映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』の概要:異能力者が住む架空の都市、ヨコハマ。異能集団、武装探偵社に連続自殺事件の重要参考人を確保せよとの任務が与えられる。早速、行動に移した探偵社だったが、ヨコハマの街が濃い霧に覆われてしまう。異能力者同士が戦闘を繰り広げるバトルアクション。
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:アクション、アニメ
監督:五十嵐卓哉
キャスト:上村祐翔、宮野真守、諸星すみれ、小野賢章 etc
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』の登場人物(キャスト)
- 中島敦(上村祐翔)
- 孤児院にて迫害されて育てられる。太宰治との出会いにより、自らが異能を持っていることを知る。驚異的なスピードと回復能力を持つ白虎へと変容する異能を持つ。異能名「月下獣」。
- 太宰治(宮野真守)
- 元ポートマフィアで現在は武装探偵社に所属。非常に賢く頭が切れる。自殺願望を持っており常に飄々としている。中島敦の異能に注目し、武装探偵社へ誘う。あらゆる異能を無効にする異能を持つ。異能名「人間失格」。
- 芥川龍之介(小野賢章)
- ポートマフィア、上級構成員。非常に捻くれた性格で狂暴。太宰治に育てられた戦闘に特化した人物で、太宰治に可愛がられている中島敦に嫉妬している。能力名は「羅生門」。
- 中原中也(谷山紀章)
- ポートマフィア、幹部。重力を操る異能を持つ。異能名は「汚れつちまつた悲しみに」。非常に短気で身長が低いことを気にしている。かつて太宰とペアを組んでおり、双黒と呼ばれていた。
- 泉鏡花(諸星すみれ)
- 元ポートマフィアの暗殺者だったが、現在は武装探偵社に所属。中島敦との出会いによって人間らしさを取り戻す。日本刀を持つ夜叉で攻撃をする異能を持つ。異能名「夜叉白雪」。
- 澁澤龍彦(中井和哉)
- 霧によって異能を分離する異能を持つ。過去、敦の異能に魅入られ、奪おうとしたことがあるが、当時の記憶は失われている。魔人によって特異点を埋め込まれ、人型の龍となる。異能名「龍の吐息」。
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』のあらすじ【起】
架空の都市、ヨコハマ。それぞれに固有の異能を持つ者が存在する世界にて、孤児院を追い出された中島敦。彼もまた白虎の異能を持つ青年だった。彼は自殺願望を持つおかしな男、太宰治との出会いを経て、軍や警察も踏み込めない荒事の解決を目指す異能集団、武装探偵社へと入社する。武装探偵社と犬猿の仲であるヨコハマの港を縄張りとするポートマフィアとは、常日頃から争い事が絶えず勃発していた。
そもそもの事の始まりは6年前。数多の組織を巻き込んで多くの犠牲者を出した「龍頭抗争」にて、かつてポートマフィアに所属していた太宰治と現幹部となった中原中也の2人は、抗争の原因となった澁澤龍彦を追い詰めることに成功する。しかし、太宰の友人もまた抗争の犠牲となり、彼の遺言を得て太宰はポートマフィアから抜けることを決意するのだった。
そうして、現在。元ポートマフィアの暗殺者であった泉鏡花を招き入れた武装探偵社は、束の間の穏やかな平和を満喫していた。
ところが、世界各国で濃い霧が発生すると同時に、次々と異能力者が自らの能力にて亡くなるという事件が発生。内務省異能特務課は一連の事件を異能力者連続自殺事件と命名し、事件に関与していると思われる男、澁澤龍彦の確保を武装探偵社へと依頼する。澁澤は通称コレクターと呼ばれていたが、その異能は謎に包まれていた。
総力を挙げて澁澤の確保へと動き出した武装探偵社。しかし、その日の夜、ヨコハマを濃い霧が覆い隠してしまう。霧の中では携帯電話も繋がらず、敦は鏡花と共に探偵社へと向かったが、ヨコハマの街は静寂を湛え、人々の姿が消えていた。そんな中、強い殺気を察した鏡花。先へと向かうと、トラと思われる獣と遭遇する。そこで2人は戦うために異能の発動を試みたものの、なぜか能力の発動ができなかった。
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』のあらすじ【承】
逃げ出した先で仲間を発見。彼は腹部を負傷していたが、自分の異能にやられたと言う。自殺者は濃い霧の中で自分の異能によって殺害されていたのである。3人はひとまず探偵社へ向かい、異能特務課へ回線を繋いだ。すると、この霧がヨコハマ全体を覆っており、一般市民は全て消失。残っているのは異能力者だけだということが分かる。
つまり、霧には異能の持ち主と異能を分離する作用がある。特務課の調べにより、首謀者が澁澤龍彦であることが判明。3人は特別任務として澁澤龍彦の排除を命令されるのであった。加えて、首謀者の元には太宰がいることが知らされる。
仲間が自分の異能と戦うために残ることになり、敦と鏡花が首謀者の元へと向かうことになった。
しかし、道も半ばで鏡花の異能、夜叉白雪に襲撃される。自分の能力と対峙した鏡花に先を促された敦だったが、せめて助力になろうと銃を構えた。だが、そこへ宿敵ともいうべき芥川龍之介が現れる。彼もまた自分の異能、羅生門と戦っていた。鏡花が夜叉白雪を抑えている間、敦は芥川とマフィアの秘密通路を目指す。ぎりぎりで鏡花も追いつき、地下へのエレベーターに乗り込んだ。
芥川曰く、霧は龍の吐息と呼ばれているらしい。更に自らの異能を倒せば、持ち主に戻ると言う。芥川もまたヨコハマを救うために澁澤龍彦を追っていた。敦と芥川は意見の相違で対立するも、ヨコハマを救うという目的は一致している。敦は一旦、矛を収め仕方なく芥川へとついていくことにした。
