映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』の概要:豪邸の家主とその豪邸に間借りしている男は悪友同士だった。暇つぶしに賭けをして家主に負けてしまった男は、バーである女に声をかける。悪友に女を斡旋するためだが、情事の最中に相手が入れ替わったことで動揺した女は、家主を殴り殺してしまう。
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』の作品情報
上映時間:80分
ジャンル:サスペンス
監督:デヴィッド・バーカー
キャスト:エラ・スコット・リンチ、ベネディクト・サミュエル、ヘザー・ミッチェル、ルイス・フィッツ=ジェラルド etc
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』の登場人物(キャスト)
- サラ(エラ・スコット・リンチ)
- 金髪の美しい女性。一夜の息抜きを求めてバーへ赴き、ルイスと出会う。実は自分にしか見えないもう1人の自分がおり、常に相談しながら毎日を生きている。愛する夫と幼い娘を持つ既婚者。
- ルイス(ベネディクト・サミュエル)
- ケニーの悪友。口先が上手く、長身で品がある。ルイスと結託して女や薬の斡旋、仲介などを行っている。容姿端麗で女に不自由しない。自分以外の全てを見下しており、人殺しをしてもまるで動揺しない。家賃無料で豪邸に間借りしている。
- ソフィア(ヘザー・ミッチェル)
- ケニーの母親。上流階級特有の居丈高な態度をする。息子に関しては少々、甘やかしすぎたと自覚はある様子。
- マイケル(ルイス・フィッツジェラルド)
- ケニーの父親。厳格な面があり、息子に関してはやや厳しく接している。傲慢な息子に皮肉を言ったりもする。
- ケニー(ロビン・ゴールズワーシー)
- ルイスの悪友。金持ちの両親を持ち、傲岸不遜な面がある。ケニーと結託して、女を騙し楽しんでいる。
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』のあらすじ【起】
金持ちで悪趣味なケニーの悪友であるルイスは、口先が上手く女や薬の斡旋を行っている。ある日、彼はケニーとゴルフの勝負をして負けてしまい、バーで美しい女サラに声をかけた。ケニーとの賭けに負けたせいで、悪友に女を斡旋することになったのだ。
ケニーの両親が所有する豪邸へサラを連れて来たルイスは、良い雰囲気になりベッドへ。ところが、情事の最中で相手がケニーへと変わっている。焦ったサラは動揺し、ゴルフクラブで彼を撲殺してしまう。
頃合いを図って部屋に戻ったルイスだったが、なんとケニーが部屋で息絶えている。サラは身支度を整えルイスから逃げるように豪邸内を移動したが、彼がサラの身分証を手に入れてしまったため、返してもらうよう交渉することにした。
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』のあらすじ【承】
ルイスは友人が死んでも意に介さない様子で堂々と警察を呼べばいいと言う。サラは彼の態度に不審を覚えたが、警察を呼ぶよりも死体を遠くに運んで埋めた方が互いのためになると説得され、警戒しつつも協力することに。
2人は互いに武器を手に死体を車に乗せて豪邸を出発。ルイスはケニーの豪邸に家賃なしで間借りしており、ゴルフの賭けに負けたから女をケニーに与えたと言う。悪趣味な遊びは過去に何度か行ったことがあるらしい。サラはその行為は立派なレイプだと断言。サラとルイスの出会いは偶然だったにしても、このような結果になるとは誰も予想していなかった。
山奥へケニーの死体を埋める。サラは車中でルイスを始末するかどうするか悩んだものの、迷っている。この日の夜、サラは青いランジェリーを着用しており死体を包む際、一緒に包んでしまった。ルイスにランジェリーを取り出すよう頼んだが、始末するかどうか決められないサラは、チャンスを棒に振ってしまう。
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』のあらすじ【転】
痕跡を丁寧に消して帰路に就く。無事、豪邸へ戻ったものの、サラは自分を貶めた罪を謝罪しろとルイスへ詰め寄った。すると、彼には罪悪感などないのか、本心での謝罪はできないと言う。それでもいいと了承し、書面にてルイスの謝罪を受け取った。
ところが、こんな時に限ってケニーの両親が揃って帰宅。ルイスとサラは咄嗟に恋人同士の振りをして、ケニーがどこへ行ったか知らないと言った。
ケニーは両親にルイスのことを詳しく教えていなかったようで、ルイスは母親のソフィアに悪友と出会った馴れ初めを話す。そこへサラも参加。ソフィアが普段着へ着替えに行った隙に相談していたサラとルイス。しかし、ソフィアが荷物を載せるために車のトランクルームを開けてしまう。
そこには、ケニーの血に塗れたサラのランジェリーがスコップと共にある。ソフィアはルーメイトとその恋人に不審を抱き、2人へ真実を明かすよう詰め寄ったが、ルイスが隠し持っていたカッターでソフィアを刺殺。呆気にとられたサラは、母親が事切れるまで茫然と見ているしかなかった。
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』の結末・ラスト(ネタバレ)
その頃、ケニーの父親マイケルはシャワーを浴び終えていた。だが、妻を呼んでも返事がない。彼は階下にてソフィアの遺体を発見し、慌てて走り寄ったが、そこへルイスが襲い掛かる。2人は揉み合いになったものの、そこへサラがやって来てルイスに武器を手渡す。彼は容赦なくマイケルを殺してしまうのだった。
奇しくも殺人に加担してしまったサラだったが、逃げる前にルイスを始末しなければならない。彼女は自分に好意を抱いているルイスの意識を奪い、首つり自殺を偽装。ルイスは命乞いしたが、サラは彼の本質を見抜き全てを見下している悪党だと告げる。サラには人に見えないもう1人の自分がいる。彼女は常にもう1人の自分と相談しながら、人生を生きていた。そんなサラを正気ではないと言うルイス。サラは彼の踏み台を外し、事切れる様を眺めた。そして、3体の遺体をそのままに、テーブルにルイスの謝罪文を置いて豪邸を去った。
自宅へ戻ったサラはお気に入りのソファーに横たわり、安寧を得る。そこへ、夫と幼い娘が帰宅。サラは何事もなかったように幸せな家庭と妻を演じ、我が子を胸に抱いて眠りにつくのだった。
映画『ブルーランジェリー 青い下着の女』の感想・評価・レビュー
金持ちの暇つぶしに、たまたま出会った女が加わり、事態は思わぬ方向へと向かっていく。実はその女が一番、危ない人物だったという話。ストーリーは淡々と進行するが、その淡々と流れる様子に静かな狂気が孕んでおり、腹の底がヒヤリするような不気味さを演出している。
映画を最後まで見ると分かるのだが、作中は間借りしている男の狂気が全面的に描かれている。しかし、ラストシーンで実は女の方が奥深い狂気を孕んでいたことが判明するので、間借りしている男が小物に見えるという仕組み。よくできた演出と脚本だと感じる。(MIHOシネマ編集部)
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