映画『ティファニーで朝食を』の概要:『ティファニーで朝食を』(原題:Breakfast at Tiffany’s)は、オードリー・ヘプバーン主演のアメリカ映画。トルーマン・カポーティの原作の映画化作品。自由奔放な美女とそれをとりまく男性たちを描く。
映画『ティファニーで朝食を』 作品情報
- 製作年:1961年
- 上映時間:114分
- ジャンル:コメディ、ラブストーリー
- 監督:ブレイク・エドワーズ
- キャスト:オードリー・ヘプバーン、ジョージ・ペパード、ミッキー・ルーニー、パトリシア・ニール etc
映画『ティファニーで朝食を』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ティファニーで朝食を』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ティファニーで朝食を』のあらすじを紹介します。
美しく自由気ままに生きるホリーは、ニューヨークのアパートに住んでいる。ホリーは、いつかティファニーで朝食をとるような身分になることを夢見ていた。
ある日、アパートにポールという作家の青年が引っ越してくる。ポールはホリーと知り合い、そのあまりに自由奔放な暮らしぶりに驚き興味を持つ。ホリーの部屋には必要なものしかなく、一緒に暮らしている猫には名前すらないのである。
一方、ホリーはポールに弟の姿を重ね合わせ、親しみを感じていた。
時にホリーはポールの部屋へやってきてさんざん家族のことなどをしゃべり倒し、「友達だ」と言いつつポールのベッドで寝たりもした。
ホリーには多くの男性が付きまとう。
過去、弟と二人生きていく為に結婚していた夫は今でも諦められず追って来るし、金持ちの男とは多く付き合いがあり、金をもらうこともある。
ポールと友達以上恋人未満の中途半端な関係を続けながらも、ホリーは南米の大富豪ホセともうすぐ結婚するところまできていた。
ところが、ホリーが麻薬取引に関わっているとして捕えられたことで、ホリーは捨てられてしまう。
弟の死の知らせも相まって、ホリーの心はボロボロになる。そんな時、自分を支え愛してくれるポールのことを考える。
ホリーはポールの思いを受け止め彼の胸に飛び込み、二人はやっと幸せになるのだった。
映画『ティファニーで朝食を』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ティファニーで朝食を』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
冒頭のシーン
冒頭、ホリーがティファニーの店の前でデニッシュを食べ、コーヒーを飲むシーンは特に有名で、この作品を象徴するシーンである。
早朝に黒いドレス姿で、立ったまま無言で食べ続けるホリー。
タイトル「ティファニーで朝食を」とは、ティファニーの店舗で実際に食事ができるわけでもなく、すぐ前にレストランがあるわけでもない。高級ジュエリー店で堂々と朝食を食べられるような身分になりたいということである。
しかし現実は、店を眺めながら立ちっぱなしで安いデニッシュを食べることしかできない身分なのである。
「ムーン・リバー」
オードリー・ヘプバーン本人が歌う「ムーン・リバー」。作詞ジョニー・マーサー・作曲ヘンリー・マンシーニによる、この映画の主題歌である。
この曲は冒頭のシーンから流れており、少し切なくて美しい。歌うオードリー本人も大好きな曲だった。
今では誰もが知っている曲で、多くのアーティストがカバーしてきた。
実はこの曲には、別の物語がある。作曲家ヘンリー・マンシーニは、オードリー・ヘプバーンに恋をし、彼女が死ぬまでずっと片思いをしていたという。
この話は結構有名で、最後にはオードリーの死を知ったマンシーニが後を追って自殺した。
オードリーのために曲を作り、愛し続けたマンシーニの切ない恋の曲でもあるのかもしれない。
ホリーのキャラクター
原作を映画化するにあたって、ホリー役として最初にオファーがあったのはマリリン・モンローだという。確かに、自由気ままに多数の男を翻弄しながら生きる娼婦ホリーのキャラクターはマリリン・モンローのイメージである。原作者も推していたらしい。
だがモンローはこれを断ったため、オードリー・ヘプバーンが演じることになった。
それによって、多少ホリーのキャラクターは変えられたようだ。
マリリン・モンローが演じていればまた違ったホリーが見られたかもしれないが、オードリー・ヘプバーンだからこそ生まれたホリーの魅力があったと思う。
トルーマン・カポーティの小説を映画化して、名作と呼ばれているほど有名な映画であったが、原作からかなり脱色されていて原作とは全く違う印象を受けた。特に重要なセクシャリティの部分が全く描かれていなかったので残念だった。
それでも、オードリー・ヘップバーンが歌う「ムーンリバー」はやっぱり良いなぁと思ってしまう。いわゆる「名シーン」が堪能できる魅力は十分にあって、ストーリーには共感できないが「映画」を観ている感覚にたっぷり浸らせてくれる作品だ。(女性 20代)
映画はその始まり方で決まると言いますが、この作品は、映像といい、音楽といい、間違いなく満点を超えています。1961年の映画なのに、ファッションもいまだ廃れないどころか、今でもできるならば着てみたいと思うほど素敵なものばかりでした。主人公のホリーは自由奔放で、そのいい加減さにイラッとする時もあるかもしれませんが、そんな正反対の性格を難なく演じたオードリー・ヘプバーンはやはり唯一無二の女優だなとつくづく感じた作品でした。(女性 20代)
現代の若者たちの間でも広く認知されているオードリー・ヘップバーンはファッションアイコン的な存在で長きに渡り、女性の憧れでもあります。
私はこの作品を鑑賞するまでオードリーのことはよく知りませんでしたが、今作で彼女が演じたホリーは小悪魔で掴みどころがないキャラクターだったことに驚きました。正直、彼女が演じるならもっと清楚なキャラクターのほうが…と思っていたのですがホリーの行動の裏側には常に弟への愛があったことなどを知ると納得出来ました。(女性 30代)
映画『ティファニーで朝食を』 まとめ
オードリー・ヘプバーンの代表作の一つであるこの映画は、多くの人に愛されてきた。原作とは違うラストも、ハッピーエンドとなって、より素晴らしい名作になっている。
絶賛された一方で、興味深い批評もある。作中で日系人が登場するのだが、それを演じているのは白人俳優のミッキー・ルーニー。この日系人の人物像は、出っ歯でちびで目が細く丸メガネという典型的な日本人像を誇張している。変わり者という設定で、かなり人種差別的な描写となっている。これが批判の対象となり、ミッキー・ルーニーも後年、後悔していると話している。
公開当時、アメリカでは人種差別は問題となっており、今以上に白人以外の人種が差別されていた時代だった。この映画でもその一端が垣間見え、当時のアメリカ社会を表していて興味深かった。
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