秘密通路を通り、首謀者が潜伏している骸砦の近くへと出る。ところが、異能は持ち主に付随するものであるため、地上に出たと同時に羅生門と遭遇。芥川は自分の異能と対峙するために向かい、鏡花も夜叉白雪との戦闘を開始。敦の前には白虎が現れた。
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』のあらすじ【転】
白虎と戦っていた敦は、首の後ろに赤い結晶があるのを発見する。恐らく、あの結晶を破壊すればいいのだろう。芥川は羅生門の内部にある結晶の破壊に成功し、相棒とも言うべき異能を取り戻した。そして、夜叉白雪と対峙する鏡花も自分の過去を受け入れることで、結晶の破壊に成功。敦も必死に白虎と戦い、結晶の破壊に成功した。しかし、白虎を倒したというのに、敦には異能が戻らない。
その頃、異能特務課にポートマフィア幹部の中原中也が現れる。彼は6年前の龍頭抗争の際、澁澤を送り込んだのが特務課であることを知っていた。それは抗争を止めるためにやむを得ず選択した案だったが、政府は澁澤が持つ異能を特異なものとしてこれまで守護してきたと言う。だが、こうなっては最早、隠し通せるものではない。特務課は事態の収拾をするべく、中原に助力を請うたのだった。
敦は孤児院にて蔑まれて育てられた。それは一重に異能のせいであったが、孤児院の院長はことさら厳しい言葉ばかりをかけていた。だが、その言葉は厳しくても、敦を思うがゆえの言葉であった。彼は院長に蔑まれているという理由で自分を誤魔化し、自らの異能を受け入れようとしなかった。
同じ頃、潜伏場所の骸砦では、異能を集める結晶を使い澁澤が集めた異能の結晶を一つの力にまとめようとしていた。そのためには、太宰が持つ無効の能力が必要不可欠。彼は魔人が促す通りに異能を集める結晶を無効化し、蒐集された結晶を一つにまとめて無効化しようと考えていた。ところが、ここで裏切りが発生し太宰は背後から澁澤によって刺傷されてしまう。しかも、武器には致死性の麻痺毒が塗られていたため、太宰はその場で意識を失ってしまう。魔人は集める異能と無効化する異能を合わせ、特異点を発生させようとしていた。更に奴は澁澤をも殺害し死の間際、彼が最も求めていた失われた記憶を思い出させるのだった。
敦が幼い頃、澁澤は彼の異能が全ての異能を導くものと聞き、敦を誘拐して拷問にかけた。そして、その異能を引き出してコレクションするつもりだった。だが、敦は自らを白虎へと変容させ、異能を奪われまいと身の内に戻して澁澤へと爪を立てた。あの時、澁澤はその場で斃れていたのである。ところが、彼の異能は本体の死を受け入れず、自らが動き出して本体であるかのように行動を始める。そして、当時の記憶を失ったのだ。
敦もまた、当時の記憶を自ら封印していた。それは、自分が澁澤を殺したという事実に強い不安と恐怖を抱いていたからである。故に彼は白虎を受け入れることを拒んでいたのだった。
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』の結末・ラスト(ネタバレ)
魔人の仕業により、特異点が発生し数多の能力が集まって龍となった。その体内には意識を失った太宰も吸い込まれている。特務課からの依頼により、中原が出動。彼は龍の討伐とかつての相棒であった太宰の救出を目標としていた。中原は重力を操る強大な異能を保持している。能力を解放するにあたり、彼自身もコントロールできないほどの力だった。唯一、その暴走を止めることができるのは、無効化の能力を持つ太宰だけである。故に、太宰が止めなければ、中原は死ぬまで暴走を続ける羽目になる。中原は自らの肉体を限界まで行使し、龍を討伐して無事に太宰を救出したのであった。
魔人は澁澤の頭蓋を利用し、死の果実デッドアップルになるつもりである。それは、現世に顕現した死神と言うべき存在であった。魔人は澁澤の頭蓋に異能の結晶を埋め込み、奴の頭蓋を特異点とした。
失われた記憶を取り戻した澁澤は、敦が保持する白虎の驚異的な生命力の輝きを狙う。特異点として復活した彼は、もはや人とは言えない容貌をしていた。
復活した澁澤の前に芥川と鏡花が立ちはだかり、戦闘を開始。敦は自らの深層と対峙し、ようやく白虎を受け入れることに成功するのだった。戦闘の現場へ姿を現した敦は芥川と鏡花の3人で協力して、澁澤を追い詰める。異能は自分と別の者ではなく、自分そのものである。敦は奴と対峙し、特異点の結晶を破壊。更に澁澤の頭蓋をも破壊するのであった。
このことで、ヨコハマを覆う霧は消失し、まばゆい朝日が辺りを照らす。戦いは終わった。芥川は何も言わずに去り、代わりに太宰がやって来る。そして、武装探偵社の面々も傷だらけではあるが、全員が無事だった。こうして、ヨコハマは今日も異能力たちによって、守られたのであった。
映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』の感想・評価・レビュー
原作・朝霧カフカ、原画・春可35による同名人気コミックが原作の本作。テレビアニメや舞台にもなる人気作品の初劇場版。アニメ、第2シーズンと第3シーズンの間に発生した出来事として描かれている。
シリーズの面白いところは、キャラクターの名前が日本の文豪の名前であることと、彼らの代表作が異能名として使われているところにある。様々な異能力とそれぞれに際立ったキャラクターが活躍し、激しい戦闘や心情を描く。主人公の成長を描いた作品。(MIHOシネマ編集部)
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