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映画『ブロークン 過去に囚われた男』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブロークン 過去に囚われた男』の概要:過去に愛した女性の幻影に囚われ、前に進めなくなった男が、囚われていた過去と決別し、新しい人生を歩み始めるまでを描いたヒューマンドラマ。主人公を演じたアル・パチーノの独壇場とも言える作品で、アル・パチーノが登場しないシーンがほとんどない。

映画『ブロークン 過去に囚われた男』の作品情報

ブロークン 過去に囚われた男

製作年:2014年
上映時間:97分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
キャスト:アル・パチーノ、ホリー・ハンター、ハーモニー・コリン、クリス・メッシーナ etc

映画『ブロークン 過去に囚われた男』の登場人物(キャスト)

マングルホーン(アル・パチーノ)
鍵屋を営んでいる初老の男性。若い頃に付き合っていたクララという女性が忘れられず、今でも彼女に手紙を書き続けている。家族は愛猫のファニーだけで、孤独な日々を送っている。激昂すると乱暴になる。
ドーン(ホリー・ハンター)
銀行の受付係。飼い犬のチーフと暮らす独身女性。毎週金曜にやってくるマングルホーンとは、ペットの話を通じて親しくなった。人生に対して前向き。
ジェイコブ(クリス・メッシーナ)
マングルホーンの息子。投資関係の仕事で成功し、贅沢な暮らしを手に入れた。妻と幼い娘がいる。父親のマングルホーンとはうまくいっていない。
ギャリー(ハーモニー・コリン)
少年時代に野球のコーチをしてくれたマングルホーンを尊敬している。薬物中毒だったので、周囲の人に敬遠されている。日焼けサロンと称した風俗店をやり始めたところ。

映画『ブロークン 過去に囚われた男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブロークン 過去に囚われた男』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブロークン 過去に囚われた男』のあらすじ【起】

小さな鍵屋を営んでいるマングルホーンは、毎日決まった時間に店へ行き、客の依頼を待つ。稼ぎは少ないが、家や車の鍵が開かずに困っている人を助けることができるので、マングルホーンはこの仕事を気に入っていた。

マングルホーンには、ずっと忘れられないクララという女性がいて、毎日のように彼女へ手紙を書いている。彼は手紙にクララへの愛と自分の痛みを綴っていた。しかし、何度出しても、手紙は“宛先不明”で返送されてくる。

マングルホーンの唯一の楽しみは、金曜に銀行へ行って、受付係のドーンとたわいもない会話をすることだった。ドーンは犬のチーフを可愛がっており、マングルホーンは猫のファニーを可愛がっている。ドーンは明るくて心優しい女性だった。

マングルホーンの自宅のポストには、ミツバチが巣を作っており、郵便物を取り出すときは、いつも苦労する。しかしマングルホーンは、巣を取り除こうとはしない。ここ数日、ファニーに食欲がなく、マングルホーンは憂鬱だった。

ゲームセンターへ出かけたマングルホーンは、息子のジェイコブと少年野球で一緒だったギャリーに声をかけられる。ギャリーは、少年野球のコーチだったマングルホーンを慕っており、日焼けサロンを始めたことを報告する。マングルホーンは、ギャリーに誘われて騒々しいクラブに顔を出すが、どこへ行っても彼の気は晴れなかった。

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映画『ブロークン 過去に囚われた男』のあらすじ【承】

マングルホーンは、無性に苛立つ瞬間があり、そういうときは家の家具やトースターをめちゃくちゃにしてしまう。しかし冷静になると、ファニーを驚かせて申し訳なかったと反省するのだった。

息子のジェイコブは、投資会社で成功し、裕福な暮らしを手に入れている。しかし、マングルホーンは、ジェイコブの仕事を認めておらず、親子関係はうまくいっていない。久しぶりにジェイコブの顔を見たくなり、マングルホーンは彼の会社を訪ねるが、ジェイコブは明らかに迷惑そうだった。

マングルホーンは、ジェイコブがよく利用する高級レストランに連れていってもらうが、料理も店の雰囲気も気に入らない。親子の会話はかみ合わず、気まずい空気が流れる。マングルホーンは、“娘のカイルに十分な愛情を注いでやれ”と、息子に忠告する。

ジェイコブとはうまくいっていないマングルホーンも、孫のカイルは可愛がっており、週に1度幼いカイルと遊ぶのを楽しみにしている。カイルやジェイコブの妻のパトリシアは、マングルホーンのことが好きだった。

マングルホーンは、ファニーを動物病院に連れていく。診察の結果、ファニーは鍵を飲み込み、腸閉塞を起こしていることがわかる。手術をすれば95%の確率で回復すると言われ、マングルホーンは安心する。

マングルホーンは銀行へ行き、ドーンにファニーのことを報告する。彼はドーンにチーフ用のおもちゃをプレゼントし、“明日はパンケーキ屋にいる”と彼女を誘う。

翌日、ドーンはパンケーキ屋に来てくれた。マングルホーンが、“ファニーと一緒にボートに乗って、海の彼方へ消えたい”と言うと、ドーンは“寂しくなるからやめて”と言ってくれる。マングルホーンは、彼女の言葉が嬉しかった。

映画『ブロークン 過去に囚われた男』のあらすじ【転】

2人はデートをすることになり、マングルホーンは初めてドーンの自宅へ行く。犬のチーフに会い、家のインテリアや小物を褒めるが、マングルホーンは、どこか落ち着かない。

レストランへ食事に行き、ドーンはこれからどうするか聞いてみる。しかしマングルホーンは、食事が終わったら家に帰り、ファニーの面会へ行くつもりだった。ドーンは、“あなたのこと好きよ”と打ち明け、“私と一緒にお風呂に入らない?”と、勇気を出して彼を誘う。するとマングルホーンは、なぜかクララのことを熱っぽく語り始める。

目の前で別の女性の話をされ、ドーンは深く傷つき、最後には泣き出してしまう。マングルホーンは反省するが、ドーンは泣きながら帰っていく。マングルホーンは、過去の幻影に囚われ、クララ以上の女性はいないと思い込んでいた。

いろいろと疲れてしまったマングルホーンは、ギャリーの日焼けサロンへ行き、マッサージを頼む。しかし、ギャリーの言っていたマッサージが、風俗嬢の性的なマッサージだと知り、我を忘れて激怒する。マングルホーンは、自分が侮辱されたような気がして、ギャリーを殴りつける。

翌日、珍しく家にジェイコブがやってくる。どうやら損をした顧客に訴えられ、警察に捜査されているらしい。資金を凍結されてしまったジェイコブは、マングルホーンに助けを求める。しかし、マングルホーンもファニーの治療費を月賦で払っている状態で、ジェイコブを助ける余裕はない。ジェイコブは、せめて優しく励まして欲しいと思っていたが、マングルホーンは、“頼りになるのは自分だけだ”と厳しく息子を突き放す。ジェイコブは諦めて帰っていく。

映画『ブロークン 過去に囚われた男』の結末・ラスト(ネタバレ)

ファニーは無事に退院し、ちゃんとご飯を食べ始める。マングルホーンは、神を信じていなかったが、ファニーの元気な姿を見て、神に感謝したくなる。

また返送されてきたクララへの手紙と、ファニーが飲み込んでいた鍵を見て、マングルホーンは、何かを決意したように、秘密の部屋へ入る。その部屋の壁はクララの写真で埋め尽くされ、整理棚には大量の手紙が保管されていた。

マングルホーンはクララの写真をはがし、部屋の荷物を庭に放り出していく。クララの写真はボートに貼り付け、思い出の品も積み込む。そして不要なものを全て庭で燃やす。クララの思い出を乗せたボートは、廃棄場に捨てられる。マングルホーンは、ずっと囚われていた過去と決別しようとしていた。

マングルホーンは銀行へ行き、ドーンと会う。いつもなら笑顔で迎えてくれるドーンが、今日は暗い顔をしていた。マングルホーンはドーンに謝罪し、“もう一度やり直したい”と素直な気持ちを伝える。ドーンは半信半疑だったが、マングルホーンの一生懸命な様子を見て、ようやく笑顔を見せてくれる。

マングルホーンは、ジェイコブにも電話をかけ、留守番電話にメッセージを入れておく。過去と決別したマングルホーンは、新しい人生を歩み始めていた。そして、ジェイコブが生まれた日、失神するほど嬉しかった思い出を語る。マングルホーンは、自分と息子の心には、大きな愛があると信じていた。

マングルホーンは蜂の巣を取り除き、それをポストの中に入れてしまう。

車に乗ろうとしたマングルホーンは、車内に鍵を置き忘れていたことに気づく。ドアはロックされており、車内には入れない。マングルホーンは冗談で、道の向こうにいたパントマイムの男に、“車の鍵を投げてくれ”と声をかける。パントマイムの男は、見えない鍵を投げてくれ、マングルホーンはそれを受け取る。マングルホーンが、鍵を鍵穴に差し込むパントマイムをすると、不思議なことに、見えない鍵でドアのロックが解除される。

映画『ブロークン 過去に囚われた男』の感想・評価・レビュー

タイトルの素直さと内容には物足りなさを感じる印象を受けた。肝心な主人公の過去についても語られることが少なく、それが物語を少しぼやけさせているのだろうと思った。

それでも皺を重ねたベテラン俳優のアルパチーノの哀愁と役柄がとてもマッチしているし、鍵屋という設定も後のストーリーの重要なポイントに繋がってくるから面白い。観終わった後には自然と優しい気持ちになれる作品だった。(女性 20代)

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