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映画『ベイビー・ブローカー(2022)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ベイビー・ブローカー(2022)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ベイビー・ブローカー(2022)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ベイビー・ブローカー(2022)』の結末までのストーリー
  • 『ベイビー・ブローカー(2022)』を見た感想・レビュー
  • 『ベイビー・ブローカー(2022)』を見た人におすすめの映画5選

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 129分
ジャンル ヒューマンドラマ
監督 是枝裕和
キャスト ソン・ガンホ
カン・ドンウォン
ペ・ドゥナ
イ・ジウン
イ・ジュヨン
製作国 韓国

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』の登場人物(キャスト)

ハ・サンヒョン(ソン・ガンホ)
「赤ちゃんポスト」に入った赤ちゃんの新しい両親を探すビジネスであるベイビーブローカーをしている。離婚歴があり、一人娘がいる。
ユン・ドンス(カン・ドンウォン)
サンヒョンのパートナーで同じくベイビーブローカーでもある。養護施設出身で、自身も捨て子であった。
ムン・ソヨン(イ・ジウン)
ウソンの母親で、ウソンを一度は「赤ちゃんポスト」へ入れるが、ひょんなことからサンヒョンとドンスと共にウソンの育て親探しをする。
アン・スジン(ぺ・ドゥナ)
ブローカーたちを逮捕しようと、執拗に追いかける刑事。赤ちゃんを捨てる母親に対して強い不快な感情を示す。
ウソン(パク・ジヨン)
ソヨンの赤ちゃん。名前はソヨンの命名で、漢字で表記すると「羽星」となる。眉毛が薄い特徴がある。

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』のあらすじ【起】

ある土砂降りの日に、若い女性が「赤ちゃんポスト」の前に、赤ん坊を置き去りにしていく。その様子を遠くから二人の刑事が観察をしていた。刑事のスジンは、後輩の刑事に女性の尾行を命じ、赤ん坊を「赤ちゃんポスト」へ入れる。施設の中には、若い青年のドンスと中年のサンヒョンがいた。二人は、施設の職員をしながら、赤ん坊を売る「ベイビーブローカー」の仕事もしていた。

赤ちゃんを回収すると、中にはメモが入っており、「必ず迎えに来る」というメモが残されていた。ところが、施設育ちのドンスは、母親が迎えに来ることはないということを知っていた。そんなドンスの予想とは裏腹に、翌日に母親が赤ちゃんを施設に迎えに来る。ところが、ドンスとサンヒョンは既に赤ん坊を施設内で預かっていないと伝える。そのことに気が付いた母親のソヨンは、警察に通報しようとする。仕方がなくソヨンを赤ちゃんのもとへと案内し、自分たちのもう一つの仕事を伝える。ソヨンは、そんな二人にうんざりしながらも、赤ちゃんの育て親を探す旅に出たいと伝える。

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』のあらすじ【承】

スジンとイ刑事は、人身売買の容疑でドンスたちを逮捕しようとしており、旅に出るソヨンたちを尾行する。まずソヨンたちは、漁港へ行き、赤ちゃんを買ってくれそうな夫婦に会う。ところが、赤ちゃんの顔を見た夫婦は、赤ちゃんの顔にケチをつける。自分の赤ちゃんを馬鹿にされたソヨンは激怒し、交渉は決裂してしまう。

続いて一行は、ドンスの生まれ育った施設へ向かう。ドンスの来訪に施設の子どもたちは、大喜びで迎え入れる。施設の子どもたちの境遇について、改めて知ることになった一行。話の中で、赤ちゃんを捨てようとするソヨンと、ドンスは口論になってしまう。その日の夜にソヨンとドンスは、お互いに謝罪し和解をする。

一行が次の買い手のもとへ向かう車に誤って施設の子のヘジンが紛れ込んでしまう。ヘジンは、施設の暮らしにうんざりしており、抜け出したいと前々から思っていたのである。ヘジンの目的を知った一行は、ヘジンをひとまず旅に同行させるのであった。

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』のあらすじ【転】

刑事のスジンは、一行を逮捕するため、おとりの買い手夫婦を用意する。ところが、この夫婦がおとりであると、ドンスに見破られてしまう。

他の里親候補が出てくるのを待つサンヒョンたち。コンビニにソヨンが一人で行った際に、刑事が待ち伏せており、ソヨンにとある提案を持ちかける。実はソヨンは、ヤクザの男であり、赤ちゃんの父親でもある男を殺害していたのである。ソヨンがサンヒョンたちの逮捕に協力すれば、ソヨンとウソンの身の安全を保証するというものであった。

