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映画『ケープ・フィアー』あらすじとネタバレ感想

映画『ケープ・フィアー』の概要:1991年公開のサスペンス映画。1962年の「恐怖の岬」のリメイクでもある。監督はマーティン・スコセッシ。出演はニック・ノルティ、ジェシカ・ラング、ジュリエット・ルイス、ロバート・デ・ニーロ。

映画『ケープ・フィアー』 作品情報

ケープ・フィアー

  • 製作年:1991年
  • 上映時間:127分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:マーティン・スコセッシ
  • キャスト:ロバート・デ・ニーロ、ニック・ノルティ、ジェシカ・ラング、ジュリエット・ルイス etc

映画『ケープ・フィアー』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

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映画『ケープ・フィアー』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ケープ・フィアー』のあらすじを紹介します。

レイプ罪により刑務所に収監されていたマックス・ケイディ(ロバート・デ・ニーロ)は、出所するとすぐに自分を弁護した弁護人サム・ボーデン(ニック・ノルティ)の元へ向かう。彼は14年もの間刑務所に入れられたのはサムのせいだと考えていたのだ。マックスはサムばかりか、妻のレイ(ジェシカ・ラング)や娘のダニエル(ジュリエット・ルイス)の前にも姿を現し、彼ら家族を恐怖のどん底へと叩き落す。

しかしマックスはサムの前に姿を現しているだけで、特に大きな犯罪を犯している訳ではない。動いてくれない警察に業を煮やしたサムは、探偵を雇ってマックスを懲らしめようとする。しかし屈強な肉体を持つマックスの前では、さすがのならず者たちも赤子のようにあしらわれてしまい、逆に告訴されてしまう始末であった。

命の危険を感じたサムは、一つの計画を思いつく。それは人里離れたボートハウスにマックスをおびき寄せる事である。家族と計画をし、サムたち一家はボートハウスに休暇に出かけたかのように振る舞い始めた。案の定、マックスはその計画におびき寄せられるように、ボートハウスに現れる。果たしてサムは家族を守る事が出来るのだろうか。そしてマックスとの対決に勝つ事が出来るのだろうか……。

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映画『ケープ・フィアー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ケープ・フィアー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロ主演という安定のタッグ

監督と俳優の相性が良ければ何度もタッグを組む事が多いのが映画の世界。特にこのマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロのタッグ作品は傑作映画が多いので有名だ。
無軌道な若者を演じた「ミーン・ストリート」、都会の孤独なドライバーを演じた「タクシードライバー」サックスプレイヤーを演じた「ニューヨーク・ニューヨーク」、壮絶なボクサーの生涯を演じた「レイジング・ブル」。他にも「キング・オブ・コメディ」「グッドフェローズ」「カジノ」ととにかく傑作揃いなのだ。

その中でも今作「ケープ・フィアー」は、演技派俳優ロバート・デ・ニーロに史上最強最悪の犯罪者を演じさせたという点でも、注目に値する作品だと言えるだろう。

とにかくコワいロバート・デ・ニーロ

切れ者マフィアやさえない青年など、幅広い役を演じてきたロバート・デ・ニーロだが、今作ほど感情移入の入る余地のない恐ろしい男を演じたのは例がない。連続レイプ魔であり、非常に暴力的。殺人を犯す事に一切の懸念を持たず、そしてその上に非常に頭が良いのが始末に悪い。全身に入れ墨を施し筋トレを欠かさないその肉体は、もはや恐怖の対象でしかない。

例のよって徹底的に役に入り込んだデ・ニーロ演じるマックスは、何度も何度もサムの前に姿を現し、観客を恐怖のどん底へと叩き落す事だろう。もはやホラー映画と言ってもいい程の恐怖描写の連続に、最後まで目が離せない。

オリジナルへのリスペクト

今作はあくまでリメイク作品であり、オリジナルは1962年の「恐怖の岬」である。オリジナルはスリーピー・アイことロバート・ミッチャムと若きグレゴリー・ペックの対決が非常にスリリングであった。しかし時代のせいか、妻と娘が添えもの扱いされていた事が非常にもったいない。

しかしリメイク版では妻と娘のパートを大幅に増加。特に娘役のジュリエット・ルイスのキャラクターは大幅に改変され、全体的にエロチックな要素が増えているのもリメイク版の特徴と言えるだろう。

またオリジナルの主人公であるグレゴリー・ペック、悪役のロバート・ミッチャム、警部役にマーティン・バルサムが、三人ともリメイク版に登場しているのも面白い。しかもグレゴリー・ペックは悪役を弁護する弁護士、ロバート・ミッチャムは主人公を援護する優しい警部、マーティン・バルサムは悪役に有利な判決をくだす判事を演じていて、三者ともあえてオリジナルとは正反対の役を演じさせているのが憎らしい配役と言えるだろう。これこそリメイクの醍醐味だとも言えるかもしれない。


どんなに凶悪な犯罪者でも、強靭な肉体を持った人でも、心のどこかに優しさや思いやりの気持ちを持っていて、そこに入り込む隙があると思っていました。しかし、今作でロバート・デ・ニーロ演じるマックスは優しさや、そこに付け入る隙が一切ありませんでした。
見たままの悪人で、そこに理由や意味は無く、ただ自分の本能のままに動く姿がとても怖かったです。
今でこそ重鎮というイメージがありますが、若い頃の彼は狂気と闇を持ち合わせた緊張感のあるキャラクターがものすごく似合うなと感じました。(女性 30代)

映画『ケープ・フィアー』 まとめ

マーティン・スコセッシによる過剰な演出、ニック・ノルティの大袈裟な演技、ロバート・デーニーロの強烈な悪役像、オリジナルの音源を使用した音楽、オリジナルの役者を起用するユーモア感覚など、今作はリメイクとしては非常にクオリティの高い作品と言えるだろう。今作を見て興味がわいた人は、是非ともオリジナルの「恐怖の岬」も合わせて鑑賞して欲しい。

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