキリしない脱獄映画だった。時折可愛いポール・ニューマンは必見だ。(女性 20代)
反抗的で飄々としたルークの姿に最初は痛快さを感じたが、物語が進むにつれ彼の孤独が浮き彫りになっていく。50個のゆで卵を食べきる場面は伝説的だが、それ以上に印象的なのは度重なる脱獄と、そのたびに戻されてもなお笑みを絶やさない姿だ。最後に教会で撃たれるラストは衝撃的で、彼の笑顔が神話のように語り継がれる構図が胸に残った。(20代 男性)
体制に従わないルークの態度は無鉄砲に見えるが、どこか気高い。母の死を知らされ崩れる場面では、彼の人間らしさがにじみ出る。仲間たちが彼を英雄視し始める過程も興味深いが、最後は権力に押し潰される。だが彼の笑顔は看守たちに屈しなかった証のようで、自由とは何かを問いかける余韻が強い。(30代 女性)
単なる脱獄映画ではなく、権威への抵抗を描いた寓話だと感じた。ルークが何度捕まっても諦めない姿は無謀だが、周囲に希望を与えていく。特に「何かがうまく伝わらない」名台詞の場面は象徴的。最終的に撃たれて命を落とすが、その存在は囚人たちの中で伝説になる。悲劇でありながら爽快感も残る不思議な作品。(40代 男性)
ルークの強がりと弱さのバランスが絶妙。卵を食べきった後の虚ろな目や、母の訃報を聞いた夜の独白が心に残る。仲間に裏切られ孤立しながらも、最後まで自分を曲げない姿は痛々しい。教会での最期はまるで殉教のようで、宗教的な象徴性を感じた。自由を求める人間の姿を力強く描いた名作。(50代 女性)
看守たちの無表情な暴力と、ルークの軽口の対比が鮮烈だった。何度も脱獄を試みるのは現実的ではないが、その無謀さこそが彼の生き方なのだろう。最後に撃たれる瞬間まで笑みを浮かべる姿は、敗北ではなく抵抗の象徴に見えた。観終わった後、静かな余韻とともに彼の生き様を思い返してしまう。(30代 男性)
若い頃に観たときは単純にかっこいい反逆者の物語だと思ったが、改めて観ると切なさが増した。ルークは本当はどこにも居場所がなかったのではないか。仲間の期待を背負い続けた末の死は重い。それでも彼の笑顔が語り草になるラストは、権力が奪えないものの存在を示しているようだった。(60代 男性)
閉塞感のある刑務所の風景が印象的で、その中でルークの存在だけが異彩を放つ。仲間たちが彼を英雄として崇めるほど、彼自身は追い詰められていく。最後に逃げ切れず撃たれる展開は苦いが、彼の精神は最後まで自由だったように思える。反骨精神の象徴として語り継がれる理由が分かった。(20代 女性)
権威と個人の対立をここまで明快に描いた作品は少ない。ルークの度重なる挑戦は愚かにも見えるが、体制に従順になることの虚しさを浮き彫りにする。母の死後に見せる弱さがあるからこそ、彼の強がりが胸を打つ。ラストの銃声は悲劇だが、彼の伝説が仲間の中で生き続ける結末が印象的。(40代 女性)
ユーモアと絶望が同居する不思議な作品。卵食い競争のシーンはコミカルだが、その裏にある無謀さが彼らしい。脱獄のたびに看守に叩きのめされる姿は痛ましいが、それでも屈しない。最後の教会での場面は静かで神聖な空気に包まれ、ルークが一種の象徴へと昇華される瞬間を見た。(50代 男性)
映画『暴力脱獄』を見た人におすすめの映画5選
ショーシャンクの空に
この映画を一言で表すと?
絶望の檻の中で、静かに希望を育て続けた男の物語。
どんな話?
無実の罪でショーシャンク刑務所に収監された銀行員アンディは、過酷な環境の中でも知性と忍耐を武器に生き抜いていく。親友レッドとの交流を重ねながら、密かにある計画を進める彼の姿はやがて伝説となる。長い歳月の果てに明かされる真実が、観る者に深い感動を与える。
ここがおすすめ!
理不尽な体制の中でも屈しない精神という点で、暴力脱獄と強く共鳴する作品。派手さよりも積み重ねで魅せる展開が秀逸で、ラストの爽快感は格別。自由とは何かを静かに問いかける不朽の名作。
ミッドナイト・エクスプレス
この映画を一言で表すと?
異国の監獄で自由を渇望する、衝撃の実録ドラマ。
どんな話?
トルコで麻薬密輸の罪に問われた青年ビリーは、過酷な刑務所生活を強いられる。暴力と絶望が支配する環境の中で、彼は生き延びるために必死にもがき続ける。やがて脱出を決意し、命懸けの行動に出る。実話を基にした緊迫の物語。
ここがおすすめ!
閉塞感あふれる監獄描写と、追い詰められた主人公の心理が生々しい。体制への怒りと自由への執念が画面から伝わり、暴力脱獄の反骨精神をより過酷な形で味わえる一本。観る者の心を強く揺さぶる。
大脱走
この映画を一言で表すと?
仲間と挑む、史上最大級の脱出作戦。
どんな話?
第二次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜収容所に収監された連合軍兵士たちは、大規模な脱走計画を立てる。トンネル掘削や偽装工作など、綿密な準備の末に決行される大胆な作戦。その行方と仲間たちの運命がスリリングに描かれる。
ここがおすすめ!
個人の反抗を描いた暴力脱獄に対し、こちらは集団での抵抗が見どころ。キャラクターそれぞれの個性と友情が光り、脱出劇の緊張感も抜群。エンターテインメント性と骨太なテーマが両立した名作。
カッコーの巣の上で
この映画を一言で表すと?
抑圧された場所で笑いと自由を叫ぶ反逆の物語。
どんな話?
刑務所行きを逃れるため精神病院に入ったマクマーフィーは、厳格な管理体制の中で患者たちを鼓舞し、自由を取り戻そうとする。やがて支配的な看護師との対立が激化し、思わぬ結末へと向かう。体制と個人の衝突を描く傑作。
ここがおすすめ!
反骨精神あふれる主人公像は、ルークと重なる部分が多い。笑いの裏にある痛みと、最後に待つ苦い結末が強い余韻を残す。権威に抗う姿の尊さと代償を考えさせられる一本。
明日に向って撃て!
この映画を一言で表すと?
自由を求め続けた二人のアウトローの伝説。
どんな話?
銀行強盗を繰り返すブッチとサンダンスは、時代の変化に追われながらも相棒として逃亡を続ける。ボリビアへ渡っても追跡は止まず、最後は圧倒的な敵に囲まれる。軽妙なやり取りと切ない運命が印象的な西部劇。
ここがおすすめ!
勝ち目のない状況でも信念を曲げない主人公像が、暴力脱獄と通じる。ユーモアと哀愁が同居し、ラストの決断は忘れがたい。自由に生きることの代償を描いた名作としてぜひ観てほしい。



みんなの感想・レビュー
ルークはボクシング勝負で負けてましたよ?負けても何度でも立ち上がる姿に男達は(惚れた?)んですよ。