サンヒョンは、ソヨンの帰りが遅いということで、ソヨンの裏切りを勘付き始める。サンヒョンたちのもとに戻ってきたソヨンは、サンヒョンたちに刑事からの提案をすべて打ち明ける。ドンスは、車に取り付けられたGPSを取り外し、車ではなく電車で移動し、ウソンの育て親候補に会いにソウルへ行くのであった。

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』の結末・ラスト(ネタバレ)

一行がソウルへ到着すると、ウソンの育て親候補に会いに行く。人柄の良さそうな夫婦で、ウソンを大切に育てることを約束してくれる。一晩じっくり考えさせてほしいとソヨンに伝える。

一行は、その日の晩は、モーテルに宿泊する。そこでドンスは、改めて親に捨てられることの辛さを話し始める。しかしながら、ソヨンの人柄の良さを知ったドンスは、彼女を非難することはなくなった。ソヨンはウソンを抱きしめて、「生まれてきてくれてありがとう」と伝え、明日育て親候補に引き渡すことを決める。

翌朝、育て親候補に会いに行く一行。ところが、サンヒョンの姿が見当たらない。サンヒョンを除いた一行は、取引を里親候補と話を進めていくのだが、その最中に警察が突入して来て一行を逮捕する。

その後、ウソンを引き取ったのはスジンであった。ソヨンたちが出所した後に、ウソンを育てられるように手配をするのであった。

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

是枝裕和監督らしい人間の機微が丁寧に描かれた作品でした。赤ちゃんポストから始まる物語なのに、そこから生まれる疑似家族のような関係が温かく、心が揺さぶられました。最初は犯罪者のように描かれたブローカーたちが、旅を通じてどんどん人間味を帯びていくのが見事。最後の手紙のシーンでは涙が止まりませんでした。(30代 女性)


登場人物全員が“何かしらの痛み”を抱えていて、それをお互いに癒していく物語だったと思います。親に捨てられた赤ん坊と、それを「商品」として扱う男たちの物語が、やがて家族のような繋がりに変わっていく流れが切なくて温かい。サンフンが警察に連行されるシーンでは、彼の罪と、それ以上の思いが交錯して胸が締め付けられました。(20代 男性)


社会的には許されないことをしているのに、なぜか憎めない登場人物たちに心を奪われました。ソヨンがなぜ赤ちゃんを手放す決断をしたのか、その背景を知ってからは、彼女に強く感情移入しました。母としての苦しみと、誰にも頼れない孤独。それでも赤ちゃんに良い未来をと願う姿が、痛ましくも美しかったです。(40代 女性)


正直、物語のテンポはゆっくりで派手さもないけど、その分、心にじわじわ沁みてくる映画だった。子どもを売るという行為がテーマになってるのに、そこに善悪の単純な線引きをしない是枝監督の視点が深い。赤ん坊を巡る旅の中で見えてくる、人間の優しさと醜さ。静かなラストが逆に強く印象に残りました。(30代 男性)


ベイビー・ブローカーという設定を聞いた時は、衝撃的で重たい映画を想像していたけれど、実際はもっと静かで温かいロードムービーのような印象でした。イ・ジウン(IU)の演技が想像以上に良くて、若い母親の葛藤と強さを繊細に表現していて胸を打たれました。子どもを守りたいという気持ちが、全ての登場人物に共通していたのが印象的でした。(10代 女性)


子どもを巡る選択の重さ、そして社会が母親に対していかに冷たいかを突きつけられました。ソヨンが育児放棄した理由には、単なる無責任では片付けられない現実があって、それを描いた是枝監督の視点に共感しました。また、旅の途中で形成された“仮初めの家族”が、真実の絆のように感じられたのが泣けました。(50代 女性)


犯罪を扱いながらも、道徳的なジャッジを避け、人間そのものを描こうとする是枝監督の手腕に感動しました。警察官のスジンたちも含め、誰もが完全に正しいわけではなく、完全に悪でもない。そういった複雑な人間関係の描写が非常にリアルで心に残りました。誰かの人生に関わることの意味を深く考えさせられる作品です。(40代 男性)


イ・ビョンホンやソン・ガンホなどの名優の演技も良かったけれど、個人的には子役の存在感が一番印象的だった。無垢でありながら、空気を読んでいるような繊細な反応が、旅の中での大人たちの変化を際立たせていた。子どもの視点で見る世界は残酷でもあり、美しくもあると再認識させてくれる映画だった。(20代 女性)


道徳や法律では測れない“優しさ”や“善意”が丁寧に描かれていて、観る者の感情を揺さぶる。登場人物が最初から最後までどこか曖昧なまま進むのに、なぜかラストで全てが腑に落ちる構成が素晴らしい。特に、赤ちゃんの未来に誰もが一生懸命になっている様子に、人としての本質的な部分を見た気がしました。(60代 男性)


「家族とは何か?」を問いかける作品だったと思います。血の繋がりだけが家族じゃない、そんなメッセージが物語の随所に込められていた。疑似家族の形で出会った人々が、それぞれの痛みを抱えつつも、最後には赤ちゃんの幸せを一番に考えるようになる過程が、本当に優しかった。ラストの静けさが、心に深く残りました。(30代 女性)

映画『ベイビー・ブローカー(2022)』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ベイビー・ブローカー(2022)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

誰も知らない

この映画を一言で表すと?

静かに進む日常の中で子どもたちが抱える孤独と強さを描いた、心を打つ実話ベースの物語。

どんな話?

東京の片隅で、母親に置き去りにされた4人の子どもたち。誰にも知られずに暮らす彼らは、自らの力で日常を保とうとするが、現実の厳しさが徐々に彼らを追い詰めていく。実話をもとにしたリアルで切実な物語。

ここがおすすめ!

是枝裕和監督の繊細な演出と、子どもたちの自然な演技が胸を打つ名作。誰にも頼れない中で支え合う兄妹の姿に、観る側の心も揺さぶられる。無音に近い静けさの中に込められた感情の深さに注目してほしい。

そして父になる

この映画を一言で表すと?

「血のつながり」と「育ての絆」の間で揺れる父親の葛藤を描いた感動作。

どんな話?

6年間育てた息子が、出生時に病院で取り違えられていたと知らされた父親。血縁か、情か――人生を根底から揺るがす選択を迫られる中で、彼は「父親とは何か」を模索していく。家族の本質を問う物語。

ここがおすすめ!

感情を抑えた演技と丁寧な心理描写が見どころ。子どもを「所有物」として捉えていた父親が、徐々に人間としての関係性に気づいていく過程は心を打つ。静かな展開の中に、深く考えさせられるテーマが詰まっている。

万引き家族

この映画を一言で表すと?

偽りの家族が織りなす、優しさと罪の境界を問うヒューマンドラマ。

どんな話?

貧しさゆえに万引きで暮らす家族が、ひょんなことから親に虐待されていた少女を引き取る。血の繋がりのない者たちが築いた“家族”の形が、ある事件をきっかけに崩れ始め、真実が明らかになっていく。

ここがおすすめ!

「家族とは何か?」を問いかける是枝監督の代表作。愛情と罪のあいまいな境界線に立たされる登場人物たちの姿に、倫理観を揺さぶられる。演出の繊細さと役者陣の熱演が融合した、見応えある一本。

パラサイト 半地下の家族

この映画を一言で表すと?

社会格差の闇をブラックユーモアで描いた、韓国映画の金字塔。

どんな話?

貧困家庭のキム一家が富裕層の家に巧妙に入り込み、生活を逆転させようとするが、やがて思いもよらぬ真実と悲劇に巻き込まれていく。巧妙なストーリー展開と衝撃のラストが話題に。

ここがおすすめ!

エンタメと社会風刺が高次元で融合。笑いながらも胸に刺さる台詞の数々と、最後に待ち受ける衝撃的な展開が観る者に強烈な余韻を残す。『ベイビー・ブローカー』が好きなら、同じく韓国社会の影を描いた本作もおすすめ。

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この映画を一言で表すと?

理想と現実の間で揺れる若者の葛藤を描いた70年代青春ドラマ。

どんな話?

1970年代、学生運動が盛んな時代の東京。雑誌記者の沢田は、過激な理想を持つ青年と出会い、彼の言葉に心を動かされていく。やがてその青年が引き起こす事件を通して、沢田は報道と正義について深く向き合うことになる。

ここがおすすめ!

社会的テーマを背景に、人間関係と自己の信念を掘り下げた作品。感情の複雑な揺れを丁寧に描いており、『ベイビー・ブローカー』のように「正しさとは何か?」を静かに問うドラマが好きな人に刺さる一作